あなたは、日頃、
〈自分は、人とわかりあえることが少ない〉
〈こころから夢を語れる人がいなくて寂しい〉
〈素敵な人と、同じ目標に向かって進みたい〉
といった思いや感情を抱えていませんか。
時代が移り変わっていく中、貴女のまわりの人間関係は希薄化しています。
貴女が心から信頼できる人や、情熱をもって夢を語りあえる人は、世の中全体から少なくなっています。
生きづらさを感じながらも前向きに生きたいと願う貴女が、本物の愛を育むこころへと成長させていく3つの方法を見ていきましょう。
名著の言葉に学ぶ
人間のこころの中には、一つの宇宙があります。そしてその宇宙は、それぞれ独自のもので、個別性があります。私たちがこの世に生まれたのは、宇宙の大きな力が働いた結果です。科学者たちは、遺伝子や細胞内のミクロの世界から宇宙の果てまでを観察しようと日夜努力していますが、人間の精神というものは物体ではないので、科学的に見える形で観察することができません。そういった意味で、貴女の精神を育て、開花させていくためには、過去の哲学者たちの残した書物に学ぶことが大切です。宝石のように美しい言葉が、貴女の悩めるこころを鎮め、愛を育む力を育てます。
貴女には、“こころから分かり合える人に傍にいて欲しい”と願う気持ちがあると思います。まだ、そのような方と出会えない時、現れない時期もあるでしょう。そんな時には、貴女のこころの中の原石を見いだすためにも、好きな哲学者をみつけて親しんでみましょう。悩んだ時こそ、心にぐっとくる言葉に出会うものです。
例えば、スペインの代表的な哲学者ウナムーノは、「愛は、愛の対象を通して、その奥に存在する何ものかを死にもの狂いで探し求めるが、それを見いだせずに絶望する」という言葉を残しています。愛しい人を深く理解したいと欲しても、すれ違ってしまうもどかしさは、誰しも大なり小なり経験するのではないでしょうか。また、どれだけ理解したと思っても、相手を理解しつくしたということはありません。過去の偉人も愛をめぐって苦悩していたことを知り、小さな存在である自己と重ねて共感する自由が人間には与えられています。
分かり合えないという限界を、自身の心の中で抱えていることを前提にすると、不思議なことですが、未来の希望を語り合えるパートナーの存在は、ますます輝いてきます。人は、暗闇の中にいる時でも、理解しようとして見守っていてくれる人に支えられ、また時には支えながら、お互いが困難を乗り越えていくことができる存在です。そうして壁を乗り越えた経験が、さらに貴女を、強く美しい女性に変身させていく糧となるのです。人を信じることの素晴らしさを体感しながら、精神的にもより高いレベルに到達していきます。
愛は技術であることを学ぶ
少し違う角度から、愛を育む方法をみていきます。
愛は技術だと言うと、多くの方は驚かれるでしょうか。
エーリッヒ・フロムという精神分析学・社会心理学者の『愛するということ』という著作では、「愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に、全面的に自分を委ねることである。愛とは信念の行為であり、わずかな信念しかもっていない人は、わずかしか愛することができない。」とあります。
普段、損得勘定でものを考え、利害関係で結ばれている社会で生きていると、どことなく心がすさんで、人間不信になることがあります。愛するからこそ愛されるという「希望」に身を投じて行動し、その見返りを求めないことは決して簡単ではありません。
ただ、生涯をかけて貴女の魂を育てていくためには、価値ある試練と言えるかもしれません。そのような試練の生涯を貫いた方が、あのキリストだと言えるのではないでしょうか。キリストは、クリスチャンでない方も知る偉大な聖人ですが、ご存知の通り、愛を解き、実践する人生を歩みました。当時の世の中の人々の中にも、キリストの愛を受け入れた人もいれば、信じない人もいました。そういった中で、キリストは最後まで愛の信念を貫いたのです。キリストの生涯は、二千年以上も後に生きる東洋に生きる私たちの心にも何らかの影響を与えています。
キリストやマザーテレサのような聖人にはなれなくても、キリスト教を信仰するということではなくても、貴女が常に心に置いて、尊敬できる人を心に持つことは大切です。愛に生きた人に憧れ、感動するなら、貴女の中にわずかでも、その精神エネルギーが貫通しているのです。そういう自分を信じて、大切にして、育てていきましょう。
フロムは、愛は能動的なものとも言っています。誰かを愛することで傷つくこともあるかもしれません。そんな時には、キリストの受難に比べたら、テレサの苦悩に比べたら、と思ってみるのはどうでしょうか。愛を育み、成長させていく技術を学ぶ方へ、ベクトルを変えていくことができるのは、貴女自身しかいないのです。自らがどのような人間として、女性として生きるのかという信念が、愛することのできる心を持続させ、育ててくれます
運命を共にする覚悟を持つ
今、誰かの愛を感じている貴女は、心のどこかで、その愛が失われることに恐れを抱いているかもしれません。自分が、どれだけ相手を愛することができるか、相手の苦悩や不幸も背負って歩めるかどうかを貴女の心に尋ねてみましょう。自らの愛の深度を確認してみることで、愛の成熟度が感じられます。貴女は、愛されるから愛するのではなく、愛するから愛されるという愛の関係に自己を導く時期にさしかかっているのかもしれません。
出会った時の感情は、年とともに変化が生じ、激しい感情は永続することはありませんが、成熟した愛は一生続きます。分かり合えない中で、お互いが成長し続けられるように、寄り添い、支え合いながら、魂の高みを目指すことのできる関係を持続できれば素敵ですね。
常に、それぞれの魂は直に宇宙と繋がっていることを思い出してみましょう。貴女が見ている星と、貴女の大切な人が見ている星は違う星かもしれません。でも、夜空に、それぞれの星は美しく輝いています。お互いを認める努力を重ねて、愛を育んでいけるとよいですね。
価値を感じるものに打ち込んでいく
何が幸福かは、貴女のこころが決めることです。貴女自身の幸福は、貴女のこころが決められます。賢い王様として名高い、古代イスラエル王ソロモンの「人間が心で思ったこと。それがその人の真の姿だ」という言葉が今に伝えられています。心に思い浮かぶ言葉が貴女自身なのです。もっともっと、価値のある人間へと成長していきたいと感じるなら、歴史と対話をして、精神を育てる言葉を自ら求めて、触れ続けていきましょう。
世の中をよりよくする価値あるものに打ち込んでいく行為そのものが、大きな愛の営みです。この宇宙に生まれた人間には、そのように生きる定めが与えられているのです。貴女の運命を信じて突き進む時、同じ思いを抱くパートナーとの新しい出会いが待っているでしょう。