
怖い顔をしているけれど、人々を困難から救い、煩悩や悪など悪いものを断ち切ってくれるといわれているのが不動明王です。
そんな不動明王がついている人は、常に努力を怠らず、自らの目標に向かって邁進することができる強さを持てるといわれています。
今回は、その不動明王について、そして不動明王がついている人の特徴について紹介していきましょう。
不動明王が祀られている寺社についても紹介するので、参拝に行く際の参考にしていただければと思います。
目次
不動明王は怒りで全ての人を救う仏様
不動明王は、インドの神話に登場する神様、シヴァ神が起源とされており、怒りの表情が特徴的な仏様です。
降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王とともに“五大明王”と呼ばれることもあります。
また、大日如来が人々を救うために自ら如来という最高仏の地位から明王となった、その化身ともいわれています。
不動明王の梵字は「カーン」ですが、この梵字にも悪を断ち切り、人々を困難から守るという意味を持っているとされています。
怒った表情で右手に剣、左手に鎖を持ち、背には炎を背負うという姿をしており、右手の剣で人の煩悩を断ち切り、左手の鎖でどんな人でも救い、背中に背負う炎で罪や煩悩を焼き払ってくれる、慈悲深い仏様とされているのです。
その怒りの表情も、恨みや憎しみではなく、母が子を叱るときのように愛情を持った怒りの表情であるといわれており、現在でも日本各地に不動明王を祀る寺社が多く存在します。
不動明王がついている人の10の特徴
不動明王がついてくれていて、守護神となっている人にはあるスピリチュアルな特徴が表れます。
ここでは、不動明王がついている人に現れる特徴について、詳しく説明していきましょう。
仏教、特に不動明王を信仰している
不動明王を信仰している気持ちが強く、日々真言を唱えるなど、日常的に不動明王を信じる心を持っている人には、不動明王が守護神としてついてくれています。
不動明王がついてくれることで、運気が上昇したり、煩悩を断ち切り、自身が目標としている物事を達成させるための意欲やさらなる努力する心を後押しする力を与えてくれることでしょう。
酉年の生まれ
仏教では、干支によって守り本尊というものがあります。
それぞれの干支で、その干支生まれの人の守護をしてくれる仏様が決められているのです。
- 子年:千手観音菩薩
- 丑・寅年:虚空蔵菩薩
- 卯年:文殊菩薩
- 辰・巳年:普賢菩薩
- 午年:勢至菩薩
- 未・申年:大日如来
- 酉年:不動明王
- 戌・亥年:阿弥陀如来
不動明王は酉年生まれの守り本尊であり、酉年生まれの人は、生まれながらにして不動明王の守護を受けていると考えることができます。
もちろん、生まれ年が酉年以外の人は不動明王の加護を受けることができない…というわけではなく、酉年生まれの人は生まれた時から不動明王に守られているのだ…という意味になりますから、信仰することで不動明王に守ってもらうことはできるのです。
向上心が強く努力を惜しまない
常に今以上を目指す向上心、努力する強い意志を持ち続けている人は、不動明王がついてくれている人だと考えられます。
不動明王は慈愛の心に満ちた仏様ですから、頑張っている人に対して、常に応援する気持ちを持ち、見守ってくれているのです。
何を頑張っているか、どんな目標を持っているかは仕事だろうが、趣味だろうが、育児や家事だろうが、どんなことでも関係はありません。
どんなことでも頑張っている人、もっと上を目指している人に力を貸してくれるのです。
逆境を乗り越える強さを持つ
逆境を乗り越える強さを持っている人も、不動明王に守られている人です。
どんな困難に向き合ってしまったとしても、どんなに回りに味方がいないと感じて一人で頑張らなければいけない状態にあったとしても、それでも決して挫けることなく努力を継続させることができる心身の強さというのは、その人が本来持っている心身の強さにプラスして、不動明王の加護を受けることができていると考えていいでしょう。
その強さこそが、向上心や努力を継続させる心へと繋がっているのだといえます。
人の役に立ちたいと思っている
人の役に立ちたいという気持ちが強い人も、不動明王がついている人です。
不動明王はすべての人を救ってくれる仏様であり、さまざまな悪や災難から人を救い、そして煩悩や悪いものを取り去ってくれる仏様です。
その不動明王がついている人は、自然と誰かを助けたい、誰かの力になりたいという気持ちが強くなります。
決して見返りを求めているわけではなく、人を助けることによって自らが成長できると捉え、損得勘定なしに動くことができるのは、不動明王がついてくれているからこそなのだと考えることができるでしょう。
自己探求し悟りへの道を進んでいる
不動明王がついている人の特徴として、自己探求ができており、悟りへの道を歩みつつあるという点が挙げられます。
人に優しく、人を助けることばかりではなく、自分ときちんと向き合うことができており、自分が何を求めてどこに向かっているのかを理解できている人は、不動明王がついている可能性が高いということもできるでしょう。
このような自己探求がきちんとできている人は、悟りへの道を歩みつつある人ということで、この先も努力を続け、さらに悟りへと進み続けることができる人なのです。
強い情熱と信念を持っている
不動明王が背中に背負っている炎は、人の煩悩や悪を焼き払う炎であると同時に、人の内面に秘められた情熱や信念を表す炎でもあるのです。
そのため、不動明王がついている人は不動明王が背負っている炎のように強い情熱、しっかり芯が通り曲がることのない信念を持っているといわれています。
周りがどんなに無理だといっても、何度壁にぶち当たったとしても、決して揺るがない信念と、決して温度が下がったり、細ってしまうことのない情熱を持ち続けていけるでしょう。
正義感が強い
不動明王は、人々を煩悩や悪から守ってくれる仏様です。
そのため、不動明王がついている人も不動明王と同じように、正義を貫き、悪を許さないという思いを強く持っています。
正しい道を進む人や常に正義感をもって生きる人を不動明王は力を与え、支えてくれるのです。
不動明王に守られている人は、よりその気持ちが強くなり、人のため、自分のために正しい道を歩み続けることができるでしょう。
不動明王と縁がある
不動明王がついている人は、不思議と不動明王とのご縁が深いといわれています。
例えば実家が先祖代々不動明王を信仰していたり、幼い頃から家族でお不動様にお参りする習慣があった、頻繁に不動明王を目にすることがある、名前を聞くことがあるといった具合に、ご縁を意識するような出来事が頻繁に起こるのです。
これは、潜在的に自分自身が不動明王に守られていることを理解しているサインであり、また不動明王の加護を受けることができているサインとしてとらえると良いでしょう。
生まれながらの困難を背負っている
不動明王は、厳しい環境において頑張っている人を応援し、力を貸してくれることが多いといわれています。
そのため、生まれながらに障がいがあったり、厳しい環境で生まれ育った人には不動明王がついてくれるのです。
困難な家庭環境で生まれ育っていたとしても、決して挫けたり、ひねくれたりすることはなく、まっすぐ正しい道を歩んできた人は、不動明王の加護を受けてこれまで生きてきたのだと考えてもよいでしょう。
不動明王に守護してもらう方法
生まれ年など関係なく、不動明王の加護を受け、守ってもらうことができるようにする方法はあります。
ここではどのようにすれば不動明王と繋がりを深め、守ってもらえるようになるのかについて説明していきましょう。
真言を唱える
不動明王の真言はいくつか種類があります。
- ノウマク サンマンダ バザラダン カン
- ノウマク サンマンダ バザラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン
- ノウマク サラバタタ ギャティビャク サラバボッケイビャク サラバタタラタ センダマカロシャダ ケンギャキギャキ サラバビギナン ウンタラタ カンマン
心を支配する欲望などの煩悩を取り除き、困難を乗り越える力を授かることができる、そんな力を与えてくれるのが不動明王の真言なのです。
3・7・21・108・1080回のいずれかの回数で唱えることで、より効果を高めることができるとされています。
悟りを開き、魂を成長させ、目の前に立ちはだかる壁を取り払い、困難を乗り越える力を授けてくれる。
そして、迷いや欲望、煩悩を取り払い新たな気持ちで物事を進めていくことができる。
不動明王の真言にはそのような意味があるのです。
また、不動明王の手印は“不動根本印”と呼ばれるもので、両手を合わせて組んだ状態で人差し指を立てて合わせ、親指で薬指の側を押さえる形を取ります。
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真言は聖なる呪文といわれているため、唱えることで危険だといわれることもありますが、決してそのようなことはありません。
エゴや私欲のために真言を唱えたり、中途半端な気持ちで唱えたり、または正しい真言ではない場合には、きちんと効果を得ることができない場合もありますが、唱えることで罰が当たったり、危険な目に合うことはないので安心してください。
不動明王を身近に感じる
不動明王をより身近に感じることで、不動明王に守ってもらえるようになるといわれています。
不動明王の画像を待ち受けにする、不動明王が祀られている寺社で授かったお守りを身に着けるなどして、不動明王を身近に感じることができれば、自然と信仰心も深まるでしょう。
信じる気持ちを不動明王がくみ取り、守ってくれるようになっていくのです。
自分を律する努力をする
不動明王は努力している、頑張っている人の味方となってくれます。
そのため、自分を律する気持ちをもって自分を高めていこうとしている人は不動明王に守ってもらえるのです。
自分がなりたい自分、自分が成し遂げようとしている目標…それらのために時には自分に厳しく、一生懸命努力を重ねることで、自然と不動明王の加護を受けられるようになっていくでしょう。
自分を大切にすることと甘やかすことは別のことですから、そこをはき違えないように自分の幸せのために生きていれば時には困難にぶつかることもあるはずです。
それを乗り越えようともがいて、あがいているときこそ、不動明王とのご縁を深めることができます。
お護摩祈祷でお祓いをしてもらう
引用元:不動明王護摩祈祷| 定福寺
日本各地に、不動明王をご本尊とする寺社、不動明王の護摩祈祷を行ってくれる寺社が存在します。
このご祈祷を受けることでも、不動明王とのご縁を結び、加護を受けられるようになるでしょう。
不動明王の護摩祈祷には、煩悩を払う、災厄を祓うといった効果のほか、心願成就…つまり、願望を叶える効果があるといわれています。
不動明王は多くのご利益を授けてくれる仏様であり、祈祷を受けることで、金運招来、恋愛成就、病気平癒、立身出世、商売繁盛、除災招福、疫病退散、身体健全、家内安全、国家安泰といったご利益を得ることもできるのです。
ご祈祷を受けることで、不動明王を信仰する気持ちも強くなり、結びつきが強くなっていくため、不動明王が守ってくれるようになると考えましょう。
厄除けに恋愛成就も!不動明王のご利益とは
不動明王のご利益は、死後や来世ではなく、今自分たちが生きている現世においてもたらされるものがほとんどです。
一説には、大日如来が現世でのご利益を授けることができるよう、不動明王に姿を変えたとされています。
不動明王が授けてくれるご利益は、以下のとおりです。
- 厄除け
- 災難消除
- 病気平癒
- 福寿増長
- 金運招来
- 商売繁盛
- 学業成就
- 立身出世
- 家内安全
- 国家安泰
- 交通安全
- 航海安全
- 恋愛成就
- 煩悩退散
- 世界平和
- 修行者守護
- 国土安穏
- 縁結び
恋愛や健康、そして世界平和までと広い範囲で現世にご利益を授けてくれます。
縁結びにおいては恋愛だけでなく友人や家族、仕事など、あらゆる人や物との縁を結んでくれるといわれており、悪い縁は断ち切ってくれるともいわれているのです。
不動明王の手印
不動明王の手印は、“不動根本印”と呼ばれるものです。
まずは、右手の指を左手の指の上にして組み、掌の中で指を交差させるのが不動根本印であり、不動明王の根本的な力を表す手印とされています。
この手印を結ぶことは、不動明王の力を借りることであり、不動明王の持つ智慧や慈悲、そしてあらゆる障害や煩悩を打ち破る力を得て、発揮することができるとされているのです。
両手を合わせ、それぞれの指をぐっと拳のように握りしめた形が宝山印です。
拳のようになった手の形が山のように見えることが名前の由来となっています。
ただ、この宝山印が不動明王の印として一般的に使われることはないようです。
右手の指を左手の指の上に乗せて組み、鍵のように引っかけあうのが頭印です。
煩悩を断ち切り、不動明王の智慧と力を自らの内側に取り込むことを意味しています。
両方の手の指を組み合わせ、親指と薬指の側面で他の指を握り込むようにし、人差し指だけ立てるのが眼印です。
右目は大きく見開いて天を睨み、左目は細めて地を見つめる不動明王の姿を現している手印とされています。
口印は不動明王の真言を唱える際に結ぶと良いとされている手印です。
これによって、不動明王と一体化することができると同時に、悟りの境地を目指せるようになるとされています。
心印は両手ともに親指、人差し指でわっかを作り、他の3本の指は立てて両手の指の腹を合わせるというものです。
心印を結ぶ際に心の中で不動明王を念じるようにするとより高いご加護を受けることができるとされています。
両手の中指の腹だけを合わせて、他の指はまるで花を表すように軽く広げたものが甲印(四処加持印)です。
頭、右肩、左肩、胸の四カ所を加持し、災厄を払うとされている手印となっており、この手印を結ぶことで幸せを運んでくれるとされています。
甲印(四処加持印)よりももう少し、大きく指を広げたものが獅子奮迅印です。
もともと、獅子奮迅という言葉は、仏陀の教えを説く際に獅子が力強く吠える様子を表現したものが語源となっており、不動明王のその力を表す手印と捉えることができます。
左の掌を広げ、その中心を右手の人差し指で指さす手印が火炎印です。
不動明王が持つ力を示した手印とされています。
両手の甲の小指から中指辺りまでを合わせ、指を握り込み、親指は人差し指で抑え込むようにして中指の隣に出します。
これが、火炎輪止印(制火印、遮火印)です。
不動明王の力を表し、災難を除ける効果を得られるとされています。
両手で“ピース”を作り、左手の人差し指と中指は伸ばし、右手の中指は左手の中指と腹同士をくっつけます。
人差し指は少し曲げるようにしたのが、法螺印(商佉印)です。
法螺貝を吹く様子を表したとされている手印であり、邪気を追い払うとされている手印でもあります。
剣印(朅伽印)は、両手の人差し指と中指を立て、他の指は握り込みます。
左手の親指を伸ばし、右手の人差し指と中指を上から押さえるようにし、包み込みます。
煩悩を断ち切り、仏の知恵を象徴する手印とされています。
右手の人差し指をまっすぐ伸ばし、他の指は握り込みます。
左手で右手の人差し指を包み込むように握るのが、羂索印です。
不動明王ならではの手印というわけではありませんが、この手印によって不動明王のご利益を授かることができるといわれています。
右手の親指と人差し指で輪を作り、他の指は立てるのが三鈷金剛印です。
目の前にある障害を取り除くことができるといわれている手印であり、同時に煩悩を打ち砕くともいわれています。
不動明王を本尊としてお祀りする有名なお寺
日本各地にある不動明王をご本尊とする寺社。
ここでは、その中でも特に有名でご利益があるといわれている寺社を3か所、紹介していきたいと思います。
成田山新勝寺
千葉県にある成田山新勝寺のご本尊は不動明王であり、弘法大師空海自ら敬刻開眼されたといわれている、霊験あらたかな不動明王像です。
学業成就や健康長寿、商売繁昌をはじめとしたあらゆる心願いを叶えるご利益があるといわれており、年間1000万人をこえる参拝者が訪れるお寺となっています。
住所 | 〒286-0023 千葉県成田市成田1 | ||
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電話番号 | 0476-22-2111 | ||
参拝時間 | 24時間参拝可能
ご祈祷受付:8:00~15:30 |
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ホームページ | 大本山成田山新勝寺 |
中野不動尊
引用元:中野不動尊【公式サイト】|福島県福島市 厄除け難除けの日本三不動
地元では“中野のお不動様”の名前で親しまれ、三不動とも呼ばれている福島県の中野不動尊は、恵明道人が山神のお告げによって不動明王を祀り不滅の聖火を灯したのが始まりです。
三不動という名称にはもうひとつ意味があり、境内にはご本尊である厄除不動明王、そして眼守不動明王、さらに三ケ月不動明王の三体が祀られているからという意味も込められています。
住所 | 〒960-0261 福島県福島市飯坂町中野堰坂28 | ||
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電話番号 | 024-542-2100 | ||
参拝時間 | 参拝時間:8:30~17:00 ※10月中旬〜12月:8:30~16:00 御祈祷受付時間:8:30~16:30 電話受付:8:00~17:00 |
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ホームページ | 中野不動尊 |
高野山別格本山 明王院
弘法大師が嵯峨天皇より高野山の地を賜った際、創建されたのが明王院です。
日本三不動のひとつであり、赤不動の寺として全国からたくさんの人がお参りにやってくるお寺となっています。
ご本尊となっている赤不動尊は感得像であり、弘法大師の甥っ子である智証大師円珍和尚が、修行中に自らの中で感じ取った不動明王の姿を、自らの血を混ぜた岩絵の具で描いたとされています。
住所 | 〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山146 | ||
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電話番号 | 0736-56-2106 | ||
参拝時間 | 要確認 | ||
ホームページ | 高野山別格本山 明王院 |
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「不動明王のお力を借りて満ち足りた日々を送ろう」

現世における人々の願いを叶えてくれるから、日々を一生懸命生きている人達は不動明王様の加護を受けられるよう、真言を唱えましょう。
必ずやり遂げる力、どんな困難にも負けない力を授けてくれるはずよ。
不動明王に守ってもらうことで、幸せな日々を送ることができるわ。
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