
「一霊四魂(いちれいしこん)」とは、日本古来の神道思想において語られる魂の構造モデルです。
これは、「人は1つの霊=神性(本質)と、4つの魂=性質やエネルギーを持っている」という考え方で、人間の本質や行動、感情の成り立ちを深く理解する鍵となります。
現代スピリチュアルやヒーリング、自己探求にもつながる一霊四魂の概念。
この記事ではその意味・構造・それぞれの魂の役割・人生への影響・実践的な活かし方を、わかりやすく紹介していきます。
一霊四魂を理解すると、自分自身の精神状態や魂のレベルも分かるようになるかもしれません。
一霊四魂とは?神道における魂の構造の基本概念
一霊とは|すべての魂の根源=神性の核
「一霊」は、すべての人に共通して宿る“神そのものの光”とされる存在。
仏教でいう「仏性」や、スピリチュアルでいう「ハイヤーセルフ」に近い概念です。
ハイヤーセルフは高次の存在で、神と繋がる内なる神性だともいわれています。
変わることのない普遍の霊であり、人生を通じて私たちを導く中心軸とも言えます。
不滅であり清浄の存在です。
四魂とは|荒魂・和魂・幸魂・奇魂の4つの性質
この一霊のまわりに存在し、現実世界での感情・行動・性格に影響を与えるのが「四魂」です。
魂 | 特性 | キーワード |
---|---|---|
荒魂 | 動・攻め | 勇気・行動・闘志 |
和魂 | 静・守り | 調和・癒し・受容 |
幸魂 | 愛・育み | 幸運・繁栄・つながり |
奇魂 | 直感・変容 | 霊性・創造性・インスピレーション |
私たちが生きるために抱く心の働きに置きかけて考えることもできます。
自分らしく、本来の力を目覚めさせる覚醒に向かって進むためには、こちらの四魂のバランスが整っていなければなりません。
バランスの整いについては以下でご紹介します。
一霊四魂は「人間の本質」を表す図式
この一霊と四魂を円形に配置し、全体としてひとつの存在=人間とみなすのが「一霊四魂」の図式。
すべての魂が過不足なく機能してこそ、本来の自己として生きられると考えられています。
本来の自己では、一霊四魂のバランスは調和がとれているものです。
しかし、現世では、物質的な存在などもあり、四魂がバラバラに働くことで不調和を感じることも少なくありません。
分かりやすくいえば、精神が整わない時がその時です。
ただ、魂が成長していく過程で四魂のバランスの調和は取れるようになり、神性と融合していきます。
覚醒に至る結果を導き出し、本来の自己に目覚めていきます。
四魂の役割と特徴|魂を構成する4つの性質とは?
荒魂(あらみたま)=行動力・闘志・変革の魂
荒魂は「動」のエネルギー。
行動力・挑戦・怒り・守る力など、物事を動かすための原動力となります。
新しいことにチャレンジしたり、自分や大切なものを守るために立ち上がったりするd力は、荒魂が活性化しているサインだといえます。
ただし、過剰になると攻撃的になったり、衝動的になることもあるため、和魂とバランスを取ることが鍵になります。
怒りや激しさは、ポジティブにもネガティブにも出るので、荒魂が強くなると注意が必要です。
ポジティブに出ると決断力を発揮したり、困難に立ち向かう勇気が湧き出たりしますが、ネガティブになると、怒りっぽくなったりトラブブルメーカーになったりします。
「火」のようなエネルギーと表すこともあり、「行動したい」「突破したい」「挑戦したい」と強く感じる場合が少なくありません。
和魂(にぎみたま)=調和・癒し・受容の魂
和魂は「静」のエネルギー。
愛・癒し・受容・平和を象徴し、人とのつながりや感情をやさしく包む力を持っています。
和魂が育つと、人との摩擦が減り、自然体で人に優しく接することができるようになります。
荒魂とのバランスで「やさしさと強さ」の両立が可能になります。
和魂をスピリチュアルな意味で紐解くと、相手を思いやる心が生まれ、人を癒したいと思うようになるもの。
誰かを赦せるようになったり、自然との一体を感じたりする場合、和魂が強く働いている証拠です。
良い意味ばかりに感じる和魂ですが、こちらもポジティブなものとネガティブなものがあります。
ポジティブな場合は、共感力が高まり優しくなりますが、ネガティブが出れば自分を押さえすぎて人に振り回されやすくなります。
上記の荒魂と今回の和魂をあらわす象徴的な神様がいます。
荒魂は「須佐之男命」、和魂は「天照大御神」ですから、日本神話の視点から確認したい方はこちらの記事をご参照ください。
幸魂(さきみたま)=繁栄・幸福・愛の魂
幸魂は、人に喜びや成功をもたらす「福の神」のようなエネルギー。
人との関わりの中で愛や豊かさを育む魂であり、コミュニケーション能力や人気運とも関係しています。
幸魂が満ちている人は、周囲に人が集まり、自然と好循環を作り出します。
感謝や豊かさ、愛の循環というキーワードもあります。
自然に「ありがとう」と言えたり、豊かな感情をシェアしたいと思った時などは幸魂が輝いている証です。
幸魂の象徴は、異性神宮の外宮の主祭神の「豊受大神」です。
良い意味で現れると、感謝を忘れない人となり、人からも好かれやすくなります。
しかし、悪い状態で現れたならば、感謝の気持ちを忘れ、物質的なものに依存するでしょう。
愛がしっかりと循環するようにバランスを整えてポジティブな波紋の中心にするべきものです。
奇魂(くしみたま)=直感・創造・霊的な力
奇魂は、「くしびるし=不思議」という言葉に由来し、直感・霊感・創造性・変容の力を象徴する魂。
アーティストやヒーラー、スピリチュアルリーダーに多く見られる要素です。
奇魂が働くと、ひらめきや偶然の一致が増え、「導かれている」感覚が強くなります。
不思議な縁を感じたり、導きによって神秘的な体験をしたりすることもあるのです。
スピリチュアル感性が強く出るのは、四魂の中でも奇魂。
奇魂の象徴的な存在は、目に見えない力を使いこなす「少彦名命」です。
さて、奇魂がポジティブな形で出るとインスピレーションが鋭くなり、アーティスト気質になる人もいます。
一方でネガティブに出ると、現実逃避をして、妄想や幻想に苛まれてしまうこともあります。
五感を研ぎ澄ます状態を維持していることが大切です。
一霊四魂のバランスが人生に与える影響とは?
どれかに偏ると人生が不安定に?
一霊四魂のバランスが整っていれば何も問題なく、人生の意味を持って謳歌できるでしょう。
しかし、現世ではそのバランスが崩れてしまうことが少なくなく、人生に影響を与えています。
影響は、人生の偏りが起こったり、心身の不安定さが出やすくなるというもんです。
例えば、
となる傾向があるといわれています。
前項でお伝えした「ネガティブな状態」です。
つまり、四魂はバランスがとれて初めて“本来の自分らしさ”を発揮できる状態に繋がります。
現実にズレが出てくると、素直になれずに直感が働かなくなり、自分らしい道を歩めなくなるのです。
自分の魂の傾向を知るチェックポイント
自分に今どの魂が強く表れているかを感じ取ることで、今必要な行動や内省が見えてきます。
なかなか行動的になれなかったり、調和と取れなかったり、幸せを受け取れない、何にも導かれていないなどと感じる場合は、ぜひチェックしてみてください。
どの魂や優位になっているのか弱まっているのかが分かり、整えるための次の行動に繋げられます。
四魂の調和で人生はスムーズに回り出す
「なぜかうまくいかない」「流れに乗れない」と感じるとき、魂のどこかが偏っている可能性があります。
四魂のエネルギーを意識的に使い分け、日常生活の中で整えることで、人生の巡りは驚くほど軽やかになります。
結果的にチャンスに恵まれ、豊かさが循環することで、良い流れがやってきます。
その流れに乗ることで、求めている自分らしい人生が進んでいくはずです。
スピリチュアル的に見る一霊四魂の現代的解釈
チャクラやエネルギーボディとの対応
一霊四魂は、スピリチュアルでいうチャクラシステムやエネルギー体とも共通点があります。
チャクラとは、人の身体に存在する7つのエネルギーセンサーを指します。
身体と心が結ばれており、バランスを整える役割があるといわれています。
そんなチャクラは一霊四魂に対応しているのです。
一霊四魂 | チャクラ的対応 | エネルギー性質 |
---|---|---|
荒魂 | 第1・第3 | グラウンディング・意志・行動力 |
和魂 | 第4 | 愛・調和・感情 |
幸魂 | 第2・第5 | 喜び・表現・創造 |
奇魂 | 第6・第7 | 直感・霊性・統合 |
魂の進化と四魂の統合
人生を通して私たちは、この四魂をバラバラに使うのではなく、一つの統合されたエネルギーとして昇華させていくプロセスにいます。
それが「霊格が上がる」「魂が成熟する」といったスピリチュアル的成長です。
魂が成長、進化している状態で、まさにこの世に生まれて生きている意味だともいえます。
バラバラになっている四魂を統合して、中心とされる一霊と一致する、これで目覚めを引き起こし、覚醒やアセンションに繋がっていきます。
ちなみに、「四魂の統合」というのは、バランスが整い、四方に広がっているそれぞれのエネルギーが中心に収束することを指します。
お互いに補いながら、調和していくことで統合されて、「神人合一」の状態となります。
神性に目覚めた状態です。
目覚めの時代に必要な「魂のセルフケア」
今は魂レベルの目覚めが加速する時代。
だからこそ、自分の魂のバランスに気づき、整え、磨いていくことが求められています。
それだけで、四魂は自然と調和を取り戻していきます。
現在は情報過多で、刺激が多いことで四魂がバラバラになりがちです。
しかし、直感や魂の導きということに興味を持って取り組む人も増えています。
魂のセルフケアが注目されているのは偶然ではなく、実際に魂のケアをする時代に突入しているから。
上記のことを中心に、自己調整していきましょう。
占い師sakuraのワンポイントアドバイス「一霊四魂を理解することは“本当の自分”に出会うこと」

これらを意識し、バランスよく生きることで、私たちは“一霊”=本来の神性としっかりつながることができるのです。
本当の自分を知りたい、もっと自然体で生きたいと感じる方は、ぜひ日常の中でこの「四魂」を感じてみてください。
きっと人生が、少しずつでも確かに、変わっていくはずです。