
神社や神話に関心のある方なら、一度は耳にしたことがある「荒魂(あらみたま)」と「和魂(にぎみたま)」。
これらは、日本の神様に宿る2つの魂の性質を表した言葉です。
「荒魂=怖いもの?」「和魂=優しい魂?」といったイメージが先行しがちですが、実はどちらも私たちの人生に深く関係しています。
この記事では、荒魂と和魂の違い・意味・神社での扱い・スピリチュアルな解釈まで、わかりやすく解説します。
目次
荒魂(あらみたま)とは?スピリチュアル的な意味と役割
荒魂の特徴|変革・闘志・破壊と創造
荒魂とは、神様の持つ動的で力強い側面のことをいいます。
日本神話でも登場しますが、スピリチュアルな概念でも触れることがあります。
変革、挑戦、守護、闘いといったエネルギーを象徴し、「事を起こす力」ともいわれます。
新しい変化を生み出すことで困難に対応することが可能で、闘志を燃やす特徴も。
変化を生み出すということは、古いものや既存しているものを破壊すると言い換えられます。
破壊と創造のサイクルも生み出すのです。
スピリチュアル的には、人生において壁を乗り越えるとき、前に進む勇気をもたらす存在です。
神様の怒りだったり祟りだったりを表わすこともあり、藤原道長がいい例でしょう。
どんな神様に荒魂が宿るのか?
有名な例では、天照大御神の荒魂=天手力男神(アメノタヂカラオ)、素戔嗚尊(スサノオ)も荒魂的性質が強いとされます。
日本神話に登場する中心的人物である天照大御神と素戔嗚尊について下記では詳しく記載してるので合わせてチェックしてみましょう。
強力なエネルギーを持つ神々は、荒魂の側面が色濃くあらわれることがあります。
荒魂の側面とは、荒々しい面だったり積極的な面だったりします。
これらの面のエネルギーが激しいので宿りやすいのかもしれません。
荒魂を祀る神社の代表例
伊勢神宮の荒祭宮(あらまつりのみや):天照大御神の荒魂を祀る
天照大御神の荒御魂が祀られています。
正宮に次いだ尊さがあり、祭典が行われる場合は、正宮の後に執り行う場所です。
他の別宮よりも大きく創造されており、何かを起こす前にご加護を授かるように参拝する方がたくさんいらっしゃいます。
主祭神 | 天照大御神 | ||
---|---|---|---|
ご利益 | 心願成就、前向きな力や勇気、ご加護など | ||
開門時間 | 24時間 | ||
電話番号 | 0596-24-1111 | ||
公式ホームページ | https://www.isejingu.or.jp/about/naiku/betsugu.html | ||
所在地 | 〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1 皇大神宮内(伊勢神宮 内宮 | ||
地図・アクセス | |
建御雷神(タケミカヅチ)を祀る鹿島神宮:武神としての側面が強い
引用元:鹿島神宮 | 常陸国一之宮
鹿島神宮の奥宮に荒御魂が祀られています。
鹿島神宮には「勝利祈願」のために訪れる方が多く、それは武神としての側面が強い建御雷神(タケミカヅチ)の荒魂がいらっしゃるからです。
奥宮を参拝する際には、静かにできるだけ音を立てないでいるのがマナーとなっています。
またパワースポットでのある鹿島神宮にご興味がある方が以下もご参照くださいね。
参拝時間 | 8:00~18:00 | ||
---|---|---|---|
閉門日 | 無し | ||
電話番号 | 0299-82-1209 | ||
公式ホームページ | https://kashimajingu.jp/ | ||
所在地 | 〒314-0031 茨城県鹿嶋市宮中2306−1 | ||
地図・アクセス | |
これらの神社では、訪れる人が「背筋が伸びるようなエネルギー」を感じることもあるでしょう。
和魂(にぎみたま)とは?癒しと調和のエネルギー
和魂の特徴|平和・育成・守護のエネルギー
和魂は、神様の穏やかで調和的な側面を表します。
癒し、調和、育成、保護といったエネルギーに満ち、スピリチュアル的には「物事を穏やかに導く力」とされています。
大和魂を指すこともあり、優しさや実直さなどを表わすこともあります。
調和といわれるように、自己主張を控えて、他人の意見に耳を傾けるような存在です。
日本文化の伝承の役割も持ちます。
日常生活における和魂の働き
人との調和を保ちたいとき、心を落ち着けたいときに和魂のエネルギーを意識すると、穏やかな変化が起こりやすくなります。
和魂を信仰することで、人間関係を安定化させ、その結果精神のバランスを整えることができます。
穏やかな感情や思いやりある言動を行えるようになります。
和魂を強く感じられる神社とは?
大物主大神を祀る大神神社:三輪山は「神の宿る山」
奈良県にある日本最古の神社です。
ご神体は三輪山で、大物主大神を祀っています。
本殿はありません。
それは、拝殿から鳥居をとして山を拝むからです。
自然のエネルギーを感じられることから和魂を感じられる神社だといわれています。
また大神神社には不思議な噂もあります、気になる方は下記の記事も是非チェックしてみてくださいね。
主祭神 | 大物主大神 | ||
---|---|---|---|
ご利益 | 国造り、農業、工業、商業、交通、航海、縁結び、酒造りなど | ||
開門時間 | 9:00~17:00 | ||
電話番号 | 0744-42-6633 | ||
公式ホームページ | https://oomiwa.or.jp/ | ||
所在地 | 〒633-8538 奈良県桜井市三輪1422 | ||
地図・アクセス | |
菟道稚郎子命を祀る宇治上神社:宇治川の水の流れで癒される
引用元:宇治上神社
決して派手な神社ではありませんが、境内全体から温かな気を感じられます。
御祭神の菟道稚郎子命で、他にも応神天皇と仁徳天皇も祀られています。
本殿や拝殿からは木のぬくもりも感じることができると人気です。
主祭神 | 菟道稚郎子命; 応神天皇; 仁徳天皇 | ||
---|---|---|---|
ご利益 | 学業成就、縁結び、勝負運、病気平癒、悪運切りなど | ||
開門時間 | 7:00~16:00 | ||
電話番号 | 0774-21-4634 | ||
公式ホームページ | https://www.ujikamijinja.jp/ | ||
所在地 | 〒611-0021 京都府宇治市宇治山田59 | ||
地図・アクセス | |
荒魂と和魂の違いとは?神道における「二面性」の考え方
「ひとつの神に二つの魂」があるという神道的世界観
神道では、神様に荒魂(あらみたま)と和魂(にぎみたま)という二面性が宿るとされています。
これは「善悪」の区分ではなく、状況に応じて発揮される神性の側面です。
たとえば、天照大御神(アマテラスオオミカミ)は平和と調和の象徴ですが、荒祭宮では荒魂としての力強い面も祀られているのです。
一つの伊勢神宮の中で、和魂の天照大御神と荒魂の天照大御神が祀られています。
天照大御神のように同じ神様の中にも、二面性があることを意味します。
荒魂=動のエネルギー/和魂=静のエネルギー
特性 | 荒魂(あらみたま) | 和魂(にぎみたま) |
---|---|---|
性質 | 動・攻め・変革 | 静・守り・調和 |
キーワード | 闘志、改革、突破、怒り、挑戦 | 癒し、平和、受容、成長、守護 |
発動場面 | 転機、変化、試練のとき | 安定、共存、整えるとき |
このように、両方がバランスよく働くことが、人生や社会にとって理想的とされています。
たとえば、会議で新しい提案をしないといけない時に、荒魂だけでは、自己主張を繰り返しいて協調性を出せずに孤立する可能性があります。
一方、和魂だけならば、意見を伝えることもままならず、ストレスを受けるでしょう。
荒魂も和魂も両方のバランスが働けば、主張しながらも他者の意見を聞ける理想の状態に近づけます。
どちらが良い悪いではなく“バランス”が大切
現代では「和魂=良い」「荒魂=危険」というような偏ったイメージを持たれがちですが、本来はどちらも大切な魂の側面です。
動と静のバランスが崩れると、精神的な不調や人間関係のトラブルにもつながりやすくなるともいわれます。
仕事でも人間関係でも自己管理に至るバランスも安定させていきたいもんです。
スピリチュアル的に見る「魂の性質」と人生への影響
あなたの中の荒魂と和魂|どちらが今強い?
私たち自身の魂にも、荒魂と和魂のようなエネルギーの側面が存在していると考えられます。
最近、何かを「壊してでも変えたい」と感じているなら、荒魂のエネルギーが強まっているサインかもしれません。
逆に、調和・癒しを求めているなら、和魂が前面に出ているのだといえます。
変化を求めているのか、安定を求めているのかから分かります。
魂の波動とエネルギーの状態
スピリチュアル的には、魂の波動は常に変化しています。
人生のステージによって「動」が必要なとき、「静」が必要なときがあるのです。
今の自分にどちらが必要なのかを意識することで、よりスムーズな選択や決断ができるようになります。
「今は行動を起こして変革を起こすべきだ」とリーダーシップを取らなければならない時もあるでしょう。
一方で、空気を和らげて、周囲の人を支えて穏やかに過ごしたいと思う日もあります。
魂の二面性を活かしたスピリチュアルな生き方
荒魂を活かす=行動する、立ち向かう、環境を変える
和魂を活かす=癒す、受け入れる、育む
例えば、大きな転職や挑戦の時期には荒魂のエネルギーを意識し、人間関係や心の安定を望むときには和魂を意識して過ごすといいでしょう。
このように、自分の内側のエネルギーを読み取りながら生きることが、調和ある人生につながるのです。
ただし、荒魂が強すぎて怒りに流されたり、和魂に偏って優柔不断になったりしないように気を付けなければなりません。
占い師sakuraのワンポイントアドバイス「荒魂と和魂のエネルギーを知り、人生を調えるヒントに」

それは神々だけでなく、私たち人間の内側にも備わるエネルギーの性質でもあります。
行動・挑戦・突破=荒魂の働き
癒し・調和・守護=和魂の働き
大切なのは「どちらか一方」ではなく、両方の力をバランスよく使うこと。
あなた自身の今のエネルギー状態を見つめ直し、必要な魂の力を意識的に活かすことで、運気や人間関係もスムーズに変化していくはずです。
スピリチュアルな成長のためにも、ぜひこの2つの魂の存在を、日々の中で意識してみてください。