ファティマ第三の予言とは、聖母マリアによる予言であり、教皇庁によって長らく封印されてきたものです。
2000年になり、公開されることになったものの、その内容に疑問を抱くものが多いことから、“公開された情報は偽物ではないか”と考える人も少なくありません。
今回は、ファティマ第三の予言の内容や、なぜ偽物だといわれてしまっているのについて、解説していきたいと思います。
目次
ファティマ第三の予言とは
まずは、ファティマ第三の予言というのが一体どんなものなのかについて確認していきましょう。
ここでは、ファティマ第三の予言について、一体どのような内容の予言が書かれたものなのかについて詳しく説明していきます。
ポルトガルのファティマで聖母マリアが授けた予言の一つ
ファティマというのは、ポルトガルにある小さな町の名前です。
1916年、このファティマに住むルシア・ドス・サントス、フランシスコ、ジャシンタという3人の子供の前に14、5歳くらいの若者が現れ、自らを“平和の天使”と名乗り、祈り方を教えました。
その後も天使は幾度も3人の前に姿を現し続けましたがその1年後の1917年5月13日に、今度は聖母マリアが3人の前に現れたのです。
“毎月13日に同じ場所に自分に会いに来るように”と聖母マリアから告げられた3人は、その言いつけを守り、聖母マリアのもとに通い続け、その都度さまざまな予言を与えられたといいます。
これは“ファティマの奇跡”と呼ばれ、カトリック教会が公に認めている聖母出現のひとつに数えられており、ここで聖母マリアから授けられた予言こそがファティマ第三の予言なのです。
ファティマの三つの予言の内容
ファティマ第三の予言は3つに分けられています。
早速、それぞれを解説していきましょう。
ファティマ第一の予言「地獄の実在」
ひとつは、“地獄の実在”です。
地獄は決して神話や伝説、空想の言い伝えなどではなく、実在するものであることを、聖母マリアは3人の子供たちにハッキリしたヴィジョンとして見せ、その光景に子供たちは戦慄したといわれています。
多くの人が地獄を信じておらず、現世での罪を省みないことによって死後に地獄に落ち、出られなくなってしまっていることを告げたのです。
地獄の存在を信じ、現世での罪を認め、改心しない限りは地獄に堕ちることとなり、その地獄は一度落ちてしまえ場二度と出ることはできないのだと、聖母マリアは伝えたといいます。
ファティマ第二の予言「大戦争の終焉と勃発」
次に、聖母マリアは1914年から始まった第一次世界大戦が間もなく終わると予言しました。
実際に第一次世界大戦は子供たちが聖母マリアに遭遇してから約1年後の1918年に終戦となっています。
しかしそれと同時に、聖母マリアは人々が罪を悔い改めない限り、戦争は再び起こり、たくさんの命が犠牲になるというメッセージを授けました。
同時に、亡くなった人たちの多くはそのまま地獄に落ちてしまうだろうと告げたといわれています。
ファティマ第三の予言「教皇暗殺の危機」
聖母マリアからの3つ目の予言は、3人の子供のうちの一人、ルシアに対して“1960年までは秘密にしておくように”と託けられていました。
3つの予言の中で最も複雑なこの秘密は、ファティマ第三の秘密とも呼ばれ、ルシアから教皇庁へ伝えられたのです。
その内容は次のようなものでした。
引用する
この予言は、結局1960年になっても教皇庁が公開することはなく、最終的に2000年に当時のローマ教皇であったヨハネ・パウロ2世の決定により全文が公開されることになったのです。
同時にヨハネ・パウロ2世よりこの内容は1981年5月に起こったローマ教皇暗殺未遂事件のことを暗示していたと発表されました。
予言の内容自体が非常にショッキングなものであり、ハッキリと教皇が凶弾に倒れるシーンが描かれていることから、実際に起こった事件と結び付けられたのだと考えられます。
ファティマ第三の予言に秘密がある?注目される理由
カトリック教会が公式に認定している聖母マリアの出現によって授けられたファティマ第三の予言ですが、なぜここまで注目されることになったのでしょうか。
実は、公開された予言の内容は嘘で、真実がまだ隠されているとする考えも残っているのがその理由なのです。
ここでは、その理由について詳しく解説していきたいと思います。
バチカンが40年も隠し続けた予言
本来、聖母マリアは第三の予言を1960年には公開するようにと告げていました。
しかし、教皇庁があるバチカン市国はこの予言をそれからさらに40年間も隠し通していたのです。
聖母マリアからの教えを守らずに40年間も隠し通した予言は、非常にショッキングな内容であったものの、前述の2つの予言と比較すると非常に抽象的で、受け取り方によっては内容が軽いと感じられてしまうものでもあります。
そのため、内容が事実ではないのでは?と考えられているのです。
ローマ教皇が卒倒する内容
第三の予言は、それを読んだローマ教皇が卒倒したり、寝込んだりしてしまったといわれています。
ですが、実際に公開されている予言の内容は、教皇が暗殺される状況を詳細に描いているものの、大の大人が卒倒したり、寝込んでしまったりするほどではないように思える…という理由で、事実とは異なるのではないかと考えられているのです。
実際にはこれ以上に衝撃的な内容であり、本物の予言を見たら誰しもが教皇のように卒倒する、寝込むほどのショックを受けてしまうのではないか?
そのように考えられたため、現在公開されている内容はカモフラージュだといわれています。
ハイジャック犯も予言の公開を要求
ファティマ第三の予言がきっかけとなり、1981年5月2日にはハイジャック事件も起こっています。
エアリンガス164便がハイジャックされ、その際の犯人の要求こそが“ファティマ第三の予言を公開せよ”というものでした。
犯人はカトリック修道士であったローレンス・ダウニーという人物でしたが、結果このような大勢の命が危険に晒される事件が起こっても、第三の予言は公開されることはなかったのです。
それだけ、公開することが憚られる内容だったのではないかといった観点から、後になって公開された内容は挿げ替えられたものではないかと疑われることになったといえます。
ハイジャック犯はフランスの特殊部隊によって取り押さえられましたが、事件報告では犯人の要望はイランに向かうことだったと発表され、後からメディアより第三の予言を公開せよという要望が報道されたことも、より第三の予言の内容に疑問を抱かせるきっかけとなったのです。
一部しか公開されていない可能性
聖母マリアと遭遇した3人の子供のうち、フランシスコとジャシンタはそれぞれ10歳、9歳という幼さで亡くなっています。
ルシアだけは天寿を全うし、97歳まで生きたのですが、そのルシア自身が教皇庁から公開された第三の予言を見て、“これは一部しか公開されていない”と話したといわれているのです。
内容に嘘はないものの、これがすべてではなく、予言の内容はもっとあったというルシアの言葉が第三の予言にはまだ秘密が隠されているといわれる最大の理由だといえるでしょう。
公開内容はあくまで人々の目を誤魔化すためのフェイクであると全文を否定する声もあれば、このように一部のみしか公開されていないとする声もあるのです。
ファティマ第三の予言の隠された真実とは
さまざまな理由から本当の内容が隠されたままとなっており、真実は公開されていないと考える人々は、ファティマ第三の予言の真実は何を伝えようとしていたのか、いろいろな意見を持っています。
例えば、第三次世界大戦の勃発する時期を告げているのではないかという意見や、聖職者が卒倒するほどの内容であることから、世界の終焉、終末を告げる内容だったのではないかという意見も存在します。
いずれにしても、予言の内容は決して明るいものではなく、世界を闇に落とすような重く暗い、絶望に満ちた内容なのではないかと考えられているようです。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「ファティマの予言から警告を読み取ろう」
聖母マリアがルシアたちに託した予言を人類への警告として読み取ることで、幸せに生きるために自らがどうすべきか、道を見つけていくことができるはずよ。