仏教の開祖であるゴータマ・シッダールタ(仏陀)。
釈迦如来は、その仏陀のことです。
仏陀が厳しい修行の末悟りを開いたように、釈迦如来は人々を悟りの道へと導いてくれるといわれています。
そこで今回は、釈迦如来のご利益を授かり、悟りの道へ導いてくれるとされる真言とその意味、真言を唱えることで授かるご利益について詳しく紹介していきたいと思います。
目次
仏教の開祖・釈迦如来とは
引用元:国重要文化財 釈迦三尊像「木造釈迦如来 及 両脇侍座像」について
釈迦如来は実在した人物であり、仏教の開祖とされているゴータマ・シッダールタが悟りを開き、仏となった姿です。
一般的には“お釈迦様”と呼ばれているのが釈迦如来であり、衣を一枚まとっただけの、他の仏様と比較すると非常に簡素な姿をしているのも特徴的です。
髪の毛は螺髪と呼ばれるクルクルと巻いた髪型となっており、肉髷といって、頭の上にこぶのようなものがあるのも、釈迦如来の姿の特徴といえるでしょう。
また、表情は比較的無表情であり、薄目を開ける“半眼”となっているのも釈迦如来の姿のポイントとなっています。
人々の願いを叶える、さまざまなご利益を授けてくれるといった他、人々を悟り導き、苦しみから解放されるための智慧を授けてくれるといわれているのです。
釈迦如来の真言と意味
釈迦如来の真言は、「ナウマク サマンダ ボダナン バク」です。
“ナウマク”は「お願いします」という意味であり、“サマンダ”は全世界や「あまねく」といった意味を持っています。
“ボダナン”は諸仏のことを指し、最後の“バグ”というのは、お釈迦様を表す梵字をそのまま読んだものとなります。
真言を唱えることで、釈迦如来のご利益を授かり、悟りの道へ導いてくれるよう、お願いできるというわけです。
また、真言を唱えることは釈迦如来との繋がりを深め、釈迦如来から勇気や安心を与えてもらえると考えられてもいます。
釈迦如来の梵字である“バク”には人々が生きていく中で抱く不安や畏れを取り除く効果もあるようです。
釈迦如来の真言を唱える7つの効果
釈迦如来の真言を唱えることでどのような効果を得ることができるのでしょうか?
ここでは、釈迦如来の真言、「ナウマク サマンダ ボダナン バク」を唱えることで得られる効果を7つ、紹介していきましょう。
悟りへの道が開ける
釈迦如来は、他の如来が授けてくれるご利益、真言を唱える効果と比べるとあまり力がないなどと考えられている部分もあります。
しかし、他の如来と違い、釈迦如来はもともと実在した人間であること、そして何よりも仏教を人々に説き、悟りへの道を示してくれる存在であるということから、釈迦如来を信仰し、真言を唱えることで悟りへと歩みを進めることができるとされているのです。
他の仏様と比べて、病気平癒の効果がある、願いが叶うなどといった目に見える効果はありませんが、仏教における非常に根本的な部分において、人を導いてくれるという効果を持っているのは釈迦如来だけといえるでしょう。
苦しみから救われる
釈迦如来は自らが悟りを開き、人が“悟りを開くことができる”可能性を見出してくれた存在でもあります。
人々が生きる中でどうしても逃れることができない苦しみから解放され方法を示唆してくれる存在としてとらえることもできるため、釈迦如来の真言を唱えることが、苦しみからの解放につながると考えることもできるでしょう。
現世も、そして死後の世界も、悟りを開くことですべてを知り尽くしている釈迦如来は一人でも多くの人を苦しみの世界から救いあげようと手を差し伸べてくれます。
そんな釈迦如来と繋がりを深めるために唱えるのが真言なのです。
正しい道を歩める
釈迦如来である仏陀は、厳しく長い修行を経て悟りを開きました。
これは人が正しい道を歩むための方法、そして正しい道そのものを知ったということでもあります。
釈迦如来の真言を唱えるということは、釈迦如来と同じ道を歩むことができるということ。
つまり、人として正しい道を選び、正しく生きることができるようになるのです。
さらにそれは現世だけでなく、死後の世界でも同じで、人々の魂が迷わぬよう、導いてくれるという効果を授かることもできるでしょう。
広い心が持てる
人々を悟りへと導くことが釈迦如来が授けてくれるご利益なのですが、悟りを開くことができると人は広い心を持ち、生きることがで切るといわれています。
そのため、釈迦如来の真言を唱え、釈迦如来の導きを得ることができれば、広い心を持ち、人を許すことができたり、心に余裕を持ち広い視野で物事をとらえることができるようになるのです。
しがらみから自由になれる
悟りを開くと、人はしがらみから解放されます。
生きていく中で自分が自分らしく生きるための足かせとなっていたものや、生きていることを窮屈に感じさせていた物から解き放たれ、自由な心や思考を手に入れることができるのです。
釈迦如来の真言を唱えることは、解放された自分を得ることにもつながるため、自分を縛り付けていたしがらみから解き放たれることに繋がっていくでしょう。
慈愛の精神が湧いてくる
釈迦如来である仏陀は、“不殺生(アヒンサー)”の戒律を守り、すべての命を大切に、動物や虫などの小さな命も決して奪うことなく生きるという教えを説いていました。
そのため、釈迦如来の真言を唱えることで、慈愛の精神が湧き、人でも動物でも、どんな生き物に対しても愛情をもって接することができるようになるのです。
苦手な相手や嫌いな相手、これまではできるだけ距離を置いてきた相手や憎しみをもって接していた相手でさえも、釈迦如来の真言を唱え、その効果を授かることができると、自然と愛情を持ち、優しい気持ちで接することができるようになっていくでしょう。
死後の世界でも導いてもらえる
釈迦如来は、今生きている現世での苦しみを取り除く方法だけでなく、死後の世界のことまで知り尽くしているとされています。
そのため、釈迦如来の真言を唱えることで、生きている今だけではなく、自らが死んでしまった後も、その死後の世界で導きを得ることができるといわれているのです。
死後の世界でも救ってほしい、導いてほしいという願いを込めて真言を唱えれば、釈迦如来が苦しみの世界から救いだしてくれることでしょう。
釈迦如来の真言の唱え方と印の結び方
悟りへと導いてくれる釈迦如来の真言は、どのように唱えるのが正しいのか、そして釈迦如来の印の結び方はどのようなもので、どのような意味があるのか。
ここでは、釈迦如来の真言「ナウマク サマンダ ボダナン バク」の正しい唱え方と、印の結び方について説明していきましょう。
真言の唱え方
「真言を唱えてはいけない」「真言を唱えることは危険だ」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
では、釈迦如来の真言を唱えることも危険なのでは?と不安に感じている人もいることでしょう。
結論からいえば、真言を唱えてはいけないなどという事実は存在していないので安心してください。
ただし、真言を唱えるために注意すべき点はあるので、そこを理解しておくべきだといえます。
- 私利私欲のために唱えない
- 印を結んで唱える場合には正しい印を知る
- 心が落ち着く静かな環境で唱える
- 唱える回数は8回
- サンスクリット語の正しい発音で唱える
- 釈迦如来を心で思い浮かべながら唱える
- 常日頃から真言を唱える習慣を身に着ける
このような注意点を守って真言を唱えれば、決して危険なことはないのです。
印の結び方
右手は胸の前で掌を前に見せる施無畏印、左手は前に垂らし、掌を見せる与願印を結んでおり、人々に畏れることはないと諭しながら、願いを受け止める姿を見せてくれています。
これが釈迦如来の仏像に多くみられる印の結び方ですが、釈迦如来はそれ以外にも上記画像にあるような智吉祥印、さらに座禅の上で両手の指を伸ばして右手を上にして重ね、親指同士をくっつけた形の禅定印や、両手を胸のあたりで開き、親指と中指で丸い輪を作る説法印、手の甲を見せて下に垂らしたように向ける降魔印といった手印を結んでいる場合もあります。
いずれも釈迦如来が人を苦しみから救い、悟りの道へ導いてくれることを表した手印です。
釈迦如来の真言は唱えてはいけない?
釈迦如来の真言は唱えてはいけないなどということはありません。
ただし、自分の利益のため、自分のことだけを考えて真言を唱えることはご法度とされており、釈迦如来のご利益を授かることはできなくなるともいわれています。
前述で紹介したとおり、正しい真言の唱え方を理解し、実践することができていれば問題ありませんし、真言の効果を得ることは十分に可能なのです。
釈迦如来と阿弥陀如来の違いは何?
釈迦如来と阿弥陀如来は、仏像で見たときに似ていると感じる人もいるようですが、実際にはまったく別の仏様となります。
そもそも釈迦如来は実在した人物ですが、阿弥陀如来は歴史上の人物ではなく、時間や空間などすべてを超越した仏様として信仰されてきた存在です。
仏様には階層があり、その一番上が如来であるため、同じ如来である釈迦如来と阿弥陀如来に優劣はつかず、どちらが偉い、どちらが強いといった考え方はないというのが一般的な考えとなりますが、阿弥陀如来は宇宙を司る仏様といわれていることから、釈迦如来が阿弥陀如来の弟子といった考え方をする場合もあります。
釈迦如来を本尊としてお祀りしているお寺
釈迦如来を祀っているお寺は日本全国各地に存在します。
ここでは、数多く存在するお寺の中でも、特に有名な“釈迦如来をご本尊とするお寺”を紹介していきましょう。
清凉寺(京都)
嵯峨釈迦堂とも呼ばれている京都府にある清凉寺は、もとは平安貴族の源融(みなもとのとおる)の別荘地だった場所に建立されたお寺です。
その際には、阿弥陀如来像をご本尊とする棲霞寺というお寺だったのですが、天慶8年に重明親王妃により、釈迦如来を祀るためのお寺として建て替えられました。
住所 | 〒616-8447 京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46 | ||
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電話番号 | 075-861-0343 | ||
参拝時間 | 9:00~16:00 | ||
ホームページ | 清凉寺(嵯峨釈迦堂) |
飛鳥寺(奈良)
引用元:飛鳥寺
推古4年に蘇我馬子によって建立されたといわれる、大変歴史のあるお寺です。
本格的な伽藍配置としては日本で初めて建立されたお寺だといわれており、建立された当初は現在の飛鳥寺の敷地の20倍もあったといわれています。
祀られているご本尊の銅造釈迦如来坐像は、飛鳥大仏と呼ばれることもあります。
住所 | 〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥682 | ||
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電話番号 | 0744-54-2126 | ||
参拝時間 | 4月1日~9月30日 9:00~17:30(受付~17:15) 10月1日~3月31日 9:00~17:00(受付~16:45) |
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ホームページ | 飛鳥寺 |
萬徳院釈迦寺(千葉)
引用元:萬徳院 釈迦寺
近代的な建物で歴史が内容に感じられるかもしれませんが、千葉県にある萬徳院釈迦寺は元は天台宗の寺門派であり、寺の起こりは寛正6年とされています。
本堂に祀られている釈迦如来像のほか、世界最高級の白玉で作られた大釈迦如来像が祀られています。
住所 | 〒274-0817 千葉県船橋市高根町2233−3 | ||
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電話番号 | 047-490-9000 | ||
参拝時間 | 9:00~17:00 | ||
ホームページ | 萬徳院釈迦寺 |
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「釈迦如来の真言を唱えよう」

お釈迦様の真言を唱えることで、今以上にあなた自身が優しく穏やかで慈愛に満ちた人間になれるだけでなく、どんな困難や苦悩からも解放され、死後の導きも約束してもらえるの。
釈迦如来の真言には大きな力があるから、普段から真言を唱えて釈迦如来のご利益を授かれるようにしてみて。
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