
「降三世明王(ごうさんぜみょうおう)の真言にはどんな意味や効果があるのだろう」「真言を唱えるタイミングはいつだろう」と疑問をお持ちの方。
降三世明王は、五大明王の一尊です。
煩悩を絶ってつい守護と浄化のエネルギーを授けてくれる存在だといわれています。
こちらでは、降三世明王の真言の意味や正しい唱え方、ご利益やお祀りしている寺社についてご紹介します。
降三世明王とシヴァ神との関係も解説します。
目次
降三世明王は五大明王の一尊で三界の主を降伏させた仏様
降三世明王は様々な執着や邪悪な思念など、煩悩を絶ち切る象徴として崇拝されています。
「降三世」とは、過去と現在と未来に渡って生きとし生ける者を煩悩から救い意味があります。
また、欲界と色界と無色界を表すこともあり、それらを打ち破って智慧をもたらす明王という意味も言い伝えられています。
降三世明王は五大明王の一尊です。
- 不動明王
- 降三世明王
- 軍荼利明王
- 大威徳明王
- 金剛夜叉明王
そして、降三世明王は欲と怒りと鞭の三毒を滅する力も体現しているといわれています。
何の神様かというよりも、仏の化身として現れた明王なのです。
顔が4つ、腕が8本でそれぞれの顔には3つの目があり、2本の手で印を結ぶ姿をしています。
弓矢、三叉矛、金剛杵、金剛戟、刀、索などの武器を持ち、大自在天とその妃を踏みつけています。
背後には炎、体の色は青黒色となっています。
降三世明王の真言(マントラ)と意味
「オン ソンバニ ソンバ ウン バザラ ウン ハッタ」が降三世明王の真言です。
梵字音写では、「唵 三跋泥 三跋 吽 跋折羅 吽 斛多」と記します。
- オン:神聖な始まりの音
- ソンバニ:「三跋泥」=サンヴァディー:神聖な誓願・力の顕現
- ソンバ:繰り返しによって誓いの強調
- ウン:成就・集中・浄化を意味する
- バザラ:壊れない力、煩悩を破壊する智慧の象徴
- ウン:再度の吽により、力の発動や加持の完成
- ハッタ:破邪・断罪の力を象徴
降三世明王の真言にはスピリチュアルな意味合いも込められているといわれています。
ちなみに降三世明王の正式な長い真言である大呪は、サンスクリット音で「オン バザラ・ウグラ・クロダ・フーム ファット フリイ ハハハハ ホー」です。
仏のご加護と誓いの力で、金剛の智慧で、煩悩や邪悪を打ち破って完全なる守護と浄化を成就するという意味でまとめられます。
降三世明王の真言を唱える効果
降三世明王の真言を唱えるとご利益、功徳を得られます。
効果や理由を以下にまとめましたので参考にして、降三世明王の真言に繋げていきましょう。
人生を変えるきっかけにもなる功徳だといわれています。
- 煩悩を絶ち切る
- 悪霊退散
- 怒りのコントロール
- 苦しみ軽減
- 心が強くなる
- 素直になる
煩悩を払ってくれる
降三世明王の真言を唱えると煩悩が払われていきます。
煩悩とは、心を乱して悟りから遠ざける汚れた心の動きを指します。
煩悩の根源となるのは三毒です。
欲や執着にまつわる「貪」、憎しみを表す「瞋」、無知や迷いの「痴」で三毒。
降三世明王はこれらの三毒を焼き尽くすことで、あらゆる人々を救済する存在なので、それだけの真言の効果が期待できます。
「三毒を降伏」する存在として知られ、修行の障害を払いのけているのです。
悪霊退散や呪い返し
降三世明王の真言には霊的な効果もあります。
霊的浄化ともいわれる悪霊退散や霊障の退散、呪い返しによる人間関係の悪縁や呪縛の解除です。
似たところでは、土地や空間も浄化効果も期待されています。
上記のような三毒を焼き尽くす炎と今回のような破邪の怒りの力が降り注ぐからです。
霊的な現象に悩んでいる方、怨念や呪詛に困っている方は降三世明王の真言がおすすめです。
念の跳ね返しの効果もありますから、自分軸を守ることもできます。
怒りの制御
降三世明王の真言を唱えることで、怒りが制御できない人は、冷静さを取り戻す効果があります。
他人や自分への憎しみを抱いている人は、執着を浄化して慈悲の心を育てます。
怒りによってもしも、人間関係が悪化した場合、真言は感情の浄化と修復を助けるでしょう。
怒りの記憶に対して、内面の癒しだけでなく統合も促す真言です。
降三世明王は怒りの姿で表現されている仏ですが、それは暴力的な象徴ではありません。
怒りという煩悩を慈悲の心に変える力の象徴なのです。
苦しみからの解放
魂を解放に導く力が降三世明王の真言にはあります。
そのためには、心の苦しみや執着や迷いを焼き尽くさなければなりません。
降三世明王は密教において、煩悩や苦しみから断ち切るために怒りの姿で現わされています。
煩悩が払われたら、苦しみから解放され、他人を羨んだり嫉妬心に苛まれたりしなくなるのです。
心を軽くし、悟りに近づくことによって、心身のバランスも整えられます。
強い心を手に入れる
降三世明王の真言によって煩悩を払えば、強い心を手に入れます。
内なる弱り心や不安を焼き尽くすからです。
強靭な精神力やぶれない心を授けられることで、人と自分を比べることがなくなります。
自分自身が信じる道を進み、自信をつけて意志力を高めます。
また、恐れに対する不安や劣等感も克服して、勇気も手に入れるでしょう。
弱さに飲まれずに智慧に変え、内側からの安定感を得て生まれる強さです。
素直で謙虚な人になれる
降三世明王が表す怒りの姿は煩悩や執着を手放し、真言を唱えることで心の浄化や成長が促されます。
素直で謙虚な心を取り戻すことで、虚勢を張ったり自分が偉いと思わないようになったりするのです。
人に好かれたい人や慢心を燃やしたい人、プライドを浄化したい人におすすめの真言です。
怒りの力によってエゴを見つめ直し、真の謙虚さを育てます。
降三世明王の真言の唱え方
降三世明王の真言の唱え方にはコツがあります。
しっかりとご利益を授かるためのコツは、短呪で構いませんのでまずは覚えること。
そして、静かな場所で背筋を伸ばして座ります。
軽く目を閉じて呼吸を整えて意味を確認しながら丁寧に唱えます。
回数は21回、または54回、108回がおすすめです。
朝晩の瞑想前後が理想だといわれています。
降三世明王の真言の唱える際には、降三世明王の手印も取り入れるとより深くご加護の変化を感じられるでしょう。
「降三世明王印(大印)」「心印」とあります。
「降三世明王印(大印)」と呼ばれているものは、両手の人差し指を立てて交差させ、残りの指で人差し指を包むように握る形です。
「心印」の場合は、仏の悟りや智慧、慈悲のエッセンスとなり、 心を整え、仏との一体感を深める効果もプラスされます。
降三世明王の真言を唱える際には、効果を焦らない、憎しみを抱かない、疲労を感じている時は避けることが注意点となります。
降三世明王をお祀りしている寺社
- 東寺の講堂(京都府)
- 天野山金剛寺(長野県)
- 醍醐寺(京都府)
- 明通寺(京都府)
- 奈良国立博物館(奈良県)
京都にある東寺の講堂には、五大明王像を拝観することができます。
ここにあるのは平安時代の仏像で、見ごたえ抜群です。
また、京都の醍醐寺も五大明王を祀る寺院として有名。
パワースポットと呼ばれることもあり、多くの方が参拝に訪れています。
明通寺にある仏像は木造でとても貴重な存在です。
上記な主な寺院ですから、全国各地に降三世明王は祀られていますから、近くのお寺などを調査してみてみましょう。
降三世明王が踏みつけているシヴァ神は不動明王?
降三世明王は恐ろしい表情で何かを踏みつけています。
それはインド神話に登場するシヴァ神で、不動明王だという説があります。
シヴァ神は、仏教に取り入れられる過程において、明王などの仏尊と同一視された背景があるからです。
密教の特徴であり、調伏や変化身として捉えれています。
仏教におけるシヴァ神の別名、対応仏尊は以下となります。
- 荒ぶる破壊王:不動明王
- 煩悩をやきつくす力:降三世明王
- 宇宙的な創造:大自在天(
- 舞踊神:大黒天など
降三世明王は、その力を抑え、仏法に従わせる明王です。
シヴァ神の側面によって対応仏尊が当てはまるイメージとなっています。
仏法の絶対性と無明の超克」を表しているのです。
不動明王について詳しく知りたいならこちらをご参照ください。
占い師sakuraのワンポイントアドバイス「降三世明王の真言を唱えてご利益をいただこう」

心の安定や悪縁切などのご利益や功徳もあります。
降三世明王の真言を正しく唱えることで、これからの人生、煩悩に支配されずに自分本来の強さで過ごせるでしょう。
毎日の習慣として取り入れるならば、内面の変化や気づきも生まれるはずです。