日本には四季があり、我々日本人は季節の移り変わりをとても大切に考えてきました。
それぞれの季節がもたらす風景や恵みを、生活の中に取り入れ豊かに暮らしてきたのです。
季節を72にも分類した七十二候があることが、春夏秋冬だけでなく、さらに季節を細かく分けて、ささやかな季節の巡りを感じながら生きてきたことを示しています。
立春・冬至など1年を24に分けた二十四節気、それをさらに3つに分けた七十二候。
現代に生きる私たちが忘れがちな、季節の移ろいを今一度大切にしていきましょう。
この記事では、七十二候の第五十九候「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」について、詳しい意味や時期、旬の野菜や果物、魚介類、草花や行事、運気アップの方法についてご紹介していきます。
日本ならではの季節について再認識し、豊かに暮らしていけるようになっていきましょう。
目次
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の意味
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)は、冷たい北風が吹き木の葉を落とす頃という意味です。
朔風の朔とは北を意味しており、つまり朔風とは木枯らしのことです。
この時期に吹く風にはたくさんの呼び名があります。
北風、空っ風、木枯らしなど、いろいろな名前で呼ばれているのは、この時期の風を日本人が特別に感じている証拠だと言えるでしょう。
北風に木の葉を払われた木々たちは、これまでの季節と違い寂しい姿を見せます。
幹と枝だけになってしまった木々たちは、まるで服を脱ぎ捨てたように寒々しく見ているだけで凍えそうです。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期の夜には、昴を見つけることができます。
昴はおうし座のプレアデス星団のことで、6つが連なって見えることから、集まって1つになるという意味の昴と名づけられました。
昔の人は昴の出入りによって、天気が変わると信じていたそうです。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の頃の夜明け頃、昴が西に沈む頃に吹く風を「星の入東風(ほしのいりごち)」と呼びます。
ぜひ、夜空に昴を探して、風を感じてみてください。
寒い冬には思考もマイナスになってしまいがちですが、昴を探して上を向いていれば落ち込むことはないでしょう。
上を向いていれば、自ずと気分も上を向き、どん底まで落ちてしまうということはないのです。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期は「11月27日~12月1日頃」
2021年 | 11月27日~12月1日 |
2022年 | 11月27日~12月1日 |
2023年 | 11月27日~12月1日 |
2024年 | 11月27日~12月1日 |
2025年 | 11月27日~12月1日 |
2026年 | 11月27日~12月1日 |
2027年 | 11月27日~12月1日 |
2028年 | 11月27日~12月1日 |
2029年 | 11月27日~12月1日 |
2030年 | 11月27日~12月1日 |
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の頃にはかわせみが見られるようになります。
かわせみはとても美しい鳥で翡翠と書いてかわせみと呼ばせることもあるほどです。
美しいのは姿だけではなく、水に飛び込み魚を捉える姿は人々を魅了するものです。
翡翠と称されるほど青く美しい色をしていますが、これは光のかげんで青く見える構造色といわれるもの。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の頃に飛ぶかわせみは、とても映えます。
白い雪の中をブルーのかわせみが飛べば、その姿はより際立つでしょう。
木々が北風によって裸になり色を失ってしまう季節となりましたが、だからこそかわせみの美しさは日本人の心を打つのでしょう。
かわせみを街で見かけることはありませんが、ぜひ野山にかわせみを見つけにでかけたいものです。
美しく飛ぶかわせみの姿は、私たちに冬の美しさを気づかせてくれるでしょう。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の旬の野菜は「白菜」
「白菜」の基本情報
栄養 | 白菜は冬の風邪予防や免疫力アップに効果的な栄養素を含んだ野菜です。
ビタミンCを豊富に含み、特に芯の部分に多く含まれています。 高血圧予防に効果的なカリウムや、健康維持に役立つミネラル類も豊富。 白菜にはガンを抑制するとされるインドール化合物が含まれています。 その中でもジチオールチオニンという成分は白菜特有のもので、体内で発がん性物質を解毒する酵素の生成を活発にしてくれます。 |
選び方 | 白菜を選ぶときには、葉がちぢれていてしっかりと巻いているものを選びましょう。
重みがあり、底の切り口が白いものが新鮮です。 白菜を1個まるごと買うことはあまりなく、カットされたものを買うことが多いでしょう。 カットされたものを選ぶときには、切り口をよく見ましょう。 葉が隙間なく詰まっていて、切り口がみずみずしいものを選んでください。 断面を見て芯の辺りが盛り上がっているものは古いサインとなりますので注意しましょう。 |
保存方法 | 白菜は日持ちしやすい野菜です。
丸ごと1玉買った場合は新聞紙に包んで涼しい場所に立てておきましょう。 包丁を入れず外側から葉をはがして使えば、冷蔵庫に入れず常温で一ヶ月程度保存可能です。 カットされたものを購入した場合は、まず芯を取り除きましょう。 芯が残っていると白菜が成長を続けようとして、早く傷んでしまいます。 芯の部分を三角に切り落とし、乾かないようにラップで包み野菜室に入れましょう。 この場合は1週間程度保存が可能です。 |
その他、お役立ち情報 | 白菜は旬の時期に食べるのがおすすめです。
旬以外の季節に栽培する時には、農薬を使わずに栽培することができません。 つまり旬以外の季節に手に入れた白菜には、必ず農薬が使われているということになります。 農薬は外葉に残りやすいので1枚は捨てて、1枚ずつ洗って使えば問題はありません。 中国では白菜は大根、豆腐と合わせて養生三宝と呼ばれ体を回復させるのに効果があるとされる食材です。 冬は体調を崩しやすくもなりますし、旬の白菜を食べて体調管理をしていきましょう。 |
「白菜」の特徴
白菜が生まれたのは古代中国北部。
カブの仲間がチンゲン菜の仲間と交雑して生まれました。
日本に伝わったのは日清戦争の頃だとされていますが栽培が難しく、昭和になってから全国に広まりました。
白菜の芯の部分には黒い斑点が出ていることがありますが、これはゴマ症という白菜の生理現象によって現れたポリフェノールの一種です。
栽培しているときのストレスによって発生するとされていますが、食べても問題はないので安心してください。
白菜の種類は多く、結球しない長崎白菜や、小型で果重が1キロ程度のミニ、中の葉の色がオレンジ色のオレンジなどたくさんの変わり白菜があります。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期には、たくさんの白菜を食べて健康維持に努めましょう。
「白菜」のおすすめの食べ方・調理法
白菜のビタミンCを無駄にせず食べるには、汁ごと食べられる料理がおすすめです。
ビタミンCは水に溶けだしてしまうので、汁も食べないと栄養を無駄にすることになります。
そこで、ここでは白菜をスープで食べる調理法をご紹介していきます。
ブイヨンスープを煮立てて、ざく切りにした白菜とベーコンを入れましょう。
白菜がしんなりとして火が通ったら、塩コショウで味を調えます。
盛りつけて粉チーズをかければ完成です。
このスープは疲労回復や肝機能の強化、引き始めの風邪に効果的です。
またクックパッドの「白菜」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の旬の魚介類は「かます」
「かます」の基本情報
栄養 | かますにはビタミンD、ビタミンB12が豊富に含まれており、かますを1匹食べれば1日に必要なビタミンD・B12が摂取できます。
かますに含まれるビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促し、骨や歯を作るのを助けてくれる成分です。 血中カルシウム濃度を正常に保つのでイライラ解消効果も期待できるでしょう。 ビタミンB12は赤血球を作り造血作用があり、貧血を改善してくれます。 野菜を食べていてもビタミンB12は不足しがちなので、かますを食べて補ってください。 また、かますにはビタミンB6、ナイアシンも含まれており、免疫を正常に保ったり二日酔いを予防したりする効果が期待できます。 |
選び方 | 新鮮なかますを選ぶポイントは3つあります。
まず1つは目が濁りなく澄んでいて透明感があることです。 2つ目は胴が丸く張りとツヤがあり、ウロコは残っているものを選ぶこと。 3つ目はエラの色が鮮やかな赤色をしていることです。 この3つのポイントを見れば、新鮮なかますを選ぶことができるでしょう。 |
保存方法 | かますは鮮度が命で、すぐに傷んでしまいます。
冷蔵保存だと2~3日、冷凍保存なら1ヶ月程度持つでしょう。 冷蔵する場合でも冷凍する場合でも、下処理をしっかりとしておくことが肝心です。 内臓やエラを取り除き、ドリップを拭き取り、ラップで隙間なく包んだら密閉袋に入れ冷蔵や冷凍をしてください。 もっと長期間保存したいときには、かますの干物を作るのもおすすめです。 干物を作ると聞くと難しそうに感じられますが、下処理したかますに塩をまぶし天日干しするだけです。 風通しのいい場所で1週間程度干せば、3ヶ月程度保存ができます。 |
その他、お役立ち情報 | 「かますの一升飯」という言葉があります。
これはかますの塩焼きが1匹あるだけで、一升のご飯を食べることができるという意味で、かますがご飯が進む最高のおかずであることを示しています。 かますの味わいは古くからよく知られていますが、近年ではかますの刺身も好まれるようになりました。 クセもなく、素直な甘みが味わえます。 かますは高値で手が届かないという人には、ヤマトカマスがおすすめです。 かますとして売られているアカカマスの半値以下と安く、気軽に手が届くでしょう。 |
「かます」の特徴
かますとは長方形のむしろを二つ折りにして袋状にしたもののことです。
このかますのように口が大きいことから、かますと呼ばれるようになりました。
かますの旬は長く、秋から春の長い間楽しむことができます。
産卵の前後を除けばつねに味もよく、安定した味を楽しめます。
特に美味しく食べられるのは秋から冬で、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期には絶品のかますが味わえるでしょう。
大型のかますは脂がたっぷりとのり驚きを感じるほどの美味しさです。
ぜひ旬の時期に味わってみてください。
「かます」のおすすめの食べ方・調理法
かますを美味しく食べるなら塩焼きがおすすめです。
他におかずはいらないとされるほどの味を堪能してみましょう。
かますの塩焼きを作るには、まずウロコを取り内臓を取り出し、流水で内部をサッと洗いましょう。
よく拭いて両面に塩を振り20分以上置いておきます。
ここまで準備が整えば、あとは魚焼きグリルで焼くだけで完成です。
かぼすと大根おろしを添えれば完璧です。
どれだけご飯が進むのか、あなた自身の手で確かめてみてください。
またクックパッドの「かます」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の旬の草花は「やつで」
「やつで」の基本情報
学名 | Fatsia japonica |
科・属 | ウコギ科・ヤツデ属 |
原産国 | 日本 |
別名 | テングノウチワ・オニノユビ |
「やつで」の特徴
やつでの特徴は葉の形です。
八つの指がある手のように見えることから、やつでと呼ばれるようになりました。
耐寒性常緑低木で、秋から冬に白い花をつけます。
強い植物であるのが特徴的で、手入れをする必要もなく日陰と日向のどちらでも問題なく育ちます。
大気汚染にも強くどんな環境でも強くたくましく育つでしょう。
やつではハエが嫌う臭いを出しているので、ゴミ箱やトイレの近くに植えられることが多いです。
日本原産で江戸時代には庭木として植えられていました。
葉先の分かれた数は必ずしも8ではなく、7~9に分かれています。
テングノウチワと呼ばれることもあり、厄除けとして使われることもあります。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の頃には、花びら5つの白い小さな花が群れ咲き、その光景は圧巻です。
「やつで」の花言葉
やつでの花言葉には、分別・健康・親しみがあります。
分別は葉先が大きく分かれていることが由来となっています。
やつでには薬用の効果もあることから、健康という花言葉がつけられたのでしょう。
また、古くから庭木として用いられ親しみがあり、それがそのまま花言葉となりました。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の旬の行事は「ブラックフライデー」
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期に、近年日本でも行われるようになった行事がブラックフライデーです。
ブラックフライデーはもともとアメリカの行事で、感謝祭(11月第4木曜日)の翌日の金曜日を指します。
休日にする職場が多く、この日にはお得なセールが開催されます。
この日からクリスマスに向けた商戦が始まり、クリスマスに向けて気持ちが高まる行事です。
ブラックは買い物客が増え黒字になることから付けられています。
アメリカでは年間最大の商戦が繰り広げられる日ですが、近年では日本でもブラックフライデーのセールをする店が見られるようになりました。
この時期の気分を高めるものを見つけ、気持ちよくこの季節を過ごせるといいでしょう。
アメリカではブラックフライデーを迎えると、いよいよクリスマスや年末がやってくることが感じられるそうです。
日本人は柔軟に海外の行事を取り入れてきた民族です。
ブラックフライデーでも季節を感じられるようになっていきましょう。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の運気アップの方法は「身だしなみを整える」
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期を運気を上げて過ごすには、身だしなみを整えるのがポイントです。
北風が吹きつけるのは木だけではありません。
木の葉を落としてしまうほどの冷たい風は、私たちの体にも吹き付けます。
まずは風から体を守ることを考えましょう。
冬用のコートは準備OKですか?
クリーニングにも出していない、汚れたコートを着ていてはいい運気をキャッチできるはずがありません。
コートだけでなく全身の身だしなみを整えて、運を味方につける準備をしておきましょう。
高給なものを身につける必要はありませんが、どんな価格のものであってもお手入れをしておくと運気はアップします。
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の時期には、自分の身につけているものがお手入れ済みかチェックしてみてくださいね。
他の七十二候の意味や時期の一覧
占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「心は温かく」
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の頃は、寒い北風が吹きとっても凍えてしまうわ。
でも、心まで凍ってしまう必要はないと覚えておいてちょうだいね。
いくら気温が低くなり冷たい風が吹こうとも、大事なのは心の温かさをキープすること。
心がぽかぽかと温まっていれば、木枯らしが吹いてもへっちゃらよ。
心を温めるためにも、自分を甘やかすことを忘れずぼちぼち歩いていきましょ。
気温に惑わされず、心は温かく過ごしていきましょうね。