ヒンドゥー教のお祭りのひとつで、奇祭ともいわれているタイプーサム。
お祭りのイメージからはかけ離れた苦行が有名であり、ヒンドゥー教の本場であるインドでは、タイプーサムは禁止されています。
針や鉄串を刺したり重いカバディを身につけるといった苦行はつい目をそむけたくなってしまいますが、そもそもなぜ、そのような痛い苦行を行うのでしょうか。
今回は、現在でもマレーシアのペナン島やバトゥ洞窟、シンガポールで行われているタイプーサムの様子や危険性について、そして苦行の意味について説明していきたいと思います。
- ヒンドゥー教の奇祭?タイプーサムとは
- タイプーサム祭の代表的な開催場所
- タイプーサムの苦行は痛い?血が出ない理由
- タイプーサムのココナッツ割りの意味
- タイプーサムは危険で死者も出る祭り?
目次
ヒンドゥー教の奇祭?タイプーサムとは

まずは、タイプーサムがどのようなお祭りなのかについて知っていきましょう。
どのような発祥で何の意味を持ち、どんなことが行われるお祭りなのかというタイプーサムの基本的なところから紹介していきたいと思います。
- タミル系ヒンドゥー教徒のお祭り
- 巡礼の盛大なパレード
- 本場インドでは禁止!信仰心を表すさまざまな苦行
タミル系ヒンドゥー教徒のお祭り
タイプーサムはタミル語の“Thai”(月)と“Pusam”(星)が合わさった言葉であり、ヒンドゥー教のタミル系信者によって毎年1月〜2月頃に行われているお祭りです。
タミル暦の第10月をThai(タイ)といい、その時期に見られる星がPusam(プーサム)です。
ヒンドゥー教のお祭りの中では奇祭といわれており、インドの神話においてムルガン神が最強の槍である“ヴェール”を授かり、悪魔を倒したことを記念して開かれます。
ムルガン神への信仰と感謝の気持ちを表すことを目的としたお祭りなのです。
タイプーサムは、神様から力をもらうことで、悩みや苦難などの悪いものから解放されよう、解決しようという思いのもと、始められたお祭りだとされています。
巡礼の盛大なパレード

タイプーサムでは盛大な巡礼パレードが行われます。
これも、タイプーサムならではのものであり、クアラルンプールでは寺院から洞窟までの実に15kmを神輿を出し行進するのです。
これを巡礼と呼んでおり、1日や2日をかけて寺院から長い距離を神輿を連れて行進していきます。
その神輿は、ヒンドゥー教の信者たちが行進するもので、その中で後ほど紹介するような苦行を行うことがあります。
また、アンナダーナムと呼ばれる無料の食事提供が行われるなどしており、お祭りの会場でヒンドゥー教団体やボランティアが食事を作って配ってくれている光景も良く目にすることができるのです。
本場インドでは禁止!信仰心を表すさまざまな苦行
タイプーサムはヒンドゥー教の本場ともいえるインドでは禁止されているお祭りです。
なぜ?と思う人は少なくないと思いますが、理由は神輿を引き連れて歩く巡礼の最中に行われる“苦行”にあります。
神輿の一種であるカヴァディに、信者が自身の体に串やかぎ針などを刺し、そしてそれとカヴァディを繋いで歩くという苦行を行うのです。
もちろん、全員ではなく、ただ牛乳のポットを持って回るだけの人もいます。
しかし多くの信者が皮膚や舌、時には頬に聖槍・ベルを模した串を突き刺して“肉の屈辱”と呼ばれる苦行を行うため、これが危険視され、インドではタイプーサムが禁止されるようになったといわれているのです。
タイプーサム祭の代表的な開催場所

タイプーサムはヒンドゥー教の本場インドでは禁止されてますが、マレーシアやシンガポールでは行われています。
ここでは、どこの国でいつ、タイプーサムが開催されているのかについて紹介していきたいと思います。
- ペナン島(マレーシア)
- クアラルンプールのバトゥ洞窟(マレーシア)
- シンガポール
ペナン島(マレーシア)
マレーシアにあるペナン島では、タイプーサムが行われています。
開催時期はタミル暦のタイ月に行われており、これは1月下旬から2月上旬の満月の日です。
2025年は2月10日から12日、2026年は1月31日から2月1日で行われました。
巡礼は、ジョージタウンにあるヒンドゥ寺院を出発してペナンのヒンドゥ教の聖地ウォーターフォールヒル寺院までとなっています。
シルバーシャーロットとゴールドシャーロットという2台の山車が出るようになっており、シルバーシャーロットには、ムルガン神の御神体が祀られているのです。
一方、ゴールドシャーロットには槍・ベルが祀られています。
タイプーサムは満月の日に行われるようになっているため、毎年1月下旬から2月上旬に行われるようになっているのですが、日にちは毎年違うというところも忘れてはいけません。
クアラルンプールのバトゥ洞窟(マレーシア)

クアラルンプールでは、スリマハマリアマン寺院からバトゥ洞窟までが巡礼の区間となります。
女性や子供たちは牛乳のポットを頭にのせて歩き、男性たちはカバディと自らの体を串を刺して繋ぐのです。
クアラルンプールのタイプーサムには毎年100万人ほどの人が集まるといわれており、現在はタイプーサムが禁止されているインドからも多くの人がやってきます。
2025年には2月9日から11日、2026年には1月31日から2月2日で行われました。
会場では、ムルガン神を祀るお祭りということもあり、ムルガン神の絵が描かれているTシャツを着ている人や、ムルガン神のシンボル孔雀の羽根を買い求める人であふれかえっています。
苦行を行っている人も多く、串を顔に刺す以外にも、背中に重し付きのかぎ針を刺している巡礼者の姿も見られます。
シンガポール
シンガポールでのタイプーサムは、2025年には2月11日に、2026年は2月1日に開催されました。
セラングーン・ロードのスリ・スリニバサ・ペルマル寺院とタンク・ロードのスリ・タンダユタパニ寺院の間が巡礼のコースとなっています。
カバディと呼ばれる神輿は高さが4mもあり、重さも40kgほどはあるといわれています。
これが、寺院の間を巡礼として進んでいくのです。
タイプーサム当日は異様ともいえるほどの熱気に包まれ、カバディが通るたびに沿道から美しい花がまかれていきます。
カバディは四方から張り巡らされた針や串で信者の体に固定されており、一見華美に見えますが、苦行のひとつとなっているのです。
タイプーサムの苦行は痛い?血が出ない理由

タイプーサムの苦行は、自らの体に決して細くはないかぎ針や串を刺すものですが、巡礼に参加している信者の姿を見ると、出血している人がいないように感じられるのではないでしょうか。
お祭りの最中には既に串が刺さった状態で巡礼に参加している人でも、巡礼が終わり体から串を抜く際に出血しているような様子はないのです。
これはなぜなのでしょうか。
実はこれにはちゃんとした理由があるのです。
出血がしないのは、タイプーサムの本番前から特別な食事に切り替えて準備をしているからで、同時に針を刺すときには皮下組織を狙っているため、筋肉組織などに傷をつけることがなく、出血しないのだということです。
48日前から食事を“ヴェーダ食”というものに切り替え、血の気が抑えられるということと、神々への信仰心、そして針や串を刺す職人技によって、出血がなかったり痛みも少ない状態で祭りに参加できるのだと考えられます。
タイプーサムのココナッツ割りの意味

タイプーサムでの儀式のひとつに、ココナッツ割りがあります。
かつてインドでもタイプーサムが行われていた頃には、インドではタイプーサムにおいてココナッツ割の習慣はなかったようなのですが、マレーシアなどでは現在も行われているとのことです。
ココナッツは自ら用意するのが基本で、巡礼の最中に叩き割ったり、預けたりするようになっています。
堅い外皮を自我やエゴに見たて、地面にたたきつけて割ったり、遠くに投げたりすることは心身の清めと神への服従の象徴にもなります。
また、割ったココナッツから取れた果汁は多くの幸運や神様からの加護を意味しているとされているため、願い事を叶えてもらうために行うものと考えられているのです。
タイプーサムは危険で死者も出る祭り?

タイプーサムは、各地域で大々的に行われるイベントであるため、多くの観光客でにぎわうこともあります。
タイプーサムが本場インドでは開催を禁じられるほど危険なお祭りなのだとしたら、見に行くことも危険なのかを不安になってしまう人もいるでしょう。
しかし、タイプーサムを遠くから見ている限りでは何も危険はありません。
参加している人達の中で、カバディを運ぶ人は自らの体にかぎ針や串を刺すこともあるので、もちろん危険は伴いますが、これもできる限り安全が守られるように食事を切り替えたり、刺す場所を皮下組織にするなどしているため、参加者全員に命の危険があるわけでもないのです。
しかし、中には祭りの熱気にあてられてトランス状態になってしまっている信者がいたり、熱い火を持って歩いていたりする信者もいたりと、見に来ただけとはいっても参加者に近づくことが危険である可能性はゼロではないでしょう。
古くには死者が出ることもあったようですが、現在では安全に配慮されて開催しているところが大きいので、タイプーサムの参加者として命を落とすことはないようです。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「タイプーサムはマレーシアやシンガポールで体験できる」
インドでは開催されていないけれど、マレーシアやシンガポールでは毎年1月下旬から2月の満月の日を中心に数日間、お祭りが開催されているの。
熱気に溢れ、独特の雰囲気が漂うタイプーサムに興味があるっていう人は、来年あたり、ぜひ行ってみるといいわ。
ヒンドゥー教に興味があるという人は、一度間近で見てみるのも良いかもしれないわね。
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