
孔雀明王の真言は毒や災厄を取り除くことで心身を浄化すると信仰させる強力な陀羅尼(大呪)です。
古来よりたくさんのご利益があるといわれており、これまでもたくさんの修行者や信仰者が孔雀明王の真言を唱えてきました。
孔雀明王の真言の愚痴的な効果や梵字、手印、正しい唱え方に至るまで詳しくご紹介します。
日常生活に活かすための実践方法として活用してください。
目次
孔雀明王は毒蛇を食べる孔雀に乗った仏様
孔雀明王の名前の由来は、鳥の「孔雀」にあります。
古代インドにおいて、孔雀は毒蛇を食べ、そこから毒を制する神聖な存在だと崇められてきました。
仏教においても、心の毒である「煩悩」「病」「災難」を取り除く化身として孔雀明王が出現したといわれています。
仏教では、災厄や毒を覗く力を持つ守護尊のひとつとして存在しています。
孔雀明王は毒蛇を食べる孔雀に乗った仏様を体現しており、浄化して慈悲で包み込む力の象徴です。
孔雀明王のお姿の特徴は、まずは孔雀の背に乗っていること。
慈悲深い優しい表情をしていて、1つの顔に4本の腕を持つのが基本のお姿です。
蓮華や孔雀の尾羽などを持ちます。
孔雀明王は仏教では珍しく、女性として描かれている尊格でもあります。
孔雀明王の真言と梵字
孔雀明王の真言は「オン・マユラ・キランディ・ソワカ」です。
サンスクリット表記では「oṃ mayūra-kīrti svāhā」となります。
- オン:神聖な音の象徴。すべての真言のはじまりに置かれる「宇宙の根源的な音」
- マユラ:サンスクリット語で「孔雀」を意味します。毒を食べても死なない、神聖な鳥
- キランディ:「光り輝く」「名声・栄光」「徳や功徳」の意味を持つ語
- ソワカ:「成就あれ」「そうなりますように」という祈りの言葉
意訳をすると「孔雀明王の徳が輝いて、ご加護がありますように」となります。
また、孔雀明王の真言の梵字は:【कं】(カン)または【क】(カ)です。
孔雀明王の種子であり、鳥の鳴き声や振動を象徴する梵字。
文字の波動からは、毒を打ち消して清める力を感じられ、護符などにも用いられます。
孔雀明王の陀羅尼(大呪)について最後にご紹介します。
- 孔雀明王の陀羅尼(全文):ナモ マカボダラ マニ ハンドマリ ハラバリタヤ ウン
タラタ カンマン オン アミリティ ウン パッタ
ナモ サラバ タタギャタナン オン マリシリ ソワカ
オン マユラ キランディ ソワカ - 孔雀明王の陀羅尼の意味:病や災いや悪因縁を断ち切り平穏を取り戻す
孔雀明王の真言の効果
孔雀明王の真言は、密教の中でも特に強力だといわれています。
浄化や護身、息災の霊験が込められているからです。
一つ一つ孔雀明王の真言の効果を確認していきましょう。
苦しみや災いから身を守る
インドで象徴されている「毒を制する力」は、仏教では人格化しています。
そのため、慈悲深い孔雀明王が出現したのです。
病や心の不安を鎮めるような身体的かつ精神的な毒を浄化する真言となります。
また、苦しみを手放す効果によって、平穏な心を取り戻すのです。
そもそも、孔雀明王の真言は苦しみや災いから身を守るための守護呪文だといわれています。
恵みの雨をもたらす
干ばつを癒して慈雨をもたらす効果も知られています。
孔雀明王の真言を唱えると、天を動かして調和のとれた気候になるといわれているからです。
関連が深いインドでは、孔雀が鳴くと雨が降ると信じられていたのも理由も一つです。
古代インドの孔雀の象徴が孔雀明王ですから、枯れた土地を潤わせる存在にもなります。
天候の乱れを鎮めることによって農作物にも必要な雨を降らせます。
心身を浄化し健やかに保つ
孔雀明王の真言は、現代人にも好まれているのは、こちらの効果が期待できるからです。
不調やストレスに悩んでいる方が真言を唱えると、心身を浄化して健やかに保ちます。
浄化のマントラとして唱えている方が少なくありません。
唱えるだけで内側の乱れを鎮める効果があります。
それは清らかな波動に整えられていくのです。
怒りや嫉妬などの心の毒を場赤し、不安やストレスが軽減して穏やかになっていきます。
強い心を与えてくれる
毒を制して悪を退けて、災いから守る仏の真言だからこそ、弱さや恐れを克服する力を持っています。
結果的に強い心を与えてくれるでしょう。
恐れや迷いを打ち払うことによって、前向きな心を取り戻すことも可能です。
恐れに屈しない心やネガティブな感情を制御する力、逆境を跳ね返す精神的な耐性となっていきます。
何かあっても強い心があれば、立ち直る力となって人生の困難に負けなくなります。
子宝や子孫繁栄
命を守る効果も孔雀明王の真言にあります。
密教の明王ですから、子宝成就や安産、子孫繁栄の祈願対象でもありました。
命のエネルギーが浄化されていく真言です。
受胎、出産、命とかかわる循環を守る力があります。
不妊の悩みへの祈りとなり、心身のストレスや不安、邪気を防いで子授けとなるのです。
心身の状態が整うと、命を迎えやすくなる環境に近づきます。
トラブルを避ける効果によって安産が期待され、生命力の象徴によって子どもの健やかな成長を表します。
孔雀明王の真言の唱え方と手印
孔雀明王の真言の唱え方
孔雀明王の真言を唱える場合は、短真言「オン・マユラ・キランディ・ソワカ」で構いません。
静かで落ち着いた空間を選び、可能ならばお香などで空間を鎮めるとより効果が高くなります。
背筋を伸ばしていれば正座でも椅子でも大丈夫、呼吸を整えて集中できるように目を軽く閉じましょう。
孔雀明王の真言を唱える際の回数は、一般的には7回、21回、108回がいいとされています。
しかし、回数にこだわるよりも心を込めて唱えることが重油尾です。
孔雀明王の真言の手印
孔雀明王の真言を唱える際に、一緒に手印を組むとよりご利益を授かりやすくなります。
孔雀明王の手印は「孔雀明王印」です。
孔雀の翼や羽ばたきを象徴している手印で、災いや毒を振り払う形だといわれています。
孔雀明王をお祀りしている寺社
- 天神神社 (京都)
- 田中神社 (京都)
- 正暦寺 (岡山)
- 孔雀堂 (高野山)
孔雀明王のご利益、厄除けや延命、災難除去などが願われている寺社は全国各地にあります。
厄除け祈願を行っている神社もたくさんあります。
京都にある天神神社では、弘法大師が葛城山で孔雀明王の像を安置したという伝説が語り継がれています。
田仲神社ではなんと、神様の鳥として実際にクジャクを飼育しているそうです。
古くから孔雀明王を祀る習わしがあるからだといわれています。
占い師sakuraのワンポイントアドバイス「孔雀明王の真言を唱えてご利益をいただこう」

孔雀明王の真言や陀羅尼(大呪)の意味をしっかりと理解すれば、唱える際により効果的になるはずです。
手印や梵字も正しく活用することによって、孔雀明王の持つ力を深く実感できます。