彌栄(いやさか)とはどんな意味で使い方は?
大和ことばである彌栄という言葉を耳にしたことはあっても、詳しい意味を知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は彌栄という言葉が持つ基本の意味や使い方だけでなく、強い言霊としてのパワーを秘めたスピリチュアルな意味や効果も詳しく解説するので、彌栄という言葉が気になっているという方はぜひ参考にしてください。
目次
彌栄(いやさか)とは?意味と使い方
「彌栄」の読み方は「いやさか」。漢字が伝来する以前、古代日本の時代から使われている縁起が良い大和ことばです。
地名や神社名に使われていることもあり、その場合は「いやさか」ではなく、「やえい・やさかえ・やさか・いやさかえ」と読むこともあります。
まずはそんな由緒正しい言葉である「彌栄」の意味や使い方を詳しくみていきましょう。
彌栄は「より一層栄えること」という意味
「彌栄」は「より一層栄えること」「繁栄を願う」という意味が込められた言葉です。
「彌」は弓が緩む様子を表す漢字で、「広く行きわたる・あまねし・ますます」といったポジティブな意味を持っています。そして「栄」は「栄えること」ですね。
つまり「彌栄」は、今も栄えているけれど今以上の繁栄を望む、というときに使うことが多い言葉です。
そして益々発展していく様子を表すことからも、縁起が良い言葉としても使われます。
「彌栄」と同じような意味を持つ言葉には下記のようなものがあります。
- 万歳・繁栄・清栄・繁盛
どれも祝い事や発展を言祝ぐための言葉ですね。「彌栄」も同じように、言葉を伝える相手の幸福を喜び祈る気持ちが込められています。
彌栄の使い方
「彌栄」の意味がわかったところで、次は具体的な使い方について紹介します。
日常生活で使うことはない言葉ではありますが、格式高いお祝いの場では使われることもあるので、ぜひ覚えておいてくださいね。
彌栄を祈る
「彌栄」の一般的な使い方は「彌栄を祈る」という形です。個人に対してだけでなく、会社や社会・国など、さまざまな対象への発展を祈る気持ちを伝えることができます。
結婚式や式典などのセレモニーや、ビジネスレターなどで使える表現を見てみましょう。
- お二人のご多幸とご両家の彌栄を祈念いたします。
- ご家族の彌栄をお祈りします。
- ご尊家の彌栄を祈念いたします。
- ご両家の彌栄をお祈りいたします。
- 祖国の彌栄を祈っています。
- 貴社の彌栄をお祈り申し上げます。
「彌栄」の類語である繁栄や清栄は「益々の~を祈る」という形で使うことが多いですが、「彌栄」にはすでに「益々の」という意味が含まれているので、「益々の彌栄を祈る」としないように注意しましょう。
天皇弥栄(すめらぎいやさか)
「彌栄」の使い方には「天皇弥栄(すめらぎいやさか)」というものもあります。
これは「天皇」という言葉からもわかるように、「天皇の御代が末永く続きますように」「天皇の御代が益々栄えますように」という願いが気持ちが込められた祝詞で、天皇即位の際やお正月などのおめでたい場面で使われます。
「天皇」は「すめらぎ」と読みますが、これは今生天皇本人ではなく、天皇という系統のこと。脈々と続く天皇の納める日本という国が末永く栄えますように、という願いも込められています。
ボーイスカウトの祝声
日本のボーイスカウトでは弥栄三唱が祝声として取り入れられていますが、この「弥栄」とは「彌栄」のことで、「弥」は「彌」の新字体です。
ボーイスカウトの祝声とは、他者をお祝いしたり賞賛するときや、別れの際に唱和する掛け声のこと。
「いやーさかっ!いやーさかっ!いやーさかっ!」とベレー帽を下から上に持ち上げながら三唱します。
「万歳!」や「おめでとう」という意味を込めて、ボーイスカウト創立時から現在まで使われ続けている祝声です。
乾杯の代わりの言葉として
「彌栄」は乾杯の代わりとしても使える言葉で、戦前は乾杯ではなく「彌栄」が使われていたという説もあります。
完敗というネガティブな言葉を連想させる乾杯より、ポジティブパワーが込められた「彌栄」を使うことで、幸運を引き寄せることができそうですね。
ちなみに戦後に乾杯する場面で「彌栄」が使われなくなったのは、「彌栄」という日本語の言霊の力を恐れたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が消し去ったからともいわれています。
彌栄は言霊パワーが最強の祝詞
「彌栄」はとてもパワーが強い言葉で、最強の言霊といわれるほど。上記でも触れたように、GHQがその力を恐れて封じたという説がささやかれるほどです。
言霊はその言葉に込められた願いが強いほど強いパワーを持つようになりますが、「彌栄」には全体の繁栄という強い願いが込められているため、そのパワーも計り知れません。個々の小さな願いではなく、大局的に物事を動かすパワーを持つ言霊だといえるでしょう。
そして大和ことばであり、神事の祝詞にも登場することからわかるように、「彌栄」は大昔から使われている言葉であるため、込められたパワーもどんどん強くなっているのです。
言霊の持つ力を信じて「彌栄」を唱えることで、パワーが引き出されて運の流れが変わっていくのを感じることができるでしょう。
彌栄のスピリチュアルな意味と使い方
「彌栄」が意味する「全体繁栄」や「一層の栄え」とは、正しく神の意志だと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、「彌栄」が示すスピリチュアルな意味や、どんなときに唱えればよいかについてお伝えしていきます。
人々のために祈る希望と愛
「彌栄」とは個々や会社など小規模の繁栄を願う言葉であると共に、人類や世界のための祈りが込められた言葉でもあります。
成功や金銭的な豊かさという現実世界での繁栄だけではなく、世界平和や調和・愛に満ちた世界を望むスピリチュアル的な深い意味を感じ取ることができるはずです。
世界の至る所で起きている痛ましい戦争や事件に心を痛めたとき、周りの人のために憤りを感じたときなど、人々のために祈ると共に「彌栄」と唱えてみましょう。
愛と豊かさに満ちた人との繋がり
真の豊かさとは一人では叶えられず、他者との繋がりと愛があってこそ。「彌栄」は個人の繁栄だけではなく、人と愛を持って繋がることや、その絆を大切にすることを教えてくれています。
たとえ金銭的に豊かになり名声を得ることができても、共に喜びを分かち合う人がいなければ、心が満たされることはなく、虚しさが広がるばかりです。
頑張りすぎて心に余裕がなくなっているときこそ「彌栄」の意味を思い出し、人との繋がりを大切にするようにしてください。
個々の魂の癒しと成長
スピリチュアルな視点での「彌栄」とは、現実世界での成功や豊かさではなく、個々の魂が癒され成長して高みに至ることです。
過去生で負ったカルマやインナーチャイルドによって傷ついてしまった魂が、本来あるべき姿に戻り輝きを取り戻すことこそが「彌栄」の示す意味なのです。
そうして個々の魂が輝くことで、世界にもその輝きが反映されて益々繁栄していく…。
「彌栄」の実現のために何をすればいいか悩んだときには、まず自分と向き合うことから始めてはいかがでしょうか。
神の意志による生きとし生けるものの繁栄
大きな視点での「彌栄」とは神の意志であり、生きとし生けるものが輝くあまねく世界の繁栄です。
自分一人の繁栄だけを目指して望みを叶えようとすると、得てして人を傷つけ蹴落としてしまうもの。そんな状態で自分一人の繁栄を叶えても、それは神の意志に反映する結果になってしまいます。
本当の「彌栄」を望むのであれば、自分一人のためではなく、周りの人も幸せになれるように努力をしましょう。回り回って、あなたに成功や名声だけでなく、精神的な充足感や幸福感を連れてきてくれます。
神の望む世界のアセンション
スピリチュアルな「彌栄」が実現した世界は、神が望むアセンションが実現した世界でもあります。
ここまでお伝えしたように、人のために祈り、人との繋がりを大切にし、自分の魂を癒すことで、あなただけでなく周りの人との調和が生まれ、世界の「彌栄」に繋がっていきます。
個人でできることには限りがありますが、一人一人が「彌栄」を願い行動に移すことで、神が望む素晴らしい世界へと近づくことができるのです。
彌栄と唱えて希望に満ちた明るい人生を歩もう
「彌栄」には現実世界での益々の繁栄を祈るという意味だけでなく、スピリチュアルな深い意味も隠れています。自分自身や身近な人の「彌栄」を祈るだけでなく、人々や世界のために「彌栄」と唱えてみてください。
人のために祈ることこそ「彌栄」の本来の姿であり、祈りは巡り巡って戻って来るものです。あなたも希望に満ちた明るい人生を歩むことができるでしょう。