
仏教徒であれば一度は耳にしたことがある、有名な「普賢菩薩」を本尊とするお寺がどこにあるのか、知りたい人も多いでしょう。
また「普賢菩薩にはどんなご利益があるのか知りたい」と思っている方もいるはずです。
今回は普賢菩薩を本尊としてお祀りする全国のお寺や、有名な重要文化財の普賢菩薩を拝観できるお寺を紹介します。
釈迦如来の脇侍としてお祀りされることが多い普賢菩薩ですが、単体でお祀りしている寺もあるので、普賢菩薩のより強いご利益を頂きたい方におすすめです。
目次
普賢菩薩を本尊とする寺8選
釈迦如来の脇侍としてお祀りされることが多いため、普賢菩薩を本尊とするお寺も多く存在します。
8寺ご紹介するので、参拝の参考にしてみてくださいね。
埼玉県:常楽寺
引用元:常楽寺ホームページ
関東にある日本百観音秩父三十四観音巡礼札所十一番目のお寺として知られる常楽寺の普賢菩薩は、金運上昇・開運上昇のご利益があるとして多くの参拝者が訪れます。
常楽寺では「罪科も消えよと祈る坂氷 朝日はささで夕陽輝く」という詠歌が伝わっており、罪科を消したい方の祈願として知られている歌です。
思い出したくない過去、消してしまいたい罪を消すため祈ってくださるのが普賢菩薩とされています。
心の浄化と精神の成長を願う参拝者が集う普賢菩薩です。
また、4月20日には普賢菩薩縁日が行われ、龍と普賢菩薩の彫刻木札が授与されます。
住所:〒368-0032 埼玉県秩父市熊木町43-28
電話番号:0494-26-6051 FAX: 0494-26-6151
ホームページ:https://www.ameyakushi.com/
普賢菩薩縁日:4月20日
兵庫県:太山寺
引用元:神戸十三佛霊場会
関西で普賢菩薩を本尊とするお寺は、神戸の太山寺です。
本堂は国宝であり、三重塔や多くの文化財などで注目を集めているお寺となります。
教化済度を助ける働きと長寿延命を本願とする信仰で、多くの参拝者を集めている普賢菩薩です。
太山寺では「練り供養」という催事が行われており、亡くなった際阿弥陀様が二十五菩薩を引き連れてお迎えに来られるという言い伝えを現した行事があります。
こちらの「二十五菩薩聖衆来迎引摂会」では、二十五菩薩の中に普賢菩薩も含まれているため、珍しい法要が気になる方はチェックしてみてください。
三重県:普賢寺
引用元:普賢寺ホームページ
普賢寺の普賢菩薩坐像は、国宝に指定されている重要部家財です。
普賢菩薩の彫像の中では、最古級の作例としても知られています。
彫刻の細部から古式であるといわれており、特徴から見ても京都の教王護国寺(東寺)の梵天像に似ていることから作者が同じではないかと推測されている彫刻です。
住所:〒519-2177 三重県多気郡多気町神坂223
電話番号:0598-37-2888
奈良県:常覚寺
引用元:常覚寺ホームページ
常覚寺では重要文化財である普賢菩薩を本尊としてお祀りされています。
以前は秘仏であった普賢菩薩。
限られたタイミングでしか見ることのできなかった普賢菩薩像でしたが、現在は御開帳されており拝観が可能です。
ただし、拝観希望される方は問い合わせが必要となります。
弘法大師空海が宿を探している時、老大樹から光明を放ち普賢菩薩が現れたそうです。
お告げを受けた空海は、光明を放っている霊木から普賢延命菩薩の尊像を彫刻したという言い伝えが残っています。
住所:〒637-0102 奈良県五條市西吉野町黒淵1321
電話番号:0747-32-0129
ホームページ:http://web1.kcn.jp/fugen-san/index.html
拝観:当山にお問い合わせください
京都府:妙法院
引用元:ウィキペディア
京都観光でも有名な妙法院も、普賢菩薩を本尊とするお寺としても有名です。
平安時代初期創建で「天台三門跡」として知られた名門寺院であり、後白河法皇や豊臣秀吉のゆかりの寺院ともされています。
「三十三間堂」は観光名所として足を運ぶ人も多い仏堂です。
通常は建物内部を非公開とされていますが、特別拝観の時は内部を拝観可能なので気になる方はタイミングを合わせて行ってみましょう。
住所:〒605-0000 京都府京都市東山区東大路通り渋谷下ル妙法院前側町447
電話番号:075-561-0467
京都観光オフィシャルサイト:https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=472
受付時間:9:00~16:00
特別拝観:五月会(5月14日9:00~16:00)
広島県:胎蔵寺
引用元:胎蔵寺ホームページ
釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩を本尊とするお寺として、広島県に胎蔵寺があります。
こちらにお祀りされている木造釈迦如来坐像と脇侍であるに菩薩の獅子座と白象座は、広島県の重要文化財です。
本堂に祀られている釈迦三尊は、福山城地に築城以前にあった常興寺の本尊を移したものとなります。
南北朝時代貞和3年(1347年)に作られたとされている仏像です。
岡山県:金剛寺 普賢院
引用元:八百万の神
遥か昔、大和や九州とも交流を持ち一大文化圏を築き上げた吉備路の金剛寺普賢院でも、本尊として普賢菩薩をお祀りされています。
吉備津神社の西側に本堂を構えていますが、現在地より西に300メートル進んだところに行基によって創設されたと記録されているお寺です。
「青龍山普賢院記録」にお寺の歴史が残ってはいるものの、普賢菩薩に関しての詳細は明かされていません。
長野県:威徳院
引用元:善光寺ホームページ
長野県善光寺では、威徳院にて普賢菩薩を本尊としてお祀りされています。
北東エリア・北西エリア・南東エリア・南西エリアと4つの大きなエリアに分けてそれぞれにお堂があり、住職が仏様に使える心で接待してくれるという宿坊としての宿泊が可能です。
中でも北東エリアにある威徳院では本尊を普賢菩薩としており、文人墨客と円の深いお寺となっています。
住所:〒380-0851 長野県長野市元善町473
電話番号:026-232-2863 FAX:026-237-7598
ホームページ:https://www.zenkoji.jp/shukubo/ne/#ne
宿坊情報:宿泊、食事(精進・非精進)、回向受付、境内案内
宿泊40人、食事40人(食事のみも可)
予約…宿泊前日7日前まで、食事7日前まで
料金…宿泊 個人13,000円~、団体9,500円~ 食事 個人3,500円~、団体2,200円~
重要文化財の普賢菩薩を拝観できる寺5選
普賢菩薩は、重要文化財として保管されていることも多々あります。
木造や銅像など作品の細部からも時代を感じ取れるほど、味わい深いものです。
重要文化財の普賢菩薩が拝観できるお寺を5寺ご紹介します。
大分県:大山寺
引用元:大分市ホームページ
九州で重要文化財の普賢菩薩があるのは、大分市の大山寺です。
国指定の重要文化財で、正式名所を「木造普賢延命菩薩坐像」といいます。
重要文化財として指定されたのは、昭和50年6月12日。
総高180.7センチ、像興87.7センチで、平安時代中期の作品と考えられています。
現存する普賢延命菩薩像で最古と考えられ、非常に貴重です。
住所:〒870-0100 大分県大分市大字八幡1382番地
電話番号:097-536-1914
参考 大分市ホームページ:https://www.city.oita.oita.jp/o204/bunkasports/shitebunkazai/bunkazai1.html
拝観:事前予約が必要
京都府:岩船寺
引用元:岩船寺ホームページ
長年の修復期間が終わり、2024年12月10日ようやく岩船寺に戻ってきたのが、重要文化財の「普賢菩薩騎象像」です。
修復を行われたのはなんと、113年ぶりだそう。
法華曼陀羅を含む厨子は、現在も修復作業が続いているため仮の厨子にて公開されています。
智泉大徳作として伝わってはいますが、実は叔父である弘法大使空海の指導の元騎象像を書写したものを仏師によって制作されたと考えられている作品です。
一木造りの彩色像であり、女性的な姿で表されています。
住所:〒619-1133 京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
電話番号:0774-76-3390
ホームページ:https://gansenji.or.jp/
受付時間:3月~11月8:30~17:00(受付16:45まで)12月~2月9:00~16:00(受付15:45まで)年中無休
京都府:醍醐寺
引用元:醍醐寺文化財アーカイブス
絵画として重要文化財となっているのは、醍醐寺の「絹本著色普賢延命像」です。
鎌倉時代の作品とされ、明治35年4月17日に重要文化財として指定されています。
開創1150年を迎えた醍醐寺では、約15万点もの貴重な文化財が「霊宝館」に収められ保管されている状態です。
明治38年からは、文化財の調査と目録作成がスタートし文化財管理をデータベース化することに成功。
「醍醐寺文化財総合管理システム」の構築がされ、徹底した管理が行われています。
住所:〒601-1325 京都市伏見区醍醐東大路町22
電話番号:075-571-0002 FAX:075-571-0101
ホームページ:https://www.daigoji.or.jp/
参考ページ:https://www.daigoji.or.jp/archives/index.html
拝観時間:夏期:3月1日〜12月第1日曜日まで9:00〜17:00
冬期:12月第1日曜日の翌日〜2月末日まで9:00〜16:30
※閉門時間30分前で受付終了(春期期間中は拝観時間の変更あり)
春期(3月20日~5月G.W最終日)
大阪府:孝恩寺
引用元:孝恩寺ホームページ
大阪の孝恩寺にも、重要文化財の普賢菩薩が収められています。
ただしこちらの孝恩寺では、現住職がお知らせされている通り仏像ファーストであり、拝観よりも保管を重要とされているお寺です。
国宝である収蔵庫内での管理は非常に繊細であり、温度や湿度の管理が必須となります。
観光や拝観を目的としているのではなく、信仰と保存を第一義として守り抜いているため、年に二回のタイミングのみで拝観が可能です。
住所:〒597-0102 大阪府貝塚市木積798
電話番号:072-446-2360
ホームページ:https://ko-onji.jp/
受付時間:9:00〜17:00
特別拝観:2月~4月頃、9月~10月頃 ホームページにて要予約
岡山県:西大寺
引用元:西大寺ホームページ
天下の奇祭「裸祭り」で知られる岡山県最大時には、岡山市指定重要文化財の絵画「普賢十羅刹女図」が保管されています。
南北朝時代に作画されたとされ、平安後期の仏画の様子が残っている図です。
縦110センチ、横64センチで、白い象に乗って合掌する普賢菩薩が描かれています。
鼻先には、のぼりを持つ二人の童子が描かれており、高峰には鬼神を意味する羅刹と呼ばれた女性10人が描かれている特徴的な作画です。
普賢菩薩とはどんな仏様?
引用元:円泉寺
そもそも普賢菩薩とは、どんな仏様なのでしょう。
有名な普賢菩薩についてご利益や真言についてもご紹介するので、参考にしてくださいね。
普賢菩薩はお釈迦さまの脇侍
普賢菩薩は、釈迦如来の脇侍として配置される菩薩であり、慈悲行を象徴する菩薩です。
「普」はあまねく一切のものを意味し、「賢」は全ての中での善。
普賢は仏の中でも最も賢く、一切にわたる最善を説く菩薩なのです。
法華経を守る仏として、合掌し白象に乗る姿で表されています。
辰年と巳年に生まれた方の、息災延命や長寿幸福などを司っている守り本尊です。
普賢菩薩のご利益
大いなる優れた力の象徴である普賢菩薩のご利益は、以下のものがあります。
- 優しさと智慧を授ける
- 女性の往生を助ける
- 長寿
- 邪気退散
- 息災延命
- 厄除け
- 健康運向上
- 開運
- 運気上昇
- 合格祈願
- 学業成就
- 増益
- 平穏平和
- 家内安全
普賢菩薩の真言(マントラ)
普賢菩薩の真言(マントラ)とメリットをご紹介します。
- 真言:オン・サンマヤ・サトバン
- 効果(メリット):心の浄化・智慧の開発・慈悲の発展・精神的成長
慈悲の菩薩である普賢菩薩の真言を唱えて、智慧や慈悲の心そして精神的成長を手に入れましょう。
普賢菩薩の手印
普賢印(三昧耶印)
慈悲の仏として延命の徳がある普賢菩薩。
両手を組み、中指をまっすぐ立てる印相を作ります。
普賢延命印
密教的な働きがある仏でもある普賢菩薩。
行法の時には普賢延命印という印相になります。
占い師 tomomiのワンポイントアドバイス「普賢菩薩を本尊とする寺へ参拝に行こう!」

一切からの善を導く普賢菩薩のご利益を頂くために、近くの普賢菩薩を本尊とする寺に参拝してみましょう。
重要文化財として指定されている仏像や絵画もあるので、仏教の歴史を感じてみるのもより心が穏やかになるかもしれませんね。