文殊菩薩を祀るお寺14選！日本三文殊だけでなく関東や関西など地方別に紹介

文殊菩薩を信仰している人や守り本尊が文殊菩薩の人であれば、文殊菩薩を祀るお寺がどこなのか気になる方もいるでしょう。

また「文殊菩薩を知っているけど、どんな菩薩で何のご利益があるのか知りたい」と思っている方もいるはずです。

今回は三文殊として有名な安倍文殊院・智恩寺・亀岡文殊だけでなく、北海道から九州まで文殊菩薩を祀るお寺を紹介します。

ご利益や真言も解説するので、文殊菩薩に参拝したい方は参考にしてくださいね。

文殊菩薩といえばここ！日本三文殊を祀るお寺

日本三文殊と呼ばれる文殊菩薩を祀る有名なお寺が存在します。

文殊菩薩を拝観するなら、まず三文殊を訪れてみましょう。

奈良県：安倍文殊院

引用元：安倍文殊院ホームページ

ことわざの「三人寄れば文殊の知恵」で有名な文殊菩薩が祀られているお寺が、奈良県の阿部文殊院です。

文殊菩薩は安倍晴明と切っても切り離せない関係であり、阿倍文殊院は安倍晴明が生誕したお寺と伝わっています。

こちらの文殊菩薩は、渡海文殊群像（とかいもんじゅぐんぞう）として、四人の脇士を連れて雲海を渡ってお説法の旅をしている姿です。

獅子に乗る騎獅文殊菩薩を中心に、善財童子・優填王・維摩居士・須菩提が並んでおり国宝に指定されています。

また2024年7月から2025年5月の期間は、15年ぶりに文殊菩薩が獅子から降りた姿の拝観が可能です。

元来獅子から降りることはなく、特別な姿での公開は今後行われない可能性があります。

京都府：智恩寺

引用元：智恩寺インスタグラム

日本三景で有名な天橋立を領土に含む天橋山智恩寺は「日本三文殊第一霊場」として知られており、文殊菩薩がお祀りされています。

九世戸縁起に由来された文殊信仰が続けられており、文殊菩薩の正式名称は「文殊師利菩薩（もんじゅしりぼさつ）」と呼ばれる仏様です。

九世戸縁起では、あらうみの神（龍神）に占領され人々が住むことの出来なかった地において、神々が文殊菩薩の智慧をお借りし千年もの間説法をした後龍神を改心させたとのこと。

その後、神々が海に降り立った際の如意が天の浮橋となり、龍神が一夜にして土を置いたことで天橋立となったという伝説が残っています。

智恩寺では文殊菩薩と善財童子・優填王が三尊形式でお祀りされており、年に数回御開帳されているだけです。ご尊顔されたい方は行事予定を確認しましょう。

山形県：松髙山大聖寺（亀岡文殊）

引用元：亀岡文殊ホームページ

1200年余り前に創立された松髙山大聖寺は俗に亀岡文殊と呼ばれ、文殊菩薩が大切に安置されています。

亀岡文殊は「生き文殊」とされ、本願されているのは「幸福と知恵を授けてくださること」です。

三年お参りすれば以下のようなご利益があると信じられ、多くの祈願者が足を運んでいます。

【関東】文殊菩薩を祀るお寺2選

「日本三大文殊は遠くてなかなか行けないけれど、文殊菩薩を参拝したい」という方もいるでしょう。

文殊菩薩を祀るお寺は、全国各地に存在します。

関東地域にある文殊菩薩を祀るお寺をご紹介するので、関東圏にお住まいの方は足を運んでみてくださいね。

埼玉県：五台山 文殊寺

引用元：文珠寺ホームページ

「野原の文殊さま」と親しまれているのが、埼玉県にある五台山の文珠寺にある文殊菩薩です。

能満寺が火災に遭った際、文殊菩薩は救い出され檀家総代の家で安置されていました。

こちらの文殊菩薩がまたがっている獅子は、左の後ろ脚が欠けています。

昔々、文殊様が村人たちを教え導き歩いていた時に獅子も後ろから付いてきたそうです。

獅子は、作物を食べ散らかして村人を困らせたため、お寺の和尚が左後ろ足を切り落としたという言い伝えが残っています。

また野原の地区にお嫁に来た方は、縁日にお参りすることで男児を授かるという言い伝えもあるので、ご利益を授かりたい方は参拝してみましょう。

神奈川県：常楽寺

引用元：鎌倉観光公式ガイド

神奈川県鎌倉にある常楽寺では、秘仏の文殊菩薩の供養をするお祀りが行われています。

お堂の中に立ち入る事は出来ず、文殊菩薩坐像を間近で拝観は出来ません。

文殊菩薩は右手に如意と左手に経巻を持った姿で、鎌倉時代に作られた仏像です。

【関西】文殊菩薩を祀るお寺4選

知恵を授かることができる文殊菩薩を祀るお寺は、関西地方にも存在します。

関西地域にある文殊菩薩を祀るお寺をご紹介するので、関西圏にお住まいの方は足を運んでみてくださいね。

京都府：仁和寺

引用元：仁和寺ホームページ

京都の仁和寺には、重要文化財の文殊菩薩坐像がお祀りされています。

こちらの文殊菩薩は、獅子に座り右手には宝剣を持っている姿です。

左手の持ち物は現在欠けている状態ですが、梵篋（ぼんきょう）を載せた蓮華の茎を持っている姿だと想定されています。

古い彫刻技法にも特徴があり注目されている仏像です。

大阪府：孝恩寺

引用元：孝恩寺ホームページ

大阪府の孝恩寺では、年に2回のみ重要文化財収納庫に保管してある文殊菩薩を拝観することができます。

こちらの「孝恩寺観音堂」は、釘を一本も使わずに建設され「釘無堂」という名勝で親しまれている国宝です。

重要文化財である仏像群は、春と秋の彼岸の時期に10日間程度のみ開帳され、この特別拝観の時のみ拝観できます。

特別拝観は、完全予約制でホームページから予約が可能です。

予約の開始もホームページでお知らせがあるので、随時チェックしましょう。

滋賀県：延暦寺 文殊楼

引用元：文化遺産オンライン

比叡山延暦寺の総門としての役割も担う延暦寺文殊楼では、文殊菩薩像を本尊として祀られています。

受験生の合格祈願にも人気が高く、多くの拝観者が訪れるスポットとして有名です。

延暦寺文殊楼へは、高い石段を登って東塔入りする坂があります。

この坂は、比叡山焼き討ちの際織田信長軍の兵も駆け上った道となるため、歴史に思いを馳せるのもよいでしょう。

和歌山県：遍明院

高野山にまつわる重要文化財を保存している高野山霊宝館の展示会で拝観できるのが、和歌山県遍明院にある文殊菩薩及使者像です。

和歌山県の遍明院については詳しい情報がなく、普段はどの様な状態で文殊菩薩を保管されているのか分かりません。

高野山真言宗であることが分かっており、タイミングが良ければ高野山霊宝館にて特別展や企画展などで拝観可能だそうです。

他にも関西には、文殊菩薩を拝観できる場所はあります。

【四国・九州】文殊菩薩を祀るお寺3選

知恵のご利益がのために参拝したい方は、関西以外にも文殊菩薩を祀るお寺を知りたいはずです。

四国や九州地域にある文殊菩薩を祀るお寺をご紹介するので、四国圏・九州圏にお住まいの方は足を運んでみてくださいね。

高知県：五台山 竹林寺

引用元：竹林寺ホームページ

四国で文殊菩薩を本尊としてお祀りされているお寺は、五台山竹林寺です。

竹林寺にお祀りされている文殊菩薩は、四体の侍者とともに僧侶である行基が制作したものとされており、日本最古の作例としても知られています。

本尊の文殊菩薩は秘仏とされ、拝観はできません。

竹林寺の開創には文殊菩薩が関係しています。

聖武天皇は文殊菩薩の霊場として名高い五台山に登り、文殊菩薩から仏教の奥義を授かるという夢を見られたそうです。

たいへん喜ばれた聖武天皇は、行基に五台山に似た霊地を探し伽藍（がらん）を建立するよう命じられ創建されたのが竹林寺とのこと。

大分県：峨眉山 文殊仙寺

引用元：文殊仙寺ホームページ

国東半島六郷満山随一とされる古刹霊地の峨眉山文殊仙寺にも、本尊として文殊菩薩がお祀りされています。

智恵第一の仏として、信仰され続けている大変縁起の良い大吉祥菩薩です。

文殊仙寺の仏像は、卯年の守り本尊にちなんで、十二年に一度の卯年の春と秋の大祭で御開帳されています。

また、毎月二十五日は文殊菩薩縁日護摩が修法されており、奉納された護摩木は「不滅の法燈」により祈願されているので、気になる方はホームページをチェックしてみましょう。

福岡県：若杉山 文殊院（福岡県）

引用元：福岡のお寺辞典

福岡県にある若杉山文殊院は、高野山真言宗のお寺であるため文殊菩薩をお祀りしています。

こちらは、養老の滝を再建した盲目の高僧である「高瀬無染法師」にゆかりの深いお堂です。

養老の滝は弘法大師が修行されたことでも知られており、数々の名僧も修行のために訪れたそうです。

時代と共に衰退していたところ高瀬無染法師が再建し、自身も亡くなる際に「日切地蔵尊」の御身となり人々を救済するとの遺言を残しています。

文殊菩薩への参拝と共に、霊地として高いエネルギーを持つ文殊堂そのものを感じてみましょう。

【その他】文殊菩薩を祀るお寺2選

文殊菩薩を祀るお寺をご紹介してきましたが、上記のお寺以外にもまだ文殊菩薩が安置されているお寺は存在します。

こちらでは、さらに二寺ピックアップしてご紹介しましょう。

愛知県：財賀寺

引用元： 財賀寺ホームページ

愛知県の財賀寺では、文殊菩薩の説明を受けながら拝観する事が出来ます。

夜には国指定重要文化財の仁王門がライトアップされるだけでなく、文殊様月例祭や知恵文殊まつり、知恵文殊菩薩献書大会など、数々の行事や見どころで参拝客を集めているお寺です。

文殊菩薩は本堂の中に安置されており、特別拝観となります。

案内付きで一組2000円で拝観可能です。ぜひ予約して参拝しましょう。

北海道：金毘羅密寺

引用元：金毘羅密寺ホームページ

日本最大級の文殊菩薩が拝観できるのが、北海道にある金毘羅密寺です。

こちらの文殊菩薩は、札幌大仏と呼ばれ原型の仏像が作成されてから16年間開眼供養が続けられました。

奈良の東大寺の建立方法を見習い、大仏完成後にそのお姿を屋根で囲い込む文殊殿を建設されたのも特徴的です。

獅子の上にまたがり、右手には利剣左手には青蓮華の上に経巻を乗せて持たれています。

文殊菩薩の周りには四人の眷属が並んでおり文殊殿の壁画も含め、足を踏み入れた人はまるで文殊の聖地にいるかのようです。

文殊菩薩とはどんな菩薩？

「多くのお寺で祀られている文殊菩薩は、そもそもどんな菩薩なのか今さら聞けない」という方もいるはずです。

ここからは、文殊菩薩について分かりやすくご紹介しますので参拝する際には念頭に置いて祈願してみましょう。

文殊菩薩は智慧の菩薩

文殊菩薩は「三人寄れば文殊の知恵」で知られる智慧の菩薩です。

そもそも「菩薩」とは悟りを求める人のことを指し、仏の悟りを目指し修行をしている人です。

釈迦如来の脇侍であり、文殊菩薩の仏像や絵画では智慧を表わす獅子に乗り説法の旅に出ている様子が描かれています。

また人は生まれた時から守り本尊が決まっているといわれ、文殊菩薩はうさぎ年生まれの方を守られる菩薩です。

文殊菩薩のご利益

文殊菩薩は智慧を司る菩薩なので、ご利益は学業向上や学業成就、智彗明瞭が授かれます。

うさぎ年の人の守り本尊なので、該当生まれの方の開運や厄除け・祈願成就のご利益も。

智慧とは単に勉学に関して知識量や理解力が優れていることだけを指すのではなく、生活の中で必要な智恵や工夫のことを指します。

「三人寄れば文殊の知恵」とは、意見が偏ることなく対立もせず、バランスの取れた意見となり互いの相乗効果が期待できるという意味です。

物事を正しく見極められ、優れた判断力を手に入れられるご利益が期待できます。

文殊菩薩の真言と効果

文殊菩薩の真言は、「オン・アラハシャ・ノウ」です。

真言はサンスクリット語をそのまま音写しているため、そのままで意味を掴むのは難しいですが、内容は以下のものとなります。

真言を唱えることで、仏の教えを自身に聞かせ功徳を得られます。

唱える回数で得られるご利益が変わるといわれており、10万回唱えると苦労を取り除くことが出来、50万回唱えると悟りを開くことが出来るそうです。

文殊菩薩の手印

文殊剣印

一般的に文殊菩薩は、左手に剣と右手に経巻を持っています。

どちらも智恵を示す持ち物です。

行法の時には文殊剣印という印相になります。

両手を組み、中指を立てて少し指先を曲げて左右合わせる印相です。

占い師 tomomiのワンポイントアドバイス「文殊菩薩を祀るお寺で智慧のご利益を頂こう」

tomomi

文殊菩薩が守り本尊だったり、文殊菩薩を信仰していたりする方は、全国各地に文殊菩薩を祀るお寺があるため最寄りのお寺で参拝ができます。

特別拝観として拝観期間が定められているお寺も多いので、ホームページを確認してから出掛けることがお勧めです。

学業でここぞという場面にある方はぜひ、参拝して智慧のご利益を頂きましょう。

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