
月天は月の神として信仰される古代インド神話に由来している十二天の一柱です。
多くの人に崇拝されているのは、感性や知性を高める力がある月天だからだといわれています。
月天の真言やその捉え方、期待できるご利益、さらに梵字や手印、象徴的な意味を詳しく解説していきます。
月天信仰の基礎的な知識を身に付け、真言の実践的な方法を参考にして、ご利益を授かりましょう。
目次
月天は自然を司る十二天の一尊
月天は月の運航を司る天部の神、そして仏教において十二天に含まれます。
対する存在は太陽を司る日天です。
日天について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
月天子と呼ばれることもあります。
インド神話に由来しており、起源はチャンドラという月の神だといわれています。
仏教に取り入れられる際に「月天」となったのです。
「月の運航や自然のリズム」「静けさや安寧や知性」「仏教守護」を象徴しています。
季節の時間の巡りなどを支配している存在で、月天は月の穏やかな光に例えられることが多々あります。
仏教を守護するだけでなく、信者や修行する者も守ります。
月天は冠をかぶり、貴族的な装束を身に付けており、月輪や半月を持ちます。
描かれる月天によって、合掌している姿、手に蓮華や月輪を持つ姿を見られるでしょう。
月天の真言と梵字
月天の真言は「ノウマク・サマンダ・ボダナン・センダラヤ・ソワカ」です。
月天の神格を称える真言であり、ご加護を願うために唱えます。
- ノウマク:帰命する、礼拝する
- サマンダ・ボダナン:あらゆる仏たちに
- センダラヤ:月(チャンドラ)
- ソワカ:成就
意味をまとめると「あらゆる仏たちに敬意を払い、月天のご加護を願います」となります。
月天の神格を象徴する文字で、仏教的な儀式などに使用されています。
月天の真言を唱える効果
月天の真言を唱えるとあらゆる効果を得られます。
心の静けさや内面的な知恵が育まれるからです。
月のような穏やかな光を感じるようにして真言を唱え、清らかな心に導かれていくためにも効果をまず理解しましょう。
悟りへのひらめきを与えてくれる
月天の真言の効果として、密教では無意識的な領域への洞察に影響があるといわれています。
柔らかさや静けさ、清らかさと共に直感や智恵という性質なのある月天の性質からも分かるように、悟りへの気づきも起こり得ます。
気づきはひらめきであり、理性や理論ではわからない真理に、月のエネルギーを通して到達するでしょう。
直接的に真理に触れることとなり、霊的なインスピレーションや直感が高まるのも悟りが開かれているからです。
清き心を手に入れられる
真言によって月天と心が繋がることで、清き心を手に入れることができます。
仏教において清き心とは、煩悩から離れた心や慈悲の心、執着などから解放されている意識です。
清き心を手に入れることで、浄化作用が起こり、より心が静まっていくでしょう。
波動の調整が行われたり、菩薩や仏との共鳴も起こりやすくなります。
結果的に、清き心によって、仏の智慧と慈悲を内面に宿すことも可能です。
恋愛成就や夫婦和合
月天の真言では、霊的なエネルギーや浄化の力を得られます。
その浄化の力は、心の結びつきを強めて、障害を取り除く効果が期待されており、恋愛成就や夫婦和合へと繋がります。
心の不安や迷いが和らぎ、コミュニケーションは円滑になることで、理解や思いやりが深まります。
恋人関係、夫婦関係でのお互いの絆を強化する真言の効果が発揮され、信頼関係が築かれていくでしょう。
月天の真言によって、悪縁を切り、嫉妬や争いの原因を浄化することもあるようです。
無病息災や病気平癒
無病息災や病気平癒のために月天の真言を唱える方が少なくありません。
こちらの真言は、病や災いから身を護る力があるからです。
健康を保つための真言として祈りを捧げてきました。
病気になることなく心身ともに健康に過ごせる状態だけでなく、心の平穏や安全や安心も効果に含まれます。
また、すでに患っている病が回復すると、痛みや苦しみから軽減さあれ、免疫力向上と共に精神的な回復が行われていきます。
月天の真言の唱え方
月天の真言を唱える方法
月天の真言の唱え方は、まず姿勢を伸ばしてリラックスした姿から始めます。
呼吸を整えつつ、心を鎮めていきましょう。
真言を唱える際は、心を込めることが重要で、意味を理解しながら集中して続けます。
真言の回数は3回や7回、108回などが適切だといわれていますが、回数にこだわるよりも継続する方が大切です。
強欲な願いを避け、大声を出さないことに注意してください。
月天の手印
月天の真言を唱える際に、手印を組むとより功徳を深めます。
月天の手印は「月天印(半蓮華印)」「月天印」と2種類あります。
「月天印(半蓮華印)」は、つぼみのような蓮の花が開きかけているような形の手印です。
「月天印」には、内面の女性性の活性化という意味もあるそうです。
月天をお祀りしている寺社
- 鞍馬寺 (京都府)
- 六波羅蜜寺 (京都府)
全国各地に月天を祀る寺社はあるようです。
月天が祀られている寺社では、月に関連するような行事が行われていることもあります。
京都府の鞍馬寺は毘沙門天が祀られていることで有名ですが、眷属として月天も共に祀られています。
五月満月祭という神秘的な行事も見どころです。
占い師sakuraのワンポイントアドバイス「月天の真言を唱えてご利益をいただこう」

月天の真言の意味を理解し、正しい唱え方によってご利益をいただきましょう。
浄化や癒しやひらめき、女性性の調和などを得られるはずです。
月天の真言を唱える際には、ぜひ手印を組み、ご加護を深めていきましょう。