
インドの神様の中には、さまざまな動物の姿をしているもの、または体の一部が動物の姿をしているものがあります。
今回紹介するハヌマーンもそのひとつです。
猿の姿をしているのがハヌマーンであり、ヴィシュヌ神の化身であるマーラの信奉者、そしてシヴァ神の化身であるとされている神様です。
今回は、このハヌマーンについて詳しく紹介していきたいと思います。
その生まれの由来、最強であるといわれる強さについて、有名な叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する逸話など、ハヌマーンがどのような神様なのか、これを読めば分かるようになっているので、ハヌマーンに興味を持っている方はぜひ参考にしてください。
目次
インド神話の猿の神様「ハヌマーン」とは

まずは、ハヌマーンがどのような姿をしている何の神様なのかについて説明していきましょう。
ここでは、ハヌマーンの基本的な情報を紹介していくので、ハヌマーンの基礎から知っていってください。
猿の半神で風神ヴァーユの子
ハヌマーンは、インド神話に登場する神様で、猿の姿をしていることが最大の特徴となります。
忠誠心・勇気・力を司る神様であると同時に、風の神ヴァーユとその妻であるアンジャナーが両親であるといわれています。
インド神話に登場する神々の中でも圧倒的にずば抜けた怪力を持っており、姿を変幻自在に変えることができること、空を自由に飛ぶことができる、雷鳴のような迫力のある咆哮を放つことなどが特徴として挙げられます。
ヒンドゥー教において広く信仰されているものの、実はハヌマーンは孫悟空のモデルとなっているともいわれているのです。
そのため、インドだけではなく中国やタイでも広く信仰を集める神様であるとされています。
ハヌマーンが猿の姿をしているのは叙事詩・ラーマーヤナが由来となっており、この中でハヌマーンの母親は呪いにかかっており、猿の姿をしていたため生まれてきたハヌマーンも猿の姿で描かれるようになったようです。
叡智と強さ・不死を兼ね備えた神様

ハヌマーンという名前には、“傷ついたあごを持ったもの”という意味があります。
その名前のとおり、ハヌマーンは猿の見た目という非常に珍しい姿であると同時に、顎が変形した状態で描かれるようになっているのです。
これは、風神ヴァーユの子として育てられている頃、ハヌマーンが太陽を美味しそうな果物と勘違いして突進した際、天空の神様であるインドラが自身の地位を脅かされるのではないかと危惧し、慌ててハヌマーンに雷電攻撃を仕掛け、地面に撃墜させた際に負ったケガであると言い伝えられています。
ちなみに、ハヌマーンはこの際に一度墜落死をしており、ブラフマンがかわいそうに思い、インドラに謝罪させたうえで、再度ハヌマーンに命を与えて蘇らせたとされているのです。
そして猿の姿で生まれた理由は前述のとおりであり、この顎や猿の見た目のインパクトから一度見ると忘れられないという人も多いのではないでしょうか。
巨大化・微細化のいずれも可能であり、雷鳴のような咆哮、そして自由自在に空を飛べるなどの能力を持っているのがハヌマーンの特徴でもあります。
山を持ち上げるなどの計り知れない物理的な力を持っている一方で、困難を乗り越える力や忠誠心、勇気などを持っているなど、インド神話の中でも最強クラスの強さを持っている神様であるともいわれているのです。
ヴィシュヌの化身ラーマの忠実な信奉者

叙事詩ラーマーヤナのハヌマーンはラーマーヤナに登場する王子、ラーマの信奉者としても知られています。
ラーマーヤナの冒頭でヴィシュヌが羅刹の王ラーヴァナを打倒するため化身としてラーマに姿を変えた際、他の神々が力になろうとさまざまな被造物を作りました。
そのうちにひとつとして、風の神ヴァーユが創り出したのが、ハヌマーンなのです。
その後、ハヌマーンは物語を通してラーマに対し非常に忠実であり、献身的な姿が多く描かれているのです。
ラーマーヤナの中でも、キシュキンダー編の終盤あたりから頻繁にハヌマーンが登場し、ラーマに協力するようになっていきます。
自らの空を飛べる能力を使って偵察を行ったり、ラーマの妻であるシータが捕らえられたときにはラーマの指輪を渡してシータを勇気づけるなど、二人に忠実に動く姿が非常に印象的です。
そういった活躍が後世中国に渡り孫悟空のモデルとなったり、人々の人生を切り拓いてくれる存在としてカーストや宗派関係なく広く信仰されるようになりました。
猿神ハヌマーンが活躍するインド神話

インド神話におけるハヌマーンは、数多くのエピソードに登場し、さまざまな活躍を見せています。
そこで、ここではハヌマーンが活躍するインド神話の物語を紹介していくことにしましょう。
猿王スグリーヴァの王位回復
叙事詩ラーマーヤナの中心的なエピソードのひとつに“猿王スグリーヴァの王位回復”があります。
実の兄であるヴァーリンとの間に生まれた誤解によって国を追放され、妻であるルーマーまで奪われてしまったスグリーヴァの忠実な家臣がハヌマーンだったのです。
リシュヤムーカ山に姿を隠していたスグリーヴァ一行でしたが、その山の中で妻シーターを悪魔ラーヴァナに攫われてしまったラーマとその弟のラクシュマナと出会います。
互いの状況を語り合ったうえで、ラーマはスグリーヴァに協力し、スグリーヴァの王位回復を約束してくれました。
そしてスグリーヴァはその代わりに、ラーマの妻であるシータの救出を約束したとされています。
ここでのハヌマーンの活躍は、知恵の神ならではのものでした。
ハヌマーンはスグリーヴァとヴァーリンがそっくりで見分けがつかないと感じ、スグリーヴァに花の首飾りを身に着けるように提案したのです。
最終的に、ラーマが矢を放ってヴァーリンを射ようとした際、この目印のおかげでスグリーヴァに危険が及ぶことはなかったとされています。
ラーマの妃シータの救出

ラーマヤーナにおいて、ハヌマーンが大きな活躍を見せたのは、ラーマの妻であるシータを悪魔王ラーヴァナから救出する際です。
シータを捜索し、居場所を見つけ出すこと。
シータへラーマの指輪を届け、シータを勇気づけたこと。
そして、ランカという場所において妨害工作を行ってラーヴァナを惑わせたこと。
シータ救出の際には、大きな活躍としてこれらが挙げられるのです。
ハヌマーンは、ずば抜けた跳躍力と空を飛ぶ力で海を渡り、シータがどこに囚われているのかを見つけ出すことができましたし、見つけたシータにラーマの指輪を渡し、希望を授けるという役割を果たしました。
シータの居場所を見つけ出し、一度帰還する前にラーヴァナの軍勢と戦い、自らに火をつけられたことを逆手にとってランカの街に火を放ち、妨害工作を成功させたというのも、ハヌマーンの大きな手柄といえるでしょう。
また、猿の軍勢がラーヴァナのいる島へ渡る際には橋を架けることとなり、その橋の建設にも知恵を貸し、指導的な役割を果たしたといわれています。
山を持ち上げ薬草を運ぶ救世主
ハヌマーンは、怪力の持ち主でした。
それがエピソードとして描かれているのも、ラーマーヤナです。
ハヌマーンが山を持ち上げたという逸話が残されているのは、ラーマの弟であるラクシュマナを救おうとしたときのこと。
魔王ラーヴァナとの戦いの最中に深手を負い、瀕死の状態となってしまったラクシュマナですが、サンジーバニーという薬草を使えば命が助かることが分かったのです。
ハヌマーンはラーマの弟を救うため、サンジーバニーを探しに山へ行ったのですが、どの草がサンジーバニーなのかが分かりません。
そこで、ハヌマーンは持ち前の怪力で山を丸ごと持ち上げ、ラクシュマナがいる場所まで持ち帰ったのです。
その結果、サンジーバニーを知る者がサンジーバニーを見つけ出すことができ、ラクシュマナは助かることとなりました。
ハヌマーンの怪力と、ラーマへの絶対的な忠誠心がしっかりと伝わってくるエピソードだといえるでしょう。
猿神ハヌマーンの外見の特徴

ハヌマーンは猿の姿をしている神様です。
もちろん他にもハヌマーンならではの特徴がありますが、最大の特徴は猿の姿をしていることでしょう。
直立歩行が可能な猿の姿をしており、毛皮に覆われている場合もあれば、猿の顔と尾がある以外は人と変わらず描かれることもあります。
人のように髪の毛が描かれることもあるようです。
また、ハヌマーンの身体の色は地域や伝統に則って変わることがあります。
緑色や朱色、橙赤色で表現される場合や、白色にされている場合、またインド・アーリア系の肌色をしていることもあるのです。
一度墜落死をする際に顎を負傷した際の傷や顎の変形がそのまま描かれることもありますが、少し大きな顎であるだけで傷や変形などは一切描かれないこともあります。
ハヌマーンの絵や像によって、色や姿などが少しずつ違うこともあるのを覚えておきましょう。
猿神ハヌマーンが象徴するものとは

ハヌマーンは忠誠心、勇気、力、知恵の象徴とされています。
ここでは、そのハヌマーンの象徴となる忠誠心、勇気、力、知恵それぞれについて詳しく説明していきたいと思います。
ラーマ神への揺ぎない親愛と忠誠心
ハヌマーンの象徴のひとつである“忠誠心”は、そのすべてがラーマに向けられたものとなります。
ラーマーヤナの中で導かれるようにラーマに出会ったハヌマーンは直感的にラーマこそが自身の主であると感じ、そこからラーマへの強い忠誠心をことあるごとに発揮するのです。
ラーマのために生き、ラーマのために動き、仕え、そしてラーマの中に自分の存在を見つけ出すことができたハヌマーンはラーマの最たる帰依者となり、同時にラーマにとっては最も信頼がおける副官となりました。
完全なる自己放棄と奉仕の精神

ハヌマーンがラーマに対して抱いていたのは強い忠誠心だけではありません。
ハヌマーンの生涯は、ラーマに対する自己犠牲のと奉仕の気持ちを持ち続けるものであったとされています。
自分自身を迷いなく相手に差し出し、相手のために奉仕するという気持ちにより、ハヌマーンはラーマの妻であるシータを悪魔の王であるラヴァーナから救い出すことができたのです。
忠誠心だけでなく、自分を犠牲にする自己犠牲の精神も、ハヌマーンの象徴のひとつだといえるでしょう。
正義や大儀のための力
ハヌマーンは類まれなる怪力の持ち主だといわれていますが、そのハヌマーンの力は、決して闇雲に発揮されるわけではありません。
ハヌマーンがどのくらいの怪力を持っているのかが分かるのはラーマーヤナの中のラーマの弟を救うために山ごと持ち運んだという逸話ですが、この際も、ハヌマーンは自分のためではなく、人のために怪力を発揮しています。
決して個人的な理由でその力を発揮するのではなく、“大義のために”使うという点が、正義や大義がハヌマーンの象徴となっている理由だといえるでしょう。
ハヌマーンに関するよくある疑問

ハヌマーンについて、まだまだ分からないことや疑問に思うことがある…という人のために、ここではハヌマーンに関するよくある質問を集めてみました。
ハヌマーンについてまだわからないことがある人はこちらもチェックしておきましょう。
ハヌマーンは、太陽の神様ではありません。
もともと太陽を果実と勘違いし、食べようと高く跳んだというエピソードが残っているため、太陽の神様と勘違いしてしまう人もいるようですが、太陽神ではないのです。
ただ、まったく関係がないかといえばそうではなく、太陽神であるスーリヤから学んでいる部分もあり、スーリヤに教えを請い、スーリヤが忙しく動き回る姿を礼拝したという逸話も残っていることから太陽とは深い関係があることは間違いないでしょう。
インド神話に登場するハヌマーンは、ヒンドゥー教の神様であり、特に信仰を集める神々の中の一柱となっています。
マルティ、バジュランガバリ、アンジャネーヤなどの名前もありますが、すべてインド神話、ヒンドゥー教に由来する呼び名となっているのです。
一部の仏教とがハヌマーンを守護神として信仰することはありますが、そもそも仏教の神様として別名があるわけでもないので、完全にインドを中心に信仰されている神様であると認識しても良いでしょう。
ハヌマーンと、破壊・創造の神であるシヴァにも深い繋がりがあるとされています。
ハヌマーンはシヴァの化身でもあるからです。
もともとラーマーヤナの中でも、シヴァがハヌマーンとして転生し、シヴァが信仰していたというラーマに仕えるようになったともいわれているため、ハヌマーンとシヴァの間には深い繋がりがあると考えて良いでしょう。
数多くいるヒンドゥー教の神様の中でも、シヴァと繋がりが特に強いとされているのがハヌマーンなのです。
シヴァ神についてもっと深く知りたい方はこちらをチェック。
ハルマーンアサナとは、ハヌマーンの姿勢を模したヨガのポーズのひとつであり、“猿王のポーズ”と呼ばれることもあれば、“猿神のポーズ”と呼ばれることもあります。
足を前後に大きく開いてお尻を床にぴったりつけるという、だいぶ柔軟性を求められるポーズとなります。
集中力を要し、ヨガのポーズの中でも非常に難易度は高いですが、このポーズはラーマーヤナの中でハヌマーンが海を渡りシータを探しに行った際の姿勢を模しているといわれているのです。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「ハヌマーンは私たちに大切なことを教えてくれる神様」
大切な人は決して裏切らず、生涯忠誠を尽くす。
ハヌマーンは、力持ちで無鉄砲、やんちゃなイメージを持っている人も少なくないと思うけれど、私たちにとって必要なさまざまなことを教えてくれる神様であることは間違いないわ。
ハヌマーンの勇気や忠誠心、謙虚さも社会に出るにあたって学んでおきたいところだし、その圧倒されるパワーは羨ましく思うと同時に、自分もできる範囲の中で一生懸命頑張らないとって気持ちにさせてくれるわよね。
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