
アイルランドのケルト神話に登場する春の女神ブリギッドのお祭りであるインボルク。
どのような意味があって、どんな内容のお祭りなのかということに興味がある方のために、今回はインボルクについて詳しく説明していきたいと思います。
インボルクに深く関連するキリスト教の聖ブリギッドについてや、ウィッカの火祭りについても併せて説明していくので、アイルランドの文化やケルト神話、ケルト信仰に興味がある方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インボルクとは春を祝うケルト人の祝祭のこと

インボルクとはアイルランドで行われるお祭りで、ケルト人が春の訪れを祝うという祝祭であるとされています。
まずはこのインボルクというお祭りがどのようにして始まったのか、どんな内容のお祭りなのかについて知っていきましょう。
インボルクの意味
“インボルク”という言葉は、古アイルランド語での“Imbolg”に由来すると考えられています。
また、英語では“St Brigid's Day”…聖ブリギッドの日と呼ばれることもあります。
Imbolgの意味は、羊のお腹の中という意味や乳を持つことといったものであり、春がやってくる頃にちょうど羊たちが子羊を出産し、乳を出し始める時期であることに由来していると考えられているのです。
ケルト人にとって羊の乳というのは栄養価が高く、冬を越すためになくてはならない重要なものでした。
インボルクは大切な乳が手に入る春の時期の訪れを祝う祝祭であり、羊の乳を使った料理やジャガイモとバターを使ったインボルクのときだけのお祝いの食事を作り食べたりするようです。
ケルト神話の春の女神ブリギッドの祝日

ケルト神話には、春の女神ブリギッドが登場します。
詩や癒し、鍛冶、予言を司る女神であり、自然や生命の再生を象徴する女神です。
ケルト神話においては春の女神や炎の女神と呼ばれることもあります。
インボルクは、この春の女神・ブリギッドの日です。
冬から春への移り変わりを祝う行事であるインボルクは、まさにブリギッドが象徴する自然や生命の再生を表すお祭りといっても良いでしょう。
ケルトの火の女神でもあるブリギッドの炎は生命の再生と希望の象徴であり、冬を終え、暖かい春を迎えるために欠かせない存在であると考えられるようになったのです。
暖炉と家庭の祭りであり天候を占う日
ケルト人にとってインボルクは古くから今まで、暖炉と家庭の祭りでもあります。
毎年インボルクが開催される2月の頭は春の兆しが感じられるようになったことで冬眠していたアナグマや蛇などの生物が冬眠から覚めるのを見かけることができる時期でもあるのです。
そのため、インボルクを伝統的に天候を占う日とし、現在でも生物が冬眠から覚め穴から出て来るのを見守るという習慣も残されています。
家でのインボルクのお祝いでは、バターやミルク、じゃがいもなどを使った料理が並び、暖炉の火と特別な食べ物で春の訪れを祝うのが習わしです。
また、今後の縁起を占うために、ろうそくの火や、天候が良ければ焚き火を用いることもあるとされています。
大地の目覚めと豊穣の儀式

冬が終わり、春を迎えるタイミングで行われるインボルクにはさまざまな意味があります。
大地の目覚めと豊穣の儀式を行うというのも、インボルクというお祭りのひとつの意味となっているといえるでしょう。
女神ブリギッドは豊穣を司る女神でもありますし、春になるとだんだんと農業も活発に行えるようになっていきます。
大地が目覚める時期だからこそ農業に関連する儀式を行い、その年の農業がうまくいくように…と種まきの準備を始めたり、井戸や川などの聖なる水で清める儀式を行うこと、そして春を象徴する植物を家の中に飾るなどといったことも行われているようです。
ウィッカの4大火祭りの一つ
インボルクはウィッカの火祭りのひとつに数えられています。
ウィッカとは現代魔女術のこと。
自然のサイクルに基づく4つの重要な節目の儀式のことをウィッカの火祭りと呼び、そのひとつがインボルクなのです。
インボルクは春の訪れを告げ、癒し、光の復活を祝うお祭りとされており、火に関連していえばロウソクに火をともして家の中で飾ることが習慣となっています。
初夏を迎える5月頃にはベルテーンという豊穣、愛を祝い大がかりな火を焚く祭りが行われるのです。
8月には初めての収穫への感謝、繁栄への願いを込めてルーナサというお祭りが行われ、このときには高い丘の上などでかがり火を焚くのが習わしとなっています。
そして10月31日に行われるのがサウィンです。
サウィンは冬の始まり、死と再生、先祖供養を目的として行われるお祭りでハロウィンの起源ともいわれるものです。
ボーンファイアと呼ばれる大きな焚火を丘の上で行い、その日は各家庭すべて暖炉の火を消して、このボーンファイアから火を持ち帰るのが習わしとなっています。
インボルクのお祭りはいつ?

インボルクは春の到来を祝うお祭りであるため、、現在では冬の始まりと春の始まりのほとんど中間にあたる2月1日や2月2日あたりに行われるようになっています。
インボルク自体は非常に古い時代から行われていた祭りであり、有史以前には既に現在の時期にインボルクを行うようになっていたとされており、19世紀から20世紀初頭あたりでは現在ほど日にちが絞られておらず、2月1日の前後2週間程度で行われるのが通例となっていたようです。
インボルクとキリスト教の聖ブリギッド

インボルクは、女神ブリギッドの祭りであるとされていますが、もう一人、アイルランドの修道女であり現在はキリスト教の聖人となっている聖ブリギッドにも深い関わりがあるとされています。
ここではインボルクと聖ブリギッドの関係、そしてケルトの女神ブリギッドと聖ブリギッドの関係について説明していきましょう。
聖ブリギッドとは
聖ブリギッドは、5世紀頃に実在したとされているアイルランドの修道女です。
亡くなったあとにキリスト教における聖人に認定されています。
ブリギッドクロスと呼ばれる独特の十字架を作り、人々の家を守る護符としたとされており現在も日ごろからこの十字架を家の入口に飾り家族の健康や豊穣を願う風習が残っているほど、聖ブリギッドの存在はアイルランドの人々の生活に深く根付いているのです。
ケルト神話に登場する女神ブリギッドとは本来は別の存在となっていますが、アイルランドにおいてキリスト教の影響が少しずつ色濃く広がっていく中で、やがて女神ブリギッドと聖ブリギッドが融合したと考えられています。
聖ブリギッドの十字架

引用元:X
聖ブリギッドの十字架、ブリギッドクロスはイグサで作られます。
日本においてイグサといえば畳の原材料として有名ですが、このイグサで作られたブリギッドクロスは現在でも広くアイルランドの家庭に飾られているのです。
家族の健康や幸せ、そして豊穣を祈るという意味があり、魔除けや火除けのご利益を授かることができるとも考えられています。
ブリギッドクロスはインボルクの日に作られ、その後家の入口に飾られており、現在ではケルト文化における幸運のシンボルともされています。
聖ブリギッドのベッド
聖ブリギッドのベッドもインボルクの時期に作られるものです。
わらや葦を材料として作られるベッドであり、ブリギッドの姿をかたどったとされる人形を寝かせるのに使われます。
インボルクの時期が近づいてくるとアイルランドではブリギッドのベッド作りが行われ、インボルクの前夜になるとそのベッドを暖炉のそばに置き、その上にブリギッドの人形を置いて牛乳やバターやバノックを供えるというのが風習となっています。
女神と聖人が一つになった人形・ブリデオグ

引用元:X
元は別の人物であったケルト神話の女神ブリギッドとキリスト教の聖人、聖ブリギッドが融合し作られたのがブリデオグと呼ばれる人形です。
ブリギッド人形と呼ばれることもありトウモロコシで作られる人形で、各々リボンやピカピカに光る石、またときには貝殻などを使って飾られます。
インボルクの前夜からブリギッドのベッドに寝かせ暖炉のそばに置くのですが、そうすることで家を保護し、祝福をもたらすとされているのです。
このブリデオグを家に置くことは聖ブリギッドを讃える意味や、インボルクの日に彼女を家に迎え入れるという意味もあり、現在ではアイルランドの伝統工芸品でもあります。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「インボルクは春の訪れを祝うケルトのお祭り」
彼女たちは家に幸福を授けてくれ、春という恵の季節の始まりからその一年が豊穣を授けてくれるとされているのね。
女神ブリギッドが炎の象徴でもあることから、火のお祭り・サバトのひとつでもあるとされているけれど、サバトの中では家の中でロウソクを灯すだけと、そこまで迫力はないの。
でも、春という暖かく生命が息吹く季節の訪れを祝う温かいお祭りであることは間違いないから、気になる人や、この時期にアイルランドを訪れる機会がある人はぜひインボルクの雰囲気を体感してみてほしいわ。
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