
毎年秋に行われる伝統行事「放生会(ほうじょうえ)」は、命あるものすべてを慈しむ日本古来の宗教行事です。
とくに福岡の筥崎宮(はこざきぐう)で行われる放生会は、九州最大級の祭りとして知られ、例年多くの参拝客や観光客で賑わいます。
2025年の放生会の日程や歴史的な由来、スピリチュアルな意味をはじめ、筥崎宮の名物やおはじきや露店、アクセス情報など見どころを詳しくご紹介します。
放生会に興味がある方はもちろん、初めて参加する方にも役立つ情報満載です。
目次
放生会(ほうじょうえ)とは?
放生会は、仏教に由来する「生きとし生けるものすべての命を尊ぶ」行事です。
日本各地の寺社で古くから行われてきた伝統的な祭り。
特に福岡・筥崎宮(はこざきぐう)で開催される放生会は、全国的にも有名で、秋の風物詩として親しまれています。
放生会の読み方と意味
放生会は「ほうじょうえ」と読みます。
「放生(ほうじょう)」は、生き物を自然に放して命を救うという意味で、例えば魚や鳥を池や山へ戻す儀式がこれにあたるそうです。
「会(え)」は法会(ほうえ)や法要など、仏教における儀式や集まりを指すのです。
つまり放生会とは、生き物を殺さず慈しむ心を大切にし、供養や感謝を捧げる法要のことだといえます。
現代では、祭りや縁日を通してその精神を広く伝えるイベントとなっています。
仏教に由来する命を尊ぶ行事
放生会の起源は、仏教に由来しています。
「殺正を戒める教え」にあり、中国の唐時代以降に盛んになったそうです。
日本には奈良時代に伝来したようです。
殺生は五戒の一つですから、どんな命も平等にあるという基本的な考え方として広まっています。
放生会では、漁で捕まえた魚や市場で買った鳥などを自然に返して、その命を慈しむような象徴的な行事でした。
儀式としてではなく、日々の生活の中で無意識に行っている殺生に対する反省や感謝の気持ちを表すためです。
全国で行われるが、福岡・筥崎宮が特に有名
放生会は全国の寺社で行われていますが、福岡県福岡市東区の筥崎宮(はこざきぐう)で行われる放生会が特に有名です。
福岡だけでなく、関西地方でも歴史ある放生会が開催されています。
奈良県の興福寺では、平年間から続く歴史を持ち、法要の厳かさが印象的です。
放生池に魚を放つ儀式も有名です。
京都府の清水寺においては、千年以上続くとされる行事で、自然や命の大切さを実感できる荘厳な雰囲気が特徴です。
これらの寺院では、商業的な側面よりも宗教行事としての意味合いが強く、より静かで神聖な雰囲気の中で行われます。
【2025年】福岡・筥崎宮の放生会の日程と開催場所
2025年の開催日程(確定)
2025年の筥崎宮放生会は、9月12日(金)~9月18日(木)の7日間にわたって開催されます。
また、2025年は 2年に一度の「御神幸(おみゆき)」 が行われる年にあたり、以下の日程で行列イベントが予定されています。
場所:福岡市東区・筥崎宮
会場は 筥崎宮(はこざきぐう) の境内および参道一帯で、所在地は 福岡県福岡市東区箱崎1‑22‑1 です。
伝統の秋祭りである筥崎宮放生会は、博多三大祭りの一つとして古くから親しまれており、毎年多くの人々が訪れる風物詩です。
アクセス方法と交通案内
電車をバスなど公共交通機関の利用はとても便利でおすすめです。
- 地下鉄箱崎線「箱崎宮前駅」(1番出口)より徒歩約3分
- JR鹿児島本線「箱崎駅」**より徒歩約8分
- 西鉄バス「箱崎」バス停から徒歩約3分
- JR九州バス「箱崎1丁目」バス停から徒歩約2分
車で行く方は、海上周辺は混雑と交通規制が予想されているので注意してください。
公式ホームページやSNS情報をご活用ください。
車で来場する方へは駐車場情報をまとめました。
- 筥崎宮公式の特設・臨時駐車場は用意されるがすぐ満車になる
- 周辺のコインパーキング(国道3号線沿いや吉塚駅エリアなど)は少し離れるが、比較的入りやすい場合がある。ただし、特別料金が設定されていたり、すぐ満車になる可能性もある
- 「パーク&ライド」や「akippa」などの予約サービスを利用して、少し離れた駐車場に車を停め、公共交通機関で会場へ向かうことが可能。
また、交通規制については御神幸の開催に伴い、9月12日(金)と14日(日)の夕方〜夜にかけて、筥崎宮周辺で実施される見込みです。
詳しい規制範囲や時間は、開催が近付いた際に筥崎宮公式または福岡県警の発表をご確認ください。
福岡・筥崎宮 放生会の見どころ
引用元:引用元:放生会|福岡の神社 筥崎宮【公式】
伝統と賑わいが融合した唯一無二の体験ができるイベントが福岡を代表する秋の一大祭典「放生会(ほうじょうえ)」です。
ここでは、筥崎宮放生会ならではの魅力をたっぷりとご紹介します。
500以上の露店が立ち並ぶ賑やかな参道
放生会の最大の魅力は、参道に並ぶ500軒以上の露店ではないでしょうか。
射的や金魚すくい、ベビーカステラ、リンゴ飴などの定番屋台から、最近では、韓国グルメやインスタ映えするようなスイーツの屋台まで多彩です。
参道の長さはおよそ1kmです。
開催期間中は、昼夜問わずに活気ある雰囲気となっています。
放生会名物「新ショウガ」
筥崎宮の放生会といえば、名物「新ショウガ」が外せません。
秋の訪れを感じさせるこの生姜は、甘酢漬けにして食べるのが一般的で、「厄除け・無病息災のお守り」としても親しまれています。
参道では束にした状態で売られています。
独特の赤ピンク色と香りが印象的で、毎年このショウガを買いに訪れる地元民も多く、筥崎宮放生会の象徴的な縁起物のひとつです。
見世物小屋は今も残る昭和の娯楽
放生会の大きな特徴として、見世物小屋が挙げられます。
全国的にみても珍しくなった見世物小屋では、蛇女やろくろ首、大道芸など昭和レトロな雰囲気漂う異世界にタイムスリップしたような感覚を味わえます。
その独特の怪しさと懐かしさは、若者から年配層まで多くの人々の好奇心を刺激しています。
現代ではあまり見られない貴重な文化遺産として、注目を集めています。
放生神事は生き物を自然に還す儀式
放生会の原点ともいえる神事が、「放生神事(ほうじょうしんじ)」です。
捕獲された魚や鳥などの生き物を自然に放して命を慈しむ、仏教や神道の教えに基づいた神聖な儀式です。
筥崎宮では、神職によって魚などを海や川へ放つ儀式が行われ、人間が自然から命をいただいていることへの感謝を捧げています。
この荘厳な儀式を通じて、「命の大切さ」「自然との共生」を見つめ直すきっかけにもなります。
神輿行列は舞楽などの伝統芸能
2年に一度行われる御神幸(ごしんこう)では、筥崎宮の御神体が神輿に乗って氏子町を巡行します。
2025年はこの「御神幸」が行われる年です。
神輿行列では、伝統芸能「舞楽(ぶがく)」や稚児行列、雅楽隊が参加し、まるで平安時代の風景が現代によみがえったような壮麗な光景が広がります。
沿道では多くの見物客が神輿を迎え、地域と神様との結びつきを再確認する儀式となっています。
占い師sakuraのワンポイントアドバイス「2025年は福岡の放生会で伝統文化に触れよう」

仏教や神道の教えに根ざしながらも、現代では地域の文化や人々の交流を深める大切なお祭りとして受け継がれています。
2025年の福岡・筥崎宮の放生会は、9月12日(金)~9月18日(木)に開催予定です。
約500軒の露店が並ぶ賑やかな参道や、名物「新ショウガ」、今も残る見世物小屋、命を慈しむ放生神事、そして2年に一度の御神幸(神輿行列)など、見どころが満載です。
初めて訪れる方も、毎年楽しみにしている方も、博多の秋の風物詩「放生会」で、心あたたまるひとときをぜひ体験してみてくださいね。