どうやって作られたのか、何のために作られたのか。
当時の文明でこのようなものを製造することができたのか。
そのような謎を抱かせるオーパーツは科学が発達した現代においても、製造方法が判明していないものが多々存在します。
その一方で、使用目的や製造された目的、そしてその作り方が判明しているオーパーツもあるのです。
今回は、それらオーパーツについて紹介していきたいと思います。
目次
オーパーツとは何?その正体とは
オーパーツは、“Out Of Place Artifacts”…日本語で「場違いな人工物)という意味を持つ言葉が元になって作られた造語です。
それぞれの頭文字を取り入れ、“OOPARTS(オーパーツ)”という言葉が作られました。
“場違い”とは、その時代や文明にそぐわない技術を持って作られたものであったり、構造をしているものであったりという意味だと考えられます。
さまざまな場所で発見され、当初は何でできているのか、どの時代につくられたものであるかが分からない場合には、オーパーツであると判断されるものが多いのですが、その一方で調べていくにつれ、どの時代、どの文明でつくられたのかが判明していくことでオーパーツではないと判断されることも少なくありません。
また、新しい時代に作られ、“オーパーツである”ように見せかけた偽物の存在も多いといわれます。
解明されていない本物のオーパーツ一覧
まずは、現代でも解明されていないオーパーツについて紹介していきたいと思います。
こちらで紹介するオーパーツには以下のものがあります。
- アンティキティラの機械
- ヴォイニッチ手稿
- ナスカの地上絵
- ピラミッド・アイ・タブレット
- カンブリア紀の金属ボルト
- ミッキーマウスの壁画
- ネブラ・ディスク
- アショカ・ピラー
現代でも解明されていない、オーパーツが一体どのようなものなのかを紹介していきましょう。
アンティキティラの機械
引用元:X
アンティキティラの機械はギリシャのアンティキティラ島で発見されたものです。
世界で最古の機械式の天文・暦計算機だと考えられていますが、実際にはどのように使われていたのか、どうやって作られたのかは明らかになっていません。
1901年に考古学者であるヴァレリオス・スタイスが沈没船から回収したのですが、その構造の複雑さや、当時いかにアンティキティラの機械が重要な役割を担っていたかについては、しばらくの間理解されることはありませんでした。
アンティキティラの機械が製造されたのは紀元前3世紀頃から紀元前1世紀半ば頃で、発明したのは古代ギリシャの学者であるアルキメデスだと考えられていますが、この時代にこれだけ精密な機械を作ることができたのは驚くべきことで、古代ギリシャ文明が当時考えられていた以上に発展した優れたものであることを証拠づける要因のひとつとなったのです。
ヴォイニッチ手稿
引用元:X
ヴォイニッチ手稿とは、他にもヴォイニッチ写本、ヴォイニック写本と呼ばれることがある古文章です。
1912年にイタリアで発見され、15世紀頃に書かれたのではないかと考えられています。
作者は不明であり、たくさんのさまざまな図や文章は現在でも解読が不可能とされています。
書かれている文字に関してもまるで暗号のようなものであり、解読ができず、女性向けの健康医学書だったのではないか、占星術について書かれたものではないかなど、さまざまな説が唱えられているのです。
一時は何の意味もない本なのではないかと考えられた時期もありましたが、そこに関しては否定されており“きちんと意味がある文章である”ことまでは分析されています。
ナスカの地上絵
世界遺産に登録されているペルーのナスカの地上絵は、70にも及ぶ巨大な動物の絵や、700以上の不思議な幾何学図形が描かれているもので、地上からは確認することができず、空から見ることでハチドリやサルなどの絵を確認することができます。
1994年に世界遺産に認定されましたが、発見されたのは1926年のことです。
その際にはまだただの直線を確認しただけでしたが、その後1939年にアメリカの歴史学者ポール・コソックが上空から発見したのがハチドリでした。
ハチドリが発見されてからは次々と新しい絵や図形が発見され、そこからはどうしてナスカの地上絵が描かれたのか、何の目的で描かれたのかの分析・解明が始まったのです。
現在では、拡大法を使って描かれたところまでは解明されているのですが、なぜ描かれたのかという理由については判明しておらず、謎が残されたままとなっています。
ピラミッド・アイ・タブレット
引用元:X
エクアドルのラ・マナで1980年代に発見されたとされているピラミッド・アイ・タブレットは、高さが27cmほどの石板で、3辺からなる三角形のピラミッド模様の上部に目がひとつ描かれているものです。
底面には金の埋め込み細工でオリオン座の配置が描かれており、その下にはサンスクリット語で“創造主の息子がやってくる”と書かれているといわれています。
しかし、現在判明しているのはここまで。
それ以上のことは何も分かっておらず、ラ・マナで発見された多くの遺物同様、ブラックライトを当てると光り輝くという特徴を持っているピラミッド・アイ・タブレットが何を示し、何のために作られたのかは分かっていません。
カンブリア紀の金属ボルト
1997年にロシアのブリャンスクで発見されたオーパーツ、カンブリア紀の金属ボルトはサイズが20cmほどあり、ブリャンスクの森林で発見されたときには数tの力を加えても変形することがなかったとされています。
岩石の中に埋められるように見つかったこの金属ボルトは、その岩石が15億年前に生成されたものとだと判明したことから、まだ人類がいなかったはずの時代、地表は海に覆われている時代であったカンブリア紀に作られた可能性があるとされており、オーパーツとして知られるようになったのです。
姿形がボルトのように見えることから、当時から地球に存在していた棘皮動物のウミユリの化石ではないかという意見もありますが、カンブリア紀の金属ボルトが“金属である”ことが判明している以上、その節は薄いといわれています。
一方で当時は人類が存在しなかったことから、宇宙船などから落下したものではないかなどといわれているようです。
ミッキーマウスの壁画
引用元:X
今から700年も前の壁画であるにも関わらず、そこに見覚えのある絵が…。
これは、オーストラリアのマルタ村にある教会で見つかった壁画で、その中にミッキーマウスにそっくりな絵が見つかっているのです。
当然、ウォルトディズニーによって生み出された世界的な人気を誇るミッキーマウスは700年前には存在していません。
あちこちで鳥や獣などの絵が描かれていた時代ではあったものの、他の壁画と比較して明らかに異彩を放っているこの大きな耳を持っている二足歩行にも見える動物の絵は、未だにハッキリと解明されていないためにオーパーツとされています。
学者によってはイタチやビーバーなのではという声もあるようですが、擬人化されている理由や本当にそれらの動物の絵なのかどうかもハッキリと分かっていないため、謎に包まれたままです。
ネブラ・ディスク
引用元:X
1999年ドイツのザクセン=アンハルト州にあるミッテルベルク先史時代保護区で発見されたのが、ネブラ・ディスクです。
青銅の円盤の上にいくつかの金が貼張られており、天文盤ではないかと考えられています。
2005年には、ドイツの研究チームが約3600年前に作られた人類最古の天文盤であると結論付けたものの、まだまだ謎に包まれているオーパーツであり、その使用方法はどのようになっていたのかという部分に大きく謎が残されているといわれているのです。
直近では、天文盤を頭の上に掲げ、空を見上げながら読む方法によって使用するのではないか?と考えられていますが、これも必ずしも正解ではない可能性もあり、また当時に青銅を加工する技術があったことも多くの学者を驚かせており、まだまだ謎に包まれたオーパーツとなります。
アショカ・ピラー
引用元:X
インドで最も有名なオーパーツとして知られているのが、“アショカ・ピラー”です。
アショカ王の柱の名前でも知られているアショカ・ピラーは、錆びることがない鉄柱であることから、オーパーツとされるようになりました。
インド最古の遺跡であるクトゥブ・ミナールの中にあり、高さが7.2m、直径はおよそ40cmほどの巨大な柱です。
99.9%鉄でできているとされているにも関わらず、錆びていないことが不思議のひとつとされていますが、実際には表面に多少錆がついているものの、約1600年前に製造されたものであるにも関わらず内部はほとんど腐食していないようで、腐食の進行が驚くほど遅いという、その点がオーパーツとされる理由といってよいでしょう。
また、その製造方法が当時のインドにあったのかという点についても、不思議が残されるところです。
有名だが解明されたオーパーツ一覧
オーパーツの中には、当初はオーパーツであるとされながらも、解析や分析が進み、その謎が解き明かされたものも多く存在します。
ここではそのように謎が解明された以下のオーパーツについて紹介していきたいと思います。
- クリスタルスカル(水晶ドクロ)
- バグダット電池
- コスタリカの石球
- デンデラの電球
- バールベックの巨石
- 聖徳太子の地球儀
- カブレラ・ストーン
クリスタルスカル(水晶ドクロ)
ひとつめに紹介する解明されたオーパーツは、クリスタルスカルです。
水晶髑髏(すいしょうどくろ)とも呼ばれるこのオーパーツは、1924年〜1927年の間に父親の冒険に同行し、アンナ・ミッチェル・ヘッジスという女性が中央アメリカの北東部で発見したといわれるヘッジス・スカルが最も有名といわれています。
当時は今から3600年以上も前に作られたものであると考えられ、同時にその当時にこれだけ精密なガラスの研磨技術がなかったことから、どのように作られたのかが謎であり、オーパーツ認定されたわけですが、その後研究が重ねられた結果、表面にダイヤモンド研磨剤が発見されたため、近代に作られたものであることが判明しました。
さらに、実際に1924年から1927年にそういった遺物が発見されたという事実が残されていないことも分かり、クリスタル・スカルは現代に作られらたもの…つまりオーパーツではないということが分かったのです。
バグダット電池
引用元:X
1932年頃にイラク・バグダッド近郊のホイヤットランプファ遺跡で発見されたバクダッド電池は、一つの壺の中から鉄製の棒が突き出した変わった形をしています。
ドイツ人研究者のヴィルヘルム・ケーニッヒが発見したのですが、彼が古代イラン王朝パルティアで造られた世界で最古の電池であるという見解を発表したものの、その説は時を経て誤った見解だとされるようになりました。
土器の中にはイオン性の溶液が入れられていた痕跡が残されていることで、ケーニッヒは電池であると解釈したようですが、そのように使われた文献も残っておらず、多くの学者が巻物などを保管するための壺として使われていたという見解を述べていることで、電池としてのオーパーツではないのでは?という考えが有力となっていったのです。
コスタリカの石球
引用元:X
南米コスタリカのジャングルの中で発見されたキレイな球体。
これが、コスタリカの石球です。
現在では数cmの直径のものから、直径2.5mもあるものまで、大小300以上の石球が確認されており、当初はこれらが何のために作られたのか、どのようにして作られたのかが分からず、オーパーツであるといわれていました。
当初は発見された遺跡が西暦300〜800年、または西暦800〜1550年の時代のものだったため、当時の技術でここまで完璧な球体を作ることは不可能だったといわれ、製造方法が不明となっていましたが、当時あったであろう工具を使ってこのような球体を作ることができると分かったため、オーパーツではないという解釈に至ったのです。
デンデラの電球
引用元:X
エジプトにある遺跡群の中にあるハトホル神殿で発見された、電球を持つ人の壁画。
これが、デンデラの電球と呼ばれるオーパーツです。
発見された当初は古代人が電気を使用していたことが分かる壁画であるとされ、バグダッド電池と共に古代の電気の存在を証拠づけるものだといわれていましたが、分析、解析が始まるとともにそうではないことが徐々に判明していきました。
実際には古代のエジプト神話に登場する蛇を内側に生む蓮の花の絵であることが判明し、電球ではなく蓮の花であることが分かり、フィラメントだと考えられていた電球内の導線も蓮の中に生れた蛇の姿であり、目が描かれていることも分かりました。
このようなことから、デンデラの電球はオーパーツではないことが分かったのです。
バールベックの巨石
引用元:X
レバノンにある宗教都市バールベックで発見されたジュピター神殿の土台として使われている巨大な石が、バールベックの巨石です。
これも、発見当時はどのようにして運ばれたのか、当時これだけの大きさの石を運ぶ技術はなかったのではないかと考えられ、オーパーツであるとされてきました。
この巨石は650t~950tほどあるとされており、動かす技術はなかったといわれたものの、結局それは“1日でここまで運ぶことが不可能だった”だけであり、数日かけて良いのであれば、これだけの石を神殿の材料として運ぶことはできたと分かり、決して神殿の土台として人が運んだことに違和感はないことが分かったのです。
聖徳太子の地球儀
引用元:X
聖徳太子の地球儀と呼ばれるオーパーツは、日本の兵庫県太子町の斑鳩寺(いかるがでら)に所蔵されている地中石です。
地球儀といってもその大きさはソフトボールほどの大きさで、でこぼこした歪な形をしています。
表面の凹凸が、膨らんでいる部分が大陸で、へこんでいる部分が海のように見えること、大陸に見える部分に文字が書き込まれていること、そして聖徳太子が数々の知識を持っていたことから、当時から聖徳太子は地球が丸いことを知っていて、作られたのではないかといわれていたのです。
もちろん、当時に地球が丸いことを知る術はなく、他に大陸があることを知る術もありませんでした。
また、地中石の材質も漆喰を使っていることが分かり、当時の技術にはなかった製法で作られていることが分かり、オーパーツだといわれるようになったのです。
しかし、その漆喰に海藻のりが使われていることが判明し、その技術は江戸時代に用いられるようになったものであり、聖徳太子が存在した飛鳥時代に作られたものではないことが分かったとされています。
カブレラ・ストーン
引用元:X
南米の内科医であるハビエル・カブレラが所有する15,000点以上もの彫刻石の中にあるカブレラ・ストーンも、当初はオーパーツといわれ、科学的に解明された遺物のひとつです。
歴史的にはありえなかった、人間と恐竜が共存している姿が描かれた石であり、何を意味しているのか、いつの時代に彫られたものなのかが注目されていましたが、カブレラ・ストーンの調査を始めて比較的早い段階で、彫刻の線の鋭さから、歴史が古いものではないと分かりました。
その後、このカブレラ・ストーンを彫った人物が自ら名乗り出たことで、近代作られたものであり、オーパーツではないことが正式に分かったのです。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「謎が多いオーパーツの世界を楽しもう!」
中には解明されたものもあるけれど、それでも謎がすべて解けたというものは少ないの。
それぞれの時代にどんな技術があったのか、その技術では作ることができたはずがないオーパーツはそれぞれの時代に何があったのか、夢を見させてくれるわよね。
謎が多いオーパーツの魅力はたくさんあるから、ぜひ、オーパーツの世界を楽しんでみてね。
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