
真言密教の中でも最高峰といわれる仏様が大日如来です。
世の中には、この大日如来がついている人がいます。
大日如来はどんな人についてくれているのか、大日如来がついている人の特徴、大日如来がついているとどんなご利益があるのかについて、大日如来の真言(マントラ)とともに紹介していきましょう。
他にも高いご利益を授けてくれるといわれている阿弥陀如来や不動明王との関係も踏まえながら、詳しく説明していきます。
目次
大日如来とは真言密教の最高峰の仏様のこと
大日如来(だいにちにょらい)は真言宗のご本尊であり、宇宙そのものを表す仏様だといわれています。
サンスクリット語では「マハーバイローチャナ」といい、「大日」「大いなる太陽」という意味を持っているのです。
胸の前で手の人差し指を立てて右手の拳で包み込む姿勢をとっているのが大日如来の特徴のひとつであり、同時に抑揚のない穏やかで優しい顔立ちをしているのも、大日如来の特徴だといえるでしょう。
また、仏様の中では珍しく、耳にイヤリングのような装飾品を付けているのも、大日如来を見分けるポイントとなるのではないでしょうか。
真言宗では最高位に位置する仏様で、どんな願いもも叶えてくれるといわれています。
大日如来がついている人の10の特徴
大日如来がついている人には、特定の特徴というのが表れるといわれています。
ここでは、大日如来がついている人に現れる特徴を10個、紹介していくので、自分に大日如来がついているのか確認するのに役立てていただければと思います。
大日如来を信仰している
まず最初に挙げられるのは、“大日如来への信仰心を持っていること”です。
普段から大日如来のご加護を信じ、お寺に参拝に行く際にも、大日如来が祀られているところへ行くことを意識する、お守りも大日如来に由来するものを授かるようにしているなど、大日如来を信仰している人は大日如来に愛され、それを実感することができています。
干支が未年か申年
生まれ年によって決まる守り本尊というのがあります。
十二支で考え、どの年に生まれたのかによって、人によって一生を守ってくださるとされる守り本尊が違うのですが、大日如来は未年・申年生まれの守り本尊とされています。
未年・申年生まれの人は生まれながらにして大日如来がついてくれているということになりますが、信仰がなければ大日如来がついてくれていることに気づけないため、大日如来が離れてしまうこともあるようです。
- 子年:千手観音菩薩
- 丑・寅年:虚空蔵菩薩
- 卯年:文殊菩薩
- 辰・巳年:普賢菩薩
- 午年:勢至菩薩
- 未・申年:大日如来
- 酉年:不動明王
- 戌・亥年:阿弥陀如来
誕生時間が午後1時から5時の間
生まれ年によって守り本尊があるように、生まれた時間帯にも守り本尊がついてくださっています。
- 千手観音菩薩:午後11時から午前1時
- 虚空蔵菩薩:午前1時から午前5時
- 文殊菩薩:午前5時から午前7時
- 普賢菩薩:午前7時から午前11時
- 勢至菩薩:午前11時から午後2時
- 大日如来様:午後1時から午後5時
- 不動明王:午後5時から午後7時
- 阿弥陀如来:午後7時から午後11時
大日如来が守り本尊となっている時間帯は、午後1時から午後5時の間となっているため、この時間帯に生まれた人も、大日如来がついており、守られていると考えることができるのです。
大日如来が守り本尊の年で、さらに時間帯も午後1時から午後5時の間に生まれたとなると、大日如来とのご縁がさらに深いため、より強いご加護を受けることができるでしょう。
苦難を前向きに乗り越えている
どんなことがあっても前向きで、ポジティブ思考を持っていられる人は大日如来がついている人だと考えることができます。
大日如来が基本的に前向きな人、ポジティブ思考を持ち合わせている人と相性が良いとされているため、何か困ったことや苦しいことがあってもその中でポジティブ思考を持ち続けることができる人には強いご加護を与えてくれるのです。
また、そのような性格の人であれば大日如来を信仰、存在を感じとることもできるため、より絆を深めることができます。
努力を怠らない
大日如来がついている人は努力を続けることができるといわれています。
常に上を目指して努力を継続し、自身の夢や目標が叶いそうになっていても努力する手を緩めない…そんな性格の人には大日如来がついていると考えられるのです。
大日如来は知恵の光を人々に授けてくれるというご利益もあるため、頑張っていく中でさらに新しいアイデアを受けることができ、より努力する心が高まっていくのだと考えることもできるでしょう。
感謝の気持ちを持っている
何にでも感謝の気持ちをもって生きることができているのも、大日如来がついている人の特徴のひとつです。
周囲の人だけでなく、自分が置かれている環境であったり、就いた仕事であったりと、身の回りにあるすべての物事、起こる出来事すべてに対して感謝する気持ちを持つことができている人は、大日如来がついており、より強いご利益を授けようとしてくれているのだと捉えられます。
大日如来もすべての人が幸せになるようにと考えているため、すべてを大切にすることができる人を頼って、特別なメッセージやアドバイスを授けてくれることがあるでしょう。
自分自身を大切にしている
誰かを大切するだけでなく、自分のことを愛し、自分のことも大切にできる人は大日如来がついている人の特徴となります。
人を大切にするのと同じように自分を大切にすることや、自分を愛してあげることは言葉では簡単でも、なかなか実践することはできないものです。
しかしそれができる人というのは、自分が自分を守るご本尊のように生きることができているということ。
つまり、大日如来が人について守ろうしていることと同じことができている人…と考えることができるのです。
人のために行動ができる
人のために時に自分を犠牲にし、人のために何かをしてあげられる、人の気持ちを考えて行動することができるという人にも、大日如来がついている可能性が高いといえるでしょう。
仏様は基本的に人を守るためについてくれているものです。
仏様と同じように人のために行動することができる人は、大日如来がついていて、その影響が自身の行動にも表れているのだと考えることができます。
柔軟性と強さを併せ持つ
大日如来がついている人は、柔軟性と強さを併せ持っているといわれています。
人の気持ちに共感し、人に対して優しく接することができる一方で悪いことは悪いと指摘したり、正しい道へ導いてあげることができる。
自分を愛して大切にしてあげられる一方で自分をきっちりと律することができて、時にストイックに行動することができる。
また、さまざまな意見を聞き入れて自分の意見と織り交ぜるなどといった柔軟な考えなども柔軟性の部分に含まれるでしょう。
このように柔軟さと強さを併せ持っているのは、大日如来がついていてくれるからなのです。
何事にも動じない
幼い頃からさまざまな経験を積んできて、ちょっとやそっとのことでは動じないという胆力を持っている人も大日如来がついている人の特徴です。
大日如来を信仰していると、大日如来がついてくれているという心強さが潜在的に存在しているため、どんなことが起こってもどっしりと構えていられるようになります。
その潜在的な心の余裕が、どんなことにも動じない雰囲気を醸し出すことができるのでしょう。
大日如来がついている人が得られるご利益
大日如来がついてくれていて、守護を受けることができていると家庭運の上昇、願いの成就、そして厄祓いといったご利益を授かることができるといわれています。
家庭運が上昇すると、家族との関係が良くなるだけでなく、家族それぞれに幸せな出来事が起こるようになり、その雰囲気が家中に広がるようになると家庭内に穏やかな空気が流れるようになるのです。
また、大日如来には願いを叶える力もあるため、叶えたい願いがあるなら、その願いが叶うために徹底的にサポートしてくれるようになるでしょう。
そのうえで、あなたの身に降りかかろうとしている厄を祓い、守ってくれるので安心して願いを叶えるためにやりたいように行動してみてください。
大日如来の守護が頂ける真言(マントラ)と唱え方
真言(マントラ)とは、仏様の言葉です。
仏様によってその真言は異なるため、大日如来には大日如来の真言が存在します。
大日如来は、その働きによって“金剛界”と“胎蔵界”の大日如来がおられます。
ここでは、“金剛界”と“胎蔵界”、そして光明真言それぞれの大日如来の真言と、その真言にどのような意味があり、唱えることでどのような効果を得られるのかについて説明していきましょう。
金剛界と胎蔵界の真言
“金剛界”と“胎蔵界”それぞれで真言は違う一方で、共通して使うことができる真言も存在しています。
金剛界における大日如来の真言は「オン バザラダト バン」、胎蔵界における大日如来の真言は「オン ア ビ ラ ウン ケン」です。
また、金剛界・胎蔵界ともに共通して唱えることができる共通の真言は「オン ア ビ ラ ウン ケン バザラダト バン」となっています。
左手の人差し指を立て、右手で覆うように胸の前で印を組んでいる大日如来は金剛界、お腹の前で左の手のひらを右の手のひらの上にのせる印を組んでいる大日如来は胎蔵界と判断することができますが、その姿からどちらか判断できない場合には、共通の真言を唱えるなど使い分けることが大切です。
「オン バザラダト バン」の“オン”は大日如来への帰依の意味を持ち、“バザラダト”には大日如来へ呼びかける意味があります。
「オン ア ビ ラ ウン ケン」もやはり同じように大日如来に帰依し、呼びかける意味を持っているのです。
真言を唱えることで、心身が浄化されたり、願いを成就させられる波動が高まる効果があるといわれています。
光明真言
光明真言は大日如来の真言であり、実際に真言を唱えることで大日如来へ願いを唱えているような意味となっています。
「オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン」が光明真言で、この真言には「宇宙を支配される大日如来様、私達が進む道を無量の光で遍く照らして下さい」という意味が込められているのです。
光明真言を唱えるとさまざまな効果を得ることができるといわれており、その効果には以下のようなものがあります。
- 極楽に往生できる
- 富貴長寿を遂げることができる
- 鬼神や病苦を取り祓ってもらえる
- 心が穏やかな状態に変化する
- すべての災いを取り除いてもらえる
光明真言についてはこちらでより詳しく紹介しているので、確認してみてください。
大日如来の梵字と手印
大日如来の梵字は金剛界と胎蔵界で2種類あり、金剛界では「ア」、胎蔵界では「バン(ヴァム)」です。
梵字にはその梵字を司る仏様の力やご利益を表すそれぞれの意味が込められているのです。
大日如来の梵字「ア」と「ヴァム」には主に健康や癒しと関連付けられる梵字であり、未年と縁の深い梵字となっているといわれています。
さらに、この梵字には次のような意味も存在するといわれています。
- 知恵と慈悲で人々を悟りの世界へと導く
- すべての生き物の根本となる仏様
- 所願成就のご利益
- 現世安穏のご利益
- 心に差し込む悟りの光によって人生の方向性が明るく導かれる
- 自己成長を望む人にとっての心の支えとなる
また、仏像や曼荼羅に描かれている大日如来は手印を結んでいるのですが、これにも意味があります。
立てて伸ばした左手の人差指を右手で包み込む智拳印と呼ばれる手印は金剛界における大日如来の手印であり、仏の智慧が人々を包み込むことを意味しているのです。
また、両手を仰向けに重ね、それぞれの親指の先をくっつける形の手印は、胎蔵界における大日如来の手印であり、仏・菩薩の功徳を表す意味を持っているといわれています。
大日如来とその他の仏様の関係
引用元: Photo by (c)Tomo.Yun
仏教の世界には、大日如来をはじめとした多くの仏様がおられます。
では、それら多くの仏様と大日如来はどのような関係にあるのでしょうか?
ここでは、大日如来と阿弥陀如来、不動明王、釈迦如来の関係について説明していきたいと思います。
大日如来と阿弥陀如来
仏様には階層があります。
仏様の階層は位が高い順に“如来”“菩薩”“明王”“天部”に分かれているため、大日如来は最高位の仏様であると判断することができるでしょう。
しかし、阿弥陀如来も同じ最高位の階層に位置しているため、「一体どちらが偉いのか」と疑問に感じる人も少なくないようです。
大日如来は宇宙を司る仏様とされていますが、実際に力が強いとされているのは阿弥陀如来のほうだといわれています。
そのため、阿弥陀如来に対しては、大日如来を含むすべての仏様が褒めたたえている…と仏教の祖である仏陀も説いていたといわれているのです。
こちらでは阿弥陀如来がついている人について詳しく紹介しています。
大日如来と不動明王
大日如来は、宇宙を司る仏様とされていますが、密教においては不動明王が大日如来の化身であると考えられています。
大日如来の教えを広めるために、大日如来が不動明王へと姿を変え、教えに従わない者に時には叱り、救済するようになったと伝えられているため、大日如来=不動明王であると考えることもできるのです。
できる限り人に近いところで人を導くために、階層を落として明王となり、人々を救っているのだといわれます。
不動明王がついている人に現れる特徴についてはこちらで説明しているので、ぜひチェックしてみてください。
大日如来と釈迦如来
釈迦如来は、仏教の祖である仏陀(お釈迦様)のことであり、仏教における最高位の仏様の一人とされています。
密教においては大日如来が最高位の仏様であるため、密教では釈迦如来も大日如来の教えがもととなり生まれた仏様であると考えられており、大日如来の智慧を司る仏様が釈迦如来であると考えられているようです。
また釈迦如来は実在した人物であり、大日如来は実在した仏様ではないという違いも存在します。
釈迦如来についてさらに詳しく知りたい方はこちら。
総本山は?大日如来をお祀りしている有名なお寺
真言宗のご本尊とされている大日如来を祀っているお寺は日本国内にも多く存在します。
総本山となっているお寺だけでなくても、大日如来像を安置し、祀っているお寺があるので、そちらも紹介しましょう。
- 智積院(京都府)/真言宗智山派総本山
- 仁和寺(京都府)/真言宗御室派総本山
- 比叡山延暦寺(京都市・滋賀県)/天台宗総本山
- 東寺(京都府)/国宝の大日如来坐像を安置
- 龍見寺(東京都)/東京都指定有形文化財の木造金剛界大日如来坐像を安置
- 円成寺(奈良県)/平安時代末期運慶作の大日如来坐像を安置
- 真如苑(東京都)/鎌倉時代運慶作の大日如来坐像を安置
- 金剛寺(大阪府)/鎌倉時代の大日如来像(国宝)を安置
- 金剛峯寺(和歌山県)/平安時代前期の大日如来像を安置
- 横蔵寺(岐阜)/鎌倉時代の大日如来像を安置
- 光得寺(栃木県)/鎌倉時代の運慶作の大日如来像を安置
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「大日如来は全ての人を見守り救いを与えてくれる」

だからこそ、人々にたくさんの功徳を授けてくれるし、ご利益も高いといわれているのよ。
生まれた年や時間帯で生まれながらに大日如来がついてくれている人もいるけれど、宇宙全体を司っている仏様なのだから、その功徳の範囲は本当に広いものなの。
だから、最初から大日如来がついているわけではない人でも、大日如来がついてくれて、見守ってくれることだってあるわ。
すべての人を見守ってくれて、ときには救いの手を差し伸べてくれる大日如来の守護が受けられるよう、お寺を参拝に行ったり、真言を唱えてみるといいかもしれないわね。
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