
二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」の時期にすることである、「事始め」という行事。
しかし「事始めって何の日?」「事始めには、何かしないといけないの?」という人も多いものです。
現在ではあまり頻繁に聞くことがなくなってきた「事始め」なので、そもそも「事始め」という言葉を知らないという人も少なくありません。
ここでは「事始め」について、意味や由来、一体何をする日なのか、どうやって過ごせばいいのか、「事始め」について解説をしていくと同時に、した方がいい事や、食べた方がいいものなど、また各地の行事までご紹介していきます。
「事始め」を知ることで、新しく知ること、知っていたようで知らなかったことも、正しく知ることが出来るのです。
日本の昔からの行事の過ごし方を知ったうえで、現在に活かしていくことが出来れば、伝統を守っていく一つの方法といえます。
目次
事始めの意味とは
2月8日の事始めの意味とは?
日本でさまざまな行事が行われてきたとされる、「事八日(ことようか)」。
「事八日(ことようか)」というのは、12月8日と2月8日の、年2回あり、「何か事を始めたり納めたりする日」のことです。
この日には神様を祭るお祭りが行われるのですが、お祭りする神様が、どんな神様かによって、「事始め」というものが変わってきます。
12月8日が「事始め」で、2月8日が「事納め」となるのは、このお祭りする神様が「年神様」である時。
お正月に向けての準備を始める日が12月8日の「事始め」になり、年越しをしてお正月の行事がすべて終わるのが2月8日の「事納め」となるのです。
これに対して、2月8日が「事始め」で、12月8日が「事納め」となるのは、神様が「農耕の神様」である時になります。
一年の始まりであるお正月のお祝い事の一連が終わって、人々が日常の生活である農作業に戻っていく日が2月8日の「事始め」になり、一年の農作業をすべて終わらせる日が12月8日の「事納め」ということになるのです。
どちらかの始まりは、どちらかの終わりとなる、「事始め」と「事納め」の関係ですが、神様の「事」である神事の期間と、人の「事」である日常の期間の違いなのだ、ということがいえます。
このことから2月8日の「事始め」というのは、私たちの日常の始まりという意味を持っているということになるのです。
「事始め」と「正月事始め」との違いとは
12月8日と2月8日の「事始め」とは別に、12月13日のことを「正月事始め」といいます。
12月13日は、「鬼宿日(きしゅくにち)」と呼ばれ、婚礼以外のことを始めるには、「何事も縁起のいい日」とされているのです。
このことから、新しい年を迎えるために、準備を始める日とする「正月事始め」の日とされました。
「正月事始め」を迎えると、「煤払い」や「松迎え」、「餅つき」や「薪集め」などを始めます。
現在でいう一番近いところは、「大掃除」といったところ。
12月13日よりも前から始める人も多い大掃除ですが、私たちがする年末恒例の大掃除や、お正月の飾りつけ、おせちづくり、年末年始に必要なものの買い物などを、少しずつ始めるものをすべてひっくるめて、「正月事始め」ということなのです。
「事八日(ことようか)」の「事始め」とは、また違ったものだといえます。
事始めの「事」の意味
「事始め」の「事」の意味ですが、「事」が何を差しているかによって、意味がまったく変わってきます。
「事」が新しい年に迎える神様のことを指しているのであれば、それは「年越しの神事が始まる日」という意味になるのです。
つまりは「歳神様(年神様)の事始め」となり、「事始め」の日を12月8日をとし、2月8日が「事納め」となります。
お正月の神事に関するすべてのことを始める日と、終わらせる日ということです。
一方で「事」が私たち人のことを指しているのであれば、その意味は「私たちの日常生活の始まる日」となります。
つまりは「人の生活の事始め」となり、2月8日が「事始め」で12月8日が「事納め」となるのです。
人の生活の中心である農作業を始める日と、農作業を終わらせる日ということ。
少しややこしい話ですが、「事」が「神様」のことを指しているのか「人」のことを指しているのかで、意味は変わってくるということになるのです。
「手始め」と「事始め」の違い
「事始め」と似ているもので「手始め」という言葉があります。
この二つの言葉の違いですが、一見同じ意味だと思ってしまいがちですが、実は違う意味なのです。
「事始め」というのは、「物事に初めて手を付けること」という意味で、「ここから始まる」というニュアンスを持っています。
今この時だけで終わることを指しているのではなく、ここから物事が始まる、いわば「プロローグ」みたいなものです。
では「手始め」はというと、「物事に取り掛かる第一歩」という意味になりますので、その一瞬というニュアンスのもの。
「スタート」や、「ファーストステップ」といったような意味になるのです。
このように考えてみると、意味の違いが掴めてくるといえます。
歳神様
「歳神様(年神様)」は、お正月を迎えるとそれぞれの家にやってきて、その家を1年間守り続けてくれる神様のことです。
「歳神様(年神様)」という呼び方以外にも、「お正月様」「恵方様」「歳徳様(としとくじん)」「とんどさん」などと、地域によっていろいろな呼び方で呼ばれています。
「歳神様(年神様)」の「歳(年)」ですが、昔は穀物のことを「登志(とし)」と呼んでいたことから、穀物を収穫するサイクルのことを「歳(年)」と呼ぶようになったといわれているのです。
このことから「歳神様(年神様)」というのは、穀物の神様であり、その年の豊作を願って、一年の初めに「歳神様(年神様)」をお祀りすることになりました。
そして「歳神様(年神様)」を祀る行事は、お正月の神事となって、現在にも受け継がれているということがいえるのです。
「正月事始め」は神様のための事始め
12月13日に行われていた、江戸城の「御煤納め」の由来
12月13日は、婚礼以外のことを始めるには何事も縁起のいい日だとされている「鬼宿日(きしゅくにち)」です。
「鬼宿日(きしゅくにち)」は、お正月の準備を始める「正月事始め」ともされていて、新しい年を迎えるために、いろいろなことをやり始める日ともされていました。
「正月事始め」の一番最初に取り掛かることといえば、「煤払い」がまずやることであるとされていたのです。
このことから江戸時代では、12月13日に江戸城の「御煤納め」の日とされました。
この日には、江戸城内で奥女中たちが、神棚などの神聖な場所から順番に、城内を清掃して回ったのです。
ではそもそも「鬼宿日(きしゅくにち)」が、なぜ縁起がいい日とされているのかですが、古代中国で天文学・占星術として使われてきた「二十八宿」がもとになっています。
江戸時代に中国から日本に入ってきたのですが、日本でも流行して広まっていったことがキッカケとなりました。
「鬼宿日(きしゅくにち)」は「鬼」という字が入っているので、パッと見ではあまりいい日ではないと感じる人も多いといえますが、「鬼が宿にいる日」となりますので、「鬼が家に居て、外出していないので、邪魔されることのない日」という意味になります。
また「鬼宿日(きしゅくにち)」は「お釈迦様が生まれた日」だとする説もあるといわれていることもあり、最上級の縁起のいい日とされているのです。
「正月事始め」の意味とは
「正月事始め」は、新しい年になるとやって来る「歳神様(年神様)」をお迎えするための準備に取り掛かる日。
12月13日が「鬼宿日(きしゅくにち)」という、最上級の縁起のいい日でもあることから、「歳神様(年神様)」を迎える準備を始めるには、最もふさわしい日とされていたので、12月13日が「正月事始め」の日として、定着してきたという背景があります。
「正月事始め」というのは、「神様のための事始め」です。
「歳神様(年神様)」を迎えるためにお正月の準備を始めるのですが、この「正月事始め」の日にすることには「煤払い」や「松迎え」、「年男」といった風習があります。
現在では、江戸時代の「正月事始め」とは少し意味が違っているところもありますが、年末が近くなってくると大掃除を始めたり、お正月のお飾りを準備したりするなど、年末の恒例行事ということが出来るものと、同じようなものであるといえるのです。
煤払い
「正月事始め」を迎えた時に、一番最初にすることに「煤払い」があります。
「煤払い」というのは、現在でいうところの「大掃除に似ている」といえば、イメージのつきやすいものですが、ただの掃除というわけではありません。
「煤払い」の意味としては、「歳神様(年神様)を迎えるにあたって、一年間の汚れをはらって、清める」というものですが、この「煤払い」は神棚などの神聖な場所から行います。
神様が寄ってきやすくするために、神様に近いところから清めていくという意味を持っているのです。
現在とは違って、昔は「囲炉裏(いろり)」や「竈(かまど)」を使って、ご飯を作ったり、暖を取ってきたので、家の中には「煤(すす)」が付きやすい生活でした。
12月13日に江戸城で「御煤納め」をしていたことから、江戸の庶民の間でも「煤払い」をする習慣が出来たといわれています。
天井や壁などの高いところについた煤を落とすために「煤梵天(すすぼんてん)」という道具を使うなど、来る歳神様(年神様)を迎える時のために、家じゅうの隅から隅までキレイにしていました。
煤やホコリを落とすとともに、一年分の厄を落とすことは、歳神様(年神様)をお迎えするためにはとても大切な準備だったといえるのです。
キレイにすればするほど、歳神様(年神様)がたくさんのご利益を授けてくれるとされていたこともあり、大きな行事の一つとなっていました。
この「煤払い」が、現在の「大掃除」の始まりとなっているともいえます。
私たちが、年末には日頃見落としがちな細かいところまで、キレイに掃除をして気持ちよく新しい年を迎えようとする気持ちは、昔と変わっていないといえるのです。
松迎え
「松迎え」も、「正月事始め」に行う大切な行事の一つ。
「松迎え」というものは、お正月に歳神様(年神様)をお迎えするための門松や、おせち料理やお雑煮を作るために必要な薪、お正月の間に必要な木材などを山に採りに行くことをいいます。
門松は、お正月の飾りとして現在でも広く知られていますが、もともとは「歳神様(年神様)が家へ訪ねてくるための目印」とされているのです。
そんな歳神様(年神様)をお迎えするために必要な門松を作るための松、料理をするためにも暖を取るためにも、必要不可欠となる薪は山に行かなければ手に入りません。
次の年の恵方にある山へと取りに行くのですが、これが「松迎え」という行事になるのです。
現在では、門松を自分たちで作らなくても、お店で買うことが出来ますし、料理をするのもガスや電気があります。
暖を取るといっても、エアコンやストーブなどといった電化製品があり、昔のように薪を使うことは、ほとんどありません。
そのためわざわざ山へ入っていく必要もなくなってしまったので、残念ながらこの「松迎え」という習わしは、全国的にもだんだんと消えてしまい、使われることのなくなった言葉でもあるのです。
年男
「年男」と聞いて、私たちが思い浮かべるのは、その年の干支に生まれた男性のこと。
12年ごとに回ってくる自分の生まれた干支になると、「年男」「年女」という認識は、多くの人が持っていますので、今でも馴染みのある言葉だといえます。
しかしこの「年男」には、もう一つ別の意味があるのです。
「正月事始め」にある風習の「年男」というものは何かというと、この干支生まれの「年男」のことではありません。
それぞれの家庭で、先陣を切ってお正月の準備に取り掛かるなど、みんなのことを仕切る「家長」のことをいうのです。
「正月事始め」の「年男」の役目は何をするのかというと、「煤払い」に始まり大掃除、「松迎え」で山に行って松や薪を集めてくる、門松をはじめとするお正月の飾りつけ、歳神様(年神様)へのお供え物の準備、おせち料理の準備など、お正月に関わることの全てを取り仕切ること。
これだけたくさんの仕事をしなければいけない「年男」の役目は、とても大変なことであり、体力も必要です。
始まりは家の家長が勤めていた「年男」ですが、時代の流れとともに、体力のある若い男性である、その家の長男や奉公人に役目が移っていきました。
現在では「年男」という言葉を使うことは一部の地域では残っていますが、あまり聞くことがなくなってきたものでもあります。
しかしこの「年男」の役目は、いつの時代だとしても必要な役目であり、仕事がなくなることはありません。
そんな「年男」の役目を現代で担っているのは、世の中の「お母さんたち」だということが出来るのです。
お歳暮
年末が近くなってくると、世の中では「お歳暮」の準備も始まります。
日頃お世話になっている相手に対して、一年の締めくくりに「いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」という気持ちを込めて贈るお歳暮は、個人間だけではなく、会社や企業同士でもやり取りをする、私たちにとっては関係の深い、季節の行事だといえるのです。
そんなお歳暮の始まりも、「正月事始め」にあるといいます。
地域によって多少の前後がありますが、12月の頭から中旬に届けるのが一般的な時期だとされている「お歳暮」。
もともとは、「煤払い」や「松迎え」が終わって、「歳神様(年神様)」をお迎えする準備が整った頃に、「歳神様(年神様)」へのお供え物として、子ども達が親元へと持参していた食料品や、お酒が始まりといわれています。
この時に持参したものを「歳暮の礼」「歳暮の賀」と呼んでいたそうです。
これが次第に目上の人や、日頃お世話になっている人へ、お正月用品を贈るといった形に変わっていき、現在の「お歳暮」となったということ。
お正月用品を贈ることが「お歳暮」の原型でもあることから、現在でも「お歳暮」には、お正月に家族が集まった時に、食べることが出来るような、「ハム」や「肉」、「ビール」や「鍋セット」などが人気の品だといえます。
京都や地方で行われる事始めにまつわる行事
12月13日に行われる芸奴さん・舞妓さんの「事始め」
京都で12月13日に見ることが出来る行事の一つに、芸奴さん、舞妓さんによる「事始め」があります。
京都の祇園などの花街で見られる、この行事ですが、とても華やかな光景で、観光客の目を引くものでもあるのです。
芸奴さんや舞妓さんは、芸事を習うために日頃「お師匠さん」のもとでお稽古に励み、「お茶屋さん」で披露します。
そんな「お師匠さん」や「お茶屋さん」、「本家」や「得意先」への年末年始のご挨拶へと回る日が、12月13日の事始めなのです。
芸奴さんや舞妓さんは、鏡餅を持って、お世話になった人たちへの挨拶へと出かけます。
「おことうさんどす」と芸奴さん・舞妓さんが挨拶をすると、「来年もおきばりやす」などと一人一人に声をかけてもらいながら祝儀となる「舞扇(まいおうぎ)」を受け取るという、この挨拶回り。
私たちは実際に芸奴さんや舞妓さんが、挨拶を行っているやりとりを見ることはできません。
ニュースで芸奴さんや舞妓さんが、「お師匠さん」とやり取りをしているところが流れることがありますが、それで鹿知ることができないのです。
しかしその道中を移動している芸奴さん、舞妓さんの姿を見るだけでも、祇園の花街でしか見ることが出来ない、この習わしを感じることが出来ます。
ただ、芸奴さんや舞妓さんがふるさとに返ってしまう時期でもあることから、花街でも昔に比べると、少しずつ減ってきているといえる行事でもあるのです。
針供養
「事始め」にまつわる行事に「針供養」があります。
現在でも、縫い物をする人は多くいますが、昔は針仕事が当たり前の時代でした。
服を作るのも、日常的に使うものを作るのも、何でも自分たちで作っていた時代なので、昔の女性は針仕事をしなかった日はないほど。
それだけ日常の一部となっていた針仕事ですが、「針供養」の日には針仕事はなるべく控えることとされていました。
その理由は、一年間使ってきて、折れてしまった針や、曲がってしまった針に「ありがとう」の気持ちを込めて供養し、また「裁縫が上手になりますように」の願いを込めてお祈りをする日だったからです。
「針供養」は、現在でも有名な神社仏閣で行われている祭事の一つでもありますが、昔の人が個人的にやってきたやり方と、変わらないやり方で行っているところもあります。
「針供養」に使われるものは、豆腐やこんにゃくなど軟らかいもの。
地方によって使われるものは違いがありますので、お餅だったり、お饅頭だったりといったところもあります。
一年間使ってきた針を豆腐屋こんにゃくに刺して、供養をするのです。
なぜ柔らかいものを使うかという理由については、たくさん働いてきた針に対して、「最後は柔らかいところでゆっくりと休んでほしい」という想いが込められているといわれています。
針を刺したあとの豆腐やこんにゃくは、神社仏閣で供養してもらうことが多いのですが、地域によっては針を刺したまま土に還すところもあるのです。
現在の、神社仏閣で行われている「針供養」の祭事でも、豆腐やこんにゃくが使われているところも多くあれば、お祓い供養をしたのちに針塚に納められたりなどさまざまですが、供養といってもお祭りのような要素が多く、針の供養と、裁縫の上達を祈願しています。
茶道の「事始め」
日本の伝統でもある茶道の世界にも、「事始め」と「事納め」があります。
昔京都の「青竹の茶筅(ちゃせん)」を売り歩き始めた日が「事始め」の日だったことから、お歳暮の祝儀として「青竹の茶筅(ちゃせん)」を得意先に配るという風習があるのです。
12月の20日過ぎから行われるお茶会のことを「歳暮釜」と呼ばれます。
その年に使った干支の道具は「送り干支」「終い干支」と呼んで、12年後にまたその干支が巡ってくるまで使用しません。
大みそかには、一年を振り返ってお茶を楽しみながら、炉の炭を「埋火」にして新年を迎えた後、新たな炭を足して昨年の火を繋ぐことで、「お年もいいお茶ができますように」との願いを込めるという行事もあります。
しかし茶道では新年に初めて釜に火を入れる「初釜」という行事が1月の中旬に行われ、この日が茶道では稽古始めとなる大切なお茶会とされているのです。
「表千家」では茶道の関係者だけに限らず、招待されますが、「裏千家」では茶道の関係者だけで行うといった違いがあります。
年明けにはこの「初釜」のお茶会を開かなければいけませんので、茶道に携わっている方にとっては、年末は「初釜」の準備に忙しい時期だともいえるのです。
気をつけた方がいい「事八日にしてはいけないこと」
「事八日(ことようか)」には昔からさまざまな行事が行われてきて、「事」を始めたり納めたりする日とされてきました。
しかし「事八日(ことようか)」にはしてはいけないこと、というものがあるのです。
よく言われているのは「農作業をしてはいけない」「針仕事をしてはいけない」「山に入ってはいけない」などというもの。
これは「物忌み」といって、悪いものを家に寄せ付けないためのこととされています。
このことに関係して、地域によっては「妖怪や悪いものがやってくる日」と考えられているところもあり、有名なのは「一つ目小僧」です。
「針供養」が行われるこの日、針は一つ目小僧に繋がっているとされ、「針仕事は絶対に行わない」とされている地域もあります。
また一つ目小僧や、ほかの悪いものを追い払うためとして、籠(かご)やふるいなどを軒先にぶら下げたり、高く掲げるなどしていたといわれているのです。
この魔除けとしてぶら下げるものとしては、地域によって違いがあり、ハリセンボンやハチの巣、唐辛子やニンニクなどだったりもします。
今でも一部の地域では、軒先に魔除けとしてぶら下げている光景を見ることが出来る場所もあるのです。
事始めに食べるとよい食べ物とは?
お事汁の意味とは
「お事汁」というのは、「事八日(ことようか)」である、12月8日と、2月8日に食べるお味噌汁のことをいいます。
たくさんのお野菜が入っていて、「六質汁(むしつじる)」とも呼ばれているものです。
「お事汁」は、「無病息災」を祈って食べるという意味があります。
「事八日(ことようか)」には、農業を始めたり、終わらせたり、「年神様」をお祀りしたりといった行事があることから、「無病息災」や「五穀豊穣」を願うために、たくさんの野菜を使って作ったお味噌汁を食べるようになったといわれているのです。
「お事汁」に使われる野菜は、地域によって異なっていますので、決まったものがあるわけではありません。
その家庭ごとで、好きな野菜を入れて作っていいのです。
「事八日(ことようか)」には、「お事汁」を作って、「無病息災」と「五穀豊穣」を願いながら食べてみましょう。
お事汁に使われる食材は?
「お事汁」に入っている野菜には、地域や家庭によって違いがありますが、「お事汁」が「六質汁(むしつじる)」と呼ばれていることから、もともとは6種類の野菜が入っていたものだったとされています。
その食材というのが、「里芋」「大根」「にんじん」「ごぼう」「小豆」「こんにゃく」です。
この食材を見てみると、ビタミンやミネラルに加えて、食物繊維が豊富だといえ、なおかつお味噌汁は寒い冬には、身体の芯から温まることが出来るもの。
「無病息災」を祈るだけあって、とても健康にいい「お事汁」だといえるのです。
お味噌汁は、日本人にとっては定番のものですし、具材は無限にあるともいえ、それぞれの「家庭の味」があります。
しかしそんなお味噌汁に馴染みのある私たちでも、「小豆」の入った「お事汁」はなかなか食べたことがないもの。
「事八日(ことようか)」には、昔から伝わる伝統的な「小豆」の入ったお味噌汁を作ってみましょう。
お事汁のおすすめアレンジレシピ
「お事汁」には伝統的な6種類の食材が入っていたものが、もともとの「お事汁」だといえますが、地域や家庭によって、そのバリエーションはさまざまです。
基本の「お事汁」にちょっと手を加えてみるだけでも、また変わった「お事汁」を楽しむことができます。
おすすめのアレンジをいくつかご紹介していきますので、気になるものを試してみてください。
一つ目は味噌と相性がいいといわれている、「チーズ」。
どちらも発酵食品なので、お互いの味を引き出す、いい組み合わせです。
「お味噌汁にチーズ!?」と思うかもしれませんが、今までのお味噌汁とはちょっと違った、「洋風お味噌汁」も、おいしいもの。
二つ目は、お味噌を「白みそ」に変えてみましょう。
白みそは、甘みを強く感じることができるうえ、濃厚な味わいです。
適度な油分があれば濃厚でクリーミーなお味噌汁になりますので、「油揚げ」を足してみるのもおすすめ。
また里芋を「サツマイモ」に変えると、甘みが増しておいしいものです。
具材をガラッと変えて、自分好みにしてしまうのもいいもの。
「お肉」を入れたり、「お豆腐」を入れたり、「キノコ類」は栄養もアップしますので、おすすめの具材です。
「魚介類」を入れるのも、「魚」だけでなく「海老」や「貝」もおいしくなります。
自分だけの味を見つけてみるのも、楽しいものです。
事始めにするとよいこと!開運アクションとは
財布の購入で金運アップ
「正月事始め」にするといい事の一つに、「新しいお財布を購入する」というものがあります。
婚礼以外のことをするには、「何事もはじめるのに良い日」とされていますので、もちろんお財布を新しく購入して、使い始めるのにもうってつけの日だといえるのです。
古いお財布に「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えて、新しいお財布に「これからよろしくお願いします」といいましょう。
新しいお財布を使い始めることで、金運アップの期待も持てます。
お金を使っても、「戻ってくる」といわれていることもあり、お金に縁がある日だともいえるのです。
「正月事始め」は「ここから始まる」という意味もありますので、新しいお財布を使い始めるには最適な日だということができるということ。
何事も適切な時に始めることで、運を味方につけることも、ご利益を得ることも出来るものです。
お財布の購入や使い始めは、「正月事始め」の日を選ぶようにしましょう。
宝くじを買って金運アップ
「正月事始め」の日にするとよい事の中に、「宝くじの購入」もあります。
縁起のいい日だといわれている「鬼宿日(きしゅくにち)」は、金運にまつわることにとっても非常に良いとされているのです。
ですから金運を上げたいと思うのであれば、この日に宝くじの購入をすることが、金運アップにもつながる行動となるといえます。
またこの日は「煤払い」を済ませて、一年の厄を落とす日でもありますので、身を清め終わった状態で宝くじを買いに行くことが、さらなる金運アップとなるということがいえるのです。
とはいえ「煤払い」は家ではなかなかすることがないともいえますので、代わりに家の中の水回りの掃除をしてから買いに行く、神社仏閣の「煤払い」の神事に参加してから買いに行くなどすれば、期待が大きくなるともいえます。
ただ買いに行くだけでも、良い日とはされていますが、どうせなら効果アップを狙っていきたいところですから、少しでも効果を上げることをしてから、買いに行きましょう。
身の回りの物の手入れをして、全体運をアップさせる
「身の回りの物の手入れ」も「正月事始め」にするとよい事の一つだといえます。
身の回りの物といえば、この一年間よく使ってきたものでもあり、これから先もよく使っていくものでもあるといえるもの。
「事始め」は物事を納める日でもあり、始める日でもあります。
一年間使ってきたもののホコリや厄を落として、キレイな状態に整えてあげることが必要です。
物も新年を迎えるための、準備をしてあげることが必要だということ。
特にアクセサリーなどあなたに触れている時間が長いもの、寝室など毎日寝起きをする場所、あなたが時間を長く過ごしている場所や長く使っているものは、念入りにキレイに手入れをしましょう。
いくらあなた自身が厄を落としたとしても、あなたに直接触れるものや、長時間過ごしたり使ったりするものがそのままでは、意味がありません。
あなたと一緒に身の回りの物も、手入れをしてあげることが、全体的な運気をアップさせることとなるのです。
身の回りのものとなると、それなりに時間がかかることではありますが、「事始め」から「事納め」の間には、すべて終わらせることが出来るように、がんばりましょう。
あなたの運気をアップするためには、必要なことなのです。
カレンダーや手帳を買い替えて、運気アップを狙おう
「正月事始め」には、カレンダーや、手帳を買い替えましょう。
何事も縁起のいいといわれる日でありますが、新年に向けても準備を始める日でもあります。
「カレンダーや、手帳は必要ない!」という人は、昨今では全くいないわけではないと思いますが、それでもやっぱり必要としている人が多いものです。
家にはカレンダーがあるものですし、手帳も仕事で使っているなど、1日何度も見るもの。
生活の一部となっているカレンダーや手帳ですが、「事始め」の日に買うことで、一年間の運気アップを狙っていくことも可能になるのです。
カレンダーも手帳も、この先一年間の予定を書き込んでいくものであり、毎年決まった予定というものがあるはずですから、この日に書き込んでしまいましょう。
新年の準備として、予定を書き込みながら、どんな一年にしていきたいかということに想いを馳せる時間を持つことが大切なのです。
一年を良いものにしていこうと思えば、行き当たりばったりでは、上手くいくものも上手くいかなくなってしまいます。
きちんと一年間のスケジュールを考えて、いろいろな可能性を考えておくことで、準備もできますし、気持ちも新たに強く持っていくことができるものです。
そういった時間を作っておくことも、お正月の準備の一環でもあるといえます。
ここでの時間をもつことが、来年の運気を上げていくことが出来るかどうかの「差」となってでてくることになりますので、ほかにもすることはたくさんあって大変化もしれませんが、しっかりとやっていきましょう。
占い師 RINのワンポイントアドバイス「事始めは気持ちを新たにする良いタイミング!感謝の気持ちを込めて」

しかし「事始め」は一方の「事納め」でもあり、また「事納め」はもう一方の「事始め」でもあるので、繋がっているといえます。
「事始め」を迎えるということは、「ここから始めよう」と、気持ちを新たにすることの出来るタイミングだということが出来るのです。
「事納め」に対して感謝の気持ちを持ちつつ、これからのことに新たな気持ちを持って向かっていきましょう。
「事始め」にはするといい事もありますので、タイミングを合わせることで、運気アップを狙っていくことも可能です。
時期をしっかりと捉えて、未来を明るくしていきましょう。