日本の夏の風物詩と言えば花火ですよね。日本全国で花火大会は夏の間だけでも何回も開催されています。
その中でも大曲の花火大会は少し違った性質を持つ花火大会です。ただ花火を眺めて楽しむだけでなく花火師さんの登竜門でもあります。
花火の競技大会なのです。そういったこともあり、ほかでは見かけないような花火を見ることもできますよ。
花火の技術の真骨頂を眺めることができる大会でもあるのです。
目次
大曲の全国花火競技会は毎年8月最終日に開催
大曲全国花火競技会は日本一の花火師を決める!
https://www.youtube.com/watch?v=fTHoHsxcC_g
大曲全国花火競技大会は、例年8月最後の土曜日に開催される花火大会です。場所は、秋田県大仙市の雄物川河川敷運動公園となっています。
東北において規模が大きい花火大会であることも間違いないのですが、東北だけにとどまらず日本においても規模が大きい花火大会になります。
日本煙火協会が後援になっています。名前の通り、ただの花火大会ではありません。こちらの花火大会は、花火師さんのたちの競技大会になっています。
花火のコンテストになっているので毎年日本一の花火師さんが決まるのです。なので、ルールが決められています。
こちらの大会に出場することができるのは、選抜された28社になります。その28社は3部門すべてに出場しないといけません。
その総合評価で判定されるのでスペシャリストというよりは、ジェネラリストが有利な大会です。
逆に日本で2番目に大きいと言われている土浦の花火競技会ではスペシャリストに賞が与えられやすい大会であると言われています。
出場数は、土浦の方が圧倒的に多くなっています。2000年からは、内閣総理大臣賞が授与されるようになりました。
この賞が授与されるのは、茨城県の土浦の花火大会と大曲の花火大会です。
ほかにも日本政府の国務大臣などから授与される賞もあるので花火師さんたちも賞を取るために必死です。
日本政府の国務大臣などから授与される賞は5つとなっています。この数は、日本の花火大会としては最も多い数です。
ちなみに2番目に数が多い土浦の花火大会では3つ少ない2つの賞となっています。
2022年は8月27日開催予定
残念ながら2020年と2021年の2年間は、新型コロナ感染症によって中止となってしまいました。
日本全国から人が集まる規模が大きな行事なので仕方ないかもしれませんね。リモートで開催はできそうですが、打ちあがるとなれば自分の目で確かめたいと思う人も多いと思います。
ですが、既に2022年の予定が立っています。2022年も8月最後の土曜日開催なので日程は8月27日です。
花火自体がもともと疫病からの災いを払うために始まった行事だと言われています。それは火を使うからという説もあれば打ち上げるときの大きな音が魔を払ってくれるという話もあります。
花火がないと夏が物足りないと感じている人も少なくないはずです。花火師さんたちにとっては、この日のために日々努力をしているということもありがっかりしているかもしれません。
美しい花火を打ち上げることで早く日常が戻ると良いですよね。来年こそは、みんなで花火を眺めたいですね。
歴史は大正4年から!!
大仙市花火競技大会の始まりは、明治時代にさかのぼります。比較的、最近のことみたいですね。
当時は、花火競技大会という性格の大会でなく、大曲の諏訪神社祭典の余興として花火がうちあげられていました。
明治43年に神社のお祭りの行事としてでなく、独立した花火大会になりました。当時は、今の秋田民報主催の大会だったそうです。そして、競技大会へと進化したのが、1大正4年になります。
さらに、レベルの高い花火大会を目指すために名前を変えて秋田県だけでなく全国へと広げていったのです。
ただ、しばらくすると戦争の時代に入ってしまったので一時中断されてしまいました。その後、第二次世界大戦後に復活しました。
戦後すぐに大会そのものは復活したのですが、戦後の混乱している時代ということもあり観光客などの観客の数は減ってしまっていました。
その後も水害が起きてしまったりと以前のようなにぎわいにはなかなか戻りませんでした。
また、花火大会でなく花火競技大会ということもあり一般の人にはなかなか理解を得ることが難しかったそうです。
なので、花火業者をはじめとした花火の知識がある人や地元の人しか観客がいなく思っていたような規模にはならなかったのです。
でも、昭和後期に実施された第56回の観客は10万人だったそうです。その後、ちょっとした問題が起きます。
起源となった諏訪大社の祭典と村おこしのための花火大会が同時開催ということが政教分離の面でまずいということで分離開催ということになりました。
そこから平成に入ると東北有数の花火大会へと成長しました。さらに、地元の人口の15倍以上にもなる40万人が訪れる花火大会となったのです。
そして、新幹線のルートが大曲に入ることになりより東京などからのアクセスも良くなり来場者は増えていきます。
最近では、旅行会社が大曲花火競技会を鑑賞するためのプランを複数販売しています。
全国放送で放映されることもあり、より知名度のあるイベントになっています。明治の始まった頃とくらべるとすごく大きな大会になったと言えますね。
大曲の全国花火競技会は年4回
冬の章
https://www.youtube.com/watch?v=B4hT_kh3T_c
実は、大曲花火競技会は夏のみの開催ではありません。1年を通して、四季の数と同じ4回開催となっています。
ただし、最も規模が大きいものは夏の大会です。名前は、冬の章ですが実施される時期は3月です。
東北は、3月といえども雪がまだ残っている時期なので春より冬の方がしっくりくるのかもしれません。
この春の花火大会は、新作花火コレクションと呼ばれています。どちらかというと、若手の花火師や花火作家たちのための大会なのです。
若手を育てる上で技術の伝承や向上を目的として平成4年に始まった大会です。
アイデアが個性的な若手の花火作家が登場するので楽しむことができるでしょう。こちらの大会では、新作花火の部と伝統を追求する芯入割物の部の2部門です。
新作花火の部では、4号玉と5号玉を使います。伝統部門の方では、10号玉を使います。
日本伝統の花火を確実に打ち上げる技術が重要視されます。こちらは、夏の大会と違い2021年は実施されました。
鑑賞を希望する場合は、チケットを事前に購入する必要があります。金額は、パイプ椅子ですが夏の花火大会と比べると3,300円と比較的リーズナブルです。
会場が夏の花火大会と同じく場所へと変わりました。 アッというような花火を見ることができるはずです。
春の章
https://www.youtube.com/watch?v=PWMwLTPHptI
冬の章の次は、春の章です。名前は春ですが、実施される日時は6月となっています。
春の章は、毎年テーマが変わるようです。2020年は、日本煙火芸術協会が設立60周年と迎えることから日本の花火の技術を集めた花火を打ち上げる予定でした。
テーマが決まっていなくても世界や日本の花火の技術を集結させた花火を打ち上げるという趣旨の大会となります。
そういった趣旨ということもあり、かなりレベルが高い花火を見ることができます。世界の花火と言われていますが、花火の世界一は日本です。
なので、日本のすばらしい技術を見ることができるということでもあるでしょう。残念ながら2020年と2021年はともに新型コロナ感染症の影響によって中止となってしまいました。
例年、チケット制なので来年開催されるのであればチケットを事前に購入する必要があります。
全国花火競技会
大曲花火競技会において、最も規模が大きいのがこの夏の花火大会です。全国から花火大会に参加するために多くの人が秋田に訪れます。
今では、町を代表するイベントになっています。この花火大会は、花火師のための大会という側面もあります。
こちらの花火大会は、3部門中の2部門で優勝する必要があるのです。だから、ジェネラリストのための花火大会と言われています。
最初に行われる競技昼花火と呼ばれる17時ころから行われる競技です。昼と言えども真昼間では花火が見えないので17時がちょうどよいのかもしれません。
昼花火の部は、5号早打ち5発と割物か煙竜で勝負をします。
次に行われるのは夜花火です。夜花火は、10号玉の花火を2種類打ち上げる競技となっています。1発目の方は課題玉という規定通りの花火を上げます。
その花火を評価していくのです。花火の評価項目は、決められた数の層で開くこと、形、消えるタイミングなどになります。
花火の独創性よりも技術の正確さを競い合うのです。2発目は自由玉と呼ばれています。
自由玉は、その名の通りにいろいろな種類の花火を打ち上げることができます。形も決まっていないので、花の形などでも良いのです。
ただし、一発目と内容が同じになってはいけないというルールがあります。最近は、自由を生かすために笑顔やアニメキャラクターなどの形の花火が打ち上げられることが増えてきています。
今では、大曲花火競技会だけでなく全国的にもキャラクターなどのイラストをモチーフとした花火が増えていますよね。
そのすべて大曲花火競技会が初めだと言われています。花火の流行を作る大会でもあるということですよね。
そして、テーマをもうけて2分30秒以内で花火を打ち上げる審査があります。この時も、形、色、リズム感など様々な項目で評価していきます。
球数でなく、時間で決められていることもあり主流はスターマインです。スターマインとは、速射連発のことを指します。
最近では、ほかの花火大会で見かけることも多いかもしれませんね。スターマインの場合、小さな花火でも迫力が出るという利点もあります。
そして、総合優勝者には内閣総理大臣賞や国の国務大臣の章などが与えられます、
創造花火の部で優勝すると経済産業大臣賞が与えられ、10号割物の部優勝には中小企業庁長官賞が授与されます。
昼花火の部の優勝は大会会長賞です。ほかにも特別賞として文部科学大臣奨励賞などもあり賞の数としては日本一です。
2011年の大会より後の大会では、前年に優勝した花火師の花火がエキシビジョンとして打ち上げられるなどさらに華やかさが増しています。
また、2010年に大会100周年を迎えたときは100周年記念の花火が打ち上げられることもありました。
独創性が重視される形になるので花火師たちも趣向をこらして挑みます。今までで見たことがないような花火を見ることができるかもしれません。
これからも長く大会が続くことで200周年記念花火などが見れると良いですよね。
秋の章
大曲花火競技会の秋の章は、名前の通り秋に実施されます。具体的な日程は10月です。
秋田文化芸術祭が後援していることもあり、秋田の文化や伝統と融合した花火が多いのが特徴です。
秋は、タイミングが良かったこともあり2020年も実施されました。2020年のテーマは、「伝統×挑戦 日本の花火 大曲の花火」で約3万人もの人が訪れ楽しんだのです。
2021年は、大仙市、大仙市商工会、大曲商工会議所による大仙市花火産業構想事業の一環として実施されます。
テーマは、「大曲の花火 秋の章 飯田物語【紅×黒】」です。地元若手花火作家による個性的な花火や日本屈指の尺玉作り名人による花火などを楽しむことができますよ。
また、人気を博した「花火ミュージカル2015 オペラ座の怪人」も実施される予定です。
花火の知識がない人でも楽しむことができるように解説付きになっているので気軽に楽しむことができます。
秋の章も事前にチケットを購入する必要があります。金額は、2,000円と春よりはリーズナブルです。
大曲の全国花火競技会は日本三大花火大会の一つ
江戸時代の日本三大花火大会
大曲花火競技会は、現代の日本三大花火大会の1つです。秋田の大曲市の大曲花火競技会、茨城県土浦市の土浦花火大会、新潟県長岡市の長岡まつり花火大会です。
前述した通り、大曲花火競技会は前身の花火イベントでさえも明治時代に始まった比較的新しいイベントです。
土浦競技大会なども新しいイベントになるので、江戸時代における日本三大花火大会は今とは違う花火大会の名前が上がっていました。
江戸時代の三大花火大会は、茨城県の水戸の花火、山梨県の甲斐花火、愛知県の吉田花火の3つになっています。
水戸の花火を除く2つの花火は今にも伝わる花火大会があります。水戸の花火は、途中で途絶えてしまったと考えられています。
ちなみに、山梨県の甲斐花火は山梨県で行われている神明の花火、愛知県の吉田花火は愛知県豊橋市で行われている豊橋祇園祭となっています。
時代とともに花火大会も移り変わっていることがよくわかりますよね。
日本三大花火大会「土浦全国花火競技会」
現代の日本三大花火大会の1つが土浦の土浦全国花火競技会です。こちらの花火は、大曲花火競技会と同じく競技会という性質を持っている花火大会です。
こちらも同じく日本煙火協会が後援しているイベントです。
内閣総理大臣賞が授与される花火大会は、大曲花火競技会と土浦全国花火競技会のみとなっています。
競技会という性格を持つという点では共通していますが、中身は少し違います。土浦全国花火競技会はスペシャリストのための大会なのです。
なので、何か1つでも秀でていれば賞をもらうことができます、逆に大曲花火競技会はジェネラリストを目指す競技会です。
土浦全国花火競技会は、スターマインがメインの花火大会です。連射される花火は迫力があると評判です。
参加企業も60社と大曲花火競技会との2倍程度の数になっています。これは事前審査を行わず、自由参加の方式を取っているからです。
エントリーさえすれば参加できるので毎年参加数は必然的に多くなります。競技の内容は、スターマインだけではなく3部門構成となっています。
速射連発のスターマイン、発色や煙火の開き方を審査する部門、創造花火の3部門構成です。
立地からして東京から近いということもあり、首都圏からの観客も多い花火大会です。毎年80万人もの観客が訪れます。
大曲花火競技会と違い日帰りでの観光客も多いかもしれませんね。
現代の日本三大花火大会「長岡まつり大花火大会」
現代の日本三大花火大会の3つ目は、長岡まつり大花火大会です。こちらは、新潟県長岡市で実施されています。
日程は、8月1日から3日にかけて行われるお祭りの2日と3日です。このお祭り自体は、平和祭り、昼の行事、花火、灯篭流しなどで構成されています。
お祭りの始まりは、長岡空襲からの復興を願ったことにあります。終戦後の翌年に行われた戦災復興祭が最初と言われています。
ただし、花火大会の始まりは1879年だと言われています。当時、長岡の遊郭関係の人たちが資金を出し合って花火を打ち上げたということがありました。
この花火大会が元になっているそうです。本格的に花火大会が始まったのは、1906年で長岡まつりという名前になったのは戦後の1951年らしいです。
なので、お祭りの趣旨通り花火は隅田川の川開きのように慰霊の意味も持っています。それにより2003年から長岡空襲犠牲者の慰霊という願いを込めて特別な花火が打ち上げられるようになりました。
その花火は白菊という名前です。この花火は1990年に制作会社の花火師がロシアで戦時中にソ連で捕虜となりシベリアで抑留された際に亡くなった戦友を弔うため打ち上げた花火なのです。
花火大会は信濃川の河川敷で行われます。 Yahoo! JAPANによる有名花火師が選ぶ花火大会厳選10選でトップに選ばれたこともある花火です。
この長岡花火大会は、協賛金や募金などで費用を賄っています。でも、年々規模を大きくすることができているのです。
長岡花火は他の日本三大花火大会とは少し趣旨が違い、花火師のための競技会という性質はありません。
長岡花火大会は、3つの中では唯一慰霊や復興などを目的とした花火大会になっています。
第二次世界大戦時の長岡空襲だけでなく新潟中越地震などの自然災害の慰霊のためという趣旨があります。
だからこそ、多くの花火大会が中止された2011年も、慰霊と復興を祈念する花火大会という性質から例年通り実施されたというエピソードもあります。
ただし、2020年と2021年は新型コロナ感染症の影響を受けて中止となってしまいました。
花火の趣旨としては慰霊や復興を目指しているので中止する必要はないけれどもどうしても人が集まってしまうということで安全に実施することが難しいという決断になってしまったのです。
ただし、花火大会という形でなく花火はまつり期間中に打ち上げて慰霊や復興を願うことは中止しないということになったそうです。
大曲の全国花火競技会の審査|こまかな審査でトップが決まる
創造花火発祥
創造花火は、名前の通り花火の固定概念を打ち破った花火のことを指します。大曲花火競技会は、現代の個性的な花火が始まった場所ともいわれています。
1964年の大曲全国花火競技大会から始まった種類の花火なのです。打ち上げ花火にテーマを設けられるうようになりました。
そこで、審査基準も色彩、リズム、立体感、構成などになっています。花火の美しさや技術だけでなく、花火師の個性を追求するようになりました。
古典的な花火でなく、イラストなどを夜空に描く花火がよく見られますよね。その花火は、大曲花火競技会の想像花火が元になっているそうです。
古典的で美しい花火も良いですが、独創的な花火も楽しめて良いと思います。次に打ち上げられる花火の姿が想像できないとさらにわくわくしますよね。
テーマを決めて競い合う部門
https://www.youtube.com/watch?v=ptyY65OEfaU
大曲花火競技会では、テーマをもうけて花火の演技を行う部門があります。この時は、球数でなく時間設定がされています。
2分30秒という短い時間で花火を打ち上げるのです。この時の審査項目は、形、色、リズム感などになります。
様々な項目で評価していくのでなかなか難しい項目でもあります。ただ、時間が決まっているだけで球数は決まっていません。
そういうルールであることから速射連発のスターマインが主になっています。スターマインは連射になるので迫力を出すことができるのです。
リズムよく花火を出せばより人々の印象にも残ってきます。スターマインこそ時間が限られているときに最適な花火の手法なのかもしれませんね。
最近では、大曲花火競技会よりも土浦全国花火競技会で見かけることの方が多いかもしれません。
スターマインは迫力があるので古典花火や球数の決まっている創作花火とは少し違った魅力があります。
花火を楽しむために知っておいた方が良いこと
花火の評価方法にも決まりがあります。今回は、花火を見る上で役立ちそうで主なものを4つ紹介していきます。
まずは、玉の座りです。座りと呼ぶこともあるかもしれませんね。美しく花火が花開くためにはこの座りが大切になってきます。
打ち上げられた花火が空に昇り、重力によって落ちる直前に止まる状態のことを指します。この静止した状態のことを座ると言っているのです。
この座ったあと、一瞬で破裂することが良いとされています。そのタイミングがずれてしまうと早くても遅くても美しく花が開かなくなってしまうのです。
2つ目は、割り口です。玉が座ったところで火がつき、花火星が一斉に飛び散る瞬間のことを指します。
全ての星に火が付き、均等に飛び散らないと美しい花火にはなりません。3つ目は、盆です。盆は玉が開いたときの形です。
なるべく整った形である必要があるのです。綺麗な玉の形に見えるのが良い花火であると言われています。
まるで人間の容姿の話をしているかのようですね。また、花火の直径は玉の号数という大きさで決まっています。
開いたときの花火の直径が大きいことも良い花火の指標となります。花火の直径が大きいということは盆が大きいという意味と同じです。
ただし、盆の大きさや星のスピードは花火師の個性が表れる部分でもあります。同じ大きさであっても盆が早く開くと豪快な印象になります。
逆にゆっくりと開いた場合は、優雅な雰囲気になると言われているのです。最後は肩です。肩は、花火の花が開いた後の星の並び方になります。
開花した後の星が一直線にきれいに並ぶのが良いとされているのです。綺麗に放射状に星が並ぶと肩の張りが良いと表現します。
一応、花火を評価する指標もありますが個性を楽しむのも花火を鑑賞する楽しみの1つでもあります。
花火師一人ひとりの個性的な花火を比べてみましょう。花火を眺めていると自分好みの花火を見つけることもできると思います。
地面につくまでに消えないといけない
花火の評価の手法の1つに消え方があります。それを消え口と呼びます。花火は、星が一斉に吹き消すように消えるのが良いといわれています。
一斉に消えることを消え口がそろうと言います。消え口がそろった花火は、印象的です。鮮やかさを残し、人々の心に強い印象を残すのです。
潔さを感じさせる花火であるともいえます。逆に時間差を感じながら消える花火は、切なさやはかなさを感じることになります。
夏の終わりだとはかない印象の花火の方が好まれるかもしれませんね。どちらであっても共通のルールがあります。
そのルールは地面につくまでに消えるということです。それ以外は個性による違いなのでそれぞれの違いを味わってみましょう。
はかない花火も潔く去る花火も美しいものです。どちらが美しいということはありません。その場の雰囲気や見る人たちの好みによって評価が分かれてくると思います。
競技玉は本人が上げないといけない
最後に紹介する決まりは、基本中の基本になります。競技の球は、必ず自分で打ち上げるということです。
でも、花火の競技会以外でも同じことが言えますよね。お料理の大会であってもエントリーを行った本人以外が作ることはないでしょう。
花火もエントリーを行った本人がその場で打ち上げます。花火を作った一流花火師たちが自分の手で花火を上げるからこそすごい花火を見ることができるのです。
花火師たちが賞を目指して本気で打ち上げる花火だからこそ、美しいのかもしれませんね。
大曲の全国花火競技会の見どころ
日本の花火は世界最高峰
日本の花火は世界最高峰のレベルです。というのも、打ち上げ花火が文化として存在しているのが日本くらいであるということも理由の1つでしょう。
元々、日本には花火がなくもとになった火薬花火が室町時代に中国の人が持ってきたともいわれています。
その後も鉄砲の伝来とともに火薬が伝わりました。でも、日本で本格的に花火が作られるようになったのは江戸時代であると言われています。
今でも「たまやー」、「かぎや」という掛け声を花火大会の時に駆けますよね。その玉屋さんによる花火が日本の打ち上げ花火の最初であると言っても良いと思います。
今では、夏になると日本各地で花火大会が行われていますよね。大規模の花火大会から小規模の花火大会まであり、好みの花に大会に参加をすることができます。
花火を打ち上げる目的も美しい花火を楽しむためという趣旨が強くなっているかもしれません。
でも、当初は日本三大花火大会の長岡花火大会と同じく慰霊を目的にしたものが多かったと言われています。
また、慰霊だけでなく疫病などを払うという意味で花火が打ち上げられたこともあったとい終われています。
ただ美しいだけでないことを知るとしみじみとした気持ちになってきますよね。
最近では、花火を見物するために日本へ旅行に訪れる外国の人もいるくらいです。花火の美しさは刹那的だからこそ日本人好みなのかもしれません。
日本の夏の風物詩となっており欠かすことができません。コロナ禍でも花火師さんたちの粋な計らいによって全国的にゲリラ花火が行われたりもしていました。
花火は人の心を豊かにしてくれます。また、夏の夜の暑さを忘れさせてくれるイベントでもあります。
いつまでも続けることができるようにしていきたいですよね。
前年優勝者が打ち上げるエキシビジョン花火
大曲花火競技会では、2011年よりエキシビジョン大会が始まりました。このエキシビジョンは、前年の優勝者が花火を披露するという時間になります。
すばらしい技術を持った花火師の花火をじっくり見ることができるなんてすごいですよね。また、花火競技会の勝負とは別の花火なので違った感じを味わえるかもしれません。
仕掛け花火
大曲花火競技大会では、協賛企業によって仕掛け花火が打ち上げられます。仕掛け花火とは、その名前の通り仕掛けが組み込まれている花火のことです。
多くは、文字やイラストなどが浮かび上がるという形になっています。仕掛け花火の手法には、4種類あります。
網仕掛け、枠仕掛け、車花火、水中物です。網仕掛けは、滝のように火が流れる演出を行う花火のことです。
仕組みとしては、一定の幅を持つ火薬の噴出口を吊って一気に火薬を流します。滝のようであるということからナイアガラという別名もついています。
また、滝だけでなくロープを山型に張って富士山と呼ばれる形を作ることもあります。枠仕掛けは、名前の通り組み立てておいた枠を使う花火です。
木枠などに火薬を詰めた細い筒を文字などの形に取り付けます。その火薬に対して速火線をつけ、一斉に点火する仕掛け花火となっています。
速火線は素早く火がついていくので一気に火がつきます。文字を書くことができるので、最近では企業名などを表現するときに使うことも増えてきています。
車花火は、風車のような形の花火を楽しむことができる仕掛け花火です。最初に中心を固定してから回転するように火薬を詰めたパイプをつけた車輪の枠を設置します。
火をつけると、火薬の力によって車輪が回るので美しい円になるのです。同時にいろいろな色を見ることができる手法でもあります。
水中物は、花火を水上に発射するタイプです。水に反射する花火の美しさを見ることができます。
花火の割物を水中に打ち込みます。十数本もの火薬を詰めた筒を何本も仕込むのです。何本もあることから火をつけると筒が分離します。
筒が分離することで面白い動きをするのです。火を噴きながら動き回ったりします。花火玉を水上に発射することで扇の形に花火の星を開かせたりします。
水上を自由に動く様子から金魚と呼ばれることもあります。仕掛け花火は花火師さんの独創性やセンスが光ります。
なので、古典花火とは違った楽しみ方をすることができるでしょう。
大会提供花火
大会提供花火とは、大曲花火競技大会の最後を飾る花火です。この花火は、大曲花火協同組合青年部が作る花火です。
なんと1年もの期間を費やして作るビッグな花火なのです。事前に決められたテーマに沿って音楽や花火を考えます。
ワイドスターマインという会場の幅を使い切って打ち上げる迫力ある花火が見どころです。打ち上げ数も2,400発程度となっており1番の迫力を感じる場面でもあります。
900mをいっぱいに使い切る迫力の「ワイドスターマイン」をはじめ、総数約2,400発が打ち上がります。
勝負抜きの花火ということもあり、盛り上がり方も少し違うでしょう。まさに見せ場でもあります。
だから、この大会提供花火を見て帰宅すると決めている人もいるくらいです。
エールの交換
大曲花火競技大会の最後は、花火師さんと観客のエールの交換があります。花火師さんからは、みてくれてありがとうと想いが観客に投げられます。
観客からは、素敵な花火をありがとうという気持ちが投げられます。具体的にエールの交換とは何をするのか?ということですが光の交換です。
川を挟んで懐中電灯などを使って向こう岸に光を贈るのです。最近では、サイリウムが使われていることもあり光の色も様々です。
まさにライブ会場のような光景ですね。大曲花火競技大会に参加するときは、サイリウムや懐中電灯を持参するようにしましょう。
感動的な花火を鑑賞した後は絶対に花火師さんに感謝の気持ちを伝えたくなるはずです。
占い師秋桜のワンポイントアドバイス「大曲の全国花火競技会は花火師日本一を決める花火大会」
現代の日本では夏になるとたくさんの花火大会が行われるわ。地域限定の小さな大会から大規模な大会まで様々よ。
今回、紹介した花火大会は日本でも屈指の大規模花火大会よ。観客が楽しむだけでなく、花火師さんの登竜門でもあるわ。
だからこそ、毎年刺激的な花火もたくさん打ち上げられるのよ。最近は、新型コロナ感染症の影響で花火大会が中止になってしまうことも増えていて残念よね。
だけど、花火はなくならない!来年こそは、みんなで楽しく花火を見ることができれば良いわよね。
今年は、家でビール片手に動画で花火を楽しみましょう。動画だと移動の手間もなく日本全国の花火を鑑賞することができるから意外と良いかもしれないわ。