季節の暦の読み方に二十四節気というものがあります。
それは、七十二候をより大きく区分している暦です。
季節の流れを感じるだけでなく、立冬など占いにもかかわる暦の1つなので覚えていて損はないでしょう。
二十四節気は、日本の風土や気候に合わせた暦なので季節の旬を感じることができます。
その二十四節気の穀雨は、字のまんまの風情がある時期です。植物にとっての恵みの雨が降り注ぎます。
同時にその雨が冬から春へといざなってくれるでしょう。季節の移り変わりを肌で感じることができるはずです。
目次
穀雨 (こくう)の意味や由来
穀雨 (こくう)は、その字の通り穀物のための雨です。雨と言っても様々な種類の雨があると思います。
穀物を育てる雨を瑞雨と呼び、草木を潤す雨は甘雨と呼びます。そして、早く花を咲かすように促す長い雨は花雨と言われています。
ほかにもうつぎの花が腐ってしまうような雨を卯の花腐しと呼んでいました。キレイで美しい響き以外の呼び名があるのも面白いですよね。
雨一つにしても様々な呼び名があります。現代では、雨とひとくくりにしてしまうことも多いですよね。
今でいう、物事にあだ名をつけて楽しむような感覚だったのかもしれません。今でこそ食べるものもたくさんありますが、昔の人にとって最も大切だったのはなにでしょう。
それは、穀物です。そんな穀物も雨がないと育ちませんよね。この時がさす穀物は俗にいう百穀をさします。
百穀とは、米、麦、粟、稗、きび、豆などを指しますが現代で一般的なのはお米と豆くらいかもしれませんね。
春の雨は、煙るように降ることが多く他の植物たちの命を育むことにもなります。水辺では葦が芽を出し始めるでしょう。
植物の成長を阻むことになる霜も降りなくなりようやく一山超えたような感覚になる時期でもあります。
冬を終えて、春がやってくることに安心してしまいがちかもしれませんが春は一瞬です。ぼーっとしていると一瞬で過ぎ去ってしまう季節であるとも言えるでしょう。
春の雨もその渦中で味わうと鬱陶しいものだと思いがちかもしれません。でも、夏になると不思議と春が恋しくなってくるのです。
毎年、同じようにやってくる春ですが年によって少しずつ違いがあるはずです。そんな今年の春もしっかり味わってみるようにしましょう。
もう、春はすぐそこです。
穀雨 (こくう)の時期は「4月20日頃」
2021年 | 4月20日(火曜日) |
2022年 | 4月20日(水曜日) |
2023年 | 4月20日(木曜日) |
2024年 | 4月19日(金曜日) |
2025年 | 4月20日(日曜日) |
2026年 | 4月20日(月曜日) |
2027年 | 4月20日(火曜日) |
2028年 | 4月19日(水曜日) |
2029年 | 4月20日(金曜日) |
2030年 | 4月20日(土曜日) |
穀雨の時期は、長い冬が終わり、春がすぐ近くまで近づいてきているという時期になります。この時期の少し前までは、作物にも霜が降りてしまうことも多く大変でした。
なので、少しほっとすることができるタイミングとも言えます。ただ、忘れ霜が降りてしまう時期もあるということだけ心に留めておかないといけません。
温かくなって油断していた頃に急に寒くなり、忘れた頃に霜が降りてしまうということです。
現代でも暖かい日が増えたと思えば急に寒くなってしまうということも多いですよね。
何事も安心しきってはいけないということを表しているのかもしれません。この時期は、乙女座の一等星が夜空に光る時期です。
英名で言うとスピカですが、こちらの名称で聞いたことがある人も多いでしょう。スピカとは、麦の穂のことで農耕の女神の象徴みたいです。
光の色が白く真珠のように輝くことから日本では真珠星と呼ばれています。実は、真珠星には対になる星があります。
春の宵を過ぎた頃からオレンジ色に輝く麦星という星が真珠星より少し高い位置に輝き始めます。
少し高い位置に光り輝くオレンジの星に対し、白く光る真珠星が少し控えめについて言っているように見えると言われています。
その様子が夫婦のようだということから春の夫婦星という愛称で親しまれています。春の少し落ち着いた中、夜空を眺めてみてはどうでしょうか?
また、この時期は春になり夏も目前ということで茶摘みが行われる時期でもあります。小学生の頃茶摘みの歌った経験がある人も多いかもしれません。
当時は、言葉の意味よりも響きで歌っていた人も多いのではないでしょうか?歌詞にも出てくる八十八夜は立春から数えて88日目なのです。
徐々に気候も良くなり、過ごしやすくなる季節になるでしょう。温かくなると自然に外に出ていきたくなってきますよね。
穀雨 (こくう)のスピリチュアル的な解釈
穀雨は、春の訪れを感じることができる時期です。春と言えば、温かい季節を想像する人も多いですがこの時期はまでそうでもありません。
人々は春が楽しみで、早く春を迎えることを望んでいるでしょう。春という言葉を聞いた瞬間に飛び出てしまう人もいるくらいです。
でも、冬から脱して春になったと思えば、急に季節が戻って冬のように寒くなってしまう日も少なくはないでしょう。
そういったことから、順調であっても油断してはいけないということを表しているのかもしれません。
春の訪れは喜ばしいことです。だけど、春を感じた瞬間にスタートを切るのは少し考え物です。
何においても見切り発車で進めてしまうと失敗してしまうことも多いですよね。なので、春という季節がもう少し進むまでは注意しながら進んでください。
現代の場合は、見切り発車で進んでも自分が少し痛い目に遭うだけで済んでいたのかもしれません。
だけど、昔の冬は今と比べ物にならないくらい厳しかったはずです。あなた自身も冬の厳しさのような痛みを味わいたくないですよね。
だから、注意深くなることがおすすめです。春の柔らかな温かさと冬の厳しい冷たさが表裏一体で迫ってくる時期です。
穀雨 (こくう)の旬の野菜は「あしたば」
「あしたば」の基本情報
栄養 | あしたばは、ビタミンB群、カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、カリウムなどが含まれています。ビタミン類が豊富なことにより肌や毛髪を健康に保ってくれる効果もあるでしょう。 |
選び方 | あしたばは、葉っぱの色が鮮やかで茎が細いものを選びましょう。そういったものは、柔らかくて美味しいものが多いです。 |
保存方法 | あしたばは、乾燥をさせないように水によって湿らせたキッチンペーパーで茎を包んでからビニール袋に入れてください。その後に冷蔵庫の野菜室に入れましょう。 |
その他、お役立ち情報 | あしたばには、アクやくせがあるので水にさらす必要がありますがさらしすぎないようにしてください。 |
「あしたば」の特徴
あしたばは、すっきりした香りがある野菜です。なので、気分を鎮めたいときなどにも有効となっています。カルシウムの多い牛乳やチーズと合わせて食べるとイライラが解消されるでしょう。
「あしたば」のおすすめの食べ方・調理法
あしたばは、あくやクセがあるので下準備をすることが大切です。サッと塩でゆでてから冷水にさらしてください。独特の香りとアクが抜けるだけでなく色落ちを防ぐこともできます。食べ方としてはゴマやじゃことあえたり、天ぷらにすることがおすすめです。
またクックパッドの「あしたば」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
穀雨 (こくう)の旬の魚介類は「ひじき」
「ひじき」の基本情報
栄養 | ひじきは、カルシウム、食物繊維、ビタミンAが豊富です。ひじきは、栄養価が高いだけでなく女性に嬉しい効能が多いです。美肌効果もあり、健康面と美容面の両方に効果があります。 |
選び方 | ひじきは、黒くよく乾燥したものを選びましょう。乾燥したものを戻した生ひじきも黒い物を選びましょう。でも、生ひじきよりも乾燥ひじきを使う人の方が多いかもしれません。 |
保存方法 | ひじきは、乾燥ひじきを購入すれば日持ちがするので安心です。生ひじきは、サッと火を入れてから冷まして冷凍をして保存をしましょう。 |
その他、お役立ち情報 | ひじきは、漢字で書くと鹿尾菜と書きます。海から取れる食べ物とは思えない字面ですよね。これは、黒い見た目が鹿の黒くて短いしっぽに似ているからというのが理由みたいです。 |
「ひじき」の特徴
ひじきには、葉の部分の芽ひじきと茎の部分の長ひじきの2種類の部分に分けられています。日本では、長崎、徳島、三重、千葉など幅広い場所で獲れる海藻です。春に刈り取り浜辺で数時間ゆでてから出荷されます。最近では、韓国産や中国産も多いです。国産は全てが天然ものです。
「ひじき」のおすすめの食べ方・調理法
芽ひじきは柔らかく旨味が少なく、長ひじきは海藻らしい味わいを楽しむことができます。日本で多く食べられている乾燥ひじきの戻し方は必ず水に15~20分程度つけてから戻してください。お湯を使うと早くもどすことができますが、栄養素が流れてしまうのでなるべく50度以下にするようにしましょう。料理は、ひじきの炒め煮や煮物がおすすめです。
またクックパッドの「ひじき」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
穀雨 (こくう)の旬の草花は「山吹」
「山吹」の基本情報
学名 | 山吹 |
科・属 | バラ科 |
原産国 | 日本 |
別名 | 鏡草 |
「山吹」の特徴
山吹の花は、古くから日本で親しまれており山吹色という色もあるくらいなじみ深い花だと思います。
山吹色はよく目立つ色をしていますよね。なので、着物などだけでなく昔のお金にも使われている色です。
小判の色なんかも山吹色という呼び方がされていたそうです。山吹は、万葉集や源氏物語にもよく出てくるのでそれだけでも歴史を感じさせてくれます。
山吹色は、明るい黄色やオレンジ色の花を咲かせますよね。こんもりとした株にいっぱい花をつけます。
山吹が咲く頃は春の始まりなので春を運んできてくれる花とも言われています。可愛い感じのイメージがありますが実は少し悲しい伝説があるそうです。
愛しあった男女が別れることになり、名残惜しさにお互いの姿を鏡に映して土に埋めたそうです。
その後に山吹の花が咲いたことから、面影草や鏡草と呼ばれたりもしています。実は、山吹には一重咲と八重山吹の2種類があります。
そして、一重咲の方は実をつけることがありません。その鏡を埋めた後に花をつけた山吹はどちらだったのでしょうか?
それを考えるだけでもミステリアスですよね。山吹は、北海道から九州と日本の幅広い場所で花をつける植物です。
日本原産ということもあり、育てやすい花です。乾燥しにくい場所で育てることがおすすめです。
「山吹」の花言葉
山吹の花言葉は、「ずっと待っていました」です。山吹には、愛する男女が別れる時に想いをそこに残したいということからお互いの姿を映した鏡を土に植えた場所に咲いたという逸話があります。
そういったこともあり、同じ場所でその気持ちがあり続けるということを表しているのかもしれません。
いつでも、その場所に戻れば気持ちがよみがえるというのは素敵なことですよね。人の気持ちは移ろうものです。
現代であれば自分の意思に基づいて気持ちが変わっていくのかもしれません。けど、昔の人は自分の意思よりも状況によって気持ちを変えないといけないことも多いでしょう。
だからこそ、気持ちが燃え上がったまま自分の気持ちを封印しないといけないことも多いでしょう。
だから、自分が想いを貫くことができなかった気持ちがずっとそこにあるということでもあるのかもしれませんね。
叶わない恋だからこそ、その場に戻って相手の愛を感じてその想いを支えに生きていきたいということもあるのでしょう。
穀雨 (こくう)の七十二候
穀雨 (こくう)の初候「(あしはじめてしょうず)」
穀雨 (こくう)の次候「(しもやんでなえいづる)」
穀雨 (こくう)の末候「牡丹華(ぼたんはなさく)」
時候の挨拶:穀雨 (こくう)の候の使用例
穀雨の時候の挨拶は、雨や春の始まりをモチーフにしたものが多いです。
この時期に手紙を出す時は、「穀雨の候」で時候の挨拶を始めることが一般的です。始めることができます。「穀雨の候」は、次の二十四節気まで使うことができると覚えておきましょう。
他の二十四節気の意味や時期の一覧
占い師 秋桜のワンポイントアドバイス「油断しない!」
だから、春がやってきたと思って季節の変化に合わせることが多いと思うわ。けど、春を感じたからと言ってすぐに春支度を進めてはいけないわ。
毎年、春だと思って喜んで春服を着てみたのに寒くなって風邪をひいてしまったということもあるわよね。
そのように油断してはいけないわ。季節は徐々に進んでいくものなのよ。だから、その少しずつ変化していく流れを見極めることが大切よ。
すぐに飛び出したいと思う人は多いと思うわ。けど、もう少しだけグッと我慢をするようにしてほしいの。
見切り発車で進むということは、後で足元をすくわれてしまうこともあるから要注意よ。人よりもワンテンポ遅いくらいがちょうど良かったりもするわ。
その時は自分だけ遅れているようで複雑な気分になるかもしれないけど、そこはこらえる方が良いわよ。