日本には四季があります。
その四つの季節をさらに二十四に分けた、二十四節気というものをご存知でしょうか。
私たち日本人は日々のささいな変化にも過行く季節を感じ、楽しんでいました。
さまざまな楽しみの増えた現代において、自然の小さな変化にまで着目することはあまりなくなってしまいましたが、今一度季節の変化に注目していきましょう。
この記事では二十四節気の「寒露(かんろ)」について、詳しい意味や時期、旬の野菜や果物、魚介類、草花や行事、スピリチュアル的な解釈などについてご紹介していきます。
日本ならではの二十四節気に着目し、寄り添いながら暮らせば、新たな発見があなたの生活を豊かにしてくれるでしょう。
目次
寒露 (かんろ)の意味や由来
寒露(かんろ)とはその字の通り、寒い露を指しています。
同じく露の字が使われている二十四節気には9月8日頃の白露(はくろ)があります。
白露(はくろ)の頃には白くきらきらと輝いていた露ですが、寒露(かんろ)の頃には冷たさを増してくるでしょう。
露のことを「雁の涙」と言ったりしますが、それはこの時期になると雁をはじめとする渡り鳥たちが日本へとやってくるからではないでしょうか。
二十四節気の内、2つも露のつく季節がある。
このことは、私たち日本人が朝方、草花につく露の一つ一つまで愛でていたということの証です。
昔と現代では暮らしぶりは大きく変わってしまいましたが、この季節に露がよく見られることに変わりはありません。
ぜひ、この季節には露に着目して、小さな自然を愛でる豊かな心を取り戻していきましょう。
寒い露ができるようにはなりましたが、現代では寒露(かんろ)はとても過ごしやすい季節です。
夏が終わりようやく秋の夜長を感じられるようになってきたこの頃を、大切に思いながら過ごしてください。
露が冷たくはなってきたものの、まだ冬の気配は感じていないはず。
ですが、確実に冬は一歩一歩近づいてきている季節です。
寒露 (かんろ)の時期は「10月8日頃」
2021年 | 10月8日(金曜日) |
2022年 | 10月8日(土曜日) |
2023年 | 10月8日(日曜日) |
2024年 | 10月8日(火曜日) |
2025年 | 10月8日(水曜日) |
2026年 | 10月8日(木曜日) |
2027年 | 10月8日(金曜日) |
2028年 | 10月8日(日曜日) |
2029年 | 10月8日(月曜日) |
2030年 | 10月8日(火曜日) |
寒露(かんろ)の頃には、日本に渡り鳥がたくさんやってきます。
寒露の初候でもある七十二候の鴻雁来(こうがんきたる)でも、その様子は描かれています。
この雁は、かつての日本ではどこでも見られた渡り鳥です。
北国からやってくる渡り鳥は、寒い場所を求めてやってきます。
つまり、渡り鳥がやってくるということは、これから寒くなる季節だと告げられているようなもの。
現代の日本でも、雁だけでなくさまざまな渡り鳥が見られます。
そろそろ冬が来る心づもりを開始しておきましょう。
寒露(かんろ)の頃には、菊の最盛期もやってきます。
菊の節句でもある重陽があるのもこの時期です。
また、虫の声も聞こえるようになってくるでしょう。
寒露(かんろ)はまさに、今が秋であることを知らせてくれる二十四節気です。
寒露 (かんろ)のスピリチュアル的な解釈
寒露(かんろ)は1年の中でも、とても過ごしやすい季節となります。
暑くなく寒くもなく、天候も安定していて、過ごしやすいこの時期はスピリチュアル的に解釈してもとてもいい時期です。
寒露(かんろ)の時期はパワーアップの時期と捉えて行動していきましょう。
天候が大荒れすることなく、寒さもまだそれほどではないこの時期は、神様や宇宙と繋がりやすくなっています。
ですから、神様を感じられるスポットに行くといいでしょう。
パワースポットや神社などに行って、お祈りをしてみましょう。
そうすれば、あなたとスピリチュアルなものとの結びつきは高まります。
集中力も増す時期なので、願いを込めて物事に取り組めば、大きな成果を得ることができるでしょう。
寒露(かんろ)は一発逆転のチャンスでもあります。
これまで諦めていたようなことでも、どんどんチャレンジしていきましょう。
あなた自身の努力がスピリチュアルなものの助けを借りて、花開くことになるはずです。
宇宙や神様との繋がりを普段以上に意識して過ごしてみてください。
スピリチュアルなものを信じていないという人でも、参拝やお出かけには絶好の気候なのでぜひパワースポットや神社仏閣に出かけてみましょう。
不思議な力があなたを助けてくれるでしょう。
寒露 (かんろ)の旬の野菜は「れんこん」
「れんこん」の基本情報
栄養 | れんこんは栄養が豊富で、体を内側からきれいにしてくれる野菜です。
しかも、栄養素は昔と比べて増加しており、60年代のれんこんと比較すると倍増している栄養もあります。 れんこんに豊富に含まれているのは、ビタミンCです。 そのほかにも野菜には珍しいビタミンB1やB2も含まれています。 これらの栄養素は疲労回復や肌荒れの予防に効果的です。 また、れんこんはカリウムやカルシウム、鉄や銅などのミネラル分も豊富です。 食物繊維もたっぷりと含まれているので、体にとっては嬉しい効果が期待できます。 ポリフェノールの一種であるタンニンは胃腸のトラブルに効果的。 |
選び方 | れんこんを選ぶ場合は、よく太っており、持ち上げたときに重みのあるものを選ぶようにしましょう。
皮の褐色を嫌う人もいますが、秋に出回るれんこんで皮が赤褐色なのは避ける必要がありません。 この赤褐色の皮は秋れんこんに見られる特徴で、赤ブシといいれんこんが酸素を吐き出している証拠です。 カットされたれんこんを選ぶ場合には、切り口と穴の内部に注目しましょう。 切り口が茶色く変色しておらず白いものが新鮮なサインです。 また、穴の内部が黒くなっていると古いので注意してください。 |
保存方法 | れんこんを新鮮に保つためには、なるべく空気に触れさせないようにすることが大切です。
穴があるれんこんは、穴からも空気に触れてしまいますから、それをシャットアウトしていきましょう。 切り口はぴったりとラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。 4~5日で使いきるようにしましょう。 それ以上の保存をしたい場合は、冷凍保存するのがおすすめです。 5mm幅程度にカットし、固く茹でて冷凍保存しておけば使いやすくて便利です。 寒露(かんろ)の頃の旬のれんこんではなく、6月頃から出回る新れんこんは水分が多く日持ちしないので注意が必要です。 |
その他、お役立ち情報 | れんこんは栄養豊富な野菜ですが、食べ合わせる食材によってその効果を増大させることができます。
例えば、れんこんとレバーを合わせると、造血作用によって貧血を防止することができ肝機能を強化することができます。 れんこんとこんにゃくを合わせて摂取すれば、血中コレステロール値を下げ、動脈硬化や心臓病の予防に役立つでしょう。 また、かぶや大根と合わせれば胃腸の働きをよくし、チンゲン菜やモロヘイヤと合わせればガンや肥満の予防に役立ちます。 れんこんは単体でも素晴らしい栄養素を持った野菜ですが、他の食材と合わせるとより効果的です。 |
「れんこん」の特徴
れんこんはスイレン科ハス属の植物です。
原産地は中国やインドだとされています。
れんこんの旬は冬の時期で、秋ごろに収穫される新れんこんは味があっさりとしているのが特徴です。
柔らかく水分も多い新れんこんと比べて、冬になってくると粘りが出て甘さも増してきます。
穴の開いた形が特徴的なれんこんですが、食用としているのは中国と日本など限られた国だけです。
日本では穴から向こうが見えることから、見通しがきくとして縁起のいい野菜として知られています。
そのため正月のお節料理には欠かせない食材となっています。
蓮の地下茎であり、泥の中で育ち、収穫も水圧で泥を掘り起こしながら行うのが特徴です。
「れんこん」のおすすめの食べ方・調理法
れんこんをヘルシーに食べるのにおすすめな食べ方として、れんこんとこんにゃくの炒め煮をご紹介します。
れんこんは乱切りにし、こんにゃくは角切りにし、味が染みやすいように隠し包丁を入れておきましょう。
ごま油を熱したフライパンにれんこんとこんにゃくを入れ、油が全体に回ったらしょうゆを加えます。
水を加えてふたをして、時々混ぜながら煮汁が少なくなるまで煮詰めたら完成です。
れんこんのシャキシャキ感とこんにゃくの食感が楽しく、ヘルシーに食べられる一品です。
またクックパッドの「れんこん」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
寒露 (かんろ)の旬の魚介類は「サンマ」
「サンマ」の基本情報
栄養 | サンマは魚類に特徴的なDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
この2つの成分は体内に血栓ができるのを防いでくれて、アルツハイマー病を予防してくれる効果が期待できます。 また、サンマにはビタミンDが多く、骨を丈夫にするのに効果的です。 成長期の子供にとって嬉しい栄養がたっぷりなので、積極的に食べたい食材です。 |
選び方 | サンマを選ぶ際には、新鮮なものを選ぶのがポイントです。
新鮮なサンマはピカピカと光っていて、ピンと皮が張っています。 背中の青い部位は黒光りし、腹の部分は白が鮮やかで、全体的に光っているのが新鮮なサンマです。 また、サンマを持ち上げてみて、ピンと真っ直ぐな状態を保てるのも新鮮な証です。 サンマの形状に注目すると、頭が小さいものは脂がのっています。 口先は黄色やオレンジ色で、エラは鮮やかな赤色、身がふっくらしていて、肩が張っているものを選ぶようにしましょう。 |
保存方法 | サンマは胃がなく、腸が短いという特徴を持った魚です。
そのため、排せつ物が体内に溜まらず、内臓が傷みにくいという特徴を持っています。 とはいえ鮮度は落ちやすいので、気をつけて保存していきましょう。 冷蔵保存をする場合は、なるべく空気に触れさせないことがポイントです。 買ってきたパックのまま冷蔵庫に入れるのではなく、サンマを一尾ずつラップで包みさらに袋に入れて冷蔵保存しましょう。 保存ができる魚ではありますが、なるべく早く使いきる方がいいでしょう。 |
その他、お役立ち情報 | サンマは実は100%が天然物で養殖物はありません。
しかも、そのすべてが国産という非常に珍しい魚です。 サンマの旬は夏から秋にかけてで、最盛期である秋にはかなり安価に手に入れることができるようになります。 近年ではサンマの冷凍保存の技術が高まっており、旬の時期に冷凍されたものを旬以外の時期に美味しく食べることができるようになりました。 冷凍ものでも、旬を過ぎたものよりも美味しいものがあるので、冷凍ものだからといって敬遠する必要はありません。 最近は刺身で食べられるようになってきましたが、サンマが生食されるようになったのはごく最近のことです。 サンマの刺身はスーパーでも買うことができます。 見かけたら買って、新鮮な内に味わってみてください。 |
「サンマ」の特徴
サンマはサンマ科の魚で、日本各地に生息しています。
サンマという名前の語源は細い体つきにあり、狭真魚(さまな)が変化してサンマとなりました。
現代では「秋刀魚、三馬」という感じが当てられています。
秋刀魚は秋にとれる刀のような魚であることが由来です。
三馬の方は当て字で、馬という字が用いられていることから、魚市場でサンマを表す時には午(うま)の字が使われたりもします。
サヨリとよく似ており、混同されることも多い魚です。
日本全国で獲れる魚ですが、太平洋側を北上するものと日本海側を南下するものがあります。
初夏にサンマ漁が解禁されたすぐは値段も高いですが、旬の秋になると非常に安価な価格帯となります。
「サンマ」のおすすめの食べ方・調理法
サンマの塩焼きは魚類の中でも、最も美味しいとされています。
ここではおいしいサンマの塩焼きの作り方についてご紹介していきます。
まず、サンマを下処理していきますが、なるべくサンマに触れないようにすることが肝心です。
サンマにとって人の体温は火傷するほどの温度。
あまり触り過ぎると、サンマの美味しさが損なわれてしまいます。
まず、火を通りやすくするために、肛門から斜めに身を切りましょう。
塩を両面にまんべんなく振り、30分以上冷蔵庫に置いておきます。
魚焼きグリルは熱しておいた状態で、水気を拭いたサンマをグリルに入れていきましょう。
中火で7分焼いて、ひっくり返して5分焼けば完成です。
またクックパッドの「サンマ」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
寒露 (かんろ)の旬の草花は「万年青(おもと)」
「万年青(おもと)」の基本情報
学名 | Rohdea japonica |
科・属 | ユリ科・オモト属 |
原産国 | 日本・中国 |
別名 | イワラン |
「万年青(オモト)」の特徴
万年青は古くから日本や中国で観賞用に栽培されてきた植物です。
万年青という字のごとく、一年を通して青々としており、これから冬を迎え寂しくなる庭を彩ってくれます。
万年青(オモト)という名前の由来には諸説あります。
株が大きく成長するので大本からきたという説、大分県にある御許山(おもとやま)が良い産地であったからという説などさまざまです。
万年青を母の姿に重ねることも多く、葉が実を赤子のように抱いているように見えることから母人と呼ばれていたという話もあります。
また、江戸時代の頃には万年青という漢字ではなく、老母草という漢字を当てていたと言われています。
いつまでも青々としているその姿は、どんなことがあっても子への変わらぬ愛情を注ぐ姿と重なるのでしょう。
寒露(かんろ)の頃に、赤い実をつける万年青の姿を見かけたら、その姿があなたにとっては何に見えるか想像力を豊かにして考えてみてください。
「万年青(おもと)」の花言葉
万年青(おもと)の花言葉は長寿です。
一年を通して青々と成長し続けるその姿が、花言葉の由来となっています。
万年青の花言葉には他にも長命・永遠の繁栄などがあり、縁起のいい植物として知られています。
寒露 (かんろ)の七十二候
寒露 (かんろ)の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」
寒露 (かんろ)の次候「菊花開(きくのはなひらく)」
寒露 (かんろ)の末候「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」
時候の挨拶:寒露 (かんろ)の候の使用例
他の二十四節気の意味や時期の一覧
占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「パワフルに過ごす」
秋の深まりを感じるこの時期は、エネルギーが高まる時期でもあるわ。
だから、この時期はパワフルに過ごして、エネルギーを周囲から得ることを心掛けてみてね。
寒露(かんろ)の頃に、周囲からたっぷりとエネルギーを得ることができれば、この先で活躍することが期待できるわよ。