日本には四季があります。
その四つの季節をさらに二十四に分けた、二十四節気というものをご存知でしょうか。
私たち日本人は日々のささいな変化にも過行く季節を感じ、楽しんでいました。
さまざまな楽しみの増えた現代において、自然の小さな変化にまで着目することはあまりなくなってしまいましたが、今一度季節の変化に注目していきましょう。
この記事では二十四節気の「立冬(りっとう)」について、詳しい意味や時期、旬の野菜や果物、魚介類、草花や行事、スピリチュアル的な解釈などについてご紹介していきます。
日本ならではの二十四節気に着目し、寄り添いながら暮らせば、新たな発見があなたの生活を豊かにしてくれるでしょう。
目次
立冬 (りっとう)の意味や由来
立冬(りっとう)は暦の上では冬の始まりの日です。
冬が立つと書くこの頃には、山だけではなく里にも冬の気配が感じられるようになってきます。
木枯らし一号が吹き、木々は葉を落とし、冬枯れの様子が見られるようになってくるでしょう。
暦便覧によると立冬は「冬の気立ち初めて、いよいよ冷ゆればなり」とあります。
立冬(りっとう)の頃になると、冷え込みが身に染みるようになってくるのが分かるでしょう。
とはいえ、季節はまだ冬の始まりです。
まだまだ秋の気配も残っており、七十二候の中でも山茶花や水仙が咲く様子が描かれています。
植物が眠ってしまうような本格的な冬ではなく、まだ季節ならではの花を楽しむ余裕のある季節だと言えるでしょう。
北の方の地域では大地が凍り始めるなど、徐々に冬を告げるサインも見られるようになります。
木枯らしは木々の葉を落としてしまう冷たい風ですが、あなたの気持ちまで落としてしまうことがないように注意していきましょう。
この季節にも花は咲いていて美しい姿を見せてくれています。
吹く風の冷たさに視線を落としてばかりいないで、美しいものを見つけ出す気持ちで過ごしていきましょう。
立冬 (りっとう)の時期は「11月7日頃」
2021年 | 11月7日(日曜日) |
2022年 | 11月7日(月曜日) |
2023年 | 11月8日(水曜日) |
2024年 | 11月7日(木曜日) |
2025年 | 11月7日(金曜日) |
2026年 | 11月7日(土曜日) |
2027年 | 11月8日(月曜日) |
2028年 | 11月7日(火曜日) |
2029年 | 11月7日(水曜日) |
2030年 | 11月7日(木曜日) |
立冬(りっとう)の頃、江戸時代にはこたつ開きという行事がありました。
旧暦10月の初亥の日にこたつを出すと決まっていたのです。
当時、こたつは今のように安全なものではなく、しばしば火事を引き起こすものでした。
亥は火を司り、水の気を持つという火事を防ぎたいものにはぴったりのものです。
亥の月である10月の初亥の日にこたつ開きをすれば、その冬は火事にならずにすむと考えられていたのです。
江戸では火事が多く、その火事を防ぎながら暖を取りたいという人々の願いが見えますね。
現代ではこたつに火を用いることはほとんどなくなり、こたつが火事の原因となることはほぼありません。
ですが、こたつが火のエネルギーを持ったものであることは変わりません。
現代に生きる私たちも江戸のゲン担ぎを参考に、初亥の日にこたつを出してみるのはどうでしょうか。
立冬(りっとう)の頃になると、木枯らしと呼ばれる冷たい北風が吹くようになり寒さがこたえるようになります。
こたつだけでなく、衣替えをしたり、他の暖房器具の掃除をしたりして、本格的な冬支度を始めるといいでしょう。
もう秋は終わり、冬がやってきています。
そのことを自覚し季節に合わせた過ごし方をしていきましょう。
立冬 (りっとう)のスピリチュアル的な解釈
立冬(りっとう)をスピリチュアル的に解釈すると、エネルギーの流れが変わる時です。
この時期はエネルギーがあなたの内側から外側に向かって流れるようになります。
これはあなたの中のいらないものが外に出ていくということで、考えようによってはとてもいい時期でもあります。
「いらないもの、悪いもの、毒」これらを捨て去る意識を持って過ごしてみてください。
そうすれば、あなたは驚くほど身軽になって軽やかに動けるようになるはずです。
冬が始まるという時期からみても、いらないものは秋に置いておいて冬支度を始めましょう。
また、この時期の運気を上げるためには、冬支度を始めることと水回りの掃除がキーポイントになります。
この時期はちょうど寒くなり、冬支度を始めたくなる時期だと思いますが、その気持ちのまま冬支度を始めてしまいましょう。
この時期に冬支度を始めれば運気も上がるし、これから訪れる冬が怖くなくなり一石二鳥です。
また、水回りの掃除をすることは、気の流れをより高めてくれます。
エネルギーを外に向かわせる力が高まるので、水回りの汚いものを流して外に出すことでより気の流れをスムーズにしてくれるのです。
これまで気の流れが滞っていたという人も、水回りの掃除をすると一気に気が流れ出すのでやってみてください。
年末の大掃除に一気に掃除をするよりも、立冬(りっとう)の頃から少しずつ掃除を始めておけば楽になります。
立冬 (りっとう)の旬の野菜は「ねぎ」
「ねぎ」の基本情報
栄養 | ねぎは古くから薬のように使われており、栄養豊富な野菜として有名です。
ねぎの独特の香りを生み出しているのは、香り成分の硫化アリルで血行をよくし体力作りに役立ちます。 硫化アリルはビタミンB1の吸収を促進し、アリチアミンという物質を製造・貯蓄します。 ねぎの白い部分にはビタミンCが多く、美肌作りに効果的です。 緑の部分にはカロテンやカルシウムが豊富です。 セレンというミネラルも多く、活性さんおの発生と発がん抑制効果が期待できます。 ねぎの薬効としてはねぎとしょうがを水から煮出し煎じると、発熱や頭痛に効果があると言われています。 きざんだねぎを枕元に置いておくと、不眠症に効果的だという薬効も。 |
選び方 | ねぎにはさまざまな種類があり、緑の部分が多いもの、白い部分が多いものなどさまざまです。
ですが、選ぶ際に共通しているポイントは、ハリがあるものということです。 しなびているものは、古くなっていますので避けましょう。 巻きがしっかりしていて太いものを選ぶと、味が濃厚です。 |
保存方法 | ねぎは根付きで買うことがほとんどでしょう。
ねぎは買った時には生きていますし、適切に保存すれば長期間の保存も可能です。 新聞紙にくるんで冷暗所で保存すれば、ねぎは土の中と同じように過ごすことができます。 土付きで売られているものは、日陰の土に埋めておけば収穫直後の状態を長くキープできるでしょう。 また、根付きのものは上部を切って使ってしまっても、水に浸けておけば再度成長し食べることができます。 |
その他、お役立ち情報 | ねぎといえば、関東と関西で思い浮かべる姿が違います。
関東でねぎといえば白い部分が多いものでした。 関東では白い部分が古くから好まれてきたので、土をかぶせて白い部分が多くなるように栽培した根深ねぎが多くなっています。 関西では緑の部分を好んで食し、そのため柔らかい葉ねぎの栽培が盛んです。 根深ねぎの緑の部分は捨てられてしまうことが多いですが、煮込み料理の臭み消しなどに使えます。 |
「ねぎ」の特徴
ねぎはユリ科ネギ属に分類される野菜で、原産地は中国西部とシベリアです。
冬に旬を迎え、埼玉、千葉、群馬、茨城などが主な産地です。
ねぎが主役となることはあまり多くありませんが、薬味として重宝されます。
彩りや風味だけでなく、健康面でもねぎは役立つ野菜です。
食べ合わせによって、その効果は変わります。
ねぎと梅干を一緒に食べれば風邪予防や疲労回復、ねぎとイワシやサバなら高血圧や動脈硬化予防、ねぎと玉ねぎは血液サラサラ効果、ねぎとわかめは便秘予防に役立ちます。
ねぎにはさまざまな品種があり、さまざまな味が楽しめる野菜だと言えるでしょう。
あさつきや、わけぎは、厳密にいえばねぎではありませんが、同じように薬味に使われています。
下仁田ねぎや九条ねぎ、仙台曲がりねぎのように、全国に特有の品種が栽培されています。
それぞれ味わいや向いている料理が違いますので、出かけた先で珍しい品種に出会ったら試してみたいものですね。
「ねぎ」のおすすめの食べ方・調理法
ねぎの甘さを引き立たせられて食べ応えもある料理として、ねぎの肉巻きをご紹介していきます。
ねぎは5センチ程度に切り分け、豚バラ肉を巻き付けていきましょう。
豚肉の巻き終わりを下にして、熱したフライパンで焼いていきます。
そして、ポイントは蓋をしてじっくりと蒸すように焼くことです。
火が通りねぎが半透明になってきたら蓋を外し、全面に焼き色をつけましょう。
醤油とみりんを合わせたものを入れ、照りが出るまで煮詰めれば完成です。
肉で巻いているのでボリューミーで食べ応えのある料理です。
冷めても美味しいので、お弁当のおかずとしてもgood!
またクックパッドの「ねぎ」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
立冬 (りっとう)の旬の魚介類は「牡蠣」
「牡蠣」の基本情報
栄養 | 牡蠣にはグリコーゲンが豊富に含まれています。
そのため牡蠣は疲労回復に効果的な食材として知られ、元気を出したい時に食べられることが多いでしょう。 鉄分やカリウム、各種ビタミンを豊富に含んでおり、あなたの健康の手助けをしてくれる食材です。 |
選び方 | 牡蠣は貝柱が大きくふっくらしているものを選ぶようにしましょう。
牡蠣をスーパーで買う時には、むき身の状態でパックにつめられて売られているものをよく目にすると思います。 そのパッケージには加熱用か生食用かの記載があるでしょう。 生食用の方が新鮮で美味しいと勘違いしやすいのですが、それは間違いです。 海から牡蠣を揚げたあとに一定時間殺菌処理を行ったものが生食用、水揚げしてすぐに出荷したものが過熱用になります。 生食用は殺菌時に少し旨味を失いますので、加熱用の方が栄養旨味の両面から見ても上です。 「過熱をするつもりだけど新鮮な方がいいから生食用を選ぼう」ということはやめて、用途に合わせて牡蠣は選んでください。 |
保存方法 | 殻付きの牡蠣はまだ生きていて新鮮で、常温での保存も可能です。
乾燥にだけ気を付けて濡れた新聞紙をかぶせ、冷暗所で保存しておきましょう。 すぐに食べない時には、殻付きでも冷蔵庫での保存が望ましいです。 冷蔵庫で保存する時は、呼吸ができるようにしてあげるのがポイントです。 殻付きの牡蠣をタッパーなどに並べ、上から濡れ新聞紙やキッチンペーパーをかけますが、タッパーのふたは完全に閉めないようにしましょう。 こうすることで牡蠣は呼吸ができて鮮度を保つことができます。 冷蔵庫では5日程度保存が可能です。 |
その他、お役立ち情報 | 牡蠣には天然物はほとんどなく、流通しているのは養殖が大半です。
養殖が主なのは世界中そうなのですが、かつてヨーロッパやアメリカでは養殖牡蠣がなくなってしまうピンチを迎えたことがあります。 かつてフランスやアメリカでは大量に牡蠣が死滅してしまい、その危機を日本が救いました。 牡蠣の稚貝を輸出することで、再び牡蠣の養殖ができるようになったのです。 牡蠣の大量死滅は原因不明でいつ起こるか分からないため、これを機に養殖を行う地域が増えました。 また、どこかで牡蠣が大量に死んでしまっても、生き残った地域から譲ってもらえば大丈夫と考えたからです。 今現在、フランスやアメリカで養殖されている牡蠣は日本の牡蠣が元となっているのです。 |
「牡蠣」の特徴
牡蠣は海のミルクと呼ばれるほど、ミルキーで濃厚な味が楽しめる海の幸です。
牡蠣の生息地は北海道を除く各地ですが、全体の5割を占めているのが広島産のものです。
牡蠣の漢字に牡(オス)が含まれているのは、かつては牡蠣がすべてオスだと考えられていたから。
実際は牡蠣はオスメスどちらの役割もする、交代的雌雄同体です。
カキという音は牡蠣を取る時に石から「掻き」落とすことや、身を「掻き」出して食べること、殻が「欠け」やすいことなどが語源とされています。
生でも食べられますが、軽く茹でると生よりも味が濃くなります。
フライや佃煮、さわ煮、チャウダーなど適した料理がたくさんあるのも牡蠣の特徴です。
「牡蠣」のおすすめの食べ方・調理法
牡蠣といえばカキフライではないでしょうか。
ここでは牡蠣のおすすめの食べ方として、美味しくて簡単なカキフライの作り方をご紹介していきます。
まず、殻付きの牡蠣を買った場合は、殻をむいていきましょう。
牡蠣のむき身を薄めの食塩水で洗い、水気を拭き取ります。
洗った牡蠣に塩コショウを振り、小麦粉、卵、パン粉をつけて180℃の油で揚げれば完成です。
こんがりときつね色になるまで両面を揚げていきましょう。
サクサクの衣とミルキーな牡蠣がとても美味しい、立冬(りっとう)の頃に味わいたい料理です。
またクックパッドの「牡蠣」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
立冬 (りっとう)の旬の草花は「山茶花」
「山茶花」の基本情報
学名 | Camellia sasanqua |
科・属 | ツバキ科・ツバキ属 |
原産国 | 日本 |
別名 | 小椿・椿姫 |
「山茶花」の特徴
山茶花は日本が原産の植物で、江戸時代に出島からヨーロッパへ持ち帰られ広まりました。
そのため、学名にもsasanquaサザンカの音がそのまま使われています。
山茶花は寒い冬に花を咲かせてくれるため、庭木としても古くから愛されてきました。
野生種の山茶花は淡いピンクをしていますが、品種改良をされた園芸種には赤白ピンクなどさまざまな色があります。
山茶花は椿とよく似ていますが、花の落ち方や葉の形状で見分けることができます。
花が散るときに山茶花は一枚ずつ花びらが落ちていくのに対して、椿は花全体が丸ごと落ちてしまうのが特徴です。
山茶花の葉には毛が生えていますが、椿の葉には毛が生えていません。
「山茶花」の花言葉
山茶花の花言葉は「ひたむきさ」と「困難に打ち勝つ」です。
この花言葉の由来は山茶花が寒さの厳しい時期に、懸命に咲く様子からきているとされています。
立冬 (りっとう)の七十二候
立冬 (りっとう)の初候「山茶始開(つばきはじめてひらく)」
立冬 (りっとう)の次候「地始凍(ちはじめてこおる)」
立冬 (りっとう)の末候「金盞香(きんせんかさく)」
時候の挨拶:立冬 (りっとう)の候の使用例
他の二十四節気の意味や時期の一覧
占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「エネルギーを入れ替えて」
そんな時期には、あなたの中のエネルギーも入れ替わろうとしているわ。
エネルギーを取り込むという意識よりも、エネルギーを放出するイメージを持って過ごしてみてちょうだい。
自分の中の悪いものを全部出して気持ちのデトックスをするの。
そうすれば、これからやってくる冬も気力たっぷりで乗り切ることができるわよ。