五智如来の一尊である不空成就如来は、成すべきことを成す力を授けてくれる仏様といわれています。
成し遂げたいことがあるとき、力を授けてくれる不空成就如来にも真言があり、唱えることで不空成就如来から力を授かることができるとされているのです。
そこで今回は、不空成就如来の真言や、その効果について紹介していきたいと思います。
目次
不空成就如来とは五智如来の一尊で「成所作智」の仏様
不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)は、サンスクリット語で「Amoghasiddhi(アモーガシディ)」、また「阿目伽悉地(あもきゃしっち)」という別名を持っています。
密教における大日如来の5つの智慧を表す五智如来の一尊であり、何事にも囚われることなく、自身が成すべきことを成し遂げる力を授けてくれる仏様です。
不空成就如来の姿は緑色で、右手を挙げて掌を外側に向けた姿をしていますが、これは施無畏印(せむいいん)と呼ばれる手印であり、人々の畏れを鎮めるためのものであり、人の畏れを鎮めることで何かに立ち向かう強さと成し遂げる力を持たせようとしてくれていると捉えられます。
密教においては、釈迦如来と同一視されることもあるようです。
不空成就如来の真言(マントラ)と梵字
引用元:新潟県佐渡市公式ホームページ
不空成就如来の真言は、「オン アボキャ シツデイ アク」、梵字は「アモーガシッディ」です。
“アボキャ”は不空成就如来のことであり、この真言を唱えることで不空成就如来が降臨し、唱えた人が救われるといわれています。
また、不空成就如来を表す梵字「アモーガシッディ」には“空しからず”という意味があり、すべてを逃すことなく成し遂げることを表す梵字となっています。
成すべきことを成し遂げる、何事も成就させるための智慧を授けてくれる不空成就如来のご利益を表す言葉だといえるでしょう。
不空成就如来と同一視される釈迦如来の真言についてはこちらで紹介しています。
不空成就如来の真言を唱える効果
引用元:千葉・大本山成田山新勝寺
不空成就如来の真言を唱えることで、さまざまなご利益を授かることができるといわれています。
真言を唱えることで不空成就如来が降臨し、力を与えてくれますが、ではどのような効果を授かることができるかについて紹介していきましょう。
為すべき責務を果たせる
人には生きていく中で、必ず自身の力でやり遂げなければならないこと、乗り越えなければならないことがあります。
不空成就如来は、目的を達成すること、成すべきことを成し遂げることのために必要となる智慧を授けてくれる仏様ですから、真言を唱えることで不空成就如来の智慧を借り、目の前に立ちはだかる成すべきことに立ち向かう力を得ることができるのです。
雑念から解き放たれ、やるべきことだけに目を向ける集中力も授けてくれることでしょう。
全ての目的を果たせる
不空成就如来のサンスクリット語の名前、アモーガシッディには何事も漏らさずに成し遂げるという意味があります。
そのため、その名前が含まれている不空成就如来の真言を唱えることは、自身がしなければならないことをひとつ残らず逃すことなく成就させる力を授けてもらうことを意味しているのです。
不空成就如来の真言を唱えれば、その時点では自分が何を成し遂げなければならないのかがはっきり見えていなくても、ひとつ残らず成し遂げようとする強い力を得て突き進んでいくことができるでしょう。
自由に羽ばたくことができる
不空成就如来が授けてくれるご利益には、解放といったものもあります。
そのため、真言を唱えることで自身が成すべきものを成すための邪魔や縛り、しがらみとなっているものから自由にしてくれるのです。
その縛りやしがらみとなっているものが時に世間一般の常識であったとしても、それらから真言を唱えた人を解放し、自由な思考を与えてくれるでしょう。
恐れる心を払ってくれる
不空成就如来の功徳のひとつに“克服”があります。
不空成就如来の真言を唱えることで、この克服のご利益を授かることもでき、そこで何かを恐れる心を手放すことができるようになるのです。
不空成就如来は施無畏印と呼ばれる手印を結んでいますが、これは人々の畏れを手放させる意味があります。
真言を唱えることで、不空成就如来が降臨されるため、それによって畏れを手放し、何事にも堂々と立ち向かうことができるのです。
良い対人関係を築ける
不空成就如来が手放させてくれる畏れというのは、立ち向かい、成すべき物事すべてにおいて人が抱く畏れのことを指しています。
その対象は決して物事だけでなく、“人”である場合も十分に考えられるでしょう。
何かを成し遂げるためにその人の存在が自身にとっての障害となっていたり、畏れとなっている場合には、不空成就如来の真言を唱えることでその感情が消え去るのです。
結果、これまで苦手だった人にも違和感なく向き合うことができたり、心を許してよい関係を築くことができるようになったりもするでしょう。
不空成就如来の真言の唱え方と手印
不空成就如来の真言を唱える場合には、いくつか気を付けなければならないこともあります。
静かな場所で心を落ち着けて唱えることはもちろん、決められた回数を正しいサンスクリット語で唱える必要がありますし、思いついたときだけではなく、日常的に唱えるよう心掛けなくてはなりません。
多くの真言は3回唱えることでご利益を授かることができるといわれており、不空成就如来の真言も3回唱えればよいとされています。
自らが困難を乗り越えるために唱えることはよいですが、自身の私利私欲に溺れて真言を唱えるのはすべきことではないとされていますので注意しましょう。
不空成就如来の手印は左手で衣の端を握り、右手は掌を正面に向け胸の前まで上げたもので、人に畏れを抱かせない、人の畏れを取り除く効果があります。
不空成就如来をお祀りしているお寺
引用元:天野山金剛寺
不空成就如来は五智如来の一尊とされているため、不空成就如来をご本尊とするのではなく、五智如来として五体で祀られていることがほとんどです。
日本各地にも、この五智如来が祀られているお寺は多く存在し、そこに行けば不空成就如来を参拝することができます。
ここでは、日本各地の不空成就如来が祀られているお寺を紹介していきましょう。
- 大覚寺(京都府京都市)
- 金剛寺(大阪府河内長野市)
- 東寺(京都府京都市)
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「不空成就如来の真言を唱えてご利益を頂こう」

人にはやらなければならないときがあるわよね。
不空成就如来はそんなときに、何が何でも立ち向かう心や乗り越える力、そのためにどうすればいいか考える智慧を授けてくれるの。
不空成就如来の真言を唱えて、ひとつ残らず成し遂げられる強さを授かりましょう。
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