占星術の惑星の中では「得体の知れない強力なパワーを持つ天体」、「破壊と再生をもたらす惑星」として、一見するととても怖い印象を与える冥王星。
もっと西洋占星術での冥王星の意味を知りたい方は必見です。
こちらのページでは、冥王星の基本データから冥王星の意味や人生に及ぼす影響、冥王星のパワーの受け取り方や各サイン(星座)との冥王星の関係を完全紹介いたします。
目次
冥王星の基本データ
英語:Pluto(プルート)
大きさ:直径2,370㎞(月よりも一回りくらい小さい大きさ)
温度:表面温度は−220〜230度という氷の惑星
大気:窒素を中心とした地表を覆う氷の昇華によって生成されていると考えられている。
また地表の氷は昇華と凝結は季節によって大きくバランスが変わるとされている。
色:銅褐色(冥王星の周りには5つの衛星があるが、その一つのカロンという名の衛星は淡い灰色をしていることが確認された)
西洋占星術からみる冥王星の基本データ
支配星:蠍座
発達年齢期:死後、あるいは魂の領域。
公転周期:249年で楕円形の軌道を通るため、同じ星座にとどまる年数は約12〜25年の間でばらつきが見られます。
タロット:「審判」のカード。
また「愚者」を表すタロットナンバーは0であり、大アルカナの中でもこのカードだけ違う性質を持つとされており、冥王星との親和性がある。
エネルギー:創造の力、進化の力、原子力
チャクラ:第2(仙骨)のチャクラ
キーワード:破壊、再生、不可抗力的、不可逆的、極限状態、絶対性、カルマ、絶滅、排除、一新、再建、地下、秘密、死後、犯罪、戦争、嘘、憎しみ、劣等感、嫉妬、宿命、呪い、恨み、魔術、毒、裁き
人物:権力者、独裁者、祖先、国家の要人、軍事関係者、参謀、影のフィクサー、改革者、物理学者、原子力関係に携わる人、心理学に携わる人、探偵、スパイ、工作員、占い師、神秘的な事象に関わる人、検死官、死刑執行人
対応する体の部分:生殖器、尾てい骨、直腸、肛門。冥王星の象徴する病気は、夢遊病、性的倒錯、性同一性障害、PTSD、環境破壊による病気、集団幻覚、集団的妄想、霊的障害、心身トラブル
カラー:真紅、ダークレッド
音:140.64Hz
場所:地下室、深い地底、改定、原油を貯める場所、水中、水際の廃墟、排水路、下水道、悪臭の漂う場所、死体安置所、処刑場、大量虐殺場、過去に多数の死者があった場所
食べ物:腐ったものなので食べ物としては不適格
神話からみる冥王星の基本データ
冥王星はギリシャ神話で冥界(死後の世界)の王プルート、ギリシャ神話のハーデスの別名プルトンに由来する。
太陽から非常に遠く暗黒の世界であることからこの名前がつけられたとされている。
冥王星の意味は【死と再生、変容、物事を根本から変える力】
強制的に何かを変える力
自分が変えようと思って何かを変えるような意志や努力ではなく、むしろ何かの出来事が怒ることで強制的に変えてしまう意味合いを強く持っています。
そのために革命や刷新、再生、新生という意味合いがとても強く表れます。
一見すると土星と意味合いが似ていますが、土星は自分の人生でぶつかる試練や課題というようなマイナス面を支配しますが、冥王星はそのような感覚よりも、むしろ時代や社会そのものという大きな枠組みに影響を与えることによって起こされる破壊と再生のプロセスを担っています。
破壊とはこれまでの規定概念、習慣、積み上げてきたものが跡形もなく壊れてしまうほどの恐怖を伴いますが、冥王星のもたらす破壊は単なる恐怖には止まらず、必ずその先にある希望が見えています。
破壊によって何かが失われると同時に、新しいものが生み出されるという「死と復活」が結びついています。
「死んでこそ生きる」という人類の叡智を超えた深い概念に通じています。
意識よりも無意識の領域に働く
冥王星が意味するのは私たちの無意識や深層心理、集合意識という普段は意識していない領域にその支配が及びますので、普段はなかなか気づかないかもしれません。
また、個人に対しての影響よりも社会全体の空気感や世界館に影響を与えています。
例えば、平成の時代の30年、あるいはもう少し前の昭和の時代を考えると、この令和の時代はあらゆる価値観が大きく変化しています。
昔だったらあらゆるハラスメントは我慢しなければならなかった、あるいはハラスメントという言葉の定義がなかったために嫌な思いをしても伝わることがなかった時代ですが、現在はあらゆるハラスメントに対しての防止策や社会的な対応がなされており、ハラスメント行為そのものが人道的な行いに反するという倫理が一般的になっています。
このように私たちが意識せずとも時代の雰囲気や価値観などに大きな影響を与えているのが冥王星の力であり、時代の空気感を支配するほどの力を持っています。
冥王星が人生に及ぼす影響
ある経験により人生が一変する可能性がある
神秘や目に見えない事象そのもの、奇跡や言葉では説明できない現象も冥王星の意味するところが強いものです。
例えば「幽霊を見た」と言ってもそれを経験した人以外にはなかなか信じがたいものですが、経験した本人には紛れもない事実であり、言葉では説明することのできない経験です。
このように冥王星は普段は目に見ることができないものなどを司り、それをあらゆる仕方で個人的なレベルで引き起こすこともありますが、このような神秘的な体験をそれぞれがどのように受け取り、自分の人生にどのように生かしていくかという深く大きな課題を与える場合もあります。
ある体験によってその人の人生が大きく変化する場合もあります。
与えられた経験をどのように生かし、人生を歩んでいくか、良いものにするか悪いものにするかは人それぞれです。
自分の思いとは無関係に働く
冥王星は「破壊と再生」、「死と復活」というように180度意味合いが異なるものを同時に含み持っている特殊な惑星で大きなパワーがあります。
それは自分の思いや努力、才能などは関係がなく、不可抗力的に働きます。
冥王星に結びつきが深い人は自分の意思の有無にかかわらず、まるで何者かに導かれていくように自分の使命を生きることになります。
本人が望む望まないに限らず、与えられた使命を全うすることに人生を捧げなければなりません。
それは天の配剤という言葉で表すことができ、定められた道を少しでも逃れようとすれば、たちまち冥王星の持っている審判の力が働き、破壊されてしまい、再び点が定めた道を歩まなければならないという宿命を背負います。
しかしただ破滅だけに置くのではなく、再生や復活する力と備えも与えられるので、立ち上がる力そのものも同時に与えます。
何れにせよ、冥王星の働きを天の恵みとして受け取るか、それとも破滅的な試練に留めるかは個人の資質と生きる姿勢によるものです。
冥王星のパワーの受け取り方
普段はその力を受け取ることはあまりない
日常生活を順調に営んでいる時には冥王星の計り知れないパワーを受け取ることはほとんどないと言えます。
むしろ人生の転機、危機、トラブル発生、誰かの死の経験や自分が死んでしまうかもしれないというようなアクシデントの時に冥王星の持っている破壊と再生、死と復活という極限的な力を発揮します。
普段は寝ている肉食獣のようなイメージがとても近いかもしれません。
人生の危機的な状況においては、それに向き合い、乗り越えるパワーを与え、今までの自分を作り変えてしまうような変容の力を秘めています。
冥王星のこのパワーを受けることで自分の魂が一新され、新しい人生を歩むことができます。
例えば、人生で大きな経験をすることにより生き方が変わることはまさしく冥王星の力を受けた経験とも言えるでしょう。
人間が完全に冥王星の力を支配することはできない
冥王星の力を借りたいと思っても、簡単にそれを享受できるものでもなければ、何か利用して人生をよりよく好転させるということも基本的にはできるものではありません。
冥王星の支配するものは神そのものの力といってもいいでしょう。
人間が神を支配することは不可能ですが、神がある人間を選び分かちその人生にコミットし、その人を作り変えることは可能です。
もし、冥王星の力を上手いこと使って利用しようとするなら、そのことはすでにお見通して、手痛いしっぺ返しを食らうことも予想されます。
自分の努力ではどうにもならない限界性に対し、どこまでも誠実に、全てを受け入れていく清い心があればこそ、冥王星は必ず大きく祝福をもたらしてくれます。
冥王星逆行とは?
冥王星の逆行は人が対策して改善するレベルを超えて影響を与えるものなので、基本的にその影響から逃れること、逆らうこと、小手先で対処することはできないものです。
個人的なレベルで人生が左右されるということよりも、社会への影響を受けることでなんらかの調整をさせられたり、再考し、再構築しなければならないでしょう。
また冥王星の性質として振り出しに戻る、ゼロから再スタートするということも起こり得ますが、必ず復活する力を与えられますので、それを信じ、示された方向を歩んでいけば必ず良い方向に向かっていくでしょう。
破壊と再生はマイナスなイメージがありますが、むしろ冥王星の逆光の時期は、古い価値観や仕組みを壊し、新しい変化を引き起こす時期でもあるので、内部改革なども起こりやすくなりますので、より働きやすい環境になることもあります。
そのような変化の時期に自分をしっかりと顧み、過去を振り返り、反省すべきところを見出し、未来につなげていくために変容の意識を持つことが何よりも大切なあり方です。
各サイン(星座)との冥王星の関係
牡羊座の冥王星
束縛や停滞感が解消され、自立心が旺盛になり、自分の力を社会で十分に発揮したいという思いが強くなります。
また自分だけではなく、社会のために貢献するという大きなものの見方ができるようになるでしょう。
牡牛座の冥王星
変わらないもの、永遠に続くものなど揺るぎない何かを求めてやまない思いが強くなります。
物資的なものであれ、精神的なものであれ不変性を感じるものへの憧憬が強くなり、さらに物質的な豊かさを再評価する気持ちが生まれます。
双子座の冥王星
コミュニケーション力がさらに輪をかけて強まります。
自分の周りの人だけのコミュニケーションに留まらず、自己表現に関してはインターネットを使って発信し、より広く大きな世界に自分を引き上げようとする動きが見られるようになるでしょう。
蟹座の冥王星
自己保全の動きが強まります。
生活レベルで自分を守ることを意識し始めるので、不動産を購入したり、自分の人生を自分の手によってより良く安定的な方向に進めようとします。
また自立心も高まるので、親元を離れて1人で生活することを望む場合もあるでしょう。
獅子座の冥王星
より創造的に発展的に自分の持っている才能を世の中に用いたいという思いが強くなります。
そこには私利私慾というものは関係せず、慈愛と奉仕精神を持って、人々に関わり、社会そのものを変革させるために尽力するようになります。
乙女座の冥王星
生活そのものを向上させたいとの思いが強まり、より仕事では実務的な能力を発揮するでしょう。
現実的に何をすれば合理的でより発展するかというアイデアが思い浮かび、それを実践するチャンスも幾たびともなく与えられます。
天秤座の冥王星
より美しいものを求め、より公正さが表される社会を望むようになります。
もともと持っている美的センスがさらに強まることで評価が高まりあらゆるビジネスチャンスを得ることもできるでしょう。
共同作業を通して、関係性を深めながら新しい創造的な作業に身を投じることになります。
蠍座の冥王星
普段は意識しない衝動が自分の中に芽生え始めていて、それを抑制することを難しく感じるかもしれません。
もしかすると性的な衝動や破壊的衝動が頭から離れずに自分をコントロールすることを難しく感じる場合もありそうです。
冥王星とのつながりが深いのであらゆる形でダイレクトに働きます。
射手座の冥王星
正義や公正を求め、それを個人の領域に留めることなく、社会的な活動の場で表現をするようになります。
物事の本質を見極めて、正しくそれを行使し、人々に伝えることをし、何かの集団に属したり社会的な運動に参加する場合もあります。
山羊座の冥王星
冥王星の持っている破壊の力を強く受け、自分に大きな力があることを意識することができるようになります。
それが正しい方向で用いられれば良いのですが、ともすると自分が正しいという独裁的なあり方になってしまう場合もありそうです。
地域的な活動の場ほど気をつけなければなりません。
水瓶座の冥王星
自分を抑圧していた何かが消え、ありのままの自己表現をすることに喜びを感じることができます。
あらゆる常識にとらわれることなく、多少刺激的な形でも自由さを求め、内なる喜びを感じられるようになるでしょう。
魚座の冥王星
霊的、精神的なつながりが深まります。
もともと神秘的な事象を経験しやすい体質がさらに強化されていくので、不思議な体験をすることがますます多くなります。
ともすると夢想的になりすぎてしまい現実との境目があやふやになってしまう場合もありそうです。
他の天体(惑星)一覧
占い師 聖子のワンポイントアドバイス
社会の仕組み、価値観の変化、世界観すら変容させるほどの力を持っているけど、ゆっくりと変わっていくからあわてることはないわ?
冥王星の破壊と再生の力をコントロールすることはできないけど、その力に感謝と敬意を持って受け入れていくことを心がけ、自分を変化させることを拒まずにいればより良い方向になっていくし、自分の中に眠っている才能にも気づくことができるはずよ。