秋と言えば新米の時期ですよね。日本人にとっては、昔からお米や生活に欠かすことができないものです。
現代でも新米を食べると幸せになることができますよね。そんなお米の稲刈りについてみていきましょう。
新米は、お米を育てているコメ農家さんの努力のたまものでもあるのです。
目次
稲刈り時期は自然が教えてくれる!天候と秋晴れの日がシーズン
とんぼが秋を教えてくれる
稲刈りを始める時期を見極める方法も気になりますよね。稲穂の様子を眺めることでタイミングを見極めることもできそうですが、周囲の生き物たちの様子で見極める方法もあります。
赤とんぼと言えば、秋の昆虫として最も有名かもしれません。赤とんぼは、春に水田で孵化します。
そこから水中で幼虫が育ち、梅雨の時期に成虫となります。とんぼが夏の間は暑いから少し涼しい時期まで山間部へ行くと言われています。
その避暑に山へと行くということに科学的根拠はないそうです。そして、涼しくなった9月頃になると再び都市部へと降りてきます。
そのとんぼが下りてくる様子で秋がやってきたと言われていました。そのとんぼは稲刈りが終わると田んぼに卵を産み付けます。
稲刈り後の田んぼは、水がたっぷり入っておりぬかるんでいるので人間にとっては居心地が良いものとは言えないかもしれません。
でも、そのぬかるみがとんぼの卵には良い場所なのです。成虫のとんぼはそこで命が尽きてしまいます。
そして、再び春になると新しいとんぼが生まれるのです。
秋の晴れの日
稲刈りを行うのに1番良い日は、秋の晴れの日です。まず、雨の日に稲刈りを行うことはありません。
雨の日に稲刈りを行ってはいけないのは、稲刈りをする人が大変だからという理由だけではありません。
雨の中で稲刈りを行うとお米の品質が下がってしまうので避けるという理由もあります。
稲刈りに最適な時期は、稲から穂が出て40~45日程度の時期と言われています。そのころになると、黄金色になった稲穂が垂れ下がりだします。
稲穂が垂れ下がると収穫の時期となります。稲刈りを早く行いすぎると収穫量が減ってしまいます。
逆に遅れてしまうと、籾が熟れすぎてしまってお米の質が悪くなってしまいます。籾が熟れすぎてしまうと、お米の色つやが悪くなってしまいます。
なので、稲刈りはタイミングを見極めることが重要なのです。今でこそ天気予報があるので前日に天気予報を確認してから稲刈りを行うのかを決めることができます。
でも、天気予報がない時代だと翌日に晴れるのかどうかを確認することが難しいですよね。なので、迷信のような方法で確認していました。
秋はきれいに夕焼けが出ると翌日が晴れることが多いと言われています。なので、天気予報がなかった時代は夕焼けがきれいな日の翌日に稲刈りをすることにしていたそうです。
前日から稲刈りの道具の手入れを行うなどして過ごしていたと言われています。今は手作業よりも機械を使う方が多いので準備の仕方も少し違っていたと思います。
しっかりと道具を研いだりして準備をしたのに翌日雨が降っているとショックですよね。そして、稲刈りを行う前には田んぼの水を抜いておきます。
収穫を行う時期に田んぼに水があるとお米の品質が下がってしまうのです。田んぼを事前に乾燥させておくことが品質の良いお米を収穫するには大切です。
台風や秋雨とかぶったら?
秋と言えば、新米など自然の恵みをたくさん得ることができる時期ですよね。それだけでなく、食欲の秋という言葉があるくらい食べ物がおいしい時期です。
だけど、台風が発生しやすい時期でもあります。最近は、気候変動の影響もあり8月末から9月末くらいに台風が発生することが多いと思います。
実際、稲刈りの日に台風が当たらなければよいと思ってしまうかもしれませんが稲刈り前も台風を避ける必要があります。
台風の時期まで稲穂がたっぷりとついていても台風が上陸してしまうとすべて飛ばされてしまうこともあるでしょう。
そう考えるとかなり打撃を受けてしまいますよね。だから、大型の台風が上陸する前に稲刈りを行うことが正解です。
強い風が吹くと思われるときはたんぼの水を増やしておき、稲が振動を受けることを抑えます。
それだけでなく、水を増やすとフェーン現象によって稲が枯れてしまうことを防ぐこともできるそうです。
逆に洪水によって水が増えることが予測されるときは、排水がよく行われるように整備しておきます。
台風の多い地域の田んぼであれば、防風林や防風ネットを設置して最初から対策しておきましょう。
早い時期の台風は太平洋側よりも日本海側を進むことが多くなっています。そして、後半の台風よりも雨は少ないのですが強い風が吹くことが多いのです。
そして、フェーン現象も起きやすくなってしまい稲の成長を阻害してしまいます。特に稲穂が出てすぐにフェーン現象が起きると稲穂が白く枯れてしまうのです。
その場合、秋のお米の収穫量はとても少なくなってしまいます。そして、お米の収穫期の秋に起きる台風は夏の台風と違い太平洋側に上陸する傾向が強いです。
さらに、秋は秋雨前線が日本の空に停滞することで秋の長雨を呼び込んでしまうことも多いです。
秋の長雨と台風が重なると稲だけでなく、人間も災害に遭ってしまうレベルの大雨が降ってしまいます。
その場合は、お米だけでなく多くの農作物に被害をもたらすということになってしまうので満足いく収穫量が望めません。
最近では、精度がそこまで高くない場合もありますが台風が発生した段階から知ることができます。
稲刈りの手順は準備から袋詰めまで!
準備から稲刈りは始まっている
稲刈りを行うことになると最初に準備を始めます。昔はすべて手作業だったこともあり、前日に道具を研いだりして翌日の稲刈りに備えていました。
最近は、機械を使って稲刈りを行うことが増えています。なので、機械の整備をしておきます。
コンバインや乾燥機などが当日いざ使おうと思ったときに動かないと仕事になりません。また、一人で修理をすることも難しいのであらかじめきちんと動くか確認しておいてください。
そして、稲刈りの時期は同じエリアであれば同じタイミングになります。そうなると壊れるタイミングも似てくるのですぐに対応してもらえることが難しいです。
稲の品種や田んぼの質、気象条件によってもぴったりなタイミングは違ってくるので一概にいつとは言えないことが難しい理由の1つでもあります。
テレビやクーラーなどの家電と違い、1年に1度くらいしか使わないことも多いので予想外のことが起きてしまうことも多いので注意しておきましょう。
あとは、事前に田んぼから水を抜いておくということが大切になってきます。田んぼから水を抜くのは、5~10日程度前に行っておかないといけません。
水を早く抜きすぎると稲の育ちがいまいちになってしまいます。胴割れ米胴割れ米などができてしまい、味が落ちてしまいます。
逆に水が多すぎると稲刈りを行うときに田んぼがぬかるんでしまい機械が動かなくなってしまう恐れがあります。
なので、ちょうどよい匙加減で行わないといけません。基準の1つとして稲から稲穂が出てから30日前後を目安にする方法があります。
ほかには、気象条件が同じである近隣の農家の方に聞いてみるのもおすすめです。胴割れ米や未成熟米が増えることになります。
そして、収穫を行う量も事前に決めておいてください。お米の場合は、収穫した後に乾燥させる必要があるのです。
乾燥させない場合は、お米が蒸れてしまい品質が悪くなってしまいます。でも、多くの農家さんでは無限にお米を乾燥させることはできない場合が多いと思います。
だからこそ、自分のところでどれくらい乾燥させることができるのかということを確認しながら収穫量を決めておく必要があるのです。
最初は刈り取り
稲刈りの準備を終えるといよいよ本番です。当日、万が一雨が降っていた場合は延期になります。
晴れていた場合も稲刈りを始める時間も決まっています。稲刈りを行う時間は昼前がおすすめです。
それは稲についた朝露が乾く時間帯だからです。朝早く稲刈りを行う方が効率よく感じるかもしれませんが、急がば回れという言葉がしっくりくるような状態かもしれません。
昼前に始める方が効率よく、稲刈りの作業を進めていくことができるのです。まず、朝露が多く稲についていると稲が重くなってしまいます。
稲が重くなってしまうと刈り取りづらくなってくるとコンバインの速度も遅くなり時間がかかってしまいます。
それと同時にコンバインに負担がかかってしまうのです。稲刈りを終えた後も湿気を多く含んでいることもあり、脱穀がうまくいかず通常よりも時間がかかってしまいます。
乾燥に時間がかかると、その分燃料もたくさん必要になってしまい燃費も悪いです。なので、昼前から始める方がロスも少なくなると言えます。
いざ、コンバインを動かし始めたときはゆっくりと動かすようにしましょう。コンバインは内部にたくさんの刃がある複雑な機械なので予期せぬ事故を誘発してしまうこともあります。
まずは、止める方法をマスターしておくと良いでしょう。稲刈りは、左回りに進めていくようにしてください。
斜め刈りをしてしまうとコンバインの故障にもつながるので気をつけましょう。そして、稲も無限に刈り取ることはできません。
なので、途中で刈り取った稲を排出する場所を決めておきましょう。
稲刈りの後は乾燥
稲刈りが終わった後に稲を自然乾燥させて、そこから籾摺りや脱穀の作業に入ります。
現代は、機械を使って乾燥させます。希望する水分量を機械に打ち込むと一晩で仕上げてくれるので稲刈りのさぎょと比べると格段に楽です。
昔は稲の乾燥は稲架掛けという方法で自然乾燥させていました。この稲架掛けは、地方によって方法が違います。
ちなみに稲刈り後すぐの籾の水分量は約20~25%です。これほど水分が多いとお米が変質してしまうので15%くらいまで乾燥させる必要があります。
だいたい晴れの日が続くと1週間程度で理想の水分量となります。それだけでなく、乾燥させると固くなり籾すりのときに砕けにくくなるという効果もあります。
籾摺り
稲の乾燥が終わると、籾摺りを行います。籾摺りとは、籾殻を取り除き玄米にする作業のことを指します。
以前は、籾摺りも手作業で行っていたので時間も手間もかかっていました。でも、現代では機械を使って行っていきます。
乾燥機から取り出した籾を籾摺り機に入れるだけです。なので、すごく早く終わります。
お米を質で選別
籾摺りが終わるとお米を選別します。お米の選別は、質でお米をわけることになります。質の良い玄米を取り分けるのです。
このお米を選別するという作業も以前は手作業で行っていましたが今は機械で行う場合が多いです。
機械でお米を選り分けることができるので楽に行うことができます。手で行う場合は、お米以前にクズや藁とより分けることから始まります。
なので、技術が必要な作業となってくるのです。機械を使うことで誰でも行うことができるようになったとも言えますね。
最後は袋詰め
稲刈りの最後は、お米を袋詰めにする作業です。お米が流通しているときは、既に袋詰めされていますよね。
この段階でその状態へと持っていきます。今は、手作業でお米を詰めるのでなく機械で詰めます。
重さをはかりながら丁寧に袋に詰めるという作業を行います。残念ながら重さに感じては自らチェックしながら作業を進めていかないといけません。
稲刈りの日の決め方のポイント
品質重視or収穫量重視か
稲刈りの日の決め手は、稲の成長度合いであると前述したと思います。でも、台風が多いこともあり自分たちが思った日に稲刈りをすることができるとは限りません。
現代であれば天気予報を細かくチェックすることで未来の天気もある程度調べることができますよね。
稲刈りの時期は、稲の育ち具合も微妙で天気もいまいちという日程になることも多いでしょう。その場合は、稲の質か収穫量かどちらかを選ばないといけなくなります。
質が良くても量が少ないと困るし、逆に量が多くても質がいまいちだと残念ですよね。しいて言えば、自宅用の米であれば量を重視するという選択を自然に取ることもできるかもしれません。
天気はコントロールすることができません。なので、収穫量か質のどちらを重視したいか?ということを先に決めておく必要があるでしょう。
お米を消費する人も安くて量が多い方が良い人もいれば、高くても良いお米を食べたいという人もいます。
なので、必ずどちらが良いということはありません。正解がないことだからこそ難しいですよね。
台風が接近している場合の稲刈り
台風が近づいているときはそのまま稲に頑張ってもらうか?すぐに収穫を済ませるか?ということに悩んでしまいますよね。
まずは、天気予報を眺めて台風の規模をチェックしておきましょう。小さな台風だったり、田んぼの地域に上陸しないのであれば考慮する必要がないかもしれません。
でも、大きい台風が近づいているのであればお米の質はあきらめて台風が上陸する前に稲刈りを行っておく方が良いでしょう。
台風も当日のみ強い風を発生させるわけではありません。数日前から風が強くなることも多いです。
ギリギリまで収穫の時期を遅らせたいという思いを持つ農家さんも多いでしょう。だからこそ、台風が近づいてきたときの稲刈りは苦渋の決断になってしまうことも少なくありません。
少々の風であれば、水を深くすることで耐えることができる場合もあります。また、例年台風が通る地域であれば防風林や防風ネットの設置などを行います。
台風の後は、稲が倒れてしまった場合と田んぼが冠水してしまった後の2通りになることが多いです。
稲が倒れてしまったときは、水を排水することで稲穂の籾が発芽してしまうことを防ぎます。そして、稲の株を持ち上げて乾燥させましょう。
稲穂の籾が発芽する前に倒れた場合は、なるべく早く刈り取るようにしてください。倒れた場合は、青米、茶米、死米が増えてしまいます。
また、石が混じることも増えるので収穫時や乾燥の時に確認するようにしてください。¥次に田んぼが冠水した場合についてです。
稲が水面よりも上に顔を出すようになるべく早く水を抜いてください。1度、」冠水してしまった稲は水分の調整がうまくできなくなってしまいます。
水面上に出るように、一刻も早く排水します。冠水した稲は、水分調整機能が低下し、水分を失いやすくなるので注意しましょう。
田んぼが冠水してしまった後は、病害虫などの被害が発生しやすくなるので田んぼを見回り必要に応じて防虫作業を行ってください。
また、海が近いと田んぼに海水が入りこんでしまうことがあります。その場合は、なるべく早く海水を外に出しましょう。
海水を洗う意流した後は、川の水を掛け流し状態にしてください。稲や土から塩分を洗い流さないといけません。
コンバインをレンタルする場合の注意点
日本の多くのお米農家では、自分でコンバインを所有している場合も多いです。ですが、年に1度しかコンバインを使わないということを疑問視してしまっている人も少なくはないはずです。
コンバインを含め農機具は高価なものが多いです。安いものでもない上に軽トラのように普段から使うものではありません。
だから、農機具をシェアした方がお得なのかもしれないと思い始める人も多いでしょう。最近では農機具などに限らず乗用車でもシェアする文化が台頭してきていますよね。
ですが、農機具の場合はレンタカーのように気軽にいつでも借りるということは難しいのです。
農機具をシェアすることにおいては注意点があります。実は、同じ種類の作物を育てている農家の収穫時期はほぼ同じです。
さらに、同じ地域だと最適な日がぴったりかぶってしまうことが予想されます。なので、特定の日にコンバインを借りたいという希望が集中することが予想されるのです。
なるべく早く申し込む必要があると言えます。ただ、結婚式の予約なんかと違いコンバインは半年前から予約していてもその日程が最適な日であるとは言い切れません。
実際に稲刈りの時期が近づくと予想と稲の育ち具合が全然違うということもあります。毎年の稲刈りの傾向から時期を予測するのが1番固いかもしれません。
ほかにも大型連休を挟むと借りたい人が増える傾向もあります。普段、田んぼにかかわっていない家族が帰省して手伝うということも多いからです。
また、地域の農家でコンバインをシェアするという人たちも増えています。稲刈りも一緒に行えば、レンタルよりは良い時期に稲刈りの作業に入ることができるかもしれません。
積算温度で稲刈りの時期を見極める
積算湿度とは、稲刈りの時期を予想するときに必要となる指標の1つとなっています。5割程度出穂した後からの毎日の平均気温の数字を積み上げた数値となっています。
毎日の温度を足していくだけなので、難しくありません。毎年ずっと積算温度を記録しておけば、自らの田んぼ特有の規則を見つけ出すこともできるでしょう。
そして、肝心の積算温度は1000~1250℃と言われています。出穂からの積算温度が1000~1250℃になった時期が稲刈りに適している時期なのです。
ただし、品種によって稲刈りにぴったりの積算温度は違うので注意しましょう。
稲刈りはコンバインと鎌で刈り取る
稲刈りの味方!コンバインとは
コンバインとは、稲刈りで使用する機械です。田や畑の上を走りながら穀物を収穫し、脱穀作業を行います。
日本ではお米の収穫に使うことが知られていますが、お米以外の麦、大豆、トウモロコシなどの穀物の収穫にも使われる機械となっています。
コンバインが生まれたのはアメリカです。アメリカでは、麦などの穀物の収穫作業を効率的に行うために生まれました。
最初のコンバインは、畜力式でしたが車のように燃料で動くもの後になって登場しました。それが今のコンバインの元となったと言われています。
コンバインは、刈取りを行う刀、刈り取った収穫物の搬送部、穂や茎から実を取り出す脱穀部、脱穀した穀粒を一時貯留するグレインタンク、排藁処理部など複数の部品で構成されており複雑です。
内部は刃など危険な部品も多いので慣れないときはゆっくり動かす穂が良いでしょう。日本ではアメリカと違い田んぼで使用されることが多いです。
なので、田んぼという水田という湿地で利用することが多いのでキャタピラへと改良されました。
そのように日本では稲刈りに特化した機械へと進化し続けているのです。最近ではさらに進化が加速しており、狭い農地や傾斜地などの特殊な場所へ対応することができるコンバインも生まれています。
ほかにも科学が進化していることにより、位置情報とらえ収穫時の穀物の重さや水分などを測定しながらデータを蓄積することもできるようになりました。
収穫作業を無人で行うコンバインも登場しています。
コンバインを使うメリットとデメリット
コンバインを使うにおいてもメリットもあれば、デメリットもあります。まず、メリットですが手で刈り取るよりかなり楽です。
手作業ですべて行っていた時代と比べて、稲刈りと脱穀の労働時間が19分の1にも短縮されました。
昔は家族だけでなく親戚もすべて集まってみんなで作業をすすめないと終わらなかった作業が少人数で終わるようになったのです。
体力が昔ほど必要がなくなったので高齢者しかいない場合でも稲刈りの作業に入ることができます。デメリットは、そこまでないと言えます。
コンバインの金額が高いということもデメリットの1つですね。確かにほかの用途に使うことができないので高額な買い物だと言えるでしょう。
だけど、手作業で稲刈りを行うことを考えると高額でもコンバインを取り入れた場合のメリットの方が上回ると言えます。
あと、手で刈り取る方がお米も傷つきにくいという説もありますがあまり変わりないみたいです。
なので、導入することができるのであればコンバインを取り入れて農作業を行う方が良いでしょう。
負担を軽くして農業を続けるということの方が大切だと思います。
手で刈るときは裾鎌を使う
コンバインを使わず、手で稲刈りを行う場合は鎌を使います。明治時代に入った頃から稲刈り専用の鋸鎌を使うようになります。
鎌を使う場合は、事前に刃を研いだりする準備が必要です。稲の刈り取る位置は田面から5~6cmほど上の部分になります。
ドラマなどのテレビで見たことがある人も多いかもしれませんが、右手に鋸鎌を持ちます。そして左手で稲を握って刈り取りながら移動していきます。
左手に持ちきれなくなったら、一度地面に置きます。このひとまとめを一手刈りと言います。そして、もうひとまとめ分と合わせたものを二手刈りと呼び一把にします。
その一把を藁などで束ねてから、稲架にかけて乾かします。現代では機械を使って乾かすので一晩で終わりますが稲架にかけて乾かすと1週間くらい費やすことになります。
稲を根元から刈り取る方が春先の田起こしも効率よく行うことができるのです。この手で稲刈りを行う手法がメインだったころは今より時間がかかっていました。
大人だけでなく、子供たちも手伝わないと間に合わないということもあり稲刈りの時期は小学校が休みになっていたりもしたそうです。
現代では考えられませんね。
稲刈りは狩るだけじゃない!「干し」が美味しいお米を作る
稲刈りの後は天日干しor機械乾燥
稲刈りの後は、お米を天日干しします。昔は機械で乾燥させるという手法がなかったので天日干しのみでした。
お米を収穫した直後の籾の水分量は20~25%です。でも、水分量が多いままだとお米が変質してしまうので15%程度になるまで乾かします。
おいしいお米を作るには欠かすことができない工程の1つであると言えます。乾燥させるとお米が砕けにくくなるので籾摺りの時にとってもメリットになります。
天日干しだと1週間から2週間もの時間がかかってしまいます。また、この時期ずっと晴れていることは少ないので大変だと思います。
現代では機械を使って稲刈り後に夜通し乾燥させます。天日干しを採用している農家さんの方が少なくなっていると思います。
機械を使うと水分量を指定することができるので作業の手間を考えると格段に楽です。
でも、1度に乾燥させることができるお米の量が決まっていると思うのであらかじめ乾燥できる最大の量を把握しておきましょう。
最近は、乾燥機を所有していなくても乾燥だけ依頼することができる場所もあるようです。便利ですよね。
稲作をするには高価な農機具や機械が必要ということであきらめていた人でも挑戦しやすくなるかもしれませんね。
天日干しでコメのアミノ酸や栄養素が増す
お米を天日干しするというのは、お米の変質を防ぎ劣化しないようにするということだけではありません。
天日干しをすることによって、お米の栄養素が増すと言われています。天日干しの場合は、機械と違い時間をかけてゆっくり干していくことになります。
乾燥機のを利用すると効率を上げるためにも素早く乾かすことになります。なので、送風温度を高くすることなどが要因で天日干しよりも味が落ちてしまうそうです。
乾燥の方法が原因でお米の味が落ちてしまう原因は、各種加水分解酵素による脂質の分解や高温による還元糖量の増加によるアミラーゼの減少などが原因と言われています。
太陽と風でゆっくりとお米を乾燥させると、アミノ酸や糖の含有量が機械で素早く乾燥させた時よりも大きいと言われています。
要は、乾燥させることでおいしさが増すということです。そのおいしさや粘りが長期保存でも維持されるようですよ。
また、味わいだけでなく見た目のツヤなども落ちにくくなるそうです。作業を簡略化させたい気持ちとおいしさを重視したい気持ちがせめぎあう工程だと言えます。
刈り取り後は竹の稲架に干す
稲刈りを終えた後に天日干しを行う際は、稲架という竹で作られたものに稲をかけて乾かします。
これは機械が普及するずっと前から使われています。地域によって少しずつ乾かす方法が違うそうです。
現代では竹でなく鉄で組んだものを使用して吊るす場合もあります。機械で乾かす方が格段に効率も良いので今は使われていることが少なくなっています。
自宅用の少ない量の米だけや機械が入れないくらい狭い場所にある田んぼで使われていることが多いそうです。
この場合、稲を下にぶらさげるようにつるすので稲藁に残っているうまみが下に落ちていくということがあります。
それによって、お米のうまみや栄養分がさらに増すと言われています。現代的な手法も良いけど昔から行われていることが意外と1番良かったりもしますよね。
手間をかけるとお米がおいしくなると聞くと手間がかかっても良いかもしれないと思ってしまう人も少なくないはずです。
ほかには地干しと言われる地面に置いて乾かす方法や杭干などもあります。地干と呼ばれる地面で乾かす方法は、1番簡単ですが全国的にも少ないです。
乾いた田んぼの上で行われますが、稲の置き方は田んぼの乾き具合で変化をつけます。稲束の穂のほうを内側にして円錐状に積んでいきます。
また、片面だけ穂をそろえて積んでいく片積みという手法もあります。この方法は、米と藁をゆっくり乾燥させることができるのでお米の劣化を防ぐことができる上に地干のデメリットを防ぐことができます。
主に、田んぼが乾燥しやすいとされている瀬戸内海沿岸地域や北九州、中部地方、東北地方などで使われている手法です。
杭干しという方法は棒掛けとも呼ばれています。杭干しは、田の畦に棒杭を一定の間隔に立て並べて行います。
各杭の地面から数10cmの所に止め木を直角につけます。その木を台にして、杭を中軸にして稲束を重ねます。
その際、穂先が外になるように重ねておきます。掛け方には2種類の方法があります。その2種類は、十字掛けと螺旋掛けです。
この時の棒の高さは地域によって違います。地方によって1本の棒杭にかける稲束数が決まっていることも多いです。
この方法は、東日本が多く最も東北地方で使われている方法です。架干しは、横に渡した竹、棒、綱などに稲束をかけて乾かします。
杭干の方が資材が少なく済むと言われていますが。架干しは田面が湿っていても使える方法です。
なので、幅広い地域で利用しやすいと言えるでしょう。特に雨が多い地域で使われています。
ただ、最近は作業に簡略化を求める傾向が強く機械を使用することが増えています。なので、天日干しを行っている様子を見ることはほとんどなくなっています。
少し寂しいですが、お米作りが楽になるのであればそれはそれで良い変化だともいえるでしょう。
籾は水分量15%が目安!それ以下だと割れる
お米のおいしさをアップさせることを主として稲刈り後すぐに乾燥させると言われていますが、ほかにも理由があります。
お米の水分量を低くすることでその後の籾摺りなどの工程で割れにくくすることができるのです。
そお米の水分量が多いと質が下がると考えるとお米の水分量が少なければ少ない方が良いと感じてしまうかもしれません。
でも、逆にお米の水分量が15%以下になってしまうと割れやすくなってしまうので注意しましょう。
お米のうまみの方も下がってしまいます。程よい加減にしておかないといけません。機械も使わなかった時代に最適な水分量がわかっていたなんてすごいですよね。
まさに職人技だと言えるでしょう。今の時代は機械で水分量を設定して乾かすことができるので便利な世の中になりましたよね。
稲揚げの注意点
稲刈り後の稲を乾燥させると次に残る作業稲揚げです。乾燥が終わり次第、脱穀する場所まで運ぶことを言うわ。
昔はこの稲揚げは日の短い秋に行っていたので、素早く動かしていく必要がありました。火が落ちると作業ができなくなるからです。
さすがに手ですべて運ぶのは大変だったので荷車は使っていたようです。この作業を行うときは、籾を落とさないことが大切です。
占い師秋桜のワンポイントアドバイス「稲刈りはベストのタイミングで!細かな作業や稲の状態がポイント」
稲刈りから食べることができるようになるまでもたくさんの工程があってびっくりしたかもしれないわ。
昔ながらの手法も科学的に調べるとすべて意味があったことを知ると驚きしかないわよね。おいしくなるのは嬉しいけど、手間がかかるのは悩むわ。
最近は、農業の担い手も減ってきているから手間を減らしていきたい気持ちもよくわかるもの。
おいしいお米を食べ続けるためには、程よい力加減で農家さんに頑張ってもらいたいものよね。
簡略化できる部分や現代の技術で楽になることがあればどんどん取り入れると良いと思うわ。
その分、私たちはありがたく感謝しながらお米を頂きましょう。