11月3日の文化の日。
存在は知っているけれど、ただの休日だと思っていませんか?
「文化の日ってそもそもどんな日?」と思っているあなたに向けて、文化の日を徹底解説していきます。
この記事では文化の日の由来や歴史、イベントや過ごし方、食べたい行事食についてご紹介していきます。
そして、気になる情報でもある文化の日がなくなるかもしれないという動きやその背景についても解説していくのでチェックしてみてください。
文化の日について知れば、もっと文化の日をよりよりものにしていけるはずです。
目次
文化の日って?由来と歴史を知ろう
文化の日はいつ?いつからあるの?
文化の日は11月3日で国民の祝日となっています。
この日が文化の日となったのは、1948年のこと。
その年に公布された祝日法という法律の中で文化の人定められました。
「じゃあ意外と歴史は浅いの?」と感じるかもしれませんが、実はそれ以前も11月3日は祝日でした。
戦前までは明治天皇の誕生日として祝日だったのですが、これが文化の日となった経緯に関しては後程詳しく解説していきます。
文化の日の趣旨とは
11月3日が文化の日とされているのはなぜでしょうか。
国民の祝日に関する法律の第2条によると、文化の日の趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことです。
1946年の11月3日、日本国憲法は公布されました。
そして、その日本国憲法の中では文化が重要視されています。
そのような経緯もあって、文化の日は11月3日となったのです。
ちなみに憲法に関する祝日といえば5月3日の憲法記念日がありますが、これは日本国憲法が公布されてから6か月後の5月3日に施行されたためです。
憲法に関する祝日は年に2回、憲法記念日と文化の日があることから、戦後の日本人が日本国憲法の制定をどれほど重要視していたのかが分かるでしょう。
文化の日の趣旨である「自由と平和を愛し、文化をすすめる」、これは自由で平和な現代に暮らす私たちにはいまいちピンときませんが、そのバックグラウンドまで見直し、今一度その意義を見直す必要があるでしょう。
文化の日になったのはGHQが関係している、そもそもは明治天皇の誕生日
11月3日はもともと明治天皇の誕生日です。
その日が祝日となったのは、1873年のことで「年中祭日祝日の休暇日を定む」で定められてから1911年までは天長節という名前でした。
それから1927年に改正された「休日に関する件」から1947年までは明治節という名前で、明治天皇の誕生日としてお休みとなっていました。
ですが、明治節はなぜ天皇誕生日のままではなく、文化の日となったのでしょうか。
今では文化の日が明治天皇の誕生日だったということを知る人も少ないでしょう。
これにはGHQが関係しており、11月3日から明治天皇色を消すというのはまさしくGHQの目論見通りだったのです。
11月3日は四大節と呼ばれる明治天皇が定めた、日本人にとって大切な祝日の一つでした。
しかし戦後、日本の祝日はGHQによって見直されることになりました。
当然、日本側は11月3日を祝日として残したいと主張します。
ですが、GHQはそれを認めませんでした。
それは明治天皇のことを怖れていたからです。
白人相手にどんどん戦争で勝利を収め、極東の小さな国にもかかわらず明治維新で一気に近代化し欧米諸国と肩を並べるように日本を成長させたリーダー。
それが明治天皇なのです。
この明治天皇の誕生日を祝日として残してしまえば、日本人の心から明治天皇は薄れずまた戦争を起こすかもしれない。
そんな思いがあったため明治天皇の誕生日を祝日にすることを許可はできなかったのです。
しかし、日本人としては11月3日を祝日として残したい気持ちがありました。
そこで日本政府は日本国憲法の交付を11月3日にずらし、さらに名前も文化の日に変更するという落としどころを見つけ、11月3日を祝日のまま残すことに成功したのです。
先人の苦労の末に残された文化の日を、現代に生きる私たちももっと大切にしていきたいですね。
日本国憲法ってどんなもの?憲法について知ろう
11月3日は日本国憲法が公布された日です。
日本国憲法は現在でも使われている憲法で、日本の最高法規として位置づけられています。
日本国憲法の最大の特徴は平和主義をうたっていることで、日本はこれによって戦争を放棄しています。
自衛隊の海外派遣などの問題で憲法9条の改正が問題になりますが、これは憲法9条が戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めているからです。
日本国憲法以前の大日本帝国憲法では、天皇の権力は絶大で神聖不可侵な存在とされていました。
それが日本が戦争へと突き進んでしまった原因だと考えた諸外国によって、天皇主権から国民主権へと変更を余儀なくされます。
この憲法改正にももちろんGHQのチェックが入ります。
日本的な思想を残すことと、GHQを納得させることの両方の実現は並大抵のことではありませんでした。
こうした苦心の末、日本国憲法は作られ、1946年の11月3日に公布、翌5月3日に施行されることとなりました。
しかし、施工はされたものの当時の日本はアメリカの占領下。
日本国憲法が効力を発揮するようになったのは、1952年アメリカの占領が終了してからです。
ハッピーマンディって?祭日はずれずに祝日はずれる?
ハッピーマンデー法によって、移動する祝日が増えてきました。
日程を固定した祝日ではなく、第〇週の月曜日を祝日とするものをハッピーマンデーといいます。
ハッピーマンデー法を制定したのは、土日の休みに加えて月曜を祝日にすることで3連休を増やそうと考えたからです。
ハッピーマンデーによって、3連休はずいぶん増えましたよね。
しかし、ここで疑問になるのがハッピーマンデーの対象となる日とならない日の間にはどんな違いがあるのだろうということです。
3連休を作り出すことが目的であれば、どの祝日もハッピーマンデーの対象としてもいいはずです。
それをしないのには、祝日と祭日の違いがあるとされています。
今では祭日という呼び方はしませんが、もともと祭日は皇室を中心とした行事が行われる日でした。
祭日に制定されているのは次の日です。
1月1日(元日)、2月11日(建国記念日)、3月20日(春分の日)、4月29日(昭和の日)、9月23日(秋分の日)、11月2日(文化の日)、11月23日(勤労感謝の日)
こうして見ると祭日は、すべてそのままの日付で残りハッピーマンデーの対象にはなっていません。
ハッピーマンデーの対象となっているのは、次の4つの祝日です。
1月15日→1月第2月曜日(成人の日)
7月20日→7月第3月曜日(海の日)
9月15日→9月第3月曜日(敬老の日)
10月10日→10月第2月曜日(体育の日)
祭日と比べると特別な意味を持っておらず、動かしやすい日だったと言えるのではないでしょうか。
11月3日も憲法が公布された日だから祝日なのに、それがずれてしまっては何だか違和感が残りますよね。
天皇主権ではなくなったものの天皇に対する敬意は日本人の中には確かに残っています。
だから、ハッピーマンデーを制定し三連休を増やしたいとなった時でも、祭日は動かさず祝日を動かしたのでしょう。
2000年に施行されたハッピーマンデー法は当時は反対の声もありましたが、今ではすっかり浸透したように感じられます。
文化の日に表彰式が行われる、文化勲章とは?
文化の日には文化勲章の表彰式が行われます。
「文化勲章授与」ニュースでよく聞く文言ではありますが、文化勲章とはいったい何なのでしょうか。
文化勲章自体が制定されたのは1937年のこと。
1948年以降は文化の日に表彰式が行われています。
この日に行われるのは文化勲章だけではなく、各褒章の伝達式もです。
日本の勲章・褒章は次の通り。
大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう) 日本の最高位の勲章。
桐花大綬章(とうかだいじゅしょう) 旭日大綬章、瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある人に授与される。
旭日章(きょくじつしょう) 国家、または公共に対して功労のある人を対象に、功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた人。大綬章、重光章など6つに分けられている。
瑞宝章(ずいほうしょう) 国家、または公共に対して功労のある人を対象に、公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた人。大綬章、重光章など6つに分けられる。
文化勲章 文化の発達に関し特に顕著な功績のある人に授与。
宝冠賞 女性のみに授与される勲章。
続いて褒章は次の8つ。
紅綬褒章(こうじゅほうしょう) 自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した人に授与される。
緑綬褒章(りょくじゅほうしょう) 長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた人に授与される。
黄綬褒章(おうじゅほうしょう) 農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する人に授与される。
紫綬褒章(しじゅほうしょう) 科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた人に授与される。
藍綬褒章(らんじゅほうしょう) 会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた人・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した人に授与される。
紺綬褒章(こんじゅほうしょう) 公益のため私財を寄附した人に授与。
褒状(ほうじょう) 褒章を授与される方が団体等である場合に授与。
飾版 (しょくはん) 既に褒章を授与された方に更に同種の褒章を授与する場合に授与。
文化勲章は名誉なことですが、辞退をした人もいます。
有名なのは作家の大江健三郎で、彼は文化勲章そのものに否定的で受賞を拒否しました。
受賞者は皇居にて天皇陛下から直接文化勲章を授与されることとなります。
文化の日に行われる行事とイベント
祝意の表明「満艦飾(まんかんしょく)」
文化の日は文化をすすめる日の趣旨なだけあって、たくさんのイベントが行われます。
どんなイベントがあるかを見ていきましょう。
満艦飾は軍艦が祝意を表明するために行われるもので、艦首からマストを通して艦尾までの旗線に信号旗などの旗を連ねて掲揚して飾ることです。
海上自衛隊の満艦飾が行われる祝日は、建国記念日、天皇誕生日、憲法記念日、海の日、文化の日の5つです。
朝8時から日没まで行われているので、祝日に停泊中の自衛艦を見に行けば満艦飾も見られるでしょう。
満艦飾を行うのは日本の軍艦だけでなく、アメリカもです。
在日米軍の所属艦はアメリカ独立記念日とクリスマス、さらに天皇誕生日に満艦飾を行います。
この時、近くに日本の軍艦がいれば、自衛艦も相手にならって満艦飾を行うのがマナーですので2国の軍艦の満艦飾が見られるチャンスもあるでしょう。
文化の日は軍艦もお祝いする重大な行事なので、満艦飾が行われます。
文化の日は文化を愛そう、文化庁主催の芸術祭
文化の日当日に行われるというわけではありませんが、文化の日近辺には文化庁主催の芸術祭が開催されます。
これは1946年から秋に開催されており、大きな芸術の祭典となっています。
芸術祭の発表区分は次の通り。
主催公演―執行委員会の企画・依頼によって発表される公演。
協賛公演―実績のある個人・団体が発表するものの中で、執行委員会が選定・委嘱する公演。
参加公演―芸術祭に参加を希望する個人・団体の中で、参加にふさわしいと各部門の審査委員長が認めた公演。
参加作品―芸術祭に参加を希望する個人・団体の中で、参加にふさわしいと各部門の審査委員長が認めた媒体作品。
文化庁芸術祭で作品を発表するには執行委員会に依頼されるほかにも、審査委員に認められる必要があります。
参加公演と参加作品については文化庁が募集しており、誰でも参加することができます。
文化庁のホームページに詳しい情報が載っているので、興味のある方はぜひ応募してみましょう。
参加部門は演劇、音楽、舞踊、大衆芸能、テレビ・ドラマ、レビ・ドキュメンタリー、ラジオ、レコードと幅広いものがあります。
各部門につき芸術祭大賞、芸術祭優秀賞、芸術祭新人賞があり、賞金も贈られます。
かつては映画の部門も存在していましたが、映画は文化庁映画賞として独立したものとなりました。
東京と大阪で各公演は行われますが、地方で行われることもあります。
文化の日は日本の文化を見直すいいきっかけです。
こうした行事にも積極的にかかわり、文化への理解を深めていきましょう。
文化の日は無料なことも?美術館や博物館を楽しもう
文化の日という名前なだけあって、11月3日は美術館や博物館といった文化的施設に注目です。
11月3日には美術館や博物館の入館料が無料となることがあり、文化にとても親しみやすい日となっています。
美術館や博物館は行き慣れていない人にとっては、とてもハードルの高い施設です。
「安くはない入館料を払って、もし楽しめなかったら…」と考えると、足が遠のいてしまうのもうなずけます。
ですが、入館料がかからないとなると、普段は行かない人でも美術館や博物館に行ってみようという気になるのではないでしょうか。
さあ、文化の日の趣旨を思い出してみましょう。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」
入館料がただといういいきっかけがあるのだから、気になる展示に足を運んでみましょう。
どの美術館や博物館が入館料を無料にするのかは、その年の情報が発表されるまで分かりませんが、気になる展示には足を運んでみるべきです。
また、文化の日には入館料が無料にならなくても、さまざまなイベントが催されることも多いでしょう。
どんなイベントが行われるのかをチェックしてみましょう。
あなたの心を揺さぶるイベントがあるかもしれません。
美術館や博物館は文化の日に訪れるのにぴったりなスポットです。
ぜひ、近くの美術館や博物館に足を運んでみましょう。
強いだけではなく礼儀作法も求められる、全日本剣道選手権大会
11月3日には日本武道館で全日本剣道選手権大会が開催されます。
これは日本国内で最も栄誉ある剣道の大会です。
求められるのは強さだけではなく、武道の精神に則った礼儀作法も必要です。
出場資格は20歳以上であることで、各都道府県の予選を勝ち抜いた者だけが参加することができます。
1964年から日本武道館を使用しており、1982年からは毎年11月3日に行われています。
NHK総合でのテレビ放送やYouTubeでの配信が行われ、注目度も高い大会です。
優勝者には天皇盃、優勝旗、日本武道館賞、JALアメリカ往復航空券が贈られます。
剣道経験者なら憧れの大会であり、そうでなくても日本の伝統的な武道である剣道に触れるいいきっかけとなるイベントです。
まずは、YouTube配信を見るでもいいので、日本のトップレベルの剣道に触れる機会としてみてください。
同じ経緯で名前が変えられた新嘗祭、現代では勤労感謝の日
文化の日は本来明治天皇の誕生日であることは既に解説済みですが、日本には同じ経緯で名称が変更された祝日があります。
それが勤労感謝の日です。
11月23日の勤労感謝の日は、本当は新嘗祭の日でした。
しかし、これもまた天皇に関わる行事だったため、GHQによって名称が変更されたのです。
GHQには祝日から神道色を消したいという狙いもあったようです。
新嘗祭は本来、その年の収穫に感謝し、天皇陛下が初めて新米を食べるという行事でした。
収穫に感謝する日であったわけですが、名称を変更しなければならなくなり、さまざまな案がありました。
その中から、「収穫することができるのは、皆が勤労したからである」という案が受け入れられ、11月23日は新嘗祭から勤労感謝の日となったのです。
米が実るのは神様からの恵みだと考えられ、新嘗祭では神への感謝を捧げていましたが、神の恵みがあっても人が働かなければ実りを得ることはできません。
より身近な勤労への感謝をすることができるいい機会だったのかもしれません。
11月23日は新嘗祭という名称ではなくなりましたが、今でも新嘗祭は続けられています。
文化の日と同じように、GHQの介入によって名前が変わった祝日が勤労感謝の日です。
こうした変遷を知ることも、日本文化を知ることに繋がっていますね。
文化の日に何して過ごす?
文化の日は晴天が多い、アウトドアを楽しもう
文化と聞くと室内をイメージしてしまいますが、実は文化の日はアウトドアにもってこいの日です。
というのも、文化の日は晴れの特異日とされるほど、晴れることが多い日として知られています。
文化=インドアにとらわれず、野外でアウトドア文化を楽しむ日ということにしてしまえばいいのです。
せっかく晴れることが多いので、アウトドアでキャンプを楽しむのもいいでしょう。
スポーツだって立派な文化です。
文化の日に何をして過ごすか考える時、ついつい文化というイメージに引っ張られてアウトドアを除外してしまいがちですが、それはもったいないでしょう。
晴天になることが多いこの日、何をして過ごすか迷っているなら、ぜひアクティブに外で過ごすことを考えてみてください。
文化に対して苦手意識を感じる人でも、外で元気よく遊ぶと聞けば乗り気になるでしょう。
文化のイメージに縛られず、自由にプランを立ててみてください。
文化の日にはイベントがたくさん!イベントに参加しよう
秋は何をするにも良い季節です。
文化の日にもさまざまなイベントが開催されていますので、何をするか迷ったらイベントに出かけてみるのもいいでしょう。
例えばこの時期、たくさんの学園祭や文化祭が行われています。
文化庁主催の芸術祭という最高峰を見なくても、身近な文化に触れるだけでも十分です。
近くに文化祭があるのなら、ぜひ出かけてみてください。
また、この時期に毎年開催される大きなイベントとして有名なのがヨコハマトリエンナーレです。
ヨコハマトリエンナーレは3年に1度開催される現代アートの国際展で、日本の芸術祭の先駆け的存在だと言われています。
この他にも3年に1度行われる芸術祭として、新潟県で行われる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、瀬戸内の島々で3年に1度開催される「ART SETOUCHI」などがあります。
3年に1度の開催なので迷っていると、次に行けるのは3年後なんてことになりかねません。
行きたい気持ちが少しでもあるのなら、参加する機会を逃さないようにしましょう。
ヨコハマトリエンナーレは2020年に行われていますので、次回の開催は2023年となります。
文化の日といえばコレ「博物館や美術館に行く」
文化の日に何をしようか迷ったのなら、博物館や美術館に行ってみるのはどうでしょう。
文化と聞いてもチンプンカンプンな人でも、手っ取り早く文化を感じることができます。
芸術になじみのない人がそこら辺に置かれた現代アートを理解しろというのは無理な話です。
しかし、博物館や美術館の展示物の理解を深めようとするのは、それよりもはるかに簡単なことです。
本当は芸術へのハードルが高いと感じている人こそ、博物館や美術館を利用すべきと言えるでしょう。
というのも、博物館や美術館は見られるということを徹底的に意識して展示物が並べられています。
近年では音声ガイド付きの展示もあり、初心者に理解しがたいということはほとんどありません。
詳しい解説を聞きながら展示を見て回れるなんて、こんな経験は美術館に出かけなければなかなかできることではありません。
詳しい人の解説を聞きながら、文化的作品に触れる。
現代の美術館ではこれが可能なのです。
ぜひ文化の日には博物館や美術館に出かけて、音声ガイドとともに展示を楽しんでみてください。
日本文化に触れよう、神社を参拝
文化の日には神社に行くこともおすすめです。
神道は日本文化の宝庫です。
そんなに堅苦しく考えなくても、神社でおみくじを引くくらいの目的意識で構いません。
1日が終わった時に、今日は和の文化に触れたなあとほんのり思えればこのお出かけは成功でしょう。
また、神社デビューをする人におすすめなのが御朱印集めです。
近年、御朱印帳を持つ人は増えており、御朱印集めは決してマニアックな趣味ではありません。
訪れた神社で御朱印をもらうということは、良い記念にもなるし、まさに日本文化に触れているという実感も持てるでしょう。
ぜひ、文化の日に御朱印デビューしてみてくださいね。
気になる映画を見に行こう
文化の日に簡単に行える文化的行動といえば、映画鑑賞です。
映画は人が作り出した文化作品です。
それを鑑賞するのも文化の日にはぴったりでしょう。
文化の日はせっかくの祝日なので、映画館の大きなスクリーンで作品を見てほしいですが、それすら億劫だという場合には自宅で映画鑑賞でも構いません。
見たかった映画を見る、テレビドラマを一気見する、休みで時間がたっぷり使えるからこその鑑賞をしてみてください。
文化の日ならきっといい作品に出会えることでしょう。
文化の日に食べたい行事食&食材
文化の日には和食がぴったり、日本文化に触れよう
お正月にはおせち、ひな祭りには菱餅のような行事食が、文化の日にはありません。
つまり何かを食べなくてはいけないという明確な決まりはなく、何を食べても自由な日なのです。
ですが、せっかくの文化の日だから、文化の日らしい食事にしたいものです。
しかも、秋は実りの秋で食べ物が美味しい季節。
文化の日にはぜひ美味しい和食を食べてみてください。
外国の文化を取り入れるのもいいのですが、明治天皇の誕生日であり日本国憲法が公布された日。
こんな日には思い切り和を感じられるのがおすすめです。
文化の日の食事に迷ったら、和をチョイスしてみましょう。
文化の日は秋の味覚がいっぱい、旬の食べ物を味わおう
文化の日には特に行事食がないので、どうせなら旬の美味しいものを食べましょう。
秋は食欲の秋であり、多くの食べ物が旬を迎え、私たちもお腹を空かせています。
秋に旬を迎える食材で外したくないのは新米です。
古くは新嘗祭が新米解禁日だったようですが、今では技術の向上で新米は早く味わえるようになっています。
ぜひ、文化の日には新米を食べるようにしましょう。
おかずは何にしようか迷ってしまいますが、秋が旬の食材といえばキノコ類やイモ、フルーツなどです。
魚も脂がのって美味しい時期でしょう。
どの食材も美味しいだけでなく、栄養も満点なのが嬉しいポイントです。
魚介類ではサンマやカツオや鮭が旬を迎え、野菜ではかぶ、カボチャ、マツタケが旬です。
果物も美味しい時期で柿、栗、梨、柚子、りんご、ブドウなどが旬を迎えます。
美味しいお米に美味しいおかず、さらに食後のフルーツまですべてを旬の食材で揃えることも秋なら可能でしょう。
現代ではどの季節も収穫できる野菜が増え、旬を感じることが少なくなってきましたが、やはり旬の食材の味わいは格別です。
文化の日にはたっぷりの旬の食材を味わってみてください。
五穀豊穣を願って、栗 稗 米 麦 豆を食べてみよう
11月3日は日本の伝統的な食材に目を向けてみるのはいかかでしょうか。
五穀豊穣の五穀とは栗、稗、米、麦、豆です。
その五穀を味わい、日本文化に思いを馳せていきましょう。
稗(ひえ)は日本で最も古い雑穀で縄文時代から食べられていたそうです。
ミネラルや食物繊維が豊富で白米と一緒に炊くと食べやすいでしょう。
粟も縄文時代から食べられている雑穀で甘味があります。
雑穀はスーパーでも簡単に手に入るので、文化の日にチャレンジしてみてください。
日本食材、栗や豆を調理してみよう
日本で秋に旬を迎える伝統的な食材は栗や豆です。
その中でも皮の処理が大変な栗のレシピについてご紹介していきますので、ぜひ作ってみてください。
ご紹介するのはもち米で作る栗ご飯です。
栗350グラムに対して、もち米は3合用意してください。
栗は熱湯に10分ほどつけておくと皮が剥きやすくなります。
もち米は1時間ほど前から水につけておいてください。
炊飯器にもち米を入れ、水はもち米の3合の目盛りまで入れます。
栗と塩、昆布を入れ炊飯のスイッチを押せば完成です。
自分で作った秋の味覚は格別なので、ぜひ作ってみてくださいね。
文化の日が亡くなるって本当?
文化の日から明治の日へ?名前が変わるかもしれない
実は文化の日はなくなるかもしれない祝日だと知っていましたか?
なくなるといっても、11月3日が祝日でなくなるわけではありません。
祝日の名前を文化の日ではなくて、明治の日にしようという運動がもう10年以上も続けられているのです。
記憶に新しいのは4月29日の「みどりの日」が「昭和の日」に改められたこと。
4月29日は昭和天皇の誕生日で天皇誕生日でしたが、昭和天皇崩御とともにみどりの日という名称になりました。
2005年の祝日法改正で2007年からみどりの日は5月4日、4月29日は昭和の日となったのです。
昭和の日は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧(かえり)み、国の将来に思いをいたす」ことが趣旨となっています。
この4月29日を昭和の日にしたメンバーが中心となって、文化の日を明治の日にしようという運動が行われているのです。
明治の日推進協議会はなるべく早く祝日法の改正をすることを目標としていますから、この運動が実れば文化の日はなくなってしまうということになります。
実は文化の日という名称はなくなるかもしれないことを知っていましたか?
なぜ文化の日という名称を変えるの?明治の日の意味
文化の日の名称を変えたいのはなぜでしょうか。
それは文化の日がもともと明治天皇の誕生日であったことが由来しています。
文化の日となったのはGHQの口出しが大きく関係しており、11月3日は本来明治の日であってもおかしくない日です。
また、文化は大事にしなければならないことですが、文化は特定の1日に結び付けられるようなものではありません。
こうした考えから、文化の日よりも本来の意味である明治の日として明治時代に思いを馳せる日にした方がいいという考えを持つ人が運動を続けています。
初めて国会で明治の日が提起されたのは平成25年のことです。
平成30年、明治維新150年の年に明治の日に変更することを目指して活動していましたが、それは叶いませんでした。
しかし、まだ運動は続けられていますので、いつの日か文化の日がなくなることもあるのかもしれません。
明治天皇はとても愛された天皇でした。
崩御後も11月3日が祝日とされていたのも、国民運動が展開された結果なのです。
国民が求めた結果、祝日であり続けた11月3日。
戦後、名称は変わってしまい明治の色は消えてしまいましたが、再び国民の運動によって名称が変わることはあるのでしょうか。
この運動に賛同できるという人はweb署名も行われているので、参加してみてもいいでしょう。
明治の日運動を警戒させる政治的な意図と100万人分の署名
明治の日という提起は何度か国会の場でなされていますが、どれも受け入れられてはいません。
それは戦前回帰に政治的意図が隠されていると警戒させるからではないでしょうか。
明治時代は日本が戦争へと突き進むことになったきっかけの時代です。
日清戦争、日露戦争に勝利し、ノリに乗っていた時代だとも言えるでしょう。
倒幕が起こり、大きな改革も行われ、輝かしさの陰にはとても見せられない影の部分もあるのです。
こうした明治のよくない部分に目を向ける人にとっては、明治の日は戦前回帰の危ない思想に感じられるのでしょう。
しかし、明治の日推進協議会は100万人の署名を集め国会に提出しています。
明治の日への名称変更を支持する人もいれば反対する人もいるのが事実。
この運動の行く末がどうなるのか、日本人として結末が見逃せませんね。
占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「穏やかに過ごしたい文化の日!アートや季節を感じながら過ごすのが〇」
もともとは明治天皇の誕生日でしたが、今ではすっかり文化を楽しむ日として定着しています。
しかし、文化の日はいったい何をすればいい祝日か分かりにくいのも事実です。
文化といっても難しく考えることはありません。
気楽に祝日を過ごせばいいのです。
文化の日にはたくさんの文化祭やイベントが開催されています。
それに出かけるのもいいですし、博物館や美術館に行くのもいいでしょう。
文化の日は入館料を無料としているところも多く、敷居が高いと感じていた人でも生きやすくなっています。
また、文化の日は晴れの特異日とされており、晴天になることがとても多い日です。
あまり難しく考えずに、晴れるからアウトドアイベントを楽しむのもいいでしょう。
どんな過ごし方をするにしても、覚えておいてほしいのは文化の日の歴史です。
そもそもは明治天皇の誕生日で、戦後文化の日へと名称が変わった。
このバックグラウンドを知っているのといないのでは文化の日への思いが変わってくるでしょう。
文化の日の意味について知っているのなら、後は心穏やかに文化に触れながら過ごしてみましょう。
美味しい旬のものを食べることも忘れないでくださいね。