日本の秋の風物詩といえば紅葉狩り!
そんな紅葉狩りに対する疑問を徹底的に解決していきましょう。
紅葉狩りといえば秋の紅葉を見て楽しむ行事のはずですが、どうして「狩り」という言葉が付いているのでしょうか?
そもそも、紅葉狩りって正式にはいったい何をする行事なのでしょうか?
紅葉狩りに関する疑問は次々と湧いてきます。
この記事では紅葉狩りの由来と歴史、「狩り」が付く理由、紅葉狩りでの過ごし方と食べたい食べ物についてご紹介していきます。
全国のおすすめ紅葉狩り観光スポットについてもご紹介していくので、津々浦々の紅葉を楽しんでみてください。
紅葉狩りについて知識を深めれば、より日本の秋の景色を美しいと感じられるはずです。
紅葉狩りについてよく知ってから、今年の紅葉狩りを楽しみましょう。
目次
紅葉狩りとは?歴史や由来は?
紅葉狩りは狩らずに見る行事、美しい秋の景色を楽しもう
紅葉狩りのほかに狩りが付くものといえば、いちご狩りやブドウ狩りなどフルーツを収穫する体験のことを思い出すのではないでしょうか。
フルーツを狩るのとは違い、紅葉狩りでは葉っぱを狩るわけではありません。
それどころか、紅葉狩りに出かけて野山の枝を切り取ってしまうと罪になってしまうこともあるのです。
では紅葉狩りとはいったいどんな行事なのかを再確認していきましょう。
紅葉狩りはもみじがりと呼びます。
紅葉を眺めて楽しむことを紅葉狩りと言います。
狩りとはいうものの、紅葉には手を触れずに眺めるだけなのが紅葉狩りなのです。
次に紅葉とはいったいどんな植物を指すのでしょうか。
紅葉狩りは楓や銀杏のイメージが強いものですが、実はそれ以外の植物でも構いません。
紅葉狩りで眺めるのは、秋に色づき冬に葉が落ちる落葉樹です。
落葉樹は葉っぱを落とす直前、赤や黄色や橙に見事に色づきます。
そして、山々全体が色を変えていくのはまるで燃えるようで、とても見ごたえがあります。
この自然が見せてくれる美しい景色を楽しみたくて、日本人は昔から紅葉狩りを行ってきたのでしょう。
紅葉の語源とは?平安時代からもみじと呼ばれていた
紅葉した木々のことを、紅葉(もみじ)と呼ぶのはどうしてなのでしょうか。
その語源は反物づくりにあります。
その昔、反物を染めるのには、植物由来の染料を使っていました。
植物から色素を抽出する工程で、水に植物から色が染みだしていく様子を「もみつ」と言っていたのです。
色を揉みだすという意味の「もみつ」、その連用形である「もみち」、これが名詞化して紅葉を表すようになっていきました。
古くからよく使われていた染料にベニバナがありますが、ベニバナは赤と黄色の色素を持っています。
まず水で揉むと黄色い色素を抽出することができ、その後でアルカリ性の灰汁で揉むと赤く変化をするそうです。
このように黄色から赤にベニバナの花が変化していく様子は、まるで秋の木々のようです。
だから、もみちも秋の紅葉を表すようになっていたと考えられています。
平安時代になると「もみぢ」と濁音がつき、音が濁るようになっていきました。
紅葉(もみじ)の語源にはもう一つあり、揉み出づ(もみいづ)が単純に略されたものだとする説もあります。
紅葉はこうようと呼ぶこともありますが、それは漢字からの当て字です。
紅葉(もみじ)の語源が古いものだと知ると、私たち日本人がそんなにも昔から紅葉を愛でていたことが分かるでしょう。
万葉集に紅葉の歌がたくさん残されている、平安貴族は紅葉を楽しんでいた
紅葉狩りの習慣は平安時代にはあり、多くの貴族が紅葉を楽しんでいたとされています。
それは平安京がある京都に多くの落葉樹が植えられていることからも分かるでしょう。
また、万葉集を見ても紅葉の歌が多く詠まれています。
平安時代に作られた万葉集では、紅葉と書かずに黄葉と書くことが多かったようです。
紅葉と書かれた歌は少ししかありません。
黄葉(もみち)を詠んだ歌は百首以上あり、そのことからも古くから紅葉の美しさがたくさんの人の心を感動させていたことが分かります。
万葉集の中から黄葉について詠んだものをいくつか見ていきましょう。
秋山に落つる黄葉(もみちば) しましくは な散り乱ひそ 妹があたり見む 柿本人麻呂
この歌は柿本人麻呂が妻と別れ都に旅立つ時の歌です。
秋山に落ちる紅葉よ、しばらくは散らないでおくれ、妻の方をもう少し見ていたいから という意味です。
柿野本人麻呂は紅葉と妻に関する次の歌も詠んでいます。
秋山の 黄葉を茂み、惑ひぬる、妹を求めむ、山道知らずも
これは柿野本人麻呂が妻を亡くしてしまった悲しみを、山に迷ったことに例えて詠んだ歌です。
紅葉は散ってしまうので、はかない命に例えられることも多く見られます。
見れど飽かず いましし君が 黄葉(もみちば)の うつりい行けば 悲しくもあるか
作者は不明ですが大伴旅人が亡くなったのを悲しむ歌で、何度もお会いしてお慕いしていたあなたが、紅葉のように命を散らしてしまわれたので、とても悲しいという意味です。
このように平安時代の貴族は和歌とともに紅葉を楽しんでいました。
室町時代には紅葉狩りが能や浄瑠璃のテーマになった
平安時代から室町時代に至るまで、紅葉狩りという風習は続いてきました。
室町時代になると紅葉狩りは、芸術作品のテーマとしても描かれるようになってきました。
中でも有名なのは観世信光が作ったとされる謡曲「紅葉狩」です。
ストーリーは平維茂が戸隠山におもむき、そこで紅葉見物の美しい女性たち一行に出会うというもの。
その女性が実は鬼で、平維盛は鬼を退治してしまいます。
これは紅葉狩りに狩りが付く理由ともなっていますので、後ほど詳しく解説していきます。
この「紅葉狩」のお話は、脳や浄瑠璃、歌舞伎で演じられ人々の間に広まりました。
紅葉狩りはが江戸時代になると庶民にも広まった理由
平安時代には、紅葉狩りは貴族の楽しみでした。
その頃には庶民が紅葉狩りをするということはなく、限られた人だけの楽しみだったのです。
その理由として、その時代紅葉狩りをするには山まで行かねばならず、庶民にはその手段がなかったというものがあります。
貴族なら馬に乗って行けても、庶民の足では山は簡単に行けるものではなかったのです。
それが江戸時代になると、紅葉する木々は山以外の様々な場所にも植えられるようになりました。
さらに、江戸時代は戦乱のない平和の世の中です。
そんな情勢の中で町民文化が一気に花開きました。
そして、紅葉狩りをおすすめする本が出版されたことをきっかけに、紅葉狩りは庶民の間に広がっていったのです。
このことは江戸時代に庶民が文化的なものを楽しむだけの余裕があったことを示しています。
この頃、裕福な商人たちの間では、伊勢神宮や富士山を参ることが流行っていました。
遠方に出かけるのは大きな財力がなければできないこと。
伊勢や富士に出かけられない庶民たちでも、紅葉狩りは気軽にできるということで全国的な広がりを見せていきました。
旅行本「都名勝図会」でも、紅葉狩りスポットが紹介されるなどして秋には紅葉の名所に人が多く集まったようです。
江戸時代の紅葉狩りは、現代のものとほとんど変わらないものでした。
江戸時代の町民たちは、紅葉した木の下で弁当を食べお酒を飲み、楽しい宴を開催しています。
「きれいなものを眺めながら美味しいものを食べたい」
現代にも通ずる紅葉狩りへの意識は、江戸時代頃に完成していたと言えるでしょう。
紅葉狩りの「狩り」って?紅葉狩りに「狩り」が付く理由
平安貴族は狩りに見立てた、出歩くことを言いかえた
平安時代、紅葉は町中で見られるものではありませんでした。
紅葉する木々は山にあるもので、狩りをしに山に行くついでに紅葉も楽しむものだったのです。
つまり、山に出かけることを総称して「狩り」と言っていたのではないかと考えられています。
紅葉狩りと呼ぶのも、紅葉を見に山に行くことを意味しているだけなのです。
紅葉を実際に狩るわけでもないのに、紅葉狩りというのは平安貴族が山に行くことを狩りと呼んでいたというのが1つの説です。
もう一つ、狩りの由来が平安時代だとする説の中には、貴族たちの中に歩くことを嫌う価値観があったというものがあります。
当時、貴族にとって歩くことはとても下品なこととされていました。
そして、時代とともに狩りをしない貴族も現れてきました。
そんな狩りをしない貴族が紅葉を見るためには、山まで出歩く必要があります。
しかし、出歩くことはとても下品な行為なので、それを表立って言いたくはないと貴族は考えます。
そこで、紅葉を見に行くことを、狩りに見立てるようになったというわけなのです。
現代人には理解しがたい平安貴族の価値観が、紅葉狩りの狩りには込められていたのですね。
昔は実際に紅葉を手に取っていたから
現代では紅葉狩りの際に、木の枝を折ってしまうことは重大なマナー違反であり、罪となってしまうこともありましたが昔は違いました。
野山に生えている木の枝を折ってはいけないのは、社会的なルールが整っている現代だからこそです。
その昔、平安時代の貴族たちは紅葉を見るだけではなく、枝を折り手に持ち近くで鑑賞していたとされています。
つまり、見るだけの今でこそ「紅葉狩りに狩りがつくのはなぜ?」という疑問が湧き上がってしまいますが、昔は実際に紅葉を狩っていた(折り取って手に持っていた)のです。
だから、紅葉狩りと呼ぶようになり、その呼び方が紅葉を折ることはなくなった今も残っているというわけなのです。
現代では自分の所有する木でない限り、平安貴族のように枝を折って鑑賞するということはできません。
できるだけ近くで紅葉を眺め、平安貴族が楽しんだように葉の美しさを楽しんでみましょう。
紅葉伝説に出てくる鬼女「紅葉」が由来
紅葉狩りの由来は、紅葉伝説にあるという説があります。
紅葉伝説とは長野県の別所温泉に伝わる伝説です。
その昔、呉葉(くれは)と呼ばれる美しい女性が会津にいました。
呉葉は家族とともに京へと行き、そこで紅葉(もみじ)と名乗るようになります。
そして、源経基からの寵愛を受けるようになるのですが、紅葉が妊娠したのと時を同じくして、源経基の正妻が病気にかかってしまうのです。
比叡山の僧侶は、この病が紅葉のせいだと言います。
こうして正妻を呪ったとして、紅葉は京都から長野の鬼無里(きなさ)へと追放されることになりました。
紅葉は再び京へ上りたいとの思いが捨てきれず、その軍資金を集めるために村を襲うようになります。
村人から鬼女と呼ばれるようになった紅葉の噂は朝廷にも伝わります。
そして、朝廷は平維盛に紅葉の討伐を命じたのです。
平維盛は紅葉の妖術に苦戦しますが、神剣を手に入れ紅葉討伐に成功します。
この平維盛の紅葉討伐が、紅葉狩りの由来となったそうです。
悲しい物語は現代でも能や歌舞伎、神楽の演目となっています。
紅葉は戸隠山にもともと住んでいた鬼だとする伝説もあり、全国各地にも似たような伝説があります。
紅葉狩りは季語にもなっている
紅葉狩というワードは、俳句の季語にもなっています。
晩秋を表す季語で、私たち日本人の生活に根付いているものであることが分かるでしょう。
紅葉のきれいさに心打たれていることは、紅葉狩の他にも紅葉に関する季語が多いことからも分かります。
紅葉が付く季語を挙げてみましょう。
紅葉・初紅葉・薄紅葉・紅葉かつ散る・雑木紅葉・紅葉月・紅葉衣・紅葉の賀・紅葉の帳・紅葉の橋・紅葉鮒・紅葉鱮
初紅葉は秋になって初めて見る紅葉のこと、薄紅葉はまだ赤が濃くなっていない紅葉し始めの状態のことです。
紅葉かつ散るは紅葉しつつも散っていく様子を表したもの、雑木紅葉はさまざまな種類の木々の紅葉を示しています。
紅葉月は旧暦9月を示し、紅葉衣は秋に着用する着物の重ねの色目の一つで、紅葉の賀は紅葉が美しい頃に行われる宴のことです。
紅葉の帳は几帳に五色の帳と糸をかけたもの、紅葉の橋は七夕の夜に天の川にかかる橋のことを表しており、どちらも初秋の季語となります。
紅葉鮒・紅葉鱮は、どちらも晩秋の季語でこの季節になるとヒレが赤く変化してくることから紅葉が付いています。
こんなにもたくさんの紅葉に関する季語があることは、日本人がどれだけ長く紅葉を楽しんできたかを表しているでしょう。
紅葉狩りは何するの?おすすめの過ごし方
紅葉狩りではやっぱり風景を楽しんで散策しよう
紅葉狩りでは、美しい紅葉を眺めて楽しめば他に何をしても構いません。
「これをしなくちゃいけない!」というルールのようなものはなく、各々が自由に楽しめばいいのが紅葉狩りのいいところです。
ですが、自由と言われると何をしていいか分からなくなってしまうのが悩ましいところでもあります。
そんなあなたのために、紅葉狩りでのおすすめの過ごし方をご紹介していきましょう。
紅葉狩りでやはりしてほしいのは、紅葉スポットの散策です。
有名な紅葉スポットでは木が一本だけ立っているということはなく、木々が生い茂っている場所であることがほとんどでしょう。
その景色を楽しむためには、一箇所に座っていてはもったいありません。
ドライブ中に眺めるというのもいいのですが、やはり車から降りて間近で紅葉を楽しんでほしいものです。
紅葉スポットの多くは山にありますから、散策コースも用意されているはずです。
面倒だと思わずにせっかくの紅葉を間近で堪能するためにも、散策に出かけてみてください。
紅葉した山は見る角度によっても、見せる顔が全然違ってきます。
歩くたびに違った発見ができるので、さまざまな山の顔を楽しんでみましょう。
紅葉スポットで昼食を、お弁当を持っていこう
紅葉狩りに出かけたら、紅葉を見ただけで帰るのは味気ないでしょう。
「外で食べると美味しい」と言いますが、それが良い景色を見ながらならなおさらのことです。
紅葉狩りに出かける時には、ぜひお弁当持参で出かけてみましょう。
美しい景色を眺めながら、食べるお弁当は格別です。
お弁当は自分で作っても、道中で買ってもいいでしょう。
紅葉狩りの時にお弁当を食べようと計画を立てるなら、忘れてはいけないのがレジャーシートです。
どんな山にもお弁当を食べるのにちょうどういいテーブルとベンチがあるわけではありませんし、紅葉シーズンにそうした設備が空いているとは限りません。
どんな場合にも対応できるように、レジャーシートを持っていけば安心です。
また、山でお弁当を食べる時には、絶対にゴミを出さないことを心掛けなければなりません。
出たゴミは必ず持ち帰るためにも、ゴミ袋になるものも持参しましょう。
こうした最低限の持ち物に注意すれば、紅葉狩りでのお弁当は最高のものになります。
いつもと同じものを食べても、山の空気と美しい紅葉が加われば味わいはまったく変わってくるでしょう。
こうした経験ができるのも紅葉狩りならではです。
美味しい山の空気を吸うだけでもいいですが、美味しいごはんを食べればさらに満足度はアップ!
紅葉狩りには昼食を持って出かけてみてください。
秋の景色の中、山登り&ウォーキング
紅葉狩りを楽しむのなら、山登りをしてみるのもおすすめです。
山登りをするということは、言うなれば紅葉の中に入るということです。
遠くから眺めても美しい紅葉ですが、近くに入ればまた違った情景を見せてくれます。
そして、山を登る中でも紅葉の見え方は変わってきます。
もう散っている葉があったり、まだそれほど色づいていない葉があったり、一つの大きな紅葉として捉えるのではなく、より深く紅葉を観察することができるでしょう。
山を登るうちに標高によっても景色が変わってくるのが分かるでしょう。
「山登りはちょっと…」と億劫に感じる人でも、紅葉シーズンなら景色が楽しめるのでおすすめです。
山を登ったからこそ見られる景色が、そこには広がっています。
頂上まで登れば地上ではなかなか味わうことのできない達成感があるでしょう。
秋の紅葉シーズンには、ぜひ山登りをして美しい景色を堪能しながら健康も手に入れてください。
紅葉を眺めながらお茶、カフェや野点を楽しもう
紅葉スポットにはおしゃれなカフェやイベントがあることが多いでしょう。
なぜなら、紅葉を眺めながらお茶を楽しむというのは、私たち日本人のDNAに染み付いているからです。
日本にはお茶会という文化がありますが、野外で行われるものを野点といいます。
紅葉シーズンには、紅葉と野点を楽しむイベントが多く開催されます。
茶道というと難しいものと考えがちですが、野点は屋内の茶会のように作法重視ではなく気楽なものであることが多いようです。
美しい景色を見ながら、お茶を立てて楽しむ。
こんなにも和を感じられる行楽はなかなかないでしょう。
紅葉目当てでもお茶目当てでも構いません。
秋には野点に出かけてみてください。
また、お茶会のハードルが高いと感じら荒れる場合や、野点が見つからないという場合には紅葉が楽しめるおしゃれカフェに出かけてみるのもいいでしょう。
紅葉にぴったりなのは、何も日本茶だけではありません。
紅葉の見えるテラス席で飲めばコーヒーだって紅茶だっていいのです。
大切なのは秋の雰囲気を味わうこと。
紅葉狩りでは、ぜひお茶を楽しむをサブの目的として出かけてみてください。
紅葉を眺めながらお茶を飲んで一息つけば、いつも以上にゆったりとした時間が流れるはずです。
紅葉の浮かぶ露天風呂で疲れを癒そう
紅葉狩りで遠出をするのなら、ぜひおすすめしたいのが露天風呂につかることです。
燃えるような山が眺められる露天風呂もいいですが、おすすめは露天風呂の近くに紅葉した木々があるものです。
紅葉が散り始める頃になると、露天風呂にも赤や黄色の葉っぱが浮かぶようになります。
紅葉狩り散策した疲れた体を、露天風呂でゆったりと癒してみてください。
お湯に浸かりながら見る紅葉たちは、先ほどまでとはまた違って見えるでしょう。
いい露天風呂があることを出かける理由にするのもいいかもしれません。
紅葉スポットに出かけるのなら、その周辺に露天風呂がないかもチェックしてみてください。
お風呂が待っていると分かれば、紅葉を楽しむための山登りも苦にはなりません。
普段の疲れを見事な景色と湯治の両面から癒していきましょう。
紅葉狩りで食べたい食べ物!旬を意識した料理を景観とともに楽しむ
紅葉とともに食べよう!秋の新そば
紅葉狩りに出かけて美しいものを見て心のリフレッシュが完了したら、お腹が空いてくるのではないでしょうか。
そんな時には、秋の旬を意識した料理を景観とともに楽しんでいきましょう。
まずおすすめするのは秋の新そばです。
紅葉の時期というのは、そばの収穫シーズンと重なります。
そのため、紅葉狩りに出かけた先では美味しい新そばがいただけるのです。
しかも、紅葉の名所はそばの名所でもあることが多く、紅葉狩りスポットの近くには美味しいそば屋があるはずなので探してみてください。
そばの実はその昔は保存が難しく、旬の時期にしか食べられないものでした。
だから、そば好きの人たちは秋のそばの収穫シーズンを心待ちにしていたのです。
きっと昔の人も、紅葉シーズンには待ちわびた新そばを食べながら、美しい紅葉を見ていたことでしょう。
日本は南北に長い国なので、紅葉のベストシーズンが地域によって違うように、新そばの旬も少しずつずれています。
紅葉狩りも一度だけと言わず、各地のものを見に出かけ、その地その地の新そばを食べ比べてみるのはどうでしょう。
美しいもみじを見ながら味わう、旬の新そばは格別です。
和を堪能しよう!懐石料理
紅葉狩りといえば、日本伝統の行事で和の雰囲気を感じるものです。
そんな紅葉狩りとともに楽しむのなら、思い切り和を感じられる懐石料理はどうでしょうか。
懐石料理とは、料亭や旅館などで出される豪華な食事というイメージですが、実はそもそもは千利休が始めたもので茶の世界のものでした。
本来はお茶を飲む前に食べる料理のことで、とてもシンプルな一汁三菜の構成でしたが、後々品数が増えて今のような豪華なものになったようです。
紅葉狩りとともに懐石料理をいただくのをおすすめするのは、人混みが苦手な人です。
秋の紅葉シーズン、紅葉狩りに出かけようと思うと混雑が予想されます。
それは季節限定で今しか見られない景色を見に、多くの人が訪れるからです。
「きれいな紅葉を目に焼き付けたい!」そんな思いがあったとしても、紅葉スポットの人混みを思うと出かけようという気をなくしてしまう。
そんな人でも、紅葉を眺めながら食べられる懐石料理なら安心です。
料亭を予約するだけで、混雑を回避しつつ、美味しい料理を食べながら紅葉をじっくりと眺めることができるでしょう。
懐石料理と聞くといかにも高級な感じがしてしまいますが、紅葉狩りのプランが用意されているのは高級料亭ばかりではありません。
ホテルやレストランなどでリーズナブルなプランも用意されていますので、自分に合ったプランをチェックしてみてください。
紅葉を楽しむのは、決して山に出かけなくてはならないと決まっていません。
ゆっくり美味しい食事を楽しみながら、座って眺めても紅葉は美しいのです。
普段はなかなか食べることのない懐石料理を、紅葉の季節に味わってみるのはいかがでしょうか。
秋の味覚、栗を紅葉とともに味わおう
紅葉狩りでは、旬の味覚をいただきたいもの。
秋の味覚の代表格である栗は、ご飯としてもスイーツとしても食べられる優秀な食材です。
ぜひ栗を食べて秋を視覚からも味覚からも感じていきましょう。
栗ご飯や栗の甘露煮、モンブランなどさまざまな形で味わうことができます。
忘れちゃいけない秋の味覚、サツマイモ
今では年中食べることのできるサツマイモですが、旬の季節は紅葉と同じ秋です。
採れたてが美味しい野菜というイメージがあるかもしれませんが、サツマイモにそれは当てはまりません。
サツマイモは収穫後、2ヶ月から3ヶ月程度の貯蔵期間を経ることで、水分が抜け甘くなるという特徴があります。
サツマイモが採れるのは8月から10月頃がピークです。
ということは8月に採れた初物のサツマイモが美味しくいただけるのは、ちょうど紅葉の頃なのです。
貯蔵され甘みの増した食べごろのサツマイモを、ぜひ紅葉とともに楽しみましょう。
秋は果物も旬!柿やナシを食べ尽くそう
紅葉シーズンは食欲の秋とも呼ばれるほど、美味しいものが食べごろを迎える季節です。
特にフルーツは実りの秋を迎え、この季節ならではのものがたくさん食べられます。
そんなフルーツたちも、ぜひ紅葉狩りとともに味わってみてください。
柿やナシ、ぶどうなど秋に旬の果物はたくさん。
ぜひ、美味しいフルーツでお腹を満たしてください。
旬の果物はそのまま食べてもいいですし、スイーツに加工されたものを食べても、どちらでも旬の美味しさが感じられます。
紅葉狩りに行くなら!東北/関東/関西/九州/四国の観光スポット
東北・北海道エリアの紅葉の見ごろ時期と観光スポット
日本では地域によって紅葉の見ごろ時期が違います。
地域別に紅葉の見ごろ時期とおすすめの観光スポットをご紹介していきましょう。
北の方が寒くなるのが早いので、紅葉の時期も必然的に早くなります。
北海道での紅葉の見ごろ時期は9月中旬から10月上旬です。
日本で一番早い紅葉と言われているのが大雪山の紅葉。
9月中旬から紅葉が始まり、9月下旬ころまで楽しむことができます。
大雪山は標高2000m超の山ですが、ロープウェイがあるので登山ビギナーであっても気楽にチャレンジすることができるでしょう。
もう一つ北海道エリアでおすすめしたいのが、北海道でも限られた場所でしか見られないサンゴ草が作り出す景色です。
網走の能取湖に生えるサンゴ草は、塩分を含む土地にしか生えない珍しい植物です。
秋になると真っ赤に色づき、雄大な景色を見せてくれます。
他では見られない景色を見に、ぜひ北海道に出かけてみてください。
東北では紅葉の見ごろは9月下旬から11月上旬となります。
東北でのおすすめ紅葉スポットは、宮城県と山形県にまたがる蔵王です。
宮城県側には日本滝百選にも選ばれている落差181メートルの三階滝があり、滝と紅葉のコントラストを楽しむことができます。
山形県側には多種多様な落葉樹が生え、赤や黄色のさまざまな紅葉が楽しめます。
関東エリアの紅葉の見ごろ時期と観光スポット
関東での紅葉の見ごろ時期は10月中旬から12月上旬です。
関東でおすすめしたい観光スポットが中禅寺湖です。
中禅寺湖は日本で最も標高が高い湖で、栃木県の日光市にあります。
湖のある紅葉スポットでは、湖面に写り込んだ紅葉もまた美しいのが特徴です。
散策してもいいし、遊覧船に乗って水の上から眺めるのもいいでしょう。
関東の紅葉スポットは都心にもあります。
明治神宮外苑のイチョウ並木は有名な観光スポットで、美しいイチョウの木々が並んでいます。
都内からでも簡単に紅葉を体験することができるので、ぜひシーズンには訪れて黄色いじゅうたんのようになる青山通りを楽しんでみてください。
関西エリアの紅葉の見ごろ時期と観光スポット
関西での紅葉の見ごろ時期は10月下旬から12月上旬です。
関西でのおすすめ観光スポットは世界文化遺産にも選ばれている熊野古道です。
平安時代には始まっていたとされる紅葉狩りですが、まさにここ熊野古道のことを詠んだ歌が残されています。
建仁元年に藤原定家が熊野古道を訪れ、紅葉に感動したことが伝えられているのです。
熊野古道を訪れれば、昔の人も見てきた紅葉が現代の私たちでも体験できるでしょう。
古と現代が混じり合うような不思議な感覚を、熊野古道では覚えることになります。
中国・四国エリアの紅葉の見ごろ時期と観光スポット
中国・四国エリアの紅葉の見ごろ時期は10月下旬から12月下旬です。
中国地方では11月中旬から下旬が見ごろの宮島の紅葉がおすすめです。
宮島には紅葉谷公園というまさに紅葉狩りにぴったりのスポットがあります。
公園を散策し紅葉狩りを楽しめば、宮島ロープウェイの紅葉谷駅へとたどり着くでしょう。
ロープウェイに乗れば空から紅葉を楽しむことができます。
ロープウェイは紅葉谷駅から獅子岩駅へと到着し、獅子岩駅では展望台から宮島の紅葉を一望することができます。
四国でのおすすめ観光スポットは、東洋のマチュピチュと称されることもある愛媛県の別子銅山です。
日本三大銅山の一つでもあった別子銅山は、今ではアミューズメント施設に生まれ変わっています。
銅山の施設を楽しむとともに、紅葉した木々も楽しむことができるおすすめスポットです。
九州・沖縄エリアの紅葉の見ごろ時期と観光スポット
九州エリアの紅葉の見ごろ時期は10月下旬から11月下旬です。
沖縄は亜熱帯気候のため一年中温暖で、ほとんど常緑樹が植えられており、紅葉を楽しむことができません。
九州でのおすすめの観光スポットは長崎県の雲仙仁田峠です。
雲仙仁田峠の特徴は120種類もの植物があり、10月下旬ごろにはまだ緑の濃いモミの木ともう深紅に染まったヤマグルマとの色の対比を楽しむことができます。
温泉街が近くにあるため、紅葉狩りだけでなく温泉旅行としても楽しむことができます。
景色のコントラストを楽しみたいのなら、熊本県の菊池渓谷もおすすめです。
菊池渓谷では赤や黄色に染まる木々とともに、渓流のエメラルドグリーン、そして木々の間から見える空のブルーの三色が楽しめます。
自然が作り出す色のコントラストはこの時期、この場所でしか見られないもの。
しっかりと目に焼き付けてくださいね。
占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「美しい紅葉を鑑賞するのは日本人の美的センス!」
それは平安の時代に始まり、令和の現代に至るまで紅葉狩りが続けられていることが証明しているでしょう。
春には花を咲かせ、夏には緑盛んになり、秋には真っ赤に色づき、冬には葉を落とす。
このように四季折々に違った姿を見せる落葉樹に私たち日本人は心惹かれてきたのです。
特に、日本人が美しく感じるのは散り際に見せる最後の美しい顔である紅葉です。
紅葉を美しく感じる日本人の美的センスは、これからも大事にしていかなければならないものです。
古くは紅葉を見て和歌を詠んでいた貴族たちですが、そこから紅葉狩りは庶民にも広がりました。
紅葉狩りは紅葉のきれいなところに行けば、あとは何をしてもOKという気軽さがいいところです。
お弁当を持参してもいいし、その地の美味しいものを食べたっていいのです。
温泉地に行けば温泉につかり、そばの名所ならそばをすすりましょう。
紅葉は冬が来たら散ってしまいます。
期間限定の美しさを散る前に存分に楽しんでいきましょう。
日本の国土は縦に長いのでもし近場の紅葉を逃したとしても、違う場所の紅葉を楽しむこともできます。
なるべく多くの紅葉を見に出かけ、日本の秋を楽しんでくださいね。