近年、御朱印集めがブームとなり、ひとつの趣味として御朱印を集めるために神社やお寺を巡る人も多くなりました。
そんな中で、それぞれの神社を参拝し御朱印を集めている人が、“御朱印集めは危険”“神様に怒られるかもしれない”という噂を聞くと途端に不安になってしまうのではないでしょうか?
なぜ御朱印集めが危険といわれてしまうのか、今回はその真相に迫っていきたいと思います。
御朱印集めが危険といわれる理由や、御朱印をいただく際に神様に失礼にならないマナーも併せて紹介していくので、御朱印集めを趣味にしている方や、御朱印集めに興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
御朱印集めは危険で神様に怒られる?
御朱印とは、神社やお寺を参拝し、神様や仏様とのご縁が繋がった証として授与できる印章のことです。
はじまりは奈良・平安時代であり、寺社仏閣に経典を収めた印として授かることができたものですが、現在では参拝することで授かれるものへと変わっています。
それぞれの神社・お寺の印章と名称、参拝日や、祀られている神様や仏様のお名前が丁寧に墨で書かれているものが一般的で、御朱印をいただく際には“御朱印帳”と呼ばれる専用の冊子が必要となります。
このように、あくまで参拝をした証、神様・仏様とご縁が結ばれた証となるものですから、御朱印を授かることによって神様や仏様から罰が当たるということはまずありません。
つまり、“御朱印集めは神様に怒られる”という噂は“嘘である”と判断して良いでしょう。
御朱印集めが危険といわれる5つの理由
御朱印集めをすることで、神仏からの罰が当たるようなことはないとわかりましたが、それでは“御朱印集めが危険”といわれる本当の理由は何なのでしょうか?
実は、そういわれるのには神仏からの罰が当たること以外に理由が存在するのです。
ここでは、御朱印集めが危険といわれるようになったその理由について説明していきたいと思います。
御朱印だけが目的なのは失礼だから
御朱印は、“参拝の証”として授かることができるものです。
つまり、参拝をせずに御朱印を授かることは神仏に対し失礼に当たる行為となります。
近年の御朱印ブームにより、寺社仏閣を訪れる人が増えてきた一方で、“御朱印を集めること”のみに夢中になり、本来の参拝をすることなく御朱印だけを目的にやってくる人が増えているのも事実。
参拝をしないで御朱印だけもらいに来る人に対して神仏より罰が当たると考える人が多いことから、御朱印集めが危険といわれるようになったと考えられるでしょう。
参拝せずに授与所に直行し、御朱印だけ授かって帰るというのは神仏に対して失礼となるのは間違いないので、きちんと参拝をしてから御朱印をいただくようにしてください。
神社仏閣には危険な場所もあるから
御朱印集めを趣味にして、全国各地の寺社仏閣を巡ろうとすると、時には山中深くにある神社や、崖の上にある神社など、その場に合わせた服装や靴で参拝に行かなければならないところもあります。
季節によっては積雪があったり、凍結していたりと非常に危険な場所もあるのですが、御朱印集めのためにそういった場所でもきちんとした準備をせずに行く人もいるようです。
標高が高ければ気温も下がるので、夏でも半袖では寒いと感じることもあるでしょうし、険しい山道や切り立った崖のような場所を歩くのにヒールのある靴では転倒や転落などケガの危険もあります。
そういったことから、御朱印集めを気軽な趣味として考えて、場所に応じた準備をせずに赴くことが危険であるという意味も含まれていると考えられるでしょう。
ブームをウザいと思う人がいるから
近年急激に御朱印ブームが巻き起こり、“御朱印ガール”などと御朱印を集めて回ることを趣味とする女性も増えています。
そのため、これまでそこまで参拝者が多くなかった神社やお寺でも、大勢の人で賑わうようになったという変化もあるようです。
それぞれの神社やお寺を信仰し、頻繁に参拝に訪れていた人の中には御朱印集めブームを快く思わない人もいることでしょう。
静かに参拝し、スピリチュアルエネルギーに満たされた境内で心を癒せていたのに、多くの人が御朱印集めに訪れるようになったことで、その騒がしさを不快に感じた人が、「御朱印集めは危険だからしないほうがいい」という意味を込めて噂を発信した可能性もあります。
マナーが悪い人がいるから
御朱印集めがブームとなってから、各地の神社やお寺ではマナーの悪い参拝客が目立つようになったといいます。
土日や祝日になるとより多くの人が訪れるため、御朱印を授かるための授与所に行列ができることも珍しくありません。
御朱印を集めるために並んでいる中で待ち時間が長いことに悪態をついたり、神社やお寺側に文句を言ったりする人も実際に存在するようです。
また、きちんと並ばなかったり、他の参拝者にも文句を言ったりなど、マナーの悪い参拝客が増えていることで、“御朱印集めに行くと嫌な思いをする”とか、“御朱印集めには危険な人が来る”という印象を持ってしまっている人もいるかもしれません。
さらに、混雑を鬱陶しく感じているマナーの悪い参拝客自身が他の御朱印集めに来る人たちをけん制する意味で“御朱印集めは危険だからやらないほうがい”とネガティブな情報を流している可能性もあるでしょう。
御朱印を転売する人がいるから
御朱印ブームがはじまってから、全国各地の御朱印がフリマアプリなどで転売されているのを見かけるようになった人も多いのではないでしょうか?
もしあなたがそれを見て、「これって意味がないんじゃない?」と感じたのであれば、それは正解です。
御朱印はその寺社仏閣を参拝することで自身と神仏の縁が結ばれた証。
他の人がもらったものを買い取っても、実際には何の意味もありません。
そして、転売されている御朱印を見た人がそれを不快に感じ、ネガティブキャンペーンの一種で御朱印集めが危険だという噂を流したと考えることもできるでしょう。
また、御朱印の意味をきちんと理解していない人は、“御朱印=お守りと同じもの”というイメージを持っている場合もあることから、転売する人を見て“神様の罰が当たる”と考え、御朱印集めが危険なことであると噂を広めた可能性が高いと考えられます。
危険だといわれない御朱印集めのマナーと注意点
御朱印集めの際には、神仏に失礼に当たらないようにマナーを守るべきですし、事前に準備しておくことや注意しておくべきポイントが存在します。
それらを守って御朱印を授かりに行けば、御朱印集めは危険なことでも怖いことでもありません。
ここでは、御朱印を授かる際のマナー、注意点をまとめて説明していきたいと思います。
参拝前に下調べと準備をする
各神社・お寺では、参拝が可能な時間と別に、御朱印を授かることができる授与所の受付時間が決められています。
24時間参拝が可能な寺社仏閣であっても、御朱印を授かれる時間は決まっているので、事前に確認することが必要です。
受付時間を過ぎてしまえば、その日の御朱印授与は終了となりますので、お願いしても御朱印をいただくことはできません。
また、寺社によっては御朱印の授与自体を行っていないところもあります。
職員が常駐しているような神社やお寺ではなかったり、お寺だと“浄土真宗本願寺派”と“真宗大谷派”では御朱印授与は行っていません。
寺社によって受付時間の違い、そもそも御朱印を授かることができるかといった違いがあるため、参拝に訪れる前に事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
参拝後に御朱印を頂く
御朱印は、本来参拝をして神仏とご縁を結んだ証なので、御朱印だけを目当てにもらいに行くというのはマナー違反となります。
先に御朱印をもらいに行くというのも参拝順序としては間違っているため、まずは先に参拝を行うようにしましょう。
参拝を終えてから授与所へ行き、御朱印を授かるようにすれば、神様や仏様とのご縁を結んだ証となり、本来の意味を持った御朱印となるのです。
せっかく授かるのであれば、本来の意味を持った御朱印となるよう、参拝の手順をしっかりと守りましょう。
御朱印帳を持参する
それぞれの神社やお寺で御朱印を授かる際には、御朱印帳が必要となります。
はじめて御朱印をもらうのであれば、その神社やお寺の御朱印帳も一緒に授かることで、その先他の神社やお寺を訪れた際にも使うことはできます。
御朱印はあくまで御朱印帳にしか授かれないため、普通のノートや紙を持って行っても授かることはできません。
通販で御朱印帳を販売していますが、近年の御朱印ブームから各神社・お寺においてデザインに凝った御朱印帳を用意していることも多いため、参拝時に確認してみましょう。
ただし、神社とお寺の御朱印は分けるべきともいわれています。
明確なルールはなく、基本的には同じ御朱印帳でも問題はないといわれていますが、寺社によってはそれをよく思わないところもあるため、気兼ねなく御朱印を授かるうえでも、神社の御朱印帳とお寺の御朱印帳を別々に用意しておくと良いでしょう。
丁寧にお願いする
御朱印を授かる際には、丁寧にお願いするようにしましょう。
御朱印帳にカバーがついているなら外してから渡す、御朱印帳を開いて渡すなど、“大切なものを授かる”ことを意識し、御朱印を頂く相手への感謝の気持ちを込めたお願いのしかたを意識することです。
御朱印をいただきたいページを開き、「こちらにお願いします」と渡しながら伝えるだけでも丁寧さが伝わります。
渡す際も受け取る際も、必ず両手で御朱印帳を持つようにすると、より丁寧になります。
また、お願いする際にも丁寧な口調でお願いするようにし、ぞんざいな口調や、御朱印をただポンッと置くだけといった雑な態度は決して取らないようにしましょう。
小銭を用意しておく
御朱印を授かるにはお金が必要です。
御朱印を頂く際の料金は“初穂料”や“朱印料”と呼ばれ、大体300円~500円ほどとなります。
授与所は日によっては行列ができるため、スムーズに御朱印を授かるためにもお釣りが出ないように小銭を用意しておくのも、ひとつのマナーになるといえるでしょう。
お釣りが必要になると、その分列の流れが滞ってしまったり、授与所の方に手間をかけさせてしまうことにもなりますし、お釣りを請求するのが失礼に当たるともいわれています。
100円玉を多めに用意してすんなりと“初穂料”や“朱印料”納め、御朱印を授かりましょう。
値段や買うという表現を使わない
神社やお寺に参拝し、御朱印を授かろうとしているときには事前に下調べし、御朱印をいただくさいの初穂料や朱印料がいくらなのかを確認しておくべきですが、もし忘れてしまった場合には、授与所で「いくらですか?」と聞くのは失礼にあたるので気を付けましょう。
御朱印を頂く際の初穂料や朱印料というのは、お賽銭と同じです。
だからこそ、御朱印を授かる金額を「いくらですか?」聞くのは「いくらお賽銭を入れればいいですか?」と聞いているのと同じことになってしまうのです。
もし、御朱印料が分からなければ、「御朱印料(御初穂料)はいくら納めたらよろしいですか?」と尋ねるようにしましょう。
また、神社やお寺によって御朱印料が定められていないこともあります。
御朱印料を尋ねても「お気持ちで」といわれた場合には、相場である300~500円でお渡しすると良いでしょう。
御朱印の指定をしない
御朱印をいただく際に、書き方を指定するのは失礼にあたります。
SNSで美しく書かれているのを見て、いいなと思っても、「こんな風に書いてください」とお願いすることはマナー違反だということを忘れないようにしましょう。
それぞれの神社やお寺の宗派によって教義上書き方が定められていることもあり、その御朱印の書き方にきちんと意味があるのですから、それを曲げさせることはその神社・お寺に祀られている神様や仏様に対しても失礼にあたることになるのです。
御朱印はひとつひとつ、手書きとなっているので、すべてが唯一無二の御朱印となります。
授かった後にもっときれいに書いてほしかったとか、書き直してほしいなどと注文をつけることも失礼にあたるので気をつけましょう。
人に頼んだり購入しない
御朱印ブームの中、全国各地の御朱印がフリマアプリで転売されているを見かけることも珍しくなくなりました。
しかし、御朱印が本来どのような意味を持つものなのかを理解していれば、転売しているものを購入したり、自身が授かった御朱印を転売することがいかに正しくない行いであるかはわかるはずです。
また、家族や友人同士など身近な人の間であっても御朱印を頼んで授かってきてもらうというのも、本来の御朱印としての意味をなしていないことになります。
人から買うこと、人に頼んで授かってきてもらうことは、マナー違反となりますので、御朱印を集めるなら必ず自らの足で寺社仏閣を訪れ、参拝し、自らお願いして御朱印を授かるようにしましょう。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「御朱印に危険はない!マナーを守って参拝の証を頂こう」
御朱印をいただくことに危険はないわ。
でも、さまざまな観点から考えたときに、結果的にそれが神様や仏様に対して失礼になっていたり、あなたがケガや事故に巻き込まれる可能性があったりと、危険が存在すると考えることもできるわね。
だからこそ、御朱印集めをするなら事前にきちんと知識を持っておくことが大切よ。
きちんとマナーを守って、神様や仏様とのご縁を結び、その証をいただくようにしましょうね。