お正月の過ごし方や食べ物には意味がある!歳神様やお正月のスケジュールを詳しく解説
占い師 聖子
占い師 聖子
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「盆と正月が一緒に来たよう」という言葉からも分かる通り、お正月は日本人にとって一番大きな季節の行事だといっても過言ではありません。

ですが、お正月の過ごし方も多様化する現在。

「本当はお正月って何をするの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。

単に新しい一年が始まるというだけではなく、年末年始の過ごし方には昔の人の知恵がつまっています。

今一度、日本のお正月の過ごし方や食べ物について学び、お正月をよりよく過ごしていけるようになっていきましょう。

この記事では、お正月のスケジュールや呼び名、飾りつけの意味、過ごし方や行事食について詳しく解説していきます。

お正月の意味について正しく知り、次のお正月は意味を感じながら過ごしてみてくださいね。

目次

お正月のスケジュール|それぞれの日の名前と由来

お正月のスケジュール①12月31日 大晦日


お正月は1月1日のこと!というのは常識ですが、お正月は1月1日だけで成立するものではありません。

日本人にとって大切な行事だからこそ、1月1日だけ楽しんで終わりではなく準備や終わりまできちんと知っておきましょう。

まず、お正月を迎えるためには、1年の終わりがなくてはなりません。

12月31日は大晦日、晦日というのは月の終わりの日を意味しており、一年で最後の晦日である12月31日は大晦日と呼ばれるようになりました。

大晦日に行われる代表的なものは2つ。

除夜の鐘と年越しそばです。

除夜の鐘は大晦日の夜、年をまたぎながら108つの鐘を鳴らすというもの。

この鐘の音を聞きながら人々は108つあるという煩悩を断ち切り、清らかな状態で新しい年を迎えます。

そして大晦日には年越しそばを食べます。

これはそばのように細く長く長寿でありたいという気持ちや、そばが切れやすいことから一年の厄災を断ち切るという意味があるのだそうです。

他にも、年を越すまでには大掃除をしたりして、新しい年が来るための準備を整えておく必要があります。

大晦日には年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞き、新しい年がやってくる準備を万端にしておきましょう。

お正月のスケジュール②1月1日 元旦


お正月を表す言葉には元日と元旦がありますが、よく似ているこの言葉の違いは何なのでしょう。

元日(がんじつ)というのは、1月1日のこと。

元旦(がんたん)というのは、元日の朝のことをいいます。

旦という字は、「日」つまり太陽が「一」つまり地平線から昇ってくる様子を示しています。

だから、元旦は元日の日が昇ってくる間の時間、つまり朝のうちを示しているというわけなのです。

一年の計は元旦にありという言葉がありますが、この意味は一年の計画は元旦に立てるべきというものです。

何事も最初に計画を立ててから行うことが大切で、新しい年の計画も元日の朝に立てましょう。

お正月のスケジュール③1月3日まで 三が日


新年が始まって1月3日までを三が日と呼びます。

聞いたことはあっても三が日が何かと聞かれると、意外と分からないのではないでしょうか。

昔は正月といえば、1月の間を指していました。

正の字は年の始めという意味を持っています。

正月は元々は年の始めの月のことで、1月の間の丸々一か月間を指していたのです。

正月が一か月間のことを意味していたので、その中でも期間区切るために三が日という言葉は生まれました。

三が日にはしてはいけないことがあります。

それは掃除をすること、水仕事、火と刃物を使った料理、御賽銭以外にお金を使うことです。

それぞれ理由があり、これらをしてしまうことは縁起が悪いとされています。

だから、三が日の過ごし方はこれらをしなくて済むようになっているのです。

例えば、おせち料理を用意しておくことは、三が日に料理をしなくていいようにという昔の人の知恵です。

年末に大掃除しておくのも、三が日のうちに水仕事や掃除をしなくて済むようにするためでしょう。

歳神様がやってくる新年には、たくさんの縁起かつぎがあります。

掃除をすることや水を使うことは、歳神様が持ってきてくれた福を捨ててしまうようなもの。

火を使う料理は灰汁=悪が出てしまう、刃物を使う料理は良い縁を切ってしまうので避けましょう。

三が日にお賽銭以外のお金を使うと、その1年は財布からお金が出ていってしまいます。

こうした三が日のタブーは、正月くらいは休めるようにという配慮が隠されているともされています。

掃除も料理もしてはいけないとなれば、いつもは忙しい主婦も休まざるをえません。

今では三が日でも営業している店も多く、おせち料理だけを食べて過ごすということはなくなりましたが、このようなタブーを意識して過ごしてみるのもいいですね。

お正月のスケジュール④1月7日 松の内


お正月のスケジュールの中には松の内と呼ばれるものがあります。

年賀状や年始の挨拶は松の内にと言われますが、それは1月7日までの期間を指します。

松というのは門松や松飾りといった、正月に欠かせない正月飾りのことです。

つまり松の内というのは、正月飾りを飾っておく期間のことをいいます。

この松の内、実は地域によって期間に違いがあります。

多くの場合、その期間は関東では1月7日、関西では1月15日です。

松の内の期間が地域によって違うのは、江戸時代にまでさかのぼります。

もともと松の内は1月15日までとされていましたが、当時の将軍徳川家光が4月20日に亡くなりました。

その当時、鏡開きの日は1月20日だったのですが、その日は月命日に当たるため11日へと変更になったのです。

そして、鏡開きの前には松の内を終わらせなければならず、7日になりました。

この習慣は江戸幕府のお膝元である関東では広がりましたが、関西にまでは届きませんでした。

そのため、関東では1月7日までが松の内、関西では1月15日までということになったのです。

あなたの住んでいる地域では、いつまで正月飾りを飾っておきますか?

チェックしてみてくださいね。

お正月のスケジュール⑤1月15日 小正月


小正月とは1月15日のことです。

それに対して元日のことを大正月と呼ぶこともあります。

小正月には小豆粥を食べる風習がありました。

この風習は古くからあり、枕草子にもそのことは書かれています。

今でも東北の一部ではこの風習が残っています。

さらに、かつて元服の儀は小正月に行われていました。

元服とは日本の通過儀礼として行われていたもので、大人になったことを示す儀式です。

このことから1月15日は成人の日という祝日にもなっていました。

しかし、2000年には成人の日は1月の第二月曜日に変更されています。

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お正月には歳神様をお迎えして1年の無病息災を祝う

お迎えしよう!元旦に歳神様がやってくる

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日本人が大切にしているお正月ですが、どういう意味のある行事なのでしょうか。

元旦には、各家庭に歳神様がやってくると考えられていました。

この歳神様というのは、単なる神様ではありません。

昔の日本人はご先祖様が山の神となり、子孫の繁栄を見守ってくれると考えていました。

そして、正月には高い山から歳神様となって下りて来てくれると考えていたのです。

つまり、元旦にやってくる歳神様とはご先祖様をお迎えするというのと同じ意味。

だから、私たちはお正月には歳神様を迎える準備を念入りに行うのです。

正月飾りの一つである門松は、もともとは身分の低い庶民が行っていた正月飾りでした。

霊力が高いとされていた松の枝を家の入り口に縛り付けたようなものだったそうです。

そして、門松にはお正月に各家を訪れる歳神様が宿るとされていました。

お正月の準備にはこうした歳神様を迎えるための知恵がたくさん詰まっています。

もし、準備ができていなかったとしたら、せっかくやってきた歳神様は帰っていってしまうでしょう。

私たちを見守ってくれているご先祖様を追い返してしまうなんて、こんな失礼なことはありません。

現代では、正月飾りを飾らない家庭も増えてきましたが、本来は歳神様のための目印であり拠り所であったのだという意味は覚えておきましょう。

歳神様は祖霊神|各々の家にやってくる


歳神様はお正月に各家を訪れます。

八百万の神々がいる日本であっても、各家を巡るほどいる歳神様とはいったい何者なのでしょうか。

まず、歳神様にはさまざまな呼び名があります。

全国的に共通しているのが、歳神様はお正月になると山から降りてくる来訪神だということです。

正月様、恵方神、大年神、年殿、お歳徳(とんど)さん、歳徳神、年爺さん、としどん、若年さん…。

地方によって呼び方はこんなにもたくさんあります。

さまざまな呼び方があることからも分かる通り、歳神様は複数の神様の要素を合わせ持っている神様なのです。

その中の1つが祖霊神としての側面です。

死んだ後、人は神様になると考えられていました。

そして、子々孫々のことを見守る祖霊神になるのです。

普段は遠くから見守ってくれている祖霊神も、元旦には側に来て新年を共にお祝いしたいと考えました。

お正月は生きている人にとっても、霊にとっても大切な日。

だから、祖霊神は元旦に私たちの家々にやってくるのです。

五穀豊穣を司る田の神・山の神「穀物神」


歳神様は五穀豊穣を司る田の神・山の神でもあります。

昔の日本では穀物のことを登志(とし)と呼んでいました。

この登志はやがて歳へと変化し、歳神様と呼ばれるようになったのです。

歳は言うまでもなく一年間を表す言葉となっています。

穀物には一年のサイクルがとても大切で、田植えから収穫までのサイクルを繰り返しています。

そのため穀物とは一年そのものを表すと考え、穀物神のことを歳神様と呼ぶようになったのです。

歳神様がやってくる新年は穀物への感謝を示す時でもあります。

新しい年が始まるお正月には、ぜひ実りへの感謝の気持ちも持つようにしましょう。

歳神様の別名「正月様・歳徳神」


歳神様の別名には、どんな意味が込められているのでしょうか。

正月様という名前は、そのままの意味で正月にやってくる神様だからそう呼ばれています。

歳徳神(としとくじん、とんどさん)というのは、陰陽道においてその年の福徳を司っている神様のことです。

歳徳神は恵方を司るとされ、恵方を向いてことを行うと上手くいくと考えられていました。

また、地域によっては豊作をもたらす神様だとも考えられています。

そのため、歳徳神に豊作を祈願することもあるようです。

「あけましておめでとう」の意味は新年のあいさつ


「あけましておめでとう」はお正月のあいさつです。

歳神様を迎えられて、無事に年を越すことができたおめでたい気持ちを表現するものです。

今でも当然のように使われている「あけましておめでとう」ですが、いったいいつまで使えるあいさつなのでしょうか。

それにはお正月がいつまでかという解釈が必須です。

歳神様がいらっしゃるうちはお正月なので、あけましておめでとうが使えます。

しかし、この歳神様がいらっしゃる期間には地域によって差があるのが難しいところ。

松の内までが歳神様がいらっしゃると考えるのが普通ですが、これも関東では1月7日、関西では1月15日と違いがあります。

また、一部の地域では1月20日までを正月とする二十日正月という考え方もあります。

この場合は、1月20日まであけましておめでとうを使ってもいいでしょう。

仕事始めには仕事関係の人に新年のあいさつをすることになりますが、その場合も日付を気にした方がいいでしょう。

1月7日までに会った場合には、問題なくあけましておめでとうを使用してかまいません。

それ以降に新年のあいさつをする場合には、あけましておめでとうを使わずに旧年中の礼を伝えるとともに、「今年もよろしくお願いします」と伝えるようにしましょう。

また、よくありがちな失敗として「新年あけましておめでとうございます」という使用例があります。

あけましてのことばが新年を意味しているので、頭に新年をつけてしまうのは間違いであり正式には使わない方がいいでしょう。

地域による期間、正しい使用方法に注意して「あけましておめでとう」は使っていきましょう。

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お正月飾りには意味がある!元旦までに用意しよう

鏡餅は歳神様へのお供え物


お正月の雰囲気を高めるために重要なアイテムである鏡餅。

鏡開きの日に食べる楽しみもあるアイテムですが、どうしてお正月に鏡餅を用意するのでしょうか。

それは歳神様へのお供え物だからです。

歳神様は祖先の霊でもあり、穀物の神様でもあります。

そんな神様を家にお迎えするのだから、お供え物を用意するのは当然でしょう。

穀物の神様には穀物でできた餅を用意します。

そして、鏡餅の飾り方にもこだわりがあります。

昔ながらの飾り方では鏡餅は三種の神器に見立てられるのです。

餅は青銅鏡、串に刺した干し柿は剣、橙は玉です。

どれかが省略されたり扇が付け加えられたりと飾り方は多様化していますが、もともとは三種の神器を模していたことは覚えておくといいでしょう。

最近では本物の餅を飾ることも減ってきましたが、形を整えるだけでもかまいません。

必ずしも本物のお餅でなくてもいいので、歳神様へのお供え物を用意してみましょう。

門松は歳神様への目印


お正月に飾られる門松は、元旦にやってくる歳神様に対しての目印です。

歳神様は元旦に各家を訪ねますが、門松があることは歳神様をお迎えする準備が整っている合図となります。

歳神様は門松がなければ、家に入っていいか分からず困ってしまうでしょう。

安心して歳神様に家の中に入ってきていただくためにも門松は必要なものなのです。

門松に使われるのは生命力の強い植物です。

松は一年中青々としていて葉を落とすことのない常緑樹で、竹は成長スピードの速い生命力にあふれた植物、そして春に開花することから正月にぴったりの梅。

この3つが門松には使われています。

ただし、立派な門松を用意するということは、近年の一般家庭ではハードルが高いものとなっているのが現状でしょう。

昔から地域によって門松の形状には差があります。

簡単に飾れるものとしては、松の枝に水引をかけたもの、門松の絵や写真をプリントアウトしたものなどがあります。

自分の中の門松のイメージにとらわれず、飾れそうなものを取り入れるというのも一つの手です。

どんな形であってもいいので、門松を用意し歳神様が迷わず家に入ってこれるように準備を整えておきましょう。

しめ縄は神様が宿る場所


お正月に飾るしめ飾りは、神聖な場所を示す印です。

魔除けとしての役割をするとも言われており、お正月には欠かせない飾りだといえるでしょう。

お正月にそれぞれの家にやってきた歳神様は、松の内の間は家に留まります。

神様というのは実体を持たないものですから、普段とは違う場所に留まるときには宿る場所が必要となります。

その役割をするのがしめ飾りなのです。

ということは、しめ飾りがなければ歳神様はせっかくやってきてもいる場所がなく帰らなければならないということになってしまいます。

そんなことにならないためにもしめ飾りは用意しておくようにしましょう。

また、地方によってはしめ飾りを一年中つけておくこともあるようです。

三重県の伊勢などでは、一年中しめ飾りをつけておく風習が今でも残っています。

紙垂(かみしで)は邪悪なものを追い払う


神社のしめ縄やお正月飾りのしめ飾りの下についている、ひらひらした白い紙のことを紙垂(かみしで)といいます。

この紙垂は雷のようなギザギザとした形をしています。

神社に行けば必ず目にしますし、見たことがないという日本人はほとんどいないでしょう。

この紙垂は清浄や神聖を表しています。

しめ飾りの下に紙垂を垂らすのも、神聖であることを示すためなのです。

紙垂の由来は、神話の中の天岩戸の伝説にあります。

天岩戸に閉じこもってしまった天照大神を誘い出すために、皆はお祭り騒ぎをしました。

その時に、榊の枝に麻の布と木綿の布を垂らしたことが、紙垂の元となったとされているのです。

元々は布でできていた紙垂ですが、現在では紙製です。

紙垂は家庭でも簡単に作ることができます。

自分で作った紙垂で歳神様を迎えてみるのもいいでしょう。

裏白は長寿の願い


裏白はお正月飾りに使われる植物です。

鏡餅の下にしかれることが多いでしょう。

裏白の特徴はその名の通り、裏が白いことです。

そして、この特徴が裏白が縁起がいいとされる所以でもあります。

裏が白いということは、裏を返しても心が白い、つまり清廉潔白であることを表します。

また、白いことから白髪になるまで長生きできる、長寿の願いを叶えてくれるともされているのです。

他にも、裏白は左右の葉が対になって生えることから夫婦円満の象徴、古い葉と新しい葉が同時に成長することから子孫繁栄の象徴でもあります。

だから、裏白を飾るときには、白い方を見えるように飾るのが重要です。

白いということは正月のような慶事にはうってつけ。

神様にお供えする鏡餅の下に敷かれるのに選ばれるのも納得ですね。

裏白に込められたさまざまな願いを、裏白を飾ることで叶えていきましょう。

橙は子孫繁栄の願いを込めて


橙(だいだい)はしめ飾りや、鏡餅のいちばん上に飾られることが多い果実です。

みかんと勘違いされることもありますが、正月飾りに用いられるのは橙ですので間違えないようにしてください。

この橙を正月飾りとして用いるのは、橙の音が代々と同じだからです。

「代々、家が絶えることなく繁栄していきますように」

昔の人にとって家を守るということは、今以上にとても大切なことでした。

だから、お正月にも子孫繁栄の願いを込めて橙を飾ったのです。

みかんと違い橙には種が多く、味もいいとは言えず食べづらい果実です。

しかし、種が多いということも子孫繁栄に繋がるため縁起がいいとされています。

最近では橙の代わりにみかんを飾ることも多いのですが、みかんで代用する場合には注意点があります。

それは葉付きのものを選ぶということです。

青々しい葉っぱがついていることで、みかんであっても子孫繁栄の願いを込めることができます。

もし、橙が見つからずに困った場合は、葉付きのみかんで代用してみてくださいね。

ゆずり葉は子の成長を見守る


しめ飾りや鏡餅に用いられるゆずり葉にも、たくさんの願いが込められています。

ゆずり葉という植物は、新しい葉が生えてくるまで古い葉が落ちることはありません。

これは私たち人間にも通ずるものです。

新しい命が生まれてくるのを、皆で見守りたい。

世代交代は急に訪れるのではなく、十分に見届けてから安心して行いたい。

このような願いがゆずり葉という植物を飾ることで、叶えられるとされています。

子どもの成長を願う親の気持ちは、いくら時代が移り変わろうとも変わらないものです。

ゆずり葉のように新たな生命の誕生を、自分自身も青々しいままで見守りたいのなら、正月飾りにゆずり葉を用いるのもいいかもしれませんね。

年末からお正月が明けるまでの過ごし方

年末には大掃除をしよう!ルーツは煤払いにあり


年末からお正月が明けるまでの過ごし方として、まず年末の過ごし方を確認しておきましょう。

今でも多くの家庭が行っていますが、年末には大掃除をするのが伝統的です。

「大掃除をしなくても年は越せる」ただでさえ忙しい年末に大掃除という風習にこう考える人もいるかもしれません。

そもそも大掃除は煤払い(すすはらい)にルーツがあります。

昔の日本では家の中にかまどや囲炉裏などがあり、家の中は煤だらけでした。

その煤を年末に払って清めておくことで、歳神様を迎える準備を整えていたのです。

煤払いは12月13日に行われていましたが、それはその日が鬼宿日だったためです。

鬼宿日とは婚礼以外何を行っても大吉とされる日で、清めの意味を持つ煤払いにも適していたのでしょう。

この風習が現代では大掃除となり伝わっているというわけなのです。

昔の人が特にきれいにしたのが台所だといわれています。

火を使う場所だから煤で汚れているのはもちろん、料理を生み出す場である台所が汚れていると生命エネルギー落ち、運も逃げてしまいます。

だから、台所の掃除を念入りに行ったのです。

こうした意識は現代に生きる私たちにとっても参考になるものです。

今年の大掃除はぜひ台所を念入りに行ってみるのはいかがでしょうか。

大晦日には年越しそばを食べて長寿を願おう


大晦日には年越しそばを食べる。

日本人にとっては当たり前の習慣過ぎて、その意味についてまで深く考えることはなかったかもしれません。

年越しにそばが食べられるようになったのは、手軽でおいしく縁起がいいからという単純明快な理由のようです。

江戸時代中期には季節の変わり目にそばを食べていたようで、この中の一つがだんだん年越しそばとして定着していったのでしょう。

そして、その意味は後付けされていきました。

よく言われているのが、そばは細く長い形状をしているので長寿と家運を伸ばしてくれるというもの。

さらに、あと一つそばが切れやすいことから、一年の悪いことをすっぱり断ち切り新年を迎えるというものです。

どちらにせよ、年越しそばを食べることには、昔の人の願いが込められていたのですね。

また、年越しそばでよく議論されるのが、食す時間についてです。

年越しそばというくらいだから、年をまたぎながら食べると考える人もいるのですがこれは間違いです。

一年の悪いことを断ち切りたいという願いを叶えるのであれば、新しい年を迎えるまでに食べなくてはなりません。

それさえ守れば、食べる時間に決まりはありませんから、好きなタイミングで食べましょう。

乗せる具材には地域差がありますが、それぞれにゲン担ぎがあるのでご紹介していきます。

まず、エビの天ぷらを乗せることが多いですが、これはエビの形状が腰の曲がったお年寄りに見えることから長寿の願いが込められています。

京都で乗せられることの多いニシンは、二親と当て字ができることから子孫繁栄の願いがこめられ食べられてきました。

油揚げには五穀豊穣、卵には商売繁盛、ネギには一年の苦労をネギらう意味が込められています。

好きなトッピングを選んで、願いを叶えていきましょう。

元旦の初日の出と共に歳神様がやってくる


初日の出がめでたいとされていることは常識ですが、それはどうしてなのでしょうか。

それは、初日の出が上がることが新年が始まったという合図だったからです。

そして、歳神様は初日の出と共に山から降りてきます。

初日の出を見に行くという行為は、実は歳神様を迎えに行くという意味があったのです。

しかし、初日の出を拝むという行事は、それほど古いものではなく明治以降に広まりました。

それ以前は、家族そろって家で日の出を待ち、東西南北を拝む四方参拝を行っていたそうです。

お正月の時期の日の出の時刻は早く、年越しまで起きていた場合、初日の出を拝むのは難しいかもしれません。

一年で一番最初の日の光には、たくさんのパワーが込められているはず。

できれば初日の出を見て、その力を得たいものですね。

元旦|初詣・おみくじ・お札・お神酒・お守り

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初詣はその年初めての神社仏閣へのお参りなので、元旦に行わなければならないというものではありませんが、元旦に行う人が多いでしょう。

というのも初詣の元となったのは、元日の朝に行われていた元日詣です。

それが交通手段の発達とともに、元日に行われるものではなくなり現在の形になりました。

初詣ではおみくじを引くことも多いでしょうが、おみくじは元々国の重大なことを決めるのに用いられていたほど神聖なものです。

そこから、運勢占いとして庶民が気軽に利用できるものとなっていきました。

他にもお札やお神酒、お守りを授与することも多いでしょう。

こうしたものは基本的にその一年だけ使うようにして、また次のお札をいただく際には返却するのが習わしです。

元旦のお年玉の由来はお餅だった


お正月の子どもの楽しみといえばお年玉!

現代ではお金がもらえるものですが、元々のお年玉は年魂と書きお餅のことを指していました。

家にやってきた歳神様は鏡餅に宿ります。

その歳神様が宿ったお餅は年魂になり、その家の家長は家族に年魂を配るのです。

それがいつしかお金へと変わっていき現在の形へとなっていきました。

元旦には年賀状が届く|返事は松の内までに出そう

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元旦には年賀状が届きます。

新年のあいさつでもある年賀状はもらうと嬉しいものですが、時には自分が書いていない人からもらうこともあるでしょう。

そういった場合には、松の内までに返事を出すのがマナーです。

年始はバタバタしてしまいますが、元旦に届く年賀状は必ずチェックして、出していない人がいないか確かめましょう。

そして、もし出していない人がいた場合には、速やかに返事を出すようにしましょう。

元旦に見る夢が初夢?初夢は元日の夜に見る夢


初夢はその年、初めて見る夢のことです。

このような説明を聞くと、大晦日の夜に見る夢が初夢と勘違いしてしまう人もいるのですが初夢は1日の夜から2日にかけて見る夢のことです。

縁起のいい夢とされているのは「一富士二鷹三茄子」で、これは江戸時代に広まりました。

一富士は富士山の夢、二鷹は空を飛ぶ鷹の夢、三茄子は当時高級だった茄子の夢を指しています。

富士山は末広がりで運気上昇、鷹はチャンスをつかみとり夢を実現する、茄子は物事を成すことを示しています。

実はこの言葉には続きがあり、四扇、五煙草、六座頭というものです。

これだけ吉夢があれば、どれかを見るチャンスも広がりますね。

正月事始めはお正月の準備を始める日


「お正月の準備はいったいいつ始めればいいの?」

こんな風に悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

正月事始め(しょうがつことはじめ)は、お正月の準備を始める日のことです。

12月13日が正月事始めにあたり、この日に門松に使う竹を切り出したり、雑煮を煮るのに使う薪を取りに行ったりする風習がありました。

この日は婚礼以外の何をするにも大吉な鬼宿日です。

現代でも、お正月の準備はこの日から始めるようにすれば間違いないでしょう。

書初めは1月2日に行うと書道が上達する

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書初めは今でも残るお正月の伝統的な風習です。

その歴史は平安時代にまでさかのぼり、宮中行事の一つでした。

庶民の間にも広まったのは江戸時代のことで、この頃には書道は重要な教養の一つだったのです。

1月2日に書初めをすると上達するとされており、また一年の抱負を書くことで気持ちを新たにすることもできます。

2日に書いた書初めは松の内の間は飾っておき、どんど焼きで燃やすと良いそうです。

初売りで福袋を買うのもお正月の風物詩


昔は正月の間は店は開いておらず家で過ごすしかありませんでしたが、近年は初売りというイベントが開催されるようになりました。

初売りはその混み具合を見ても分かる通り、かなりお得なセールです。

お店側も一年で最もものが売れる時期で、正月特有の商品として福袋を売り出します。

福袋の由来は七福神の一人である大黒天様が持っている恵比須袋だとされています。

恵比須袋の中には福が入っており、大黒天様はその福を分け与えてくれるのだそうです。

年始の初売りで売られる福袋の中にも、福がつまっていると考えると嬉しくなりますね。

中身は何が入っているか分からないということが多かった福袋ですが、最近は中身の分かる福袋も多くなっています。

人気の福袋に関しては一瞬で売り切れるものもあるので、欲しいものがある場合には並ぶ必要もあるでしょう。

お正月に食べる行事食|縁起担ぎだけじゃない!意味のある食べ物

おせち料理|えび・昆布・くり・まめ・小魚には意味がある


お正月に食べるおせち料理には、それぞれ意味があることを知っているでしょうか。

えびは長寿の象徴であり、腰が曲がるまで長生きできますようにという願いがこめられています。

昆布はよろこぶに繋がることから、めでたい食材としておせちに入れられます。

栗は栗きんとんとして入れられますが、きんとんは漢字で書くと金団です。

このことから黄金色の財宝に例えられ、その年が豊かになるようにという願いが込められています。

豆はまめまめしくなるように、小魚には五穀豊穣の祈りがこめられています。

それぞれの意味を知って食べれば、いつも以上におせち料理は特別なものになるはずです。

おせち料理は祝箸を準備して食べよう


おせち料理を食べるときには、祝箸で食べるのが習わしです。

祝箸とはお祝い事に使われる箸で丸みを帯びており、寿と書かれた箸袋に入っています。

その長さは末広がりにちなんで八寸(およそ24㎝)。

正しい使い方としては、大晦日に家長が祝箸の箸袋に家族の名前を書き神棚に供えます。

神棚がないという場合には、鏡餅の近くでかまいません。

そして、元旦に使う時に家長が神棚から下ろし、家族に配ります。

松の内までは同じ箸を使うので、使用後は洗って箸袋に戻すようにしましょう。

お屠蘇のマナー|まずは若水で身を清めよう


お正月に飲む日本酒がお屠蘇。

その解釈間違ってはいませんが、お屠蘇にもマナーがあることを知っておきましょう。

まず、お屠蘇の前に若水という清らかな水で身を清めます。

それから神棚や仏壇に参ったら準備はOKです。

東を向いて若い順からお屠蘇に口をつけていきましょう。

お屠蘇を飲むことで無病息災が叶えられるとされています。

ぜひ、正式なやり方でお屠蘇を楽しんでみてくださいね。

お雑煮は歳神様のおさがり


お雑煮はもともとめでたい日に食べられるハレの日の料理でした。

それが、お正月に食べられるようになったのは、歳神様にお餅を供えるようになったからです。

歳神様にお供えした後のお餅をお雑煮としていただくことで、新年の豊作や家内安全を願うことができます。

こうして、お雑煮はお正月の料理として定着していったのです。

七草がゆは無病息災を願って1月7日に食べられる


七草がゆは中国の唐時代に由来があり、1月7日に無病息災を願って食べるものです。

これが日本の風習と結びつき、1月7日が松の内の最後の日でもあったことから、七草がゆはお正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわるものとされました。

春の七草を入れるのが定番で、野菜の不足しがちな季節の体を健康に整えてくれます。

現代人の疲れた胃腸も七草がゆで整えていきたいものですね。

鏡開きは歳神様のパワーを分け与えてもらう


鏡開きは文字通り鏡餅を割り、食べること。

鏡餅はお正月の間、歳神様が宿っていた場所なので特別な力が宿っています。

それを食べることで、私たちは歳神様のパワーを分け与えてもらい一年を元気に過ごすことができるのです。

鏡開きを行うのは1月11日の地域が多く、カチカチになった餅は揚げ餅にされることが多かったようです。

占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「日本人らしい和の行事を味わって!」

占い師 小鳥
お正月の過ごし方も多様化してきた現代ですが、本来のお正月の過ごし方や食べ物にはすべて意味がありました。

現代では昔ながらの過ごし方や食べ物をすべて真似することは難しいかもしれませんが、知識として知っておくことは重要でしょう。

お正月は本来、楽しい休日ではなく、歳神様をお迎えし新年をいい年にしようという大切なものだったのです。

日本人らしい和の行事であるお正月を、現代らしさも取り入れつつ伝統的な過ごし方も忘れず過ごしていきましょう。

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