
観音菩薩の真言を唱えてご利益を頂きたい。真言にどんな効果があるか知りたい。
観音菩薩とは人々を救済してくれるとても慈悲深い観音さま。そして世の中のすべての人を救うためにさまざまな姿に変えて、私たちに救いの手を差し伸べてくださいます。
そんな観音菩薩の真言も一つではなく、変化されたお姿ごとに違う真言があります。
今回は観音菩薩の代表的なお姿である「六観音」の真言と効果について紹介するので、観音菩薩の真言について詳しく知りたい方におすすめです。
目次
人々を救済してくれる観音菩薩とは
観音菩薩は観音さまとも呼ばれて親しまれている仏教の一尊。観音経や般若心経に登場し、「観自在菩薩」や「観世音菩薩」が本当の名称です。
観音菩薩はとても慈悲深い観音さま。「観」は「見る」、「世音」は「世の中の音」つまり苦しみを意味していて、救いを求める人をすぐに救ってくれるといわれています。
観音菩薩は世の中のすべての人を救うために、さまざまなお姿に変化するといわれており、その数は何と33つもあるといわれています。
本来は男尊だったといわれていますが、美しい女尊のお姿で表現され、日本でも広く信仰を集めている菩薩です。
【六観音】観音菩薩の真言と効果
六観音とは観音菩薩の六つのお姿の総称で、「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天」からなる六道の世界の人々を救済してくれるといわれています。
ここからは、それぞれの観音さまの真言(マントラ)とその意味を紹介していきます。
聖観音の真言
六道の内、地獄道の人々を救うのが聖観音。阿弥陀如来の左脇侍として、勢至菩薩と共に三尊で並ぶことも多い観音さまです。
観音菩薩というと聖観音を指すことが多く、真言も聖観音のものが代表的なものとされています。
聖観音の真言には観音さまの功徳を称え、恩恵を祈る意味が込められています。唱えることで、現世での全ての災厄から逃れ、苦しみを取り除き、安らかに生活ができるというご利益があります。
聖観音のお力を借りることで、病気平癒や改運、煩悩を清浄にし心を穏やかにするご利益もあります。
聖観音はさまざまなお姿をとる観音菩薩の基本のお姿なだけに、真言にも幅広く私たちの幸せを実現するご利益が込められているんですよ。
千手観音の真言
千手観音は千の手と千の目を持ち、餓鬼道の人々を救ってくださる観音さま。多くの目で人々の苦しみを見つけ出し、あますことなく救いの手を差し伸べてくださるでしょう。
慈悲深い観音菩薩の「人を救いたい」という願いが強く現れたお姿で、無限の慈悲や救済の力・観察力を象徴しています。
千手観音の真言には「千手観音の叡智と慈悲によって救済を成就する」という意味が込められています。
千手観音の真言のご利益には、災難除けや厄除け、病気平癒や健康成就などがあります。他にも心の平穏や円満な人間関係、願望成就など、幸せに生きるために必要なものを授けてくれるでしょう。
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如意輪観音の真言
如意輪観音はどんな願いも叶えてくれるといわれる観音さま。如意輪観音の「如意」は、「仏教の霊験あらたかな宝の珠」という意味で、手にすることでどんな願いも叶えることができます。「輪」は煩悩を打ち砕く法輪のことです。
六道のなかでも最高位である天道を担当する観音さまですが、六本の腕で六道すべての衆生の苦しみも取り除いてくれるといわれています。
この真言は「神聖なる如意輪観音の加護と燃え盛る炎によって、心のままに願いを叶えたまえ」という意味です。
如意輪観音の真言は、唱えるだけですべての願いが叶う真言であり、煩悩を打ち砕いてくれるといわれています。他にも智慧や財福、安産や延命にもご利益があるとのことです。
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十一面観音の真言
観音菩薩は修羅道では十一面観音に変化し、人々を救ってくれます。十一面観音はその名が表す通り、頭の上に十一の顔を持つ観音さま。それぞれ怒った顔や笑った顔など、異なる表情をされています。
ご利益も多く信仰することで、現世での十種勝利と果報四種だけでなく、来世でも果報をもたらしてくれるといわれる観音さまです。
十一面観音の代表的な真言は「オン・ロケイ・ジンバラ・キリク・ソワカ」で、「煩悩に溢れる世界から十一面観音菩薩の功徳によりお救いください」という意味が込められています。
真言のご利益は、災難除けや怒りなどの鎮静による精神の安定などです。
「オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ」は密教系で唱えられる真言で、「偉大なる観音菩薩のお力によって魂を救済し向上させたまえ」という意味です。
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馬頭観音の真言
六道の畜生道にいるのが馬頭観音で、頭の上に馬を乗せて憤怒の相をしたお姿で現わされます。
忌み地にお祀りされることが多いことから、不吉だと思われることもありますが、逆に私たちを呪いから守ってくれる、厄除けの力が強い観音さまです。
怒りによって苦悩や障害を砕き、馬が草を食むように煩悩を食べ尽くし災難を取り除いてくださるといわれています。
馬頭観音の真言は動物の魂を供養し浄化するもので、「不死の法の流れよ、我が身に注げ。煩悩よ、破れ!」という意味です。
他にも煩悩からの解放や旅の加護、延命などのご加護も期待できるといわれています。
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准胝観音の真言
准胝観音は六道の内、人間道、つまり我々の住む世界の人々を救ってくれる観音さま。仏を生み出す「仏の母」でもあります。
慈悲深く母性を象徴しており、安産や子授けのご利益があるといわれています。
天台宗系では准胝仏母とよばれ、観音ではなく如来に分類されるほど。とても功徳が高く強い力を秘めていることがわかりますね。
准胝観音の真言は「強くゆるぎない力であらゆるものを浄化し解脱へ導く」という意味。唱えることで清浄な心を得たり、運気が向上するといわれています。
真言を唱えることで准胝観音の持つ力をお借りできるため、無病息災・長寿延命・願い成就などのご利益もあります。
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観音菩薩の真言の唱え方
観音菩薩の真言を唱えるとき、ただ漠然と真言を口にするのではご利益を頂くことができません。
あなたの願いを観音菩薩にしっかり伝えるためにも、真言の唱え方のポイントを抑えるようにしてくださいね。
- 心を落ち着かせる
- 心を込めて唱える
- 発音に気を付ける
真言を唱えるときは、観音菩薩に願いが届くように心を込めて唱えなければなりません。そのためにも、心を落ち着かせて集中できる静かな環境で唱えるとよいでしょう。
そしてカタカナを棒読みするのではなく、できるだけサンスクリット語に近い発音になるよう心掛けてください。
発音に気を取られ過ぎて、心が込められないと本末転倒なので、自然と発音できるように練習してくださいね。
観音菩薩をお祀りしているお寺
観音菩薩をお祀りしているお寺はとても多く、有名なお寺のご本尊や国宝に指定されていることもあります。
その中でも特に有名なお寺はこちら。
国宝に指定されているような貴重な観音菩薩の像の中には、特別拝観でしか見れないものもあります。
毎年必ず公開されるとも限らないので、確認してから拝観の予定を立ててくださいね。
ワンポイントアドバイス「観音菩薩の真言を唱えてご利益を頂こう」
観音菩薩はそのお姿を変化させるのと同様に、真言やそのご利益もさまざまに変化します。
どの観音さまも慈悲の心と功徳に溢れていらっしゃるので、悩める私たちの心を照らしてはくれますが、そのお力に沿った願いをお伝えする方が、ご利益も頂きやすいものです。
あなたの願いにあった真言を唱えて、観音菩薩のお力をお借りしてくださいね。