季節の暦の読み方に七十二候というものがあります。
日本の風土や気候に合わせた暦なので季節の旬を感じることができるでしょう。
その七十二候の大雨時行(たいうときどきにふる)の時期は、急に大雨が降ったり天気が変化します。
そして、その雨が夏の終わりのもの悲しさを強めてしまう時期でもあるのです。だからこそ、夏の終わりを思い切り楽しむことを考えてみましょう。
目次
大雨時行(たいうときどきにふる)の意味
この時期は、夏の雨が激しく降ることがある時期です。むくむくと青空に広がる入道雲が夕立に変化していることが多いでしょう。
大雨や夕立のことを古くから「銀竹」と呼ばれています。雨だけでなく氷柱のことも銀竹と呼びますが激しい雨のことや氷柱を銀色の竹と表現するのは幻想的ですよね。
雨でどこにも行くことができなくても銀竹を眺めていれば優雅な時間のようにさえ感じてしまうはずです。
他にも雨が滝のように激しく落ちる様子を焚き落としと呼んだり、細く群がって生える竹を突き立てる笹突く雨になぞらえたり想像力が豊かだったようです。
現代では、天気の表現の仕方も昔みたいに文学的でなく過激的なものが増えてきたでしょう。
どことなく「100年に1度の大雨」という表現がピンとこないのは、銀竹のように少しメル変な要素を感じるからかもしれませんね。
大変なことが起きるということがわかっていても少し空想的に思えませんか?同じ100年に1回でも100年に1回の花や100年に1回の星だとメルヘンさが増しますよね。
それと近いものがあるのでしょう。人々は今だにどことなく、雨に空想的なものや情緒的なものを求めてしまっているのかもしれませんね。
大雨時行(たいうときどきにふる)の時期は「8月2日~8月6日頃」
2021年 | 8月2日~8月6日 |
2022年 | 8月2日~8月6日 |
2023年 | 8月2日~8月7日 |
2024年 | 8月2日~8月6日 |
2025年 | 8月2日~8月6日 |
2026年 | 8月2日~8月6日 |
2027年 | 8月2日~8月7日 |
2028年 | 8月2日~8月6日 |
2029年 | 8月2日~8月6日 |
2030年 | 8月2日~8月6日 |
大雨時行(たいうときどきにふる)の時期は、夕立のような雨がよく降る時期です。傘を持っていないのにいきなり雨が降り出すことも増えてきましたよね。
結構な雨量の雨が降りますが、一瞬前まで晴れていることも多いので戸惑ってしまう人も多いはずです。
この時期の雨は蝉時雨とも呼びます。夏が近づくと、セミの中でもニイニイゼミが鳴き始めます。
その後にアブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミなどどんどんセミが鳴き始めます。夏の終わりにはツクツクボウシが鳴き始め、少し寂しい気分を味わうことになるでしょう。
季節の移り変わりがセミの鳴き声でわかるくらいセミの種類は多いと思います。
実は蝉時雨というのは蝉が鳴く時期というよりは、セミの大合唱のような音を立てて雨が降ることを指しているのです。
夏の大雨は、周囲の音が聞こえないくらいの大雨であることも多いですよね。ある意味、他の音が全く聞こえず遮断される時間なので孤独を感じる人もいるほどです。
セミが鳴くのは雄で雌への求愛という意味があるそうです。セミの命は7日間と言われていますが、実は1か月程度らしいですよ。
この時期は、最も夏らしさを感じることができる時期かもしれません。来年も夏はきますが、今年の夏は今年だけです。
悔いないように今の夏を楽しんでおきましょう。
大雨時行(たいうときどきにふる)の旬の果物は「すいか」
「すいか」の基本情報
栄養 | すいかは、水分の多い果物です。主な成分は、カリウム、ビタミンA、リコピンなどです。カリウムが含まれていることもあり、腎臓病予防や夏バテ防止に効果があります。 |
選び方 | 丸ごと買う時は、緑と黒のコントラストがはっきりしているものを選びましょう。また、ずしっと重いものがおすすめです。 カットタイプの場合は、切り口がみずみずしく、種がしっかり黒いものを選んでください。完熟そいているので甘くて美味しいでしょう。 |
保存方法 | すいかを丸ごと保存する場合は、冷蔵庫に入れる風通しの良い冷暗所においておきましょう。カットスイカの場合は、切り口にピタッとラップを張り付けて保存してください。食べやすさを重視するのであれば、一口サイズに切って蓋つきのタッパーに入れて保存しましょう。また、そのまま冷凍して紅茶やサイダーに浮かべてみても美味しいです。 |
その他、お役立ち情報 | すいかは、収穫直後が最も美味しいのですぐに食べる方が良いでしょう。また、赤い実だけでなく、皮も食べることができます。高血圧や動脈硬化の予防効果もあるので塩やぬかで漬け物にして食べてみてください。 |
「すいか」の特徴
すいかは、夏の代名詞と言うだけあり旬の時期は7月から8月です。日本の主な産地は、熊本、千葉、山形となっています。
スイカの中で最も美味しいのは真ん中とつるのそば、種の回りらしいですよ。
「すいか」のおすすめの食べ方・調理法
すいかは、手に入れてすぐにカットして食べるようにしましょう。そのまま食べるのが最も美味しいですが、ジュースにしてみても良いでしょう。
また、漬物にしたりと皮の部分に関しては料理に使えるということを覚えておいてください。
またクックパッドの「すいか」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
大雨時行(たいうときどきにふる)の旬の魚介類は「太刀魚」
「太刀魚」の基本情報
栄養 | 太刀魚には、ビタミンA、ビタミンE、ミネラルなどが含まれています。 |
選び方 | 背びれと目の色が透明でキレイなものを選びましょう。 |
保存方法 | 太刀魚を冷凍する場合は、血抜きをしっかりと行うようにしましょう。その上でピタッとラップを張り付けて冷凍してください。 |
その他、お役立ち情報 | 太刀魚は、日本で人気がある魚なので国産だけでは足りていません。東南アジアなどから輸入されたものも多いです。
白身魚で、どんな料理でも合う魚なので重宝されています。熱を通すと白身のうまみがグッと増します。 |
「太刀魚」の特徴
太刀魚は、温暖化の影響もあり産卵期が長くなっています。旬も産卵期と同じなので春から夏にかけてです。
常に市場に出回っていますが比較的高いので注意。1年中、美味しい魚ですが特に夏から秋が美味しいので覚えておきましょう。
日本の主な産地は、長崎、大分、愛媛、和歌山です。
「太刀魚」のおすすめの食べ方・調理法
太刀魚はどんな料理でも美味しく食べることができる優秀な魚です。最も美味しいと言われる調理方法は塩焼きです。
でも、実はバターとの相性も良くムニエルにしても良いでしょう。洋風も和風もしっくりくる魚なので料理の幅は広いと言えます。
またクックパッドの「太刀魚」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
大雨時行(たいうときどきにふる)の旬の草花は「百日紅」
「百日紅」の基本情報
学名 | 百日紅 |
科・属 | ミソハギ科 |
原産国 | 中国 |
別名 | コチョコチョノキ |
「百日紅」の特徴
百日紅は、漢名です。薄紅色の花が100日間もの期間咲き続けると言われていることからつけられた名前と言われています。
百日紅は、開花時期が7月から9月と比較的長めの花です。炎天下に花を咲かせるので生命力が強い花です。
暑い中に涼しい顔をしながら咲いている花は可憐でけなげです。実は、暑さだけでなく寒さにも強いという一面も持っています。
花の色は、ピンク、白、紫と可愛い色合いが多いでしょう。枝先に次々と花を咲かせる様子はかわいらしく見る者を楽しませてくれます。
また、木の幹の模様も美しいです。それは和名の由来になった木に登ることが得意なサルでさえもつるつると滑ってしまうという木肌です。
まだら模様が美しく、花と違って1年を通して楽しむことができます。まるで、素敵な女性の夏のつるつるとした肌みたいですよね。
この木の根元に触れると、風も吹いていないのに枝や葉が揺れるのでコチョコチョノキとも呼ばれています。
すごく不思議な現象なので、ついつい触ってみたくなると思います。名前だけ聞くと、面白い名前ですよね。
比較的、育てやすい花でもあるので家庭菜園にもおすすめですよ。
「百日紅」の花言葉
百日紅の花言葉は、「あなたを信じる」です。百日紅は、暑くてもけなげに咲いています。そして、寒さにも強い花です。
暑くても涼しい様子で咲き続ける様子を人間に例えると何かポリシーがあるようにさえ見えるかもしれません。
その様子は、いつまでも待っていると語りかけているかのようにも見えます。百日紅の花は、信じているからこそいつまでも待っているという様子を表しているのかもしれません。
確かに信じていない相手のことをじっと待つなんてことはなかなかできませんよね。百日紅のように信じるということを意識してみましょう。
大雨時行(たいうときどきにふる)の旬の行事は「秋田竿灯まつり」
この時期は、全国的には目立った行事がありません。強いて言えば、夏休みの期間であると言えるでしょう。
そんな中、秋田で秋田竿灯まつりというお祭りが開催されています。期間は8月3日から6日の期間なので大雨時行の時期とばっちり重なっています。
元々は、夏の邪気払いのために始まったお祭りのようです。長い歴史を持っているお祭りです。
開催は夜の暗い時間になるので夜空に竿灯が映えてすごく美しいです。それこそ、夜空に浮かぶ稲穂と呼んでも差し支えないくらいです。
提灯と夜空の組み合わせは最強ですよね。秋田竿灯まつりでは、熟練の差し手が長い竿を十文字に構え、いくつかの提灯を帆のように吊るして掲げます。
それを差し手が上手く持つのです。そのまま提灯に火をつけて町を練り歩いていきます。見た目にはすごく簡単そうに見えますが、すごく難しいので素人では無理です。
実は、長さ12キロで重さが50キロなので、かなりの技術がないとまっすぐ持つということさえもできません。
それを体を使って、あちこちに簡単に動かしていく差し手の技術はすごいとしか言えないでしょう。かなりの熟練の技術が必要なのです。そして、提灯の数は、計46個です。
全ての差し手の竿灯の数を合わせると280本にもなるでしょう。
風を受けてしなる重たい竿灯をバランスよく手や額、肩や腰など全身で支える様子は神業とも言えるでしょう。
この差し手の技術がとても素晴らしいのです。「生えたさあ、生えたさぁ」という掛け声を張りながら五穀豊穣を願います。
ちょうど、夏休みの期間ということもあるので1度現地まで見に行ってみても良いでしょう。
大雨時行(たいうときどきにふる)の運気アップの方法は「夏を楽しむ」
大雨時行の時期は、夏の最も暑い時期の最後となります。なので、夏を思い切って楽しみましょう。
既に夏の終わりが見えている頃でもあり、少し後ろ髪をひかれるような気分になっているかもしれません。
夏が始まった頃は、長いように感じますが意外とすぐに終わってしまいます。子供の頃、夏休み前は夏休みの予定をぎっちり詰めるけど終わると一瞬だったと思うことがあったと思います。
その気持ちに近いものがあるでしょう。この時期は、昔から強い夕立が降り出すことが多かった時期でもあります。
昔の人は、そんな夕立にさえも情緒的なものを見出していたのかもしれません。だからこそ、雨が強く降る様子に何個もの名前を付けていたのでしょう。
今は、雨に名前を付けるということはほとんどないですよね。むしろ、自分の身の回りのことが名残惜しくて何か名前を付けるということはほぼなくなってきたと思います。
また、雨が降っても濡れて迷惑だと感じてしまうことの方が多いでしょう。自然の恵みと思うことができる人は何人いるでしょうか?
昔の人は雨を面倒だと思うのでなく、自然の恵みであると捉えることができていましたよね。
むしろ良いことがある兆しでさえとも言われていることもあるでしょう。でも、今は昔と違い目に見える形で発信することができるようになりました。
昔は自分のでも、その中で文学的なものが生まれたことはあるでしょうか?
きっと、美しいものを見て情緒的な感想を投稿している人もいるのだと思います。でも、それは結局のところ声が小さいのですよね。
だから、雨を文学的に表現していても少数派に陥ってしまうことも多いでしょう。でも、この季節をじっくり味わうためにも情緒的な目線で見ることを考えてみましょう。
別にSNSや現実で発信するのでなく、あなたの心の中だけでも良いのです。そういったことを考えることができるという時間が1番大切なことかもしれません。
目に見えたものをそのまま表現するだけが人生ではないと言えます。夏の終わりの雨の日にゆっくり物思いにふけてみましょう。
旬を直感的に感じるということで、夏がもっと愛おしくなるかもしれません。夏を思い切り楽しむということを意識してみましょう。
他の七十二候の意味や時期の一覧
占い師秋桜のワンポイントアドバイス「嫌なことの良い面を探して」
けど、嫌な気候だからと愚痴を言っていても何も始まらないわよね。だから、嫌なことがあるとそのことの良い面を見つけてみると良いわよ。
何でも全部が全部嫌!ってことはないわ。大雨だって、家を流すほどの雨だと問題よ。でも、自分が濡れるくらいであれば良くない?
逆に雨の音が自分の時間を作ってくれたと思うこともできるわよね。そんな日々の小さな感動を見つけてみると良いわ。
雨に濡れた方が美しい花があるくらいの世の中よ。雨だから見れる素敵な世界をせっかくだから満喫してみましょうよ。