日本には四季があり、我々日本人は季節の移り変わりをとても大切に考えてきました。
それぞれの季節がもたらす風景や恵みを、生活の中に取り入れ豊かに暮らしてきたのです。
季節を72にも分類した七十二候があることが、春夏秋冬だけでなく、さらに季節を細かく分けて、ささやかな季節の巡りを感じながら生きてきたことを示しています。
立春・冬至など1年を24に分けた二十四節気、それをさらに3つに分けた七十二候。
現代に生きる私たちが忘れがちな、季節の移ろいを今一度大切にしていきましょう。
この記事では、七十二候の第六十四候「乃東生(なつかれくさしょうず)」について、詳しい意味や時期、旬の野菜や果物、魚介類、草花や行事、運気アップの方法についてご紹介していきます。
日本ならではの季節について再認識し、豊かに暮らしていけるようになっていきましょう。
目次
乃東生(なつかれくさしょうず)の意味
乃東生(なつかれくさしょうず)とは、ウツボグサの芽が出てくる頃という意味です。
乃東生(なつかれくさしょうず)は冬至とともに始まります。
冬至は一年の中で最も昼の時間が短くなる日のことです。
ですが、冬至を過ぎてしまえば、これから先は日が伸びていきます。
この先、寒さは厳しさを増していきますが、昼の時間が長くなっていき動植物や虫たちも動き始めます。
ウツボグサが芽を出すというのも、生命の息吹を感じられる出来事です。
ウツボは夏至の頃に枯れ、冬至の頃に芽を出します。
寒さ厳しくなってくる乃東生(なつかれくさしょうず)の頃ですが、ウツボグサ以外にも芽を出す植物がいます。
それは菊の芽です。
長寿の象徴である菊から、小さな芽が出ることを冬至芽と呼んだりもします。
陰陽説においては冬至の直前で陰が強まり、冬至の日から陽が戻ってくるとされていました。
これを「一陽来復」といい、悪いことが続いたあと幸運に向かうことの意味でも使われます。
乃東生(なつかれくさしょうず)の頃には、陽が短くなり暗くなっていた気分を生命力あふれる芽が吹き飛ばしてくれるのです。
まだまだ寒さは厳しくなりますが、季節は確実に進んでいます。
小さな芽を探してそのことを実感してみましょう。
乃東生(なつかれくさしょうず)の時期は「12月22日~12月26日頃」
2021年 | 12月22日~12月25日 |
2022年 | 12月22日~12月26日 |
2023年 | 12月22日~12月26日 |
2024年 | 12月21日~12月25日 |
2025年 | 12月21日~12月25日 |
2026年 | 12月22日~12月26日 |
2027年 | |
2028年 | 12月21日~12月25日 |
2029年 | 12月21日~12月25日 |
2030年 | 12月22日~12月26日 |
冬至といえば柚子湯です。
柚子を浮かべた風呂で体を温めれば、風邪を引くことなく一年を過ごせると考えられています。
冬至はかつては一年の始まりでした。
柚子湯に浸かるのも無病息災を願うとともに、柚子の香りや薬効によって体を清めるという禊の意味もあったようです。
柚子は風呂に浮かべるだけでなく、この時期の食卓も豊かにしてくれます。
焼き魚や鍋にもよく合い、柚子胡椒として使っても大活躍です。
乃東生(なつかれくさしょうず)の頃に柚子を見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
日本人が昔から愛してきた柚子があれば、この寒い季節もいい気分で過ごせるでしょう。
「冬至、冬中、冬はじめ」ということわざがあります。
これは冬至が暦の上では冬の真ん中だけれど、実際はこれから寒さが厳しくなってくるという意味です。
まだまだ寒い時期は続きますが、昔の人のこの時期の過ごし方を学び取り入れていきましょう。
柚子湯は薄い袋に柚子を入れて風呂に浮かべれば、後始末が楽になります。
乃東生(なつかれくさしょうず)の旬の果物は「柚子」
「柚子」の基本情報
栄養 | 柚子にはクエン酸が豊富で風邪予防や疲労回復に効果的です。
カリウムやビタミンCも多く含まれています。 柚子には精油成分があり血行促進を促す効果もあります。 そのため手荒れの際は、柚子のしぼり汁を直接患部にすりこむと効果的です。 ヒリヒリと染みてしまう場合は、少量だけにしておきましょう。 |
選び方 | 柚子を選ぶ時には、きれいな円形であるかどうかを確かめてください。
皮に厚みがあるかも、触って確認しましょう。 その時、ふわふわと柔らかいものよりも、ぎゅっと締まってて重みのあるものがおすすめです。 軸の切り口が枯れていると古くなっているので避けましょう。 切り口が枯れておらずきれいなものは新鮮な証拠です。 |
保存方法 | 柚子にダメージを与えてしまうのは乾燥です。
乾燥を防ぐため柚子を保存する場合は、ラップにくるみましょう。 そして冷蔵庫の野菜室に入れればOKです。 冷凍保存をする場合は、皮の黄色い部分を薄くむいておいてください。 |
その他、お役立ち情報 | 柑橘類の中でも酸味が強く、生食よりも薬味や風味付けに利用するものを香酸柑橘類と言います。
日本には香酸柑橘類が40種ほどあります。 すだち、かぼす、柚子の3種で国内生産量の8割を占めています。 皮ごとしぼって利用することの多い柚子は、汚れをしっかり落としておきたいもの。 熱湯に30秒ほど柚子を浸けておくと、表面の汚れが浮き出てきて簡単に落とすことができます。 熱湯に浸けた後は、すぐに冷水に入れてください。 |
「柚子」の特徴
柚子の歴史は古く、飛鳥時代に朝鮮より伝わったとされています。
797年に書かれたとされる続日本紀の中でも、落ちた隕石に対して柚子くらいの大きさとの記述があります。
この時代から、柚子は大きさの例えに使われるほど身近な果物であったことが分かるでしょう。
柚子の香り成分には人をリラックスさせる効果があるため、昔から人々に愛されてきたのでしょう。
柚子は耐寒性があり、家庭でも育てることのできる果物です。
夏には青い果実をつけ、冬になるにつれどんどん黄色く色づいていきます。
トゲのある種類もあるので、家庭で育てる時には注意してください。
「柚子」のおすすめの食べ方・調理法
柚子は風味付けとして用いられることが多く、主役となることはあまりない食材です。
ここでは柚子が主役の柚子ジャムの作り方をご紹介していきます。
柚子を丁寧に洗い黒い箇所を取り除いたら、皮と実に分けましょう。
皮は2ミリ程度に細く切り、熱湯で湯通しして冷水に漬けておきます。
このまま水に浸しながら、途中で水を変えつつ一晩おいておきます。
一晩たったら水を切り、同量の砂糖と絡めておきましょう。
実の部分は種を取り除きフードプロセッサーにかけ、砂糖とともに煮ていきます。
あくを取りつつ透明になってきたら、皮を入れて煮詰めていきましょう。
このときもあくを取りながら、皮に透明感が出てきたら完成です。
出来上がったものはジャムとしてだけでなく、お湯で割れば柚子茶として楽しむこともできます。
寒い時期に自家製の柚子茶で温まりリラックスしてみてください。
またクックパッドの「柚子」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
乃東生(なつかれくさしょうず)の旬の魚介類は「まぐろ」
「まぐろ」の基本情報
栄養 | まぐろには良質なたんぱく質が含まれており、牛肉や鶏肉より含有量が多くアミノ酸スコアに優れています。
鉄分やリンなどのミネラルも多く、DHAやEPAも豊富です。 これらは人が体内では作り出すことのできない栄養素なので、食品から積極的に摂る必要があるものです。 まぐろの赤身の部分にはたんぱく質の吸収を助けるセレンというミネラルも多く含まれているため、効率的にたんぱく質を摂取することができます。 血合いの部分も栄養が豊富で、ビタミンE やタウリン、鉄などが含まれています。 ビタミンEは活性酸素の働きを抑え、動脈硬化の予防に効果的。 タウリンは肝機能を高め、鉄は貧血を予防してくれます。 |
選び方 | まぐろは鮮度よりも脂の乗り方を優先して選びましょう。
脂が差しており、赤い中にも白い濁りのあるものが美味しい証拠です。 サクで買う場合は、筋が少なく直方体のものを選びましょう。 透明感のある赤ではなく、くすんだ赤のものが脂がのっています。 刺身の状態で買う場合には、切り口が反っているものを選びましょう。 断面に太い筋のないものが美味しいまぐろです。 |
保存方法 | まぐろは獲ってすぐに冷凍されることが多いので、スーパーで売られているものは解凍品ということになります。
そのため長く保存することは考えず、当日中か翌日までには食べ切るようにしましょう。 冷凍のまぐろを買ったときには、解答方法に美味しく食べるコツがあります。 完全に解凍すると旨味まで抜けてしまうので注意が必要です。 塩分濃度3%ほどのぬるま湯を用意し、その中に凍ったまぐろを浸します。 軽く曲がる程度になったら湯から取り出し、キッチンペーパーで包みます。 その状態で冷蔵庫でゆっくりと解凍すれば、美味しさを損なわず解凍することができるでしょう。 |
その他、お役立ち情報 | 近年、増えているのが養殖のまぐろです。
稚魚や旬ではないまぐろを捕まえて、一定期間いけすで飼い脂がのったら出荷するという方法をとっています。 そして、近畿大学ではまぐろの完全養殖も進んでいます。 これはまぐろの卵をふ化させて、一から出荷できるまでに育てる技術です。 天然まぐろは減少していますが、こうした技術の発達に伴って完全養殖のまぐろが広がる日も近いでしょう。 |
「まぐろ」の特徴
まぐろにはさまざまな種類があります。
国内の食用まぐろはキハダマグロ、クロマグロ、コシナガマグロ、ビンナガマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロの6種類です。
このなかでクロマグロは魚類の王様と言われており、1尾で家が買えるほどの高級魚です。
青森県大間で一本釣りされるのがこのクロマグロで、大間のブランド力もあって高値がつきます。
クロマグロに似たミナミマグロも価格は高くなっています。
一般的に流通しているのはメバチマグロがほとんどで、冷凍ものが多いですが大変美味です。
キハダマグロやビンナガマグロはツナ缶に加工されることの多いまぐろです。
「まぐろ」のおすすめの食べ方・調理法
まぐろは冷凍したものを解凍して売っていることがほとんどなので、漬けにして食べるのがおすすめです。
まぐろの漬けを作る方法はとても簡単。
刺身の状態のまぐろを、醤油・みりん・生姜・にんにくを合わせたつゆに漬けます。
あまり漬け込みすぎると塩辛くなりすぎるので、5分程度でバットに引き上げ汁気を切っていきましょう。
漬けてすぐ食べてもいいですし、密閉容器に入れて1日寝かせても味がなじみ美味しいです。
またクックパッドの「まぐろ」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
乃東生(なつかれくさしょうず)の旬の草花は「ポインセチア」
「ポインセチア」の基本情報
学名 | Euphorbia pulcherrima |
科・属 | トウダイグサ科トウダイグサ属 |
原産国 | メキシコ・中央アメリカ |
別名 | クリスマスフラワー |
「ポインセチア」の特徴
ポインセチアは赤と緑のクリスマスカラーが印象的な植物です。
実はポインセチアは通名で、標準和名はショウジョウボクです。
日本ではちょうどクリスマスの頃に出回り、上部の葉が赤く色づき、その赤はキリストの血に例えられることも。
日本に渡ってきたのは明治時代の頃で、それから全国に広まりました。
近年では多種多様な種が生まれ、赤色以外にもたくさんの葉の色のポインセチアがあります。
「ポインセチア」の花言葉
ポインセチアの花言葉は「私の心は燃えている」「清純」です。
私の心は燃えているは、ポインセチアの燃えるように赤い色が由来です。
清純は原産国であるメキシコで先住民がポインセチアを清純のシンボルとしていたことが由来とされています。
乃東生(なつかれくさしょうず)の旬の行事は「クリスマス」
乃東生(なつかれくさしょうず)の頃の心躍る行事といえばクリスマスです。
クリスマスはもともとあった冬至を祝う風習とキリストの誕生を祝う祭りが融合したものとされています。
キリスト教ではない日本人には本来関係のないイベントと言われることも多いですが、冬至を祝うと考えれば私たちの生活にとっても無関係ではありません。
クリスマスには街がネオンで彩られ、各地できらびやかなクリスマスツリーが飾られます。
明るくなる街の様子を見ていると、なんだか気分はわくわくしてくるのではないでしょうか。
大人になればサンタクロースがプレゼントを枕元においてくれることはなくなりましたが、それでもクリスマスは特別な一日です。
クリスマスツリーを飾り、ケーキを食べて、気分を上げていきましょう。
クリスマスが過ぎれば、あっという間に新年がやってきます。
楽しいクリスマスが終わったら、次は一年の締めくくりの準備が始まります。
クリスマスを目一杯楽しんで、乃東生(なつかれくさしょうず)を楽しく過ごしましょう。
クリスマスはすっかり日本に馴染み、聖菓というクリスマスケーキを指す言葉は冬の季語ともなっています。
乃東生(なつかれくさしょうず)の運気アップの方法は「ポイントカラー」
乃東生(なつかれくさしょうず)の頃の運気をアップさせるには、ポイントカラーを取り入れていきましょう。
どこか一つだけでいいので、ビビッドカラーを入れると運気が上がります。
色は鮮やかなものであれば何色でも構いませんが、おすすめはやはりクリスマスカラーの緑と赤、そしてピンクです。
身につけるものでポイントカラーを入れるのが難しいという人は、持ち物に派手カラーを取り入れても吉。
ペンやハンカチなど気分の上がる色を取り入れてみてください。
そうすると気分が高揚し、運気も自然と上がっていきます。
明るい色を取り入れると自然とあなたの目にはマイナス要素よりもハッピーなことが飛び込みやすくなるのです。
寒い季節、マフラーや靴下などちょっとした箇所をカラフルに彩ってみてください。
他の七十二候の意味や時期の一覧
占い師 小鳥のワンポイントアドバイス「夜明け」
でもね、よく考えてちょうだい。
一番短くなるってことは、これ以降はどんどん陽が長くなっていくってことよ。
これは夜明け前の一番暗い時期を過ぎたってことね。
あとはここからは春を迎えるのを待つばかり。
寒さは増していくけれど、春の訪れを感じることも増えてくるはずよ。
年末年始とイベントも盛りだくさんなこの時期を、楽しく過ごしてちょうだいね。