
六観音は六道の衆生を救済する観音菩薩。
六観音の種類と役割、真言の唱え方、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六道との関係をわかりやすく解説します。
目次
六観音とは
六観音(ろっかんのん)は、仏教における「六道輪廻」の衆生を救済するために、それぞれ異なる姿を現した観音菩薩の総称です。
六道とは、人間が生まれ変わりの中で迷い苦しむ六つの世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天)のこと。六観音はそれぞれの道に対応して衆生を救うとされています。
六道とは?
地獄道(じごくどう)
怒りや憎しみで苦しむ世界。炎や責め苦に満ち、もっとも苦しみの深い道。
餓鬼道(がきどう)
飢えと渇きに苦しむ世界。欲望が尽きることなく満たされない存在が迷う道。
畜生道(ちくしょうどう)
無知や愚かさによって苦しみ、弱肉強食の争いに生きる動物的な世界。
修羅道(しゅらどう)
争いや嫉妬、怒りに支配された戦いの世界。勝ち負けへの執着が苦しみを生む。
人間道(にんげんどう)
喜びと苦しみが交錯する世界。修行と悟りへの可能性を持つバランスのとれた道。
天道(てんどう)
楽しみや快楽に恵まれた世界。しかし永遠ではなく、やがて衰退が訪れる。
H六観音と六道の対応・真言
聖観音(しょうかんのん)【人間道を救う】
慈悲の基本形である観音。人々の日常の苦しみを和らげる。
対応:人間道
真言:オン・アロリキャ・ソワカ
👇詳しくはこちら:聖観音とは?真言とご利益👇
千手観音(せんじゅかんのん)【天道を救う】
千の手と眼であらゆる苦しみを救済する大悲の観音。
対応:天道
真言:オン・バザラ・タラマ・キリク
👇詳しくはこちら:千手観音とは?真言とご利益👇
馬頭観音(ばとうかんのん)【畜生道を救う】
憤怒の相を持ち、煩悩や愚かさを打ち砕き動物的本能を超える力を授ける。
対応:畜生道
真言:オン・アミリト・ドハンバ・ウン・パッタ・ソワカ
👇詳しくはこちら:馬頭観音とは?真言とご利益👇
十一面観音(じゅういちめんかんのん)【修羅道を救う】
十一の顔であらゆる方向を見渡し、争いと怒りに苦しむ者を救う観音。
対応:修羅道
真言:オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ
👇 詳しくはこちら:十一面観音とは?真言とご利益👇
准胝観音(じゅんでいかんのん/不空羂索観音の場合もあり)【餓鬼道を救う】
十八臂を持ち、無尽の智慧と救済力で飢えや渇きに苦しむ衆生を救う。
対応:餓鬼道
真言:オン・シャレイ・ソレイ・ソンデイ・ソワカ
👇詳しくはこちら:准胝観音(不空羂索観音)とは?真言とご利益👇
如意輪観音(にょいりんかんのん)【地獄道を救う】
如意宝珠と法輪を持ち、地獄の苦しみを転じて福徳を与える観音。
対応:地獄道
真言:オン・ハンドマ・シンダ・マニ・ジンバラ・ウン
👇詳しくはこちら:如意輪観音とは?真言とご利益👇
六観音信仰の意味
六観音は、六道それぞれの苦しみを和らげ、人々を悟りの道へ導く存在です。
真言を唱えることや、対応する観音を祀る寺院で祈ることで、迷いや苦しみから解放され、魂の成長や救済につながると考えられています。
まとめ
六観音は、六道輪廻に迷う人々をそれぞれ異なる形で救済する観音菩薩です。
六道を学び、それに対応する観音へ祈りを捧げることで、日常の悩みや苦しみが和らぎ、より豊かに生きる智慧を得ることができます。