
“先祖供養”という言葉を聞くと、何となく“お寺できちんとやってもらうもの”というイメージが大きい人は多いことと思います。
しかし、先祖供養で何よりも大切なのは“いかに正しい方法でやってもらうか”ではなく、“ご先祖様を大切に思う気持ち”なのです。
そのため、決してお寺でやってもらうだけでなく、自分でできる方法はいくらでもあります。
そこで今回は、自分でできる先祖供養の方法について詳しく紹介していきたいと思います。
目次
先祖供養は自分でできる!大切なのは先祖を思う気持ち
先祖供養をしたいと思っていても、お寺でお願いすればそこそこ高額なお金がかかるかもしれない…とか、家族みんなで集まるのがスケジュール的に厳しいかもしれない…などといった悩みが生じることもあるでしょう。
しかし、実際には決してお寺でお願いするだけが先祖供養の正しい方法というわけではなく、自分でできる方法でもまったく問題ないのです。
自分で行う先祖供養の方法であれば、大々的に行うものではないので、家族のスケジュールを調整する必要もなければ、極力お金をかけずに行うことだってできます。
大切なのは先祖を敬う気持ちや大切に思う気持ちです。
もちろん、代々伝わっている先祖供養の方法があったり、仏壇にお供えするものが決まっていたり、拝み方が決まっていたりするのであれば、それを自分で行うようにすればよいでしょう。
先祖供養をすることで得られる効果についてはこちらで詳しく紹介しています。
自分でできる先祖供養のやり方~お仏壇がある場合~
自宅にお仏壇があれば、そこで先祖供養を行うことはできます。
朝起きてお水やお茶を供えたり、日にちを変えたりといったことをするのも、先祖供養のひとつです。
ここでは、日常的に行っていることも含め、どのようなことが先祖供養になるのかについて紹介していきましょう。
仏壇や位牌に手を合わせる
自宅にお仏壇があったり、そのお仏壇の中にご先祖様の位牌が置かれていたりすることもあるでしょう。
位牌というのは、ご先祖様の魂が込められているものであり、ご先祖様の霊魂が宿る仮宿といった概念があるものです。
そして、その位牌が置かれているお仏壇というのはそれぞれの家庭で信仰する宗派のご本尊様を祀ると同時に、ご先祖様の霊魂を祀っている、簡易的なお寺のようなものだと考えることができます。
そのお仏壇に手を合わせるということは、日々お寺にお参りしていることと同じだといえるでしょう。
「今日も一日家族が平和に健康に過ごせますように」「今日も見守っていてください」とご先祖様に心の中ででも声をかけることも、先祖供養になるのです。
基本のお供え物をする
お仏壇があるなら、日々基本のお供えものを供えることも先祖供養に繋がります。
基本のお供えというのは、以下のものです。
- お香・お線香
- お花
- 灯燭
- 水・お茶
- ご飯
お線香は先祖供養をしようとしている人や、その空間を清めて浄化する効果を持っています。
お花はご先祖様というよりは一緒に祀られているご本尊様にお供えしているものという意味合いが強く、仏様からの“花のように清らかな心を保ち続けなさい”という教えを自らが花を供えることで忘れずにするという意味があるのです。
ロウソクなどの灯燭に関しては、お参りする人の心を明るく照らし、闇や煩悩を明確にし、取り除いてもらうために供えます。
水やお茶、ご飯にもそれぞれ意味があり、死者は喉が渇くと古くからいわれていることから水やお茶を供えることは絶対とされてきているのと、ご飯を供えることで満足に生活できていることをご先祖様に感謝する気持ちを表しています。
また、水には浄化の作用が、ご飯にはご先祖様との繋がりを深くする役割があるといわれているので、先祖供養の際だけでなく日々忘れずにお供えするようにしましょう。
お供え物は後で頂く
お仏壇に、ご先祖様が生前好きだったものをお供えしているという人もいるでしょう。
では、ご先祖様が好きだったものをお供えする際には、どのようにしてお供えしているでしょうか?
買ってきたお菓子などを箱のまま、果物をそのままお供えしていませんか?
実は、それは正しい方法ではありません。
“そのまま食べられる状態”にしてお供えするのが正しい作法なのです。
ご先祖様はお供えされたものを食べることはできません。
そのため、お供えして手を合わせた後には必ずお供えしたものを食べるようにしてください。
先祖供養をすることでご先祖様と自身が繋がることができるため、そこであなた自身がお供えしたものを味わうことで、ご先祖様もあなたを通して供えられたものを味わうことができるようになるのです。
こまめに手入れしてきれいに保つ
お仏壇はご先祖様と繋がるための大切な場所。
だからこそ、日々きれいに維持することを意識して、こまめに掃除をすることを心がけましょう。
お仏壇をきれいに清潔に維持すること自体も、大切な先祖供養の方法のひとつとなるのです。
お仏壇は仏様の居場所であり、ご先祖様がいる場所。
埃が溜まりやすかったり、線香から落ちた灰などで汚れやすかったりするので、常に掃除をし、清潔さを維持しましょう。
お経を読む
先祖供養と聞くと、お経をあげるイメージを持っている人も少なくないでしょう。
お経を読むのには、ご先祖様が無事にあの世へ行けるように、安らかに眠ることができるようにという祈りを込める意味があると同時に、仏様にご先祖様のことを託す意味もあるといわれています。
お仏壇があるならお寺でお坊さんにお経をあげてもらわずとも、自分でお経を読むことで先祖供養となりますが、その際には作法も大切です。
合掌の姿勢で体を45度ほど前に倒してお経をあげることで、仏様を信じる気持ち、ご先祖様を大切に思っている気持ちを表すことができます。
自分でできる先祖供養のやり方~お仏壇がない場合~
最近では自宅に仏壇がない家というのも決して珍しくなくなっています。
そのようなお仏壇がない家でも、先祖供養を行うことは可能です。
ここでは、自宅に仏壇がない場合の自宅で簡単にできる先祖供養の方法について紹介していきましょう。
写真を飾って手を合わせる
ご先祖様の写っている写真を飾り、そこに手を合わせるだけでも、先祖供養になります。
写真だけでなく、ご先祖様が生前愛用していた遺品などを一緒に飾ってあげるのもよいでしょう。
仏壇がなくても、位牌がなくても、写真や遺品が飾ってあるところがご先祖様の霊魂の仮宿とすることもできるため、先祖供養は仏壇がなくても問題はないのです。
写真や遺品を飾り、そこに手を合わせるようにしたり、写真の前でお経を読んだりすることで先祖供養ができます。
故人の遺品は片づける
先祖供養のひとつに“片付け”があります。
亡くなった人の持ち物には、その人の念が少なからず込められています。
大切にしていたもの、長い期間使っていたものであれば、よりその思いは強くなります。
残された家族からすれば、大切な人が使っていた物を捨てたり処分するのはなかなか気が進まないかもしれません。
しかし、それをいつまでもそのままにしてしまうとご先祖様がこの世に未練を残したままとなってしまうため、先祖供養の観点からいえば決して正しい行動ではないのです。
もちろん、大切にしていたものを形見としてもらったり、写真と一緒に飾ったりするものもあるでしょうから、すべてを処分する必要はありませんが、片づけてあげることも供養のひとつとなることを覚えておきましょう。
故人に思いを馳せる
ご先祖様の生前の思い出を家族で語りあうことや、ご先祖様と一緒に行った場所へ足を運んで思い出をかみしめてみることも、ひとつの先祖供養の形です。
大切に思う気持ちと同時に、常にご先祖様を忘れないことというのは、ご先祖様と自分の絆を常に維持するために必要なこととなります。
また、ご先祖様が好きだったことを、自身がなぞるようにやってみることでも、先祖供養になるといわれています。
ご先祖様が好きだったものを語り継いでいくことで、自分とご先祖様との絆だけでなく、自分の子供、孫へと絆を紡いでいくことができるのです。
ご先祖様に感謝する
先祖供養は決して何か行動を起こすことが必要になるものではありません。
仏壇がなくても、目に見える形で何かを用意していなくても、行動をしていなくても、感謝の気持ちを持つことが先祖供養にもなるのです。
常にご先祖様に感謝の気持ちを持ち、ご先祖様がいたからこそ自分が存在していること、ご先祖様が紡いでくれた歴史のおかげで自分が何不自由なく暮らすことができていることなどへの感謝を日々胸に抱き、頻繁にそれを思い出し、その都度“ありがとうございます”と心の中で呟くだけでも、立派な先祖供養になるでしょう。
家族仲良く幸せに過ごす
ご先祖様が願うのは自分の大切な家族が長く幸せに過ごしてくれること。
子孫の幸せを祈っているご先祖様からすれば、家族が何ごともなく日々を平和に、幸せに、そして何より家族仲良く過ごしていってくれることが何よりも嬉しいことなのです。
先祖供養といって何かを特別にすることがなくても、あなたが自分の家族を大切にし、家族丸ごと仲良く過ごすことができていれば、それだけでも十分に先祖供養になっていると考えることができるでしょう。
自分でできる先祖供養のやり方~その他の方法~
お寺にお願いすることなく、仏壇の有無も関係なく、自分でできる先祖供養の方法に関しては、他にもあります。
ここではお墓参りに行く方法や、手元供養の方法について説明していきたいと思います。
お墓参りに行く
お墓参りに行くことも立派な先祖供養の方法となります。
自宅にお仏壇がなくてもお墓があるというのであれば、お墓参りに行ってみましょう。
あまり遠くにあるとなかなか行く機会がない場合もあるかもしれませんが、遠いところでもちゃんとお参りに行こうという気持ちを持つことも、ご先祖様を大切に思う気持ちの表れととらえることができます。
お墓参りに行く際には、お水やお花を供えることも大切ですし、ご先祖様の好きなものをお供えし、帰りにそれをもらって帰り、ご先祖様と一緒に食べているイメージでいただくと良いでしょう。
自宅で手元供養をする
先祖供養の場所にとらわれない方法として挙げられるのが“手元供養”です。
手元供養とは⇒故人の遺骨の一部や全部を自宅などの身近な場所で保管すること。近年では増えている先祖供養の方法。
大きな仏壇を設置する家が減っている昨今、分骨をしてバラバラに暮らしている家族みんなでご先祖様の遺骨を自宅で管理するような場合も、決して少なくありませんし、ご先祖様の遺骨をペンダントやキーホルダーなどに分けてもらい、身に着けることで先祖供養を行う人も増えているようです。
家にお仏壇を置くスペースがない、本家のお墓が遠くてなかなか行くことができないなどといった人は、手元供養において先祖供養を行うという方法をとっても良いでしょう。
自分でできる先祖供養~仏教以外の方法~
仏教以外を信仰している家庭では、どのようにして先祖供養を行うのでしょうか?
ここでは仏教以外を信仰している人が自分でできる先祖供養の方法について紹介していきたいと思います。
神道の先祖供養
亡くなった人は神様になるという考えを持っている“神道”を信仰している家では、ご先祖様はその家を守る神様であると考えられています。
位牌などは置かずに、神棚に手を合わせる場合や、仏壇の代わりとなる祖霊舎を拝むなどといった方法がありますが、神社をお参りするときと同じ、“二礼・二拍手・一礼”の方法で拝むことが基本とされており、これを自宅で行うことでも先祖供養となります。
米・塩・水・酒・榊をお供えすることを心がけて、榊に関しては毎月1日と15日に取り換えることを心がけましょう。
祖霊舎がない場合には、写真や遺品などを祖霊舎と同じ扱いとして、お供えものをするとよいでしょう。
キリスト教の先祖供養
キリスト教では、仏教や神道と違い、“死”は神様の元へ帰る喜ばしいことであると考えられているため、もともと“供養する”という概念が存在しません。
そのため、先祖供養というものはキリスト教には存在しないと考えることができるのです。
ただ、教会で祈りを捧げるイメージを持っている人は多いことでしょう。
それが仏教や神道でいうところの先祖供養であり、神様と亡くなった先祖の魂を敬う気持ちを祈り捧げているのです。
供養するというよりも強い感謝の気持ちを捧げていると捉えると良いでしょう。
朝起きた時、食事をする前、寝る前など日々さまざまなタイミングで先祖と神様に対する感謝の気持ちを捧げるのです。
占い師CRISSのワンポイントアドバイス「心を込めて先祖供養をしよう」

大切なのはあなたがいかにご先祖様を大切に感じているか、そして常にご先祖様との絆を大切にしているのかというところにあるの。
だから、ここで紹介したさまざまな先祖供養の方法っていうのは、あくまでひとつの“アイデア”として受け取ってもらえればいいかもしれないわね。
あなたとご先祖様の絆が深まる、オリジナルな方法で先祖供養をし、あなたの愛情や感謝の気持ちをご先祖様に伝えるようにしてね。
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