二十四節気は、季節を表す言葉であり、約半月ごとの期間で区切られています。
現在でも「春分」や「秋分」、「夏至」や「冬至」など多くの人に知られている節気もありますが、あまり知られていない節気も数多くあるのです。
ここでは、二十四節気の5番目に当たる「清明」について、意味や時期・その時期の旬の野菜や魚介類や草花・スピリチュアル的な解釈、時候の挨拶まで余すところなくご紹介していきます。
現在でもカレンダーには二十四節気が載っているものが多くありますが、その中でも「清明」というものは、あまりなじみのない節気の一つといえるもの。
「清明」の七十二候は、初候が第十三候である「玄鳥至(つばめきたる)」、次候が第十四候である「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」、末候が第十五候である「虹始見(にじはじめてあらわる)」です。
春が訪れ、花が咲き始めたり、人々も新しい環境へと移り変わっていくといえる季節。
二十四節気というものを知って、季節の変化を感じるキッカケにしてみてください。
目次
清明 (せいめい)の意味や由来
「清明」という節気は、「すべてのものが清らかで、生き生きとし始める頃」という意味になります。
「清明」というのは「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉の略なのです。
春が訪れ、空は澄み渡り、キレイな青空が広がります。
「清明」の「清」の字が表しているように、清々しさを感じることの出来る気候になるのです。
木々には若葉が芽吹き始め、あちこちでカラフルな花が咲き始め、冬の寂し気な雰囲気から、街に彩りと、春の明るさが戻ってくる季節になります。
ツバメが南から日本に渡って来るのと入れ替わりに、雁が北へと帰るために日本を離れていったり、雨が多く、春を告げる雷が鳴ったり、雨が降るごとに暖かくなっていく、三寒四温の季節でもあるのです。
雨上がりには空に、虹を見ることも出来るようになります。
桜前線が日本を横断していきますので、徐々に桜が満開になり、桜の木の下でお花見を楽しむ人が増えるなど、みんなウキウキとし始める季節ともいえるのです。
現代ではこの時期にあることといえば、入学式の時期でもありますし、就職や異動など新しい環境に身を置く人も多く、「がんばろう!」という気持ちを新たにするなど、期待や夢や希望を持ってスタートを切る人も少なくありません。
そういった意味では、なにも自然界のみならず、私たちもすがすがしい気持ちになったり、生き生きとし始める時期でもあるのです。
清明 (せいめい)の時期は「4月5日頃」
2022年 | 4月5日(火曜日) |
2023年 | 4月5日(水曜日) |
2024年 | 4月4日(木曜日) |
2025年 | 4月4日(金曜日) |
2026年 | 4月4日(日曜日) |
2027年 | 4月5日(月曜日) |
2028年 | 4月4日(火曜日) |
2029年 | 4月4日(水曜日) |
2030年 | 4月5日(金曜日) |
2031年 | 4月5日(土曜日) |
二十四節気はもともと中国から入ってきた暦ですが、「清明」という時期は、中華圏の人々にとっては、大切な祝日の一つとされている、「清明節(せいめいせつ)」ともいわれているものです。
この「清明節(せいめいせつ)」といわれているものは、別名を「掃墓節(そうぼせつ)」ともいわれ、日本でいうところの「お盆」と同じようなもので、お墓参りに出かけて、お墓の掃除をしたりするという行事があります。
日本ではお墓参りといえばお盆や、お彼岸といった時に出かけるのが一般的なこととされているのですが、この中華圏の「清明節(せいめいせつ)」の風習が残っているのが、沖縄県なのです。
沖縄には「清明祭(シーミー)」と呼ばれるものがあり、これは沖縄の人にとってはお正月やお盆と並ぶ、一年の三大行事の一つ。
「清明祭(シーミー)」というのは、「清明」という時期に移り変わった、この時期に親戚がお墓に集まって、ご先祖様の供養をするのです。
ご先祖様の供養といっても、この「清明祭(シーミー)」はお祝い事とされていますので、「ご先祖様と一緒にお祝いをしましょう」というもの。
ご先祖様のお墓には、お線香やお花だけではなく、お酒や料理を重箱に詰めたものを一緒にお供えします。
お祝い事なので、重箱に詰める料理は、赤かまぼこなどを使った、慶事用の料理。
一般的な沖縄のお墓には、この「清明祭(シーミー)」のために、お墓の前に広めのスペースが作ってあるのです。
そのスペースで、お供えをした後に、みんなでお供え物を食べるというのが、この「清明祭(シーミー)」の特徴でもあります。
またこの時期に吹く南東からの風を「清明風」と呼ぶのです。
春の訪れを感じさせてくれる、穏やかな風で、冬の寒さが身に染みる冷たい北風とは、別れを告げる時期だと教えてくれる風でもあります。
緑が増え、色とりどりの花が咲き、穏やかな風に吹かれながら、散歩がしたくなる気持ちにもなるといえるものです。
清明 (せいめい)のスピリチュアル的な解釈
「清明」の時期といえば、春を感じることも多くなってきて、陽射しも暖かくなってきます。
雨が降るごとに、一歩一歩春へと近づいていることが、実感できる人も多いといえるのです。
とはいえ、まだ寒さを感じる日も多くあり、雨が降ると体感気温が低くなったり、日中は暖かくても、朝晩は冷え込みが強かったりと、まだまだ油断をしていては風邪を引いてしまうことも少なくありません。
その時の気温に合わせて服を選んだり、気温が下がること、上がることを想定して準備をしておく、などといったことも必要です。
このようなことから、臨機応変な切り替えを求められているということが出来ます。
何でも予想通りに物事が進んでいくばかりではありません。
予想を立てて計画をすることは大切ですが、それだけでは、成功を掴むことは難しいものです。
予想も一つだけでなく、「こんなことが起こるかもしれない…」「こういった意味にも捉えることが出来る…」など、同じ事柄でも見方を変えるだけでさまざまなことが予測できます。
特に人が関わっていることは、人の数だけ考え方もありますし、自分の思い通りにならないことは、多々あるのです。
そんな状況に陥った時に、どうするか、ということ。
大筋の計画を立てておいても、別案を考えて準備をしておくことができていれば、すぐに切り替えることが出来ます。
いくら準備ができていても、全く予想していなかったことが起こった時には、その場で考えて柔軟に変更していくことが求められるのです。
新しい環境に移っていく人も多い時期ですので、新しい人とイチから関係を築いていかなければいけません。
環境や人に慣れるまでは、どんなことが起こるか想像しきれないこともありますので、視野を広く持っておくことが大切。
その場の状況を見極めて、判断をしていきましょう。
清明 (せいめい)の旬の野菜は「じゃがいも」
「じゃがいも」の基本情報
栄養 | ・ビタミンC:風邪の予防・疲労回復・肌荒れの改善に効果があります。
・カリウム:体内の塩分の排出を促す役割があります。 高血圧の改善にも効果的です。 |
選び方 | 芽が出始めていないか、皮が緑色をしていないかをチェックしましょう。
固いもので、柔らかくなったものは避けてください。 新じゃがいもの場合は、触った時に皮が薄いものを選びます。 じゃがいもの品種の違いで、向いている料理とそうでない料理がありますので、何に使うかによって品種を決めましょう。 |
保存方法 | 暗い場所で風通しの良い場所に保管しましょう。
夏場は、冷蔵庫での保存がおすすめです。 その場合は、新聞紙などでくるんでから袋に入れてから冷蔵庫に保存しましょう。 |
その他、お役立ち情報 | ・ジャガイモの芽や緑色の皮の部分には、PGA(ポテトグリコアルカロイド)という有毒物質が含まれていて、一定量以上を摂取してしまうと、頭痛や吐き気、腹痛を引き起こします。
重症化してしまうと、脳浮腫を起こしたり、最悪の場合死に至ることもあるのです。 |
「じゃがいも」の特徴
じゃがいもには大きく分けて、「メークイン」という品種と「男爵イモ」という品種がありますが、作る料理によって、向き不向きがあります。
「メークイン」は粘りがあるので、煮崩れしにくいという特徴があり、煮物を作る時に最適。
「男爵イモ」はホクホクしていて、煮崩れしやすいので、崩して料理をするポテトサラダや粉フキ芋に向いています。
じゃがいもは植えてから3カ月から4カ月ほどで収穫できるようになり、比較的どこでも育ちやすく、保存も利くため一年を通して安定した流通があるのです。
流通しているものは、ほとんどが北海道産ですが、最近では品種改良が進んでいて、多くの品種が出てきています。
「じゃがいも」のおすすめの食べ方・調理法
じゃがいもは世界的に、よく使われている野菜の一つで、国によってはメイン料理としてもたくさんの料理があります。
フライドポテトやじゃがバター、粉フキ芋などにして付け合わせにしてもいいですし、ポテトサラダやマッシュポテトもおすすめです。
パスタの代わりにニョッキを作っても、もちもちしていて食感が楽しめます。
おやつ代わりに芋餅や、芋団子を作っても、腹持ちが良く、お子様にも喜ばれる一品に。
メイン料理としては、コロッケやグラタン、煮物など幅広く活用できます。
またクックパッドの「じゃがいも」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
清明 (せいめい)の旬の魚介類は「カサゴ」
「カサゴ」の基本情報
栄養 | ・動物性たんぱく質:脂肪分が少なく、良質な動物性たんぱく質を多く含んでいます。 |
選び方 | 目が澄んでいるもの、エラの中がきれいな赤色をしているものが新鮮です。
身にハリがあって、硬めのもので、持ち上げた時に形が変わらないものというのも、新鮮な証拠。 柔らかかったり、持ち上げた時に曲がってしまうものは避けましょう。 |
保存方法 | 冷凍するときには下処理をしていないものを、水を張った容器に入れて冷凍するか、ラップで隙間なく包んで袋に入れて冷凍する。
切り身の場合もラップで包んで冷凍しましょう。 |
その他、お役立ち情報 | ・年々水揚げ量が減っていて、今では高級魚として扱われています。 |
「カサゴ」の特徴
カサゴの一番の特徴は、その姿です。
トゲがたくさんついているので、昔は勇ましさを感じられるとして武家に好まれていた魚で、縁起のいい魚として親しまれてきました。
色は赤や茶色、黒っぽいもので、海の深いところにいるもの程赤みが強く、浅いところのものは茶色や黒っぽいものが多いといえます。
背びれには白い斑点模様が、4つから5つついているのも特徴の一つ。
漁獲量が減ってきて、高価になってきたカサゴですが、水揚げ自体は一年を通してありますので、旬の冬から初春以外でも、おいしく食べることが出来る魚です。
釣りでも、海に出なくても釣れる魚ということから、人気のある魚だといえます。
「カサゴ」のおすすめの食べ方・調理法
カサゴの特徴でもあるトゲに気をつけながら、ウロコの処理をしたり、捌かなければいけません。
鮮度の良いものが手に入ったのなら、お刺身が一番。
皮を少し炙った焼き造りもおいしいです。
煮付けは薄味で仕上げるのが、ポイント。
カサゴは上品な味わいをしているので、薄味に仕上げるとおいしくいただけます。
小さめのカサゴであれば、丸ごと唐揚げにして食べるととても美味。
見た目も華やかに仕上がるので、目と舌で味わえます。
ただ骨は固いので食べる時には気をつけてください。
アラからはいい出汁が取れますので、鍋にしたり、汁物にしてもいいものです。
もちろん塩焼きやポアレにしても、シンプルにおいしいといえます。
またクックパッドの「カサゴ」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
清明 (せいめい)の旬の草花は「ミズバショウ」
「ミズバショウ」の基本情報
学名 | Lysichiton camtschatcensis |
科・属 | サトイモ科・ミズバショウ属 |
原産国 | 日本北部・東アジア北部 |
別名 | 牛の舌(ベコノシタ) |
「ミズバショウ」の特徴
ミズバショウは、多年草です。
その花はカラーに似ていて、自生している場所は湿地や沼地といったところ。
ミズバショウの花は白いと部分だと思われていますが、これは葉が変化したもので、「仏炎苞(ぶつえんぼう)」と呼ばれるものです。
スパティフィラムやアンスリウムなどにも、同じものがあります。
ではミズバショウの本当の花はどこかというと、中央にある、黄色の円柱状の部分なのです。
パッと見ヤングコーンのように見えて、花だとは思えません。
またこの花の部分を触ってしまうと、かぶれることがありますので、気をつけてください。
ミズバショウは独特な香りですが、いい香りとはいえないので、近づいて香りを嗅ごうとはしない方がいいです。
「ミズバショウ」の花言葉
ミズバショウの花言葉は、「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」です。
「美しい思い出」という花言葉の由来は、ミズバショウの花で有名どころの尾瀬にちなんでいます。
尾瀬の情景を歌っている「夏の思い出」という名曲からきているのです。
清明 (せいめい)の七十二候
清明 (せいめい)の初候「玄鳥至(つばめきたる)」
清明 (せいめい)の次候「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」
清明 (せいめい)の末候「虹始見(にじはじめてあらわる)」
他の二十四節気の意味や時期の一覧
占い師 RINのワンポイントアドバイス「気持ちを新たに生き生きと過ごしましょう。」
冬一色だった街の景色に、緑が見えるようになり、赤や黄色、ピンクなどといった花が咲き始め、南からはツバメがやって来る。
雁は北へと帰って行き、雨が降るごとに暖かくなり、空には雨上がりに虹がかかる。
そんな季節の移り変わりを目で、身体で感じることが出来る節目でもある、「清明」です。
私たちも新しい出会いに恵まれ、心機一転、気持ちを新たにすることが出来ると同時に、慣れない環境や人間関係にたくさんのエネルギーを使うことになる時。
思い通りに進まないことも、たくさん出てきますが、どう乗り越えていくのか考えたり、思いを巡らせながら進んで行かなければいけません。
毎年自分の成長を感じることが、出来るようにもなっているかもしれない、そんな楽しみを感じることが出来るようになればうれしいものです。
そういった気持ちの面では、期待や希望にあふれ、「清明」の時期らしい感情を抱き、あまり知られていない「清明」ですが、そのものだといえるのです。