季節の暦の読み方に七十二候というものがあります。
日本の風土や気候に合わせた暦なので季節の旬を感じることができるでしょう。
その七十二候の中の蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)蚕が素晴らしい絹糸を生み出すために桑をたっぷり食べる時期です。
もりもり桑を食べる蚕のように人間もどんどん知識を蓄えることができる時期でもあります。
目次
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の意味
蚕起食桑は、字の通り蚕が桑の葉をたっぷり食べて育つ頃です。美しい絹糸となる繭を小さな体で紡いでいくのでたっぷり食べてもらわないといけませんね。
この時期は、4度目の眠りから目覚めた時にたっぷりと桑の葉を最もたくさん食べるタイミングとなります。
その時期は、大桑と呼ばれています。現代の日本では養蚕業はかなりすたれていますが、戦前の日本ではかなり盛んだった産業です。
なので、蚕の餌となる桑の畑もたくさん広がっていました。蚕は美しい糸を吐き、その意図が美しい絹糸を作りシルクの生地も生み出します。
シルクの生地は、手触りや保温性なども高く肌にも良いと言われています。特にパジャマをシルク生地にするということも進められているでしょう。
ただし、シルクは紫外線に弱いので直射日光で洗濯をすると劣化してしまうので注意してください。
手洗いをした上で日陰干しにするのが良いでしょう。
養蚕業と言えば、今では皇后さまのお仕事が真っ先に思い浮かぶ人の方が多いかもしれません。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の時期は「5月21日~5月25日頃」
2021年 | 5月21日~4月25日 |
2022年 | 5月21日~4月25日 |
2023年 | 5月21日~4月25日 |
2024年 | 5月20日~4月25日 |
2025年 | 5月21日~4月25日 |
2026年 | 5月21日~4月25日 |
2027年 | 5月21日~4月25日 |
2028年 | 5月20日~4月25日 |
2029年 | 5月21日~4月25日 |
2030年 | 5月21日~4月25日 |
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の時期にあたる旧暦の4月には、木の葉取り月という別名があります。
蚕の餌になる桑の葉っぱを摘む頃という意味もあるのです。たくさん食べて、眠って、脱皮をするということを繰り返す時期でもあります。
蚕の語源は、飼い蚕です。その呼び名のとおり、古くから蚕は人間に飼われてきました。犬や猫のように可愛いわけでもないから不思議ですよね。
実は、蚕はガの仲間の昆虫なのです。でも、空を飛ぶこともできず自分の力で生きていくことができないのです。
そんな蚕をお蚕さまと呼び、日本人には大切に扱ってきました。今でも皇后さまが育てられていたりと特別扱いですよね。
白く柔らかい見た目は神聖なものそのものです。この時期は蚕の餌となる桑が青々とした葉をつけます。
蚕は桑の葉を音を立てながらむしゃむしゃと食べ、太ることで美しい絹糸を吐き出すこともできるのです。
この季節で最も輝いているのは蚕かもしれませんね。でも、人もその輝きに負けていないはずです。
また、この時期は小満とよばれる時期になります。小満とは、いのちが次第に満ちていくころのことです。
草花や生き物が太陽の下で輝く時期です。それは、人間も同じなのです。輝く太陽の下で堂々と過ごす時期でもあるでしょう。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の旬の野菜は「ソラマメ」
「ソラマメ」の基本情報
栄養 | ソラマメは、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などが含まれています。 |
選び方 | 緑色が鮮やかで弾力のあるさやを持つものがおすすめです。ソラマメの豆は空気に触れるとすぐに堅くなってしまいます。なので、空気が少なくパンパンに中身が詰まっているものを選びましょう。 |
保存方法 | ソラマメは茹でてから冷凍するのがおすすめです。たっぷりの湯をわかし、塩と酒を加えて炊きましょう。酒を加えることで臭みを取ることができるはずです。茹ですぎると柔らかくなるので固めにしておくのがおすすめです。 |
その他、お役立ち情報 | ソラマメには、レシチンと呼ばれる血栓を予防する成分も含まれています。ただし、水溶性の成分になっておりきゅうりや冬瓜と合わせて食べると排出されてしまうので注意しましょう。 |
「ソラマメ」の特徴
ソラマメは、皮に食物繊維が多く皮ごと食べることができます。皮は繊維質が多いということもあり、スープなどで食べるのがおすすめです。また、収穫した瞬間から栄養価が落ちていくのでなるべく早く食べるようにしましょう。すぐに食べるのが難しい場合は先に茹でて冷凍保存をしておく方が良いかもしれません。
「ソラマメ」のおすすめの食べ方・調理法
ソラマメは、ゆでたりスープにしたりと色々な方法で調理することができる食材となっています。香川県の郷土料理のしょうゆ豆は、ソラマメを香ばしく炒ってから醤油で甘辛く煮たものですごくご飯が進みます。煮豆とは少し食感が違うので試しに作ってみても良いでしょう。ほかには、オーソドックスにスープにすれば栄養をたっぷり取ることができます。
またクックパッドの「ソラマメ」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の旬の魚介類は「キス」
「キス」の基本情報
栄養 | キスにはタンパク質、ビタミンA、カルシウム、ビタミンB1が含まれています。 |
選び方 | 光沢が強く、赤みが強い魚を選ぶようにしてください。もちろん、目が濁っていないものを選びましょう。 |
保存方法 | キスと言えば、フライですよね。なので、フライの下ごしらえをしてからの冷凍保存がおすすめです。開いてから塩コショウで下味などを付けます。その後に小麦粉、溶き卵、パン粉の順番で衣をつけていきましょう。この状態であれば市販のフライと同じような状態になっているのですぐに揚げることができます。 |
その他、お役立ち情報 | キスは日本人の好きな魚の1つです。元々は高級な白身魚として知られていましたが、最近では国内産だけでなく輸入物も増えてきたので比較的安価に手に取ることができるようになっています。 |
「キス」の特徴
キスは、晩春から夏にかけて旬を迎える魚です。産卵期は、初夏から秋口ですがその時期だけ少し味が落ち秋になると再び美味しさが戻ります。また、寒いときは味が落ちるので暑い夏に味わう方が良いと言えるでしょう。関東では鮮魚も冷凍も多く入荷されていますが、価格は鮮魚の方が高いです。
「キス」のおすすめの食べ方・調理法
キスと言えば、フライや天ぷらにして食べたいと思う方が多いですよね。確かに淡泊であっさりしているからこそ、フライで食べると美味しいです。ほかには、お吸い物に入れて食べる方法が主流になっているでしょう。3枚におろして、炙りにすると皮のうまみも桑合って美味しいです。
またクックパッドの「キス」に関連するレシピも参考になるので是非ご覧ください。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の旬の草花は「虞美人草」
「虞美人草」の基本情報
学名 | ヒナゲシ |
科・属 | ケシ科 |
原産国 | ヨーロッパ中部 |
別名 | ポピー |
「虞美人草」の特徴
虞美人草は、たくさん名前を持つ花です。ポピー、ヒナゲシ、虞美人草のどれかの名前であれば聞いたことも多いかもしれません。
元々、ヨーロッパ中部が原産の花なので名前よりも西洋的な雰囲気を持つ花ですよね。赤くて可愛い花は見ているだけで優しい気持ちになることができるでしょう。
種をまく時期が9月から10月の夏の終わりごろになります。直まきをするタイプなので育ってきたら間引きをした方が良いでしょう。
植える場所は排水の良い土がおすすめです。虞美人草はそんなたくさんの名前を持つ花ですが、中でも虞美人草は中国に由来があります。虞美人とは中国の項羽の愛姫です。
項羽が敵に敗れた時に自害した彼女の血の跡に咲いた花ということから虞美人草という名前になっています。
悲しい由来ですが、今では見た目のかわいらしさやポピーという名前の方が印象深くなっていますよね。
日本でも雑草として生えていることも増えていますが、ヨーロッパでは赤い雑草と呼ばれているみたいです。
オレンジ色の花は、やはり悲しい場所よりも楽しくて明るい場所の方が似合う花ですよね。ただ、由来を知っている人に対しては贈り物に加えるのはやめておいた方が良いかもしれません。
「虞美人草」の花言葉
虞美人草の花言葉は、「慰め」です。中国の故事にまつわる伝説は悲劇的な話ですが、原産国のヨーロッパでは少し違います。
花の見た目にぴったりと合うような前向きな方向の意味合いが多いでしょう。慰め以外に感謝などもあるので贈り物にも使えると思います。
虞美人草は、白と赤がありますが前述の花言葉は赤の方の花言葉です。白の方の花言葉は、忘却など眠りなどです。
そういったこともあり、外国映画などでは追悼用に用意されていることも多いのでしょう。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の旬の行事は「三社祭」
蚕起食桑の時期は、東京の浅草がお祭りでにぎわう時期となっています。東京の下町を代表とする行事です。
三社というのは、一之宮、二之宮、三之宮を表しています。こちらのお祭りは、お祭り好きや下町の住人が集まってくる浅草では恒例行事みたいですね。
三社様と呼ばれています。期間は5月の第三金曜日から日曜日までの3日間です初日は、浅草芸者や田楽、手古舞や白鷺の舞などの大名行列が行われます。
三日目にメインの神輿が登場します。神輿は3社に合わせて3種類あります。過去に浅草寺のご本尊を祭ったと言われている3人の人物が神様として神輿で担がれます。
それは、土師ノ真中知とご本尊をすくいあげた人物と竹成兄弟の3人です。
戦前に家光公より寄進された神輿三基など七基の神輿がありましたが、戦争によって失ってしまいました。
現在の神輿は、氏子から奉納されたものです。見た目は、消失したものと違い現代的なつくりとなっています。一之宮の頭には鳳凰が飾られています。
他の二つの神輿には擬宝珠が飾られています。氏子たちが大きく神輿を上下左右に激しく揺さぶりながら各地区を練り歩いていくのですが揺さぶるのには意味があります。
わざと荒々しく神輿を扱うことによって、神輿に宿る神様の魂振りを行いうことができるとされています。
これによって神様の力を通常以上に高められると言われているのです。だから、豊作や豊漁、疫病の退散を願いながら神輿を担いで練り歩きます。
お祭り好きな人もそうでもない人も1度は訪れてみても良いかもしれません。この時期の日本全国共通する季節の行事と言えば梅雨入りでしょう。
梅雨入り前に季節を楽しむためにも梅仕事などに精を出しても良いかもしれませんね。シソジュースや梅ジュース、梅干しなどはこれから来るであろう暑い夏に向けてぴったりです。
夏バテを防いでくれる効果があるとも言われていますよ。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の運気アップの方法は「太陽の下に出る」
蚕起食桑の時期は、過ごしやすい時期です。蚕の餌になる桑の葉も青々としており、太陽の下で輝いているでしょう。
この時期は、まだ日差しがきつすぎないので積極的に外に出て太陽を浴びることを意識してみてください。
実は、人間は今も原始的な仕組みで動いておりずっと暗い場所にいると徐々に気がめいってきます。
鬱のような状態になってしまうこともあるでしょう。紫外線を浴びるのは肌に良くないと言われますが一定時間は太陽の光に浴びた方が良いのです。
健康のためにも定期的に手のひらを太陽にかざすようにしましょう。意外と太陽の光を浴びるだけで前向きになることができる場合も多いのです。
また、美しいシルクを生み出すために努力をしている蚕のように力を蓄える時期でもあります。
これから成功を掴むためにこの時期は努力をしておく時期でもあると言えます。自分で下準備をするということも大切です。
また、これまでは比較的目立たないようにしてきたかもしれませんがこれからは明るい太陽の下に立つように目立ってみても良いでしょう。
次第に成長し、成果を得る時期でもあるので今まで練っていた計画を実行に移すというのも悪くないはずです。
それだけでなく、もくもくと一人で続けてきたことが日の目を見るということもあるかもしれません。
まぁ、チャンスがやってくるのは間違いありませんが焦らず自分のペースをキープしてください。
蚕のように周囲なんて見ずに自分は自分の目的の為に黙々と集中すれば良いのです。そう考えると気持ちが楽になってきませんか?
絶対に成功しないといけないと思うからこそ本領が発揮できないということもあるはずです。
明るい太陽の下に出ると自信がないことも急に自信が出てきたり積極的になるということもありますよ。
あなたの内側から溢れてくる気持ちを一番大切にしましょう。太陽の下で過ごすというのは当たり前のようであり、現代人にとっては意外と難しいことだったりもします。
案外、真剣に考えるとしばらく太陽の下に出ていなかったことに気付くかもしれません。
他の七十二候の意味や時期の一覧
占い師秋桜のワンポイントアドバイス「外の世界に出て」
そんな感じに好きに過ごすことも悪くはないわよ。それによって、自分の新たな可能性を見出すことができるかもしれないわ。
だけど、1番大切なことは外に出ることよ。これまでの季節は外にでない方が良かったかもしれないわ。
だけど、この時期に関しては積極的に外に出ていく方があなたらしい時間を過ごすことができるわよ。
ほら、長い冬の間に少し後ろ向きになってしまったということはないかしら?そんな気持ちを夏仕様に入れ替えるチャンスでもあるわ。